難しいかもしれないけど、「もっと強くなれる」自分を見つけたい。

最近、ニュース番組などでも特集される社会問題が“イジメ”。同じようなささいな揉め事がきっかけでも、当事者が学生か社会人では、その受け止め方も大きく違う。2つのドラマ『女帝』と『ライフ』で描かれている、場所と世代の違うイジメの実態と、それに立ち向かう主人公の“強さ”ってものを考えてみました。
●いじめのパターン●
『女帝』は、ビンボーな家で育った彩香(加藤ローサ)が、自分と病気で亡くなった母親を金と権力で踏みにじった人間たちに復讐するため、誰もがひれ伏す夜の世界の“女帝”になってやろうと、女を武器にのし上がっていく……という話。クラブのホステスという職業柄、お店のNo.1にいじめられる。現段階での天敵は麗子(小沢真珠)。麗子のイジメは、「このズベタ!」「あんたがいると田舎くさくなる」と真っ向からの言葉の暴力。そして、ドレスを引き裂いたり、情報網を使って、彩香を貶める手段を探るっていう手口。女の嫉妬の炎は年齢とともに燃え盛るってもんで、容赦ない。イジメてるときの麗子の恐ろしい顔! こんなコワい顔になってるよ、って鏡を見せてあげれば、すぐにイジメるのをやめると思う。小沢真珠のイジメっぷりは、もはや誰の追随も許さないほどの迫力っす。
『ライフ』は、中学のときに親友の自殺未遂という体験をして、友達関係に臆病になっていた歩(北乃きい)が、高校で新しく愛海(福田沙紀)という友達を作る。しかし、愛海の彼の佐古(細田よしひこ)をとったと勘違いされ、愛海を始めクラスメートから過酷なイジメにあうが、負けずに立ち向かっていく……という話。上履きや教科書を隠す。ノートや黒板に“死ね”など、ひどい落書きをする。クラスのイベントなどは、徹底的に無視される。大人だったら、違う場所で働くとか、逃げ場がある。でも学生だと、親にイジメられてることを言うのも嫌だし、登校拒否も親に心配させるからできない……とどんどん追い詰められていくのがわかる。それに大人のイジメと違って、バレないように、陰でじわじわと精神的に追い詰めていくイジメ方なんだよね。感性が鋭い学生時代のイジメのほうが、絶対にツライと思う。
●主人公の強さ●
『女帝』の彩香は、とにかく根性が入ってる。「いじめられるほど闘志がわく」と言い切るのがスゴイ。のし上がるためには女の武器も使うし、そのことについて何を言われようとも、最終目標の“女帝”に成り上がるためには、受け入れる……と心に決めてるし。すごく好きなヤクザの直人(松田翔太)にも、『体は高く売る』と抱かれるのを拒むほどなんだもん。直人も見守り系で、けっこうピュアラブ。自分の野望もすべて話した直人がいるからこそ、彩香はさらに強くなってるのかもしれない。やっぱり、大人の世界では……女は好きな男がいることが、心の支えになるもんなのね。
『ライフ』の歩は、クラス全員が敵みたいなもの。直接イジメてる愛海グループ以外の、知らん顔してるクラスメートも同じ。助けようとはしてくれないんだから。それでも、「大丈夫だよ」と無理に笑顔を作る歩の姿は、痛々しくて見てられなかったなぁ。でも、ふと自殺願望が頭をよぎったとき、今は辛いし、どうしたらいいかわからないけど「生きていたい」と思う気持ちがあったから、歩は踏ん張れたんだよね。最後に投げやりにならずに、もう一度自分の心を見つめなおす勇気があったのが、歩の強さ。そして、それを支えてくれたのは「私は信じる」といってくれた未来(関めぐみ)の存在。たった1人でいいんだよね。自分の味方がいれば、がんばれるんだよ。きっと。「私は、負けない」とイジメに立ち向かう決心をした歩の顔、かっこよくなってた。自分でこうしたい! という意志を持つことで、強さはパワーアップするもんなんだね。
『女帝』は、ホステスという職業限定だから、身近に感じられないかもしれない。『ライフ』は、あまりに身近すぎて、つらい体験を思い出して、直視できないかもしれない。でも、ドラマの中の主人公が、ツライ出来事があって、苦しんで、もがいて……その中から、自分でこうしようという答えや、行動を見つけていく過程は、何かしら、自分の生きるうえでのヒントや救いになると思う。人は、こんなに強くはなれない。でも、必死に前に進もうとしていく姿を見てるのは、辛いけど……勇気をもらえると思う。
『女帝』・朝日放送・テレビ朝日・金曜夜9:00~9:54
『ライフ』・フジテレビ・土曜夜11:10~11:55
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