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[テレビ]-ちひろ&昌子の- テレビ、今週のツボ

●桜井ちひろ(文・右)
雑誌ライター。三度のご飯よりもテレビが好き。テレビに「そりゃ、ないだろっ!」とツッコむのが趣味。そして外に出ず、体重増加に悩む日々。でもしあわせ。

●藤井昌子(絵・左)
コミカルイラストレーター。漫画家。このお仕事のおかげで、すっかりテレビ好きのドラマ好きに。そして引きこもりに拍車をかける日々。でもしあわせ。

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日本人がなぜか大好き! フィギュアスケートとシンクロナイズドスイミング大健闘!

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フィギュアスケートと水泳のシンクロ競技の世界選手権、大盛り上がりでした。日本が金メダル、銀メダルを取った世界フィギュアスケート選手権の女子の番組は、なんと、最高視聴率が50%を超えたっていうから、びっくりです。そこで、フィギュアスケートやシンクロのどこがそんなに日本人の心をひきつけるのか、考えてみました。

●スポーツだけど優雅な舞●
フィギュアもシンクロももちろん、テクニックが必要だけど、音楽に合わせて、体全体で曲のイメージを表現するのもとっても大事。特にフィギュアは、「ずいぶんと感情表現がうまくなりましたね」なんて解説されるくらい、喜怒哀楽などを審査員にわかるようにアピールするのは大切なことらしい。シンクロも曲に合わせての構成がしっかりしてないと、同じテクニックを持っていてもダメっぽいし。

スポーツということも忘れて、「すごくキレイだったね」とか「華があるよね」なんていう会話もできちゃう美しい舞のような優雅さがあるから、見ているだけで楽しい。シンクロのソロのフリーで、一夜限りということで復帰したフランスのヴィルジニー・デデューの、マリア・カラスの生涯をイメージした演技の美しさにため息だったものね。そして、フィギュアスケート男子で優勝したフランスのブライアン・ジュベールを始め、選手がイケメンかどうかで話題になるのも、そんなステキな容姿も込みで楽しみたいという気持ちがあるからだと思う。

そんな風に、スポーツなのに、キッチリと白黒つけられない部分があるのは、いかがなものか……という人もいるかもしれないけど、こーゆーのが全然OKなのは、国民性なんじゃないかと思う。あいまいなことがあって当然、それも含めての評価を受け入れるっていうか。ダメなとこ以外も見つけてあげて、いいところをほめるっていうか……。技術にプラスして考えられる余地があるから、日本人が好きな競技なんじゃないかな。

●細かくて、キッチリした技術もある●
優雅だけじゃなく、もちろん、それを支える技術のよしあしが、ちゃんと出るっていうのも大切。小さいものもキッチリ作れる職人気質の日本人。細かいミスには厳しい。たぶん。フィギュアでは、ちょっとの着地ミスで転倒したり、シンクロでは気を抜くと同調性が乱れたり……。ほんの1秒の動きが大きなミスにつながる。その細かさを追求する美学がたまらないんですわ。けっこう「あそこ半回転足りなかったよね」とか、「ロシアのシンクロは足が斜めになってるときもぴたっと合ってる」なんて、語っちゃいそうなオタクの人とかいっぱいいそう(笑)。

●日本が強い●
これを言っちゃー、おしまいよ……ではありますが、やっぱり、両方の競技とも日本はがんばってました。メダルを取ったミキティー(安藤美姫)、高橋大輔くん、浅田真央ちゃんはもちろん、惜しくも5位だったけどスピンがすばらしい中野友加里ちゃん、今回はちょっとミスしちゃったけど、愛嬌はたっぷりの織田りん(織田信成)と、フィギュアは若手が大躍進。みんな、体型もスッとしてるし、特に高橋くんは、今までの男子フィギュアではダントツのいい男で、うまい。強い選手は何をしてもキラキラ光ってるよね。シンクロでは、メダルをいつも取っている安心感もあったけど、今回から、女王ロシアは別格として、スペインや中国が日本のコーチを招聘して、実力が急上昇。その僅差の戦いにハラハラして、さらに盛り上がった。そんな強さがあるから、見てて応援しがいもあるってもんです。

ただ、最近のスポーツ特番は、よりエンタテインメントを目指しているようで、競技のみでなく、選手たちの試合前に密着したり、素顔を追っかけたり、競技後もすぐにインタビューに答えなくちゃいけなかったり……。競技だけに集中できなさそうでちょびっと、かわいそうな気がした。もっと競技のことだけ考えられるようにしてあげたほうが、いいと思うな。

世界水泳は今、競泳で大会のラストが盛り上がってます。競泳は外国勢がかなり強いけど、日本の選手も度胸もあるし、すごいがんばってます。最後まで盛り上げてこう。スポーツって見てるのも楽しいよね。掛け値なしの真剣勝負は、やっぱり、心にずんと響くよね。みんな、ファイト!

