ブラッド・ピットの仰天和食
日本に来る映画スターたちはどんな物を食べているのか。
これは多くの方が興味を持ち、よく聞かれる質問だ。
その昔、「ガイジンの好物ははスキヤキとテンプラ」という定説が
なぜか広く信じられていたが、私は誰ともスキヤキをいただいた記憶はない。
正体不明のもの(肉らしいもの、野菜、豆腐、白滝etc.)が、鍋の中で
ぐつぐつ煮えていて、それを生卵につけて口に運ぶというのは、
ハッキリ言って、彼らの好むところではない。
『E.T.』撮影中?のスピルバーグ監督&ドリュー・バリモア。若~い!
ハリウッドで決定的な日本食ブームの先駆けとなったのは、
なんといっても“スシ”だろう。
それも映画業界では時代の先端を行くセレブから広がっていった
というところが面白い。
若き革命児だったスティーブン・スピルバーグは、『E.T.』(82年の昔!)時、
そのオフィスを訪ねたると、そのころはあまり数のなかったスシ屋から
とった出前のスシをつまんでいて、「ボクのランチはいつもスシ」と言い、
「トロ、ハマチ、カッパマキ...」と、すらすらネタまで日本語で
出てくるのでビックリしたものだ。(今では、そういう人はザラだけど)。
一方、当時、撮影所で働いている庶民レベルの人たちは:
"Raw fish? Yak. Not for me!"
「生魚? ゲッ! 僕はごめんだね」
などと、まだ落差のある発言をしていた。
もちろん今はこういう人も日常的に“スシ”を食べているはずだ。
その次にハリウッドのセレブ連中のお気に召したのが“ジャパニーズ・ヌードル”。
つまり“ソバ”と“ウドン”だ。だが“ヌードル・ショップ”は
“スシ・バー”ほど乱立しなかったらしく、もっぱら日本に来たときに
本場のヌードルを追いかけていた。
たとえばフランシス・F・コッポラ、ダスティン・ホフマン。
ただ“ざる”“かけ”などはシンプルすぎるらしく、
てんぷらとか鴨などをのせたタネものがお口に合うようだ。
“ラーメン”をジャパニーズ・ヌードルとするならば、
キアヌ・リーブスが日本に到着早々、いつも禁断症状的にラーメン屋に
駆け込むほどであることは超有名。
05年『コンスタンティン』PRでレイチェル・ワイズらと来日したキアヌ。
左に戸田さんの姿が。この後もラーメン屋さんへ駆け込んだ!?
“日本食ブーム”といっても、懐石料理ほどに味つけが繊細になり、
また素材が正体不明になってくると、「盛りつけや器が美しい!」とは言うのだが、"Delicious!"「おいしい!」と、感嘆の声があがるまでにはならない。
そこまでの日本のビミョー味がわかるのは、形態と食感でたいてい人が
敬遠する“ウニ”や煮物までが大好物のリチャード・ギアとか、
「アユのあのホロ苦さがたまらない!」と目尻を下げていた
トミー・リー・ジョーンズぐらいだ。
これは93年の『心のままに』の来日会見。戸田さんの姿も
また外国人ならではの、ユニークなコンビネーションを好むスターもいる。
ブラッド・ピットがルームサービスで好んで注文していたのは
「ミソ・スープとハンバーガー」!
わが家でおみそ汁が残ったときに、一度マネしてみたが、
正直、あまりしっくりする取り合わせではありませんでした。
アンジーも食べてる? ブラッドの必殺和食コンビネーション!
女優軍はとにかく"healthy"「ヘルシー」だということで日本食がお気に入り。
「女優たちの神様」メリル・ストリープを筆頭に、メグ・ライアン、
ジョディ・フォスター、アンジェリーナ・ジョリーetc. etc.
誰もかれもが "I LOVE SUSHI!" で、来日中に一度はお鮨屋のカウンターに座る。
PHOTOGRAPH by SHINKA SHINOHARA
戸田さんとジョディ。ジョディは「掃除は嫌いだけど料理は好き」。日本食も作る?
今や、sushi dinner はハリウッド・セレブたちの定番だが、
本来が肉食の彼らには、“ステーキ”がやはり食べ慣れた味。
特ににおいしい“神戸ビーフ”をドカッと焼いたステーキは見過ごせない。
トム・クルーズなどは鉄板の前に座るやいなや、お箸でテーブルをたたいて
「早く焼いて!」とシェフを急かすほど。一晩で彼の胃袋におさまる
肉が何グラムか…。「それだけ食べるから、あんなエネルギッシュな日々を
送れるのね」と納得してしまう量である。
『宇宙戦争』PRで来日したトム・クルーズ、ダコタ・ファニング、スピルバーグ監督。
トムの勧めで神戸ビーフを食べたかも♪(05年)
最近は日本食を口にしないで帰るスターはいないと断言していいが、
もちろん彼らはすべてお箸を使う。
そこで日本の皆さんにひとつアドバイス。
外国人がお箸で食事をしていると「お箸の使い方がお上手ですね」と
誉める人が非常に多い。
だが私が思うに、今やこのコメントは「失礼」なのだ。
私たちが西洋料理を食べていて、「ナイフとフォークの使い方がお上手ですね」と
言われたら? 「当たり前でしょ」と内心ムカッときません?
今や、お箸もそれと同じ存在になっていることをお忘れなく。
最近、はるばる遠い日本を訪れてくれるスターが何人になるか。
ひと昔では考えられない爆発的な数に増えているが、彼らを惹きつける日本の
魅力のひとつが“ジャパニーズ・フード”であることは間違いない。
彼らをそばで見てきた一目撃者として証言しておこう。
2009-10-01 | 固定リンク








