鴨川おどりの時間まで少し時間があり、歌舞練場の近くでお茶でもしようと思いました。どこにしようかな? 三条木屋町には、私の好きな「小川珈琲」があります。今日はそこを通り過ぎ、気になっていた「直珈琲」に行くことにしました。
「直珈琲」の事は、とある人から聞いていて、何かの折にと、リストに入れていたお店です。木屋町通りから西に入ったところ、花政、文久、ニーノ、ランポと、良い雰囲気のバーやトラットリアの並びに、いつの間にかすーーっと紛れ込んでいた「直珈琲」。これ以上のシンプルは無いけれど、これ以上の上質は無いような・・そんな室内。ただ花一輪が飾られていて、あと目に入るものと言えば、珈琲を入れるためだけの少しの道具だけです。品書きは、珈琲が数種類と冷たい飲み物(だったような)。私は酸味のある珈琲が好きなので、酸味と少しこくのある「グアテマラ」を頂きました。
京都の珈琲店「イノダ」で下積みをしていたという渡辺直人さん。静かに静かに、丁寧にドリップしていきます。何か個性があるのだけど、それを強く感じる事もないし、押し付けがましいところもない。なんだか、心地が良いのです。心地が良い上に、珈琲がとても美味しい! 京都も美味しい珈琲のお店が沢山あり、それぞれに個性があるのですが、主張しすぎると居心地も味も悪くなってしまい、そのあたりが微妙だな~と思うのです。自分の好みに合ったお店を何やかやと言いながら探すのも楽しいですが、今日はなかなか見つからないそんなお店に巡り合えたような気がします。「昼間に一人で珈琲を飲みに来るような女性はいいですね。」そうですね、確かに。余韻を楽しめる人には、とっておきの珈琲店でしょう。空間、時間…何かと何かの間、残る風情や味わいを、ひとりで楽しむことが好きな方のためのお店。
「一人でよくこんなお店をされましたねぇ、すごいですね!」と私が言うと、「いえいえ、誰にでも出来ますよ」と、本当に控えめなお答でした。誰にでもできるなんて、私は思いませんけど!「この前も、小川珈琲のバリスタチャンピオンの岡田さんが突然いらしてくれたんです。」目と鼻の先の小川珈琲に日本バリスタ1位の岡田氏がいます。渡辺さんは、岡田氏の来店の話をとてもうれしそうに話してくれました。京都は職人技を磨くのに適した土壌なのか、優れた職人が多く、何につけても質が高いな、と思う事がしばしば。
「そう言えば、岡田氏は金曜日に小川珈琲に来店してますね」「あ、そうでしたね!鴨川おどりの帰りに寄ってみますよ!」ん~、何で居心地良いかって、渡辺さんがいい感じ。
鴨川おどりの帰りに、知人と一緒に「小川珈琲」に立ち寄ると、まさしく、ジャパンバリスタチャンピオン(全世界では10位)の岡田氏が、カウンターの中で忙しく立ち回っていました。こちらではカプチーノを頂き、先ほどの「直珈琲」の話をすると「直珈琲行かれたんですか!私も3日前行きましたよ。あそこはいい店です!」同じ職人魂を持つ者同士ゆえか、お互いを認め合い尊重する姿に、何だか羨ましさを感じたのでした。
「直珈琲」11時半~22時 電話は非公開
京都市中京区河原町三条上ル二筋目東入ル恵比寿町534-40