●大会開催期間
世界フィギュアスケート選手権大会 東京  3/20~3/25(フジテレビ系)
第12回世界水泳選手権大会メルボルン2007 3/18~4/1(テレビ朝日系)

 
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2007-03-29 【テレビ】 | 固定リンク | コメント (0)

人間と動物の絆のあったかさと芸の怖さも描いたドラマ

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「反省!」というと、太郎さんのひざに申し訳なさそうに手をのせる猿の次郎……。そんな人間と猿のコンビ
をテレビで一度は見た人も多いと思う。最近はテレビで見る機会が少なくなったせいか、猿の次郎のことは忘れてました。あれだけ、感心して見ていたのに、人間って冷たいねー。でも、久しぶりに太郎と次郎がスペシャルドラマになって、改めてその演技のおもしろさと猿とのコミュニケーションがとれる太郎さんのすごさに感動。そのドラマの感動ポイントをチェックしてみました。

●坂口憲二の人の良さが光る!●
太郎役の坂口憲二、すばらしかった。何がって、ホントに次郎役の猿の輝(ひかる)とコンビで猿回しできるくらいの仲のよさが、画面を見てるだけで伝わってきたもの。猿がめったにしないという、人間への毛づくろいも坂口憲二にやってたしね。あれは演技だけの関係ではできないと思う。坂口憲二が猿に対して、心を開いて体当たりしたのがわかる。あれだけ動物に好かれるんだから、本当に心に壁のないいい人なんだなーと勝手に思いました。“反省”のポーズも、ジャンプで輪をくぐりぬける技も、太郎と次郎のコンビといえば笑いをとるボケの演技も、どれもちゃんと演じてたもんね。猿回しの腕もいいのでは? それに初代の次郎が急に死んでしまったときの悲しい表情とか、思わず、ポロリでした。きっと、どんな動物と組んでもうまくいくはず。これからは、動物関係のドラマをやるといいと思います。

●猿の演技は文句なし●
最近は、野生の猿が悪さをするというニュースが多かったので、猿はコワいって思い始めたけど、次郎、やっぱりかわいい。それに、演技、うまい。猿の芸は侮れない。ここぞってときに「ほー」と鳴いたり、悲しげな目で太郎を見つめたり……役者でした。一番、いいなって思ったのは太郎の指を、信頼してるよ……って感じでぎゅっと小さな手で握り締めるところ。ああ、心がつながってるんだなって、その手の動きだけで、わかって胸がきゅんとしました。

●芸の怖さ●
フツーなら、猿と一緒にがんばってきた……っていう成功物語、または、動物愛情物語になっちゃうところだけど、猿回しという伝統芸能の奥深さと、芸人の葛藤を描いているのもよかったな。『笑っていいとも!』に出て一気に人気が出たせいで、太郎が調子に乗ってしまい、自分が偉いと勘違いするところは、芸人がダメになる裏を見た気がした。急にど派手なスーツを着たり、外車を乗り回したり、六本木で遊びまくったり……ベタベタな成り上がり芸人みたいになっちゃうところが、ホントにリアル。芸能界って、やっぱり怖い世界なんですね。小林ディレクターが「芸人をなめんなよ」と太郎にいった一言は迫力あったな。小林役の鶴瓶がまた、拍手モノの怖い演技! 調子に乗って浮かれてるのを、しっかりと抑える人が周りにいたから、太郎と次郎の芸は残っていったんだなってわかる。これを見て、ヤバイと思った芸人の人たちもいるかもね(笑)。

このドラマを見て、太郎と次郎のような信頼関係を、今、飼っているペットたちと作りたいと思った人もいるかもしれない。でも、きっとそれは、作れないんじゃないかな。やっぱり、次郎は猿だけど、太郎と一緒に“芸”をしているって思ってる気がするもの。それは、芸のプロ同士の信頼関係なんだと思う。これからも新しい芸と昔からの伝統芸の両方を続けて、がんばっていってほしいです。太郎も次郎もがんばれ。できたら、猿回しの一員として坂口憲二さんも参加してほしいかも(笑)。

『太郎と次郎~反省ザルとボクの夢~』フジテレビ・3/17(土)夜9:00~10:54放送

 
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2007-03-22 【テレビ】 | 固定リンク | コメント (0)

なつかしテイストの親子愛……誰でもハマる話だから引っ張りだこ!

