戸田奈津子さんと行く香港・映画と食の旅!
2009-11-17 | 固定リンク
| ■ | 戸田奈津子 Natsuko Toda |
字幕翻訳家。津田塾大学英文科卒業後、OLを経て通訳・翻訳の仕事に。フランシス・F・コッポラ監督に直接指名された『地獄の黙示録』で字幕の第一人者に。ハリウッド・スターとは個人的にも親交が深く、日本の洋画業界の至宝的存在。
私のように自分に子供のいないものが時の流れを一番感じるのは、
友人の幼い子供がいつの間にか大きく育ったのを目にする時だ。
今回、東京国際映画祭のために11年ぶりに来日したシガーニー・ウィーバー。
愛娘、シャーロットが一緒に来たが、18年前の来日時には、
よちよち歩きのかわいいベビーだった彼女が、今回はボーイフレンド同伴の
ヤング・レディに成長していて、私は18年という歳月があっという間に
過ぎたことを思い知らされた。
蛇足ながら、Sigourney というめずらしい名前は、日本では“シガーニー”と
表記されているが、実際の発音は“シゴーニー”に近い。
そのシガーニー自身も、かつてはただただ細くて背の高い(180cm以上!)
美女だったが、今は貫録もついて、映画祭のグリーン・カーペットでも
圧倒的な存在感を見せる熟女に変身した。
PHOTOGRAPH by SHINKA SHINOHARA
10月18日には来日会見。ゾーイ・サルダナ、サム・ワーシントンを堂々従えて
彼女は数多い女優さんの中でも、独特の雰囲気を持つ人だ。
いつも同行しているご主人のジムはニューヨークの舞台演出家で、
シガーニー自身もニューヨーク生まれ。完全なニューヨーカー・カップルで、
いわゆる“ハリウッド人種”とはまったく肌合いの異なる人たちである。
具体的にどういうことかと言うと、気取らず、気さく。
「私たちは特別の世界の人間」という雰囲気がまったくない。
毎日、ニューヨークの路上を普通に歩いている仲のよいご夫婦そのものである。
(C)MCMULLAN CO/SIPA/amanaimages
今年6月、NYで、旦那さまジム・シンプソンと仲むつまじくイベントに出席
東京でも、お気に入りの場所は「ロッポンジ」や「ハラジューク」ではなく
「麻布十番」。きわめて庶民的で、昔ながらの商店街が今も残る麻布十番を
知っているあちらの映画人は、断言できるけど、シガーニーとジム夫婦だけ。
ジムは学生のころ、交換留学生として麻布のお寺で暮らしていて、
それでこの界隈にくわしいのだ。
ここで彼らが買うのは台所用品とか、ひのきのお風呂の手桶(日本が大好きで、
NYのマンションのお風呂は日本式!)など。なんともユニークだ。
共に東部の一流大学卒で、ニューヨークの演劇界の空気を吸っているから、
話もすぐ芝居、歌舞伎のことになる(玉三郎の大ファン)。
今回も自由日には昼の部と夜の部を一日、ぶっ通しで観ると、
いそいそと歌舞伎座に出かけていった。
これは1998年、『エイリアン4』の来日のひとコマ
このステキなご夫婦の以前からの夢は、二ューヨークに自分たちの小劇場を
持ちたいというものだったが、それをついに実現。
数年前、トライベッカ地区に <FLEA>(“蚤”のフリー)という
客席500席ほどの劇場をつくった。
でもなぜ「蚤」なの? シガーニーいわく:
"A flea gets under your skin. That's how our theater would do to the audience."
「ノミって人の肌の下まで刺して、感覚を刺激するでしょ?
そういう刺激を観客に与える劇場にしたいからなの」
そういえば "I've got you under my skin" というタイトルの
有名なポピュラーソングがある。
「あなたが好きで、私の肌の中まで入り込んでしまった」という意味だ。
「ニューヨークを訪ねる日本の皆さん、ブロードウェイのミュージカルも
いいけれど、その翌日はうちのFLEAに来て、ニューヨークで最先端の
意欲的なお芝居も観てね」というのが、シガーニーが今回、
何度も繰り返していた、皆さんへのメッセージだ。
(C)2009 Twentieth Century Fox. All rights reserved.
『アバター』(12月18日公開/20世紀フォックス配給)
さて、シガーニーが今年の東京映画祭に持ち込んだのは
ジェームズ・キャメロン監督の話題の3D映画『アバター』。
『タイタニック』以来の12年間をこの映画に注ぎ、秘密に包まれていた
キャメロンの話題作の一部、30分ほどが、世界に先駆けて上映された。
その映像の衝撃度はすでに方々で語られていると思うが、
キャメロン監督がそれをどうやって撮影したのか。
「ここまで言っていいのかなあ…」と、シガーニーが監督に気がねしつつ
明かしてくれた撮影裏話も、映像におとらず衝撃的だった。
(C)2009 Twentieth Century Fox. All rights reserved.
