地味にがんばっていたNHKのお笑いも変化するか!?

前回は、かなりマニアックな、そしてちょっと斜に構えたお笑い芸人発掘番組を紹介しましたが、ならば、近頃のこのお笑いブームにNHKはどう対抗してるのか……ということで、『平成19年度 NHK新人演芸大賞 演芸部門』という、名前からして重厚な番組を正座して(ウソだけど)観賞いたしました。その感想をチラッと言いたいと思います。
お堅いイメージのあるNHKですが、演芸に関しては、ずっと昔から新人発掘をしていました。この“新人演芸大賞”も、元は『NHK新人漫才コンクール』(1956年開始)と『NHK新人落語コンクール』(1972年開始)という、それぞれ別のコンクールだったものを、1986年に『NHK新人演芸コンクール』として一つにまとめ、さらに選定の仕方もリニューアルをしつつ1991年に『NHK新人演芸大賞』と名称を変更、1994年から部門別に大賞を選ぶ今の形になった、という長い歴史があるのです。演芸部門の参加資格は芸歴10年未満であること。審査のポイントは『演技力』『タレント性』『将来性』の3つ。2002年にはブラックマヨネーズが優勝してるから、『M-1』で優勝するよりもずっと早くブラマヨの才能には目をつけていたってことになるんでしょうかね。ちなみに2003年には友近、2004年には麒麟が優勝してます。そして、今年は268組のチャレンジャーの中から残った8組が決勝に進出し、それぞれ5分間のネタを披露。
最後に残ったメンバーは、のろし、ジャルジャル、安井順平、THE GEESE、アジアン、天竺鼠、我が家、オリエンタルラジオ。正直言って、全然知らないグループもあった。これは、かなりおもしろいかも……と期待したけど、結果はイマイチだったかな。4000組以上の応募の中から選ばれる『M-1グランプリ』に比べ、ちょっとパワー不足の感は否めない。それに、漫才に絞ってる『M-1』と違って、漫才、コント、ピン芸人とすべてOKのこの番組だと、見るほうも焦点が絞りきれなくて、比較がしにくいよね。それを感じさせずに「この人がいい!」と思えるほどのエネルギーも足りなかったのかもしれない。
まあ、そんな中でも、見たことなかったピン芸人・安井順平の、カセットテープを使ってひとりで演じる“ヤンキー同士の会話”は、細かい描写がくだらなくてよかったし、3人組で漫才をやる我が家は、意表をついておもしろかった。女しゃべくり漫才のアジアンはボケの馬場園さん(小太りのほうですね)の憎めないおバカな乙女っぷりがよくて、さすがって感じ。もう人気者だから、この手の番組に出て厳しい評価が出たらマイナスじゃん……と心配してしまったオリエンタルラジオも、武勇伝のネタを封印して、新ネタに挑戦。これが、ちょっとしたコメディドラマを見てる感じで、大げさで切れのいいあっちゃんのボケがよかった。でも、もっとネタで勝負してもいいかも。そんなふうに細かいところはそれぞれ発見もあったけどね。
そして、優勝したのはジャルジャルです。私は、お初にこの2人のネタを見たんだけど、これが不思議な感じ。野球部に入ろうとした男子が実は、バットの握り方もわからないので、先輩が一生懸命教える……というネタですが、ホントに見ててイライラした(笑)。そこまでバカなやつおらんやろ(関西風に言うとですね)というくらい、おバカ役の男子がひどい。バットを握るために手を広げるときに「はい、手をパーにして」と言っても、グーのまま動かないんだもん。それを手を変え品を変え、延々5分間ボケ続けるわけです。ただ、それだけのやりとりを5分間続けるのもすごいパワーがいるわけです。見ててイラっとくるくらい長い! 審査員の松尾貴史も、「キミらアホやろ」と本気で笑いながらもあきれてたくらい。まさにジャルジャルというコンビならではのなんともいえない雰囲気を作って周りを巻き込んだという感じ。高校の同級生で2003年にコンビを結成したという2人は、関西ではかなり人気が出てきてるらしい。これから、急に売れちゃうかもしれませんね。
まだ一般的に有名でない人ばかり出ているっていう感じが、彼らをこれからきっちり育てようというNHKっぽさの表れなのかもしれません。去年優勝した、しゃべくり漫才のNON STYLEも東京ではようやく認知されてきたくらいだもんね。地道に、コツコツと一生懸命にがんばる人のためにある、いい賞ということは間違いないでしょう。天下のNHKはなんといっても全国放送。故郷に錦を飾るには、これに出ておいたほうが地元の人にも説明しやすいし(笑)。
そして、12月15日には『平成19年度 NHK新人演芸大賞 落語部門』の放送もあります。ふだんはめったに見ない落語。今、落語ブームといわれてるけど、1回もちゃんとしたものを聞いたことない人も多いはず。落語の入門編として見ると、お笑いの奥深さに触れられるかも。
『平成19年度 NHK新人演芸大賞 演芸部門』NHK総合・12月8日・深夜0:20~1:20放送
『平成19年度 NHK新人演芸大賞 落語部門』NHK総合・12月15日夕方4:20~5:30放送予定
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2007-12-13 【テレビ】 | 固定リンク
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