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リリー・フランキーが書いた『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』は200万部を超えるベストセラー。本が売れないと言われてる時代に、驚異的な売れ行き。そして、この本を原作にして、テレビドラマ、映画、舞台までも作られている。いったい、どこにそんなに人をひきつける魅力があるのか。ちょっと考えてみました。

●重要なお母さんのキャスト●
最初の2時間ドラマ(06年11月18日にフジテレビで放送の同名の単発ドラマ)では田中裕子、現在放送中の連続ドラマでは倍賞美津子、そして、映画では樹木希林、舞台では加賀まりこがオカン役になっている。どの女優さんも、実力派。オカンのキャラクターは、気が強くてバンバン言いたいことを言うけれど、心はとっても優しくて、困った人がいると面倒見ちゃう。そして、バカがつくほど息子を溺愛してる。……フツーに考えると、女子的には、姑としては一番出会いたくないキャラだもんね、この“オカン”は。それを“なんて、いいお母さん”と思わせるのは、なかなか難しい。誰からも、どの年代からも、男女にかかわらず、みんなが「わかる、わかる!」と言えるお母さんを演じられるキャスティングをしているから、みんな、よけいにこの話を身近に感じて、ハマっちゃうんだな。

●“ボク”に自分を重ねられる●
主人公のボクは、2時間ドラマでは大泉洋、連ドラでは速水もこみち、映画でオダギリジョー、舞台では萩原聖人。演じてる人はなんとなく、ボーッとしてるイメージ。電車の中で何回か会ってそうな、身近な感じ。あ、もこちゃんだけは、ちょっとタイプ違うかな? 性格設定が“優柔不断”で、やることなすこと、結構いい加減。それも前向きじゃなくて、どーしよーと思いつつウダウダしてしまう。そんなダメダメな感じの人が主人公だから、共感できる。この“ボク”は才能はあったけれども、周りに流されて、なんとなくイラストレーターになって、なんとなく生きてる。そこが、学生のときにダラダラしてたとか、やりたいことがわからなくて、落ち込んでた……そんな、誰もが持っている、ちょっと投げやりなときの“自分”を思い起こしちゃうわけで、つい、懐かしさもあって見ちゃうんだよね。

●お母さん大好きと大声で言ってOK●
世の中では一般的に“マザコン”というのは、結構バカにされる風潮があって、特に男の人がお母さんをやたらと大事にすると、親孝行とは思われないで“自立しない男”と思われがち。この“ボク”も“オカン”に甘えてるし、頼り切ってる。“オカン”も息子を「まーくん」って愛称で呼んで、いい年になっても、まだ6つの子供のように世話を焼く。そんなベタベタな関係。なのに、それを見ていると、今の自分が“お母さんが好き”と言えなくても、ボクとオカンのようなちょっと密度の濃い親子愛をうらやましいと思ってしまう……。でも、それは自然なこと。それでも、いいんだよ。変じゃないんだよって、この話は言ってくれてるので、見てる人はほっとするんだよね。今まで、照れくさくて言えなかった『お母さん、ありがとう』『お母さん、ごめんね』の言葉。自分が言いたかったことを代わりに表現してくれる……だから、この話は、いろんな世代を超えて、人気がある話なんだな。

そして、物語の終わりは……オカン、亡くなっちゃうんだね。覚悟していても、自分より年が上なんだから、必ず先に天国に行くとわかっていても、なかなか受け止められないよね、母親の死は。テレビドラマのまーくんは、それをどう受け止めるんだろう。きっと、いろんな人が、自分とお母さんの姿を重ね合わせて、号泣でしょう。想像するだけで泣けちゃうよ~。

『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』 フジテレビ・月曜夜9:00~9:54
映画は4/14から全国公開
舞台は7/5~7/16まで、天王洲・銀河劇場にて

 
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2007-03-15 【テレビ】 | 固定リンク | コメント (0)

『華麗なる一族』を見て、男子の野望は尽きることなし……と発見!

