若いキャストで、新しいチャレンジをするNHKドラマ

新ドラマが次々と始まってまいりましたが、その先陣を切ったのが、NHKの朝の定番の連続テレビ小説『瞳』と、ドラマ8『バッテリー』。“ドラマ8”というのは、NHKが新たに設けたドラマ枠で、若い人たちに見てほしいという希望むんむん。そして『瞳』も、主人公の一本木瞳がヒップホップダンサーを目指しているというのが、朝ドラとしては新しいところ。まだ始まったばかりだけど、この2つのドラマの見どころをチェックです。
●ここが新しい●
『瞳』は、札幌でダンサーを目指していた瞳(榮倉奈々)が、祖母の死を機に祖父の住む東京の佃島にやってくるところから始まる。祖父の勝太郎(西田敏行)は、いろいろな事情を抱えた子供を養子縁組をせずに育てるという東京都の“養育家庭制度”で、3人の子供たちの里親となっていた。亡くなった祖母の代わりに勝太郎をサポートしていくことになった瞳は、自分の夢のであるヒップホップダンサーになる目標に向かってがんばりつつ、里子たちといっしょに成長していき、家族の大切さを感じていくという話。
スタートが朝なのに、夜のストリートダンスのシーンからというのが新しかった。話についていけないおじいちゃん・おばあちゃんたちもいたかもしれないけど、とにかく見続けてほしいと思う。なぜなら、瞳のキャラがとにかくさわやかで元気。朝にピッタリの奈々ちゃんのスマイルは見てて和むし、間違いなく、「うちの孫の嫁に……」と将来言われることになるはず(笑)。それに、“養育家庭制度”と“ヒップホップダンス”の2つのテーマのコラボっていうのも、新しい。若い人たちにも里親制度の大切さを知ってもらいたいけど、なんとなく堅苦しくなっちゃうから、すんなり興味を持たせられそうなヒップホップダンスと組み合わせたんだろうね。そして、若い人にも中年以上の人にも、下町とか人情ものは定番だから、舞台は佃島。内容ぎっしりすぎです。朝から。母子家庭でさびしい思いをしていた瞳が、血がつながっていない里子たちと、家族というものを作っていく過程が見どころ。配役からもわかる、明るいノリで、今の日本の子育て状況も考えていけるのは、いいことだと思う。
また、『バッテリー』は、作家・あさのあつこの800万部の大ベストセラー小説をドラマ化したもの。中学生の原田巧(中山優馬)という、天才的なピッチャーだけれど、自分なりのこだわりが強く、人とはなかなか打ち解けられない少年が、永倉豪(高田翔)というキャッチャーと出会い、バッテリーを組むことによって、人を信じ、自分の道を信じて生きていく姿を描いていく話。
このお話は知っている人が多いし、「イメージ違う」とかいろいろ言われそうだけど、主人公の巧と相棒の豪を、今までまったくテレビ画面で見たことのない少年たちが演じてるのがポイント。確かに、演技やセリフがたどたどしいところがあるけど、それも、新鮮に見える。なんとなく身近に感じるし、自分たちが陰から見守っていく、一緒に育てていく……っていう感覚になれて、感情移入しやすい気がする。そして、演出では、野球のシーンでCGを使ったりしていて、映像も新しい。特にタイトルバックでは、なんと! 主人公が腹ばいになってるっ……と思わせる映像は、つまり走ってる映像をそのまま90度右に回転させてるわけです。それだけでびっくりで、掴みはOK(古いか)じゃない? 真剣なシーンとちょっとコミカルな部分のバランスもいい感じだ。テーマは友情や、自分自身との葛藤など、青春ものの定番だけど、今どき、こんな、まっすぐに真剣に何かに熱中する子供たちがいたんだ? って思うくらい主人公たちが不器用でピュアなのが新しい。「こういう子供なら育てたい」っていうOLとか増えたりして(笑)。
NHKのドラマは、なんとなく堅苦しいというイメージがあると思うけれど、ちょっとずつ、若い人にも興味が持てるように内容が変わってきていると思う。ちなみに時代劇でも、テンポのよさとストーリーのわかりやすさを意識して、“若い人たちも楽しめる新感覚時代劇”という触れ込みの『オトコマエ!』(NHK総合・土曜・夜7:30~8:00)が12日から始まる。主人公は福士誠治を抜擢。
あまりに若い人を意識しすぎて、今までの中高年のファンをないがしろにしちゃいけないけど、何か新しいものをやろうというパワーは、きっとおもしろい作品につながるはず。最近、私のNHK度が高くなってきたのは、そのせいだと思うんだよね。ぜひ、みなさんも食わず嫌いにならずに、NHKのドラマ、見てください。
『瞳』NHK総合・月~土曜・朝8:15~8:30
『バッテリー』NHK総合・木曜・夜8:00~8:43
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2008-04-10 | 固定リンク
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