「暁山」にお伺いした後、記子さんと五条坂を散策しました。前々回にご紹介した「河井寛次郎記念館」の並びに、美術割烹陶器を扱う「田村莱山(たむららいざん)」さんがあります。先日、莱山さんで見た急須がとても気に入って購入したばかりです。そこを二人で通りかかったところ、田村さんがお店から出てきてくれました。
「莱山」も「暁山」と同じく、私にとっては大変敷居の高いお店です。が、私が生粋の京都人ではないせいか、少々安易に「ごめんください~」と敷居を超すところが、長所であり短所であり…。田村さんと記子さんはご近所だけど、記子さんは「莱山」に入るのは初めてなんですって。
「莱山」は美術割烹陶器を扱う、名料亭や陶器好きの方々のためのお店ですが、それに限らずどんな方にも「京都の本物」を見て購入できるお店でもあります。
莱山では、30名ほどの作家の陶器を揃えており、特に「村田真人」さんのものがお薦めとのこと。こちらは「赤絵花鳥紋片口」「赤絵麒麟紋片口」「赤絵花鳥紋瓢形徳利」「赤絵花紋酒杯」。
陶器にそれぞれつけられている名称は、どうやって付けられるのですか?と尋ねました。「もともと作家さんが名称を付けている事もありますけど、一般的に、“作風+紋様+形状+アイテム”という順番で呼びます。先ほどのものを例にしますと、赤絵(作風)、花鳥紋(紋様)ひさご型(形状)、徳利(アイテム)と言う事になるんですよ」。なるほど…。一つお勉強になりました。
「五条坂の南側は元々、窯元、職人の町なんです。反対に北側や清水寺のあたりは商いの町なんです。五条坂の北と南は性格の違う場所なんですよ」。莱山は、五条坂南側。初代莱山は作陶をしていたため、その名残でこの場所に店を構えておられるそうです。お店から歩いてすぐのところにある「方広寺」。そこにある大阪冬の陣・夏の陣のきっかけとなった(方広寺大仏殿の梵鐘)を鋳造するのに使われた大きな池があり、その池の跡がお店の庭にあるのだそうです。町の名も「鐘鋳町(かねいちょう)」。
五代目、田村健夫さん。ちょうどお客様もおられなかったので、お言葉に甘えてゆっくりとお邪魔してしまいました。
田村さん、陶器の事には厳しい目をお持ちなのですが…、とにかく、すごく楽しくて面白い方。田村さんと記子さんのお二人は偶然同じAB型で、訳もなく固い握手をかわし、またまたみんなですっかり意気投合。数珠つなぎのように、嬉しい出会いが続きました。
こちらは、先日購入した木村宜正(きむらのりただ)氏の急須。
藤蔓(ふじつる)の取っ手が素朴で、温かみのある色や艶、柄が気に入りました。お茶もたっぷり入り、テーブルの上にちょこんと置いてあるだけでも印象深い急須です。今日は五条坂でとっても楽しい時間を過ごしました。
「田村莱山」京都市東山区五条坂八幡前南入鐘鋳町394
075(561)2626