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木村拓哉の主演と、テレビドラマでは考えられない大物大集合の豪華キャストで、始まる前から、何かと注目されてきた『華麗なる一族』。実際、始まってみると、私の周りでは、女の人より、ふだん、テレビドラマなんてあまり見ないサラリーマンのおじさんが、やたらと“万俵家”について、語っていることに気づいた。そこで、なぜ、男の人が『華麗なる一族』にはまるのか考えてみました。

●日本を動かすという壮大なテーマ●
主人公の万俵鉄平(木村拓哉)が生きていたのは昭和40年代。当時、日本の発展に欠かせないといわれていた鉄鋼業界の最先端にいて、世界に通用する技術を広めるためにがんばるというのが大まかな話。そこに、大手企業の嫌がらせがあったり、たくさんある銀行をまとめようという、政府の金融再編の動きも絡んだり、と、とにかく壮大なテーマのドラマで、男たちの画策や、足の引っ張り合いなどが、リアルに描かれている。自分の信じた道を進むために、負けまいと歯を食いしばってる鉄平の姿に「頑張れ!」と、おじさんたちは言いたくなるみたい。会社での自分のことも考えて、ひしひしと鉄平の気持ちが伝わってくるんだろうね。それに、男の人って、いろんな業種の裏を描いた漫画とか大好きだもんね。女子的には、世界のことや日本のことよりも、身近な恋愛のことのほうが重大だけど。

●男と男の非情な戦いと弱い一面●
自分の大切な銀行を大きくするためには、自分の息子でも情けはかけずに切っていくという万俵大介(北大路欣也)と、そんな父と対決しようとする鉄平。この非情な戦いは、まさに弱肉強食。手に汗握る緊迫の展開に、さらに自分の中の鉄平気分がアップ! そして、強い男たちがふと見せる弱い面。例えば、大介が、鉄平は自分の父親の息子ではないかと疑って悩み、肩を落とす姿。鉄平が、「お父さんにかわいがってもらいたかった」と涙ながらに訴えるところ。クールな銀平(山本耕史)が、父に反逆した鉄平に抱きついて、「自由になりたい」とつぶやく……。そんな人間くさいところがふっと見えるところが、「男にしかわからない世界だぜ、俺と同じだ~」と、萌えポイントになってるのでは? 

●ゴージャスな生活●
タイトルどおり、生活とか、超華麗! だって、奥さん(誰が奥さんだよ)、門から玄関まで車で10分かかっちゃうという大邸宅なんですよ、万俵家は。庭にはデカイ池があって、ものすごーく高い錦鯉がいっぱい。中でも「将軍」は金色なんですから! お正月に一家が集まって高級ホテルでお食事するとか、そのときに着ている服がドレス! それに、家族なのに敬語で話し合う……。とってもわかりやすいお金持ちの生活。だからこそ、フツーにうらやましい!? おまけに愛人と妻と一緒に暮らしてて、文句も言われないんだから、男の夢がぎっしりのシチュエーションだよね?

とにかく、権力、地位、名誉の欲望を満たすためにひたすら走っていく男たちのギラギラした世界。それは昭和の高度成長期が舞台になってるからかもしれないけど、わかりやすくて、自分の中に押さえ込んでいたその手の欲望に火がついちゃったって感じで、楽しいのかな。いやなやつだと思いながら、万俵大介のように権力をつかみたいし、その強大な力につぶされそうになりながらも、立ち向かっていく万俵鉄平の不屈の精神をも持ちたいと願う。まさに男の野望と夢がギッシリのドラマなんだと思うわけです。

私は、このドラマを見ると、万俵家にかかわる女たちの悲しい姿に涙ですよ。切ないよね、女は。ただ男の周りでうろうろしてるだけ。そんな時代に生まれなくてよかったとつくづく感じます。……だから、女の人は、このドラマにイマイチのめりこめないのかも。これから、さらに男同士の戦いはハードになっていきそう。鉄平は大介に負けてほしくないなー。

『華麗なる一族』 TBS・日曜夜9:00~9:54

 
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2007-03-08 【テレビ】 | 固定リンク | コメント (0)

『わるいやつら』を見て、松本清張三部作を考えてみた

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夜の時間で昼ドラっぽいドロドロな感じが受けた松本清張原作のドラマ。明るいサバサバ系のお姉さんというイメージだった米倉涼子が、このシリーズに出演して一皮むけて、一気に女の色気としたたかさを持つ“悪女”系の大人の女優に変身したっていう感じだもんね。今回放送の『わるいやつら』が、松本清張三部作の最後ということで、どこがみんなのツボだったのか、ちょっと考えてみました。

●地味なオンナが男を踏み台にして変わっていく●
『黒革の手帖』では、銀行のOLがお金を横領して、銀座のクラブのママに華やかに転身。『けものみち』では、病身の夫を介護して疲れ果てていた女が夫を殺し、政財界のフィクサーの愛人になり、富も夢だったジュエリーデザイナーの地位も手に入れる。そして『わるいやつら』では、好きな男に裏切られた看護師がいろいろな手を使って復讐をしていく。最初はパッとしない女が、大物と付き合ったり、華やかな世界をのぞいたことによって、見た目から美しく変わっていく。そして、心も強くしたたかに。女としてはうらやましい。あんなふうに、お金をいっぱい使って、キレイになって、男の人を鼻であしらってみたーいって思うもん。男をステップアップの道具として操ってるってところも、見ていてスカッとしちゃうのよ。

●女のバトル●
『黒革の手帖』では
、元子(米倉涼子)が波子(釈由美子)と銀座の一流クラブのママの座をめぐって、激しく戦った。イヤー、波子、すごかったよね。欲望ギラギラむき出しで。『けものみち』では、民子(米倉涼子)に愛人の座を奪われた米子(若村麻由美)が、笑顔でちくちくと嫌味を言う姿にぞぞーっとしたもんです。『わるいやつら』では、戸谷(上川隆也)の愛を独り占めにしようとする豊美(米倉涼子)とチセ(余貴美子)と隆子(笛木優子)の、嫉妬心を抑えつつの静かな会話が怖かった。女を引き摺り下ろすのは女だ!ってことで、そのドロドロぶりがたまりません。

●ちょっとうらやましいエロ●
男の人もこの三部作にハマってるのは、男として、一度はやってみたい、ちょっとエロな憧れシチュエーションが満載だから……たぶん(笑)。やっぱり、地味な女を自分の手で育ててキレイにしていく。高級クラブで美人のお姉さまたちと楽しく遊ぶ。愛人に無理難題を言う。突き放しても「あなたが好きなの」といってすがり付いてくる女がいる。そんな金も地位も権力も持っていて、モテる男……を自分と重ね合わせて、ささやかな欲望が満たされたりするんじゃないかな。女からみると、たとえば『黒革の手帖』の美容外科院長の楢林(小林稔侍)の「いいだろ、おいおい」みたいな直球スケベおじさんを見ると、「ホントに男って……ちょろい」と思って、違った意味でおじさんあしらいの勉強にもなったりしました(笑)。

●女と男の愛の戦い●
まあ、主人公の女の人たちは、しっかり一人で生きていこうとは思いつつ、やっぱり、男の人と真実の愛を貫きたいと思っている……そんな乙女心の純情や弱さが見えるから、わかるわかる~とも思うわけね。お互い、好きという気持ちはあっても、出世や自分の夢を阻む敵だったりして、なかなか素直に愛の世界に飛び込めない。その愛の探りあいにハラハラして、目が離せなくなっちゃうのよね。

『黒革の手帖』と『けものみち』のラストは、出てくる女も男も、自分の思い描いていた姿とは違った……という切ない終わり方になっていた。だから、ドラマが終わると同時に夢から覚め、「おいしい話はありませんわ」と、すぐ現実に戻れてよかったのよね(笑)。『わるいやつら』では、今までメインだったのは戸谷だったけど、ようやく、豊美が男にすがる女から、男を手玉に取る女にパワーアップしてきたので、見る張り合いが出てきたってもんです。思う存分、女にいたぶられる男の人の姿を楽しみましょう。現実でできない分だけね。

『わるいやつら』朝日放送・テレビ朝日・金曜夜9:00~9:54

 
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2007-03-01 【テレビ】 | 固定リンク | コメント (0)

 
 
 
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