シガーニー(中央)は『アバター』で女性科学者を演じる
彼女の打ち明け話によると、俳優たちは基本的に何もないだだっ広い
スタジオの中で、黒のレオタード姿。体中にセンサーをベタべタつけられ、
頭にかぶった小さなカメラは終始、俳優の顔の動きを撮影し続けている。
そのセンサーの反応をコンピューターで映像化して、衛星パンドラに住む異星人、
ナヴィ族を創っていったのだとか。
「何もかにもがジム(・キャメロン)が開発した世界初の撮影技術。
He is truly a genius! (彼は本当に天才よ!)」
彼をよく知るシガーニーのこの言葉が真実かどうか。
今年の暮れ、皆さんはご自分の目で確かめることができる。乞う、ご期待!
(C)2009 Twentieth Century Fox. All rights reserved.
主演のサム・ワーシントンを演出するキャメロン監督
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2009-10-30 | 固定リンク
日本に来る映画スターたちはどんな物を食べているのか。
これは多くの方が興味を持ち、よく聞かれる質問だ。
その昔、「ガイジンの好物ははスキヤキとテンプラ」という定説が
なぜか広く信じられていたが、私は誰ともスキヤキをいただいた記憶はない。
正体不明のもの(肉らしいもの、野菜、豆腐、白滝etc.)が、鍋の中で
ぐつぐつ煮えていて、それを生卵につけて口に運ぶというのは、
ハッキリ言って、彼らの好むところではない。
『E.T.』撮影中?のスピルバーグ監督&ドリュー・バリモア。若~い!
ハリウッドで決定的な日本食ブームの先駆けとなったのは、
なんといっても“スシ”だろう。
それも映画業界では時代の先端を行くセレブから広がっていった
というところが面白い。
若き革命児だったスティーブン・スピルバーグは、『E.T.』(82年の昔!)時、
そのオフィスを訪ねたると、そのころはあまり数のなかったスシ屋から
とった出前のスシをつまんでいて、「ボクのランチはいつもスシ」と言い、
「トロ、ハマチ、カッパマキ...」と、すらすらネタまで日本語で
出てくるのでビックリしたものだ。(今では、そういう人はザラだけど)。
一方、当時、撮影所で働いている庶民レベルの人たちは:
"Raw fish? Yak. Not for me!"
「生魚? ゲッ! 僕はごめんだね」
などと、まだ落差のある発言をしていた。
もちろん今はこういう人も日常的に“スシ”を食べているはずだ。
その次にハリウッドのセレブ連中のお気に召したのが“ジャパニーズ・ヌードル”。
つまり“ソバ”と“ウドン”だ。だが“ヌードル・ショップ”は
“スシ・バー”ほど乱立しなかったらしく、もっぱら日本に来たときに
本場のヌードルを追いかけていた。
たとえばフランシス・F・コッポラ、ダスティン・ホフマン。
ただ“ざる”“かけ”などはシンプルすぎるらしく、
てんぷらとか鴨などをのせたタネものがお口に合うようだ。
“ラーメン”をジャパニーズ・ヌードルとするならば、
キアヌ・リーブスが日本に到着早々、いつも禁断症状的にラーメン屋に
駆け込むほどであることは超有名。
05年『コンスタンティン』PRでレイチェル・ワイズらと来日したキアヌ。
左に戸田さんの姿が。この後もラーメン屋さんへ駆け込んだ!?
“日本食ブーム”といっても、懐石料理ほどに味つけが繊細になり、
また素材が正体不明になってくると、「盛りつけや器が美しい!」とは言うのだが、"Delicious!"「おいしい!」と、感嘆の声があがるまでにはならない。
そこまでの日本のビミョー味がわかるのは、形態と食感でたいてい人が
敬遠する“ウニ”や煮物までが大好物のリチャード・ギアとか、
「アユのあのホロ苦さがたまらない!」と目尻を下げていた
トミー・リー・ジョーンズぐらいだ。
これは93年の『心のままに』の来日会見。戸田さんの姿も
また外国人ならではの、ユニークなコンビネーションを好むスターもいる。
ブラッド・ピットがルームサービスで好んで注文していたのは
「ミソ・スープとハンバーガー」!
わが家でおみそ汁が残ったときに、一度マネしてみたが、
正直、あまりしっくりする取り合わせではありませんでした。
アンジーも食べてる? ブラッドの必殺和食コンビネーション!
女優軍はとにかく"healthy"「ヘルシー」だということで日本食がお気に入り。
「女優たちの神様」メリル・ストリープを筆頭に、メグ・ライアン、
ジョディ・フォスター、アンジェリーナ・ジョリーetc. etc.
誰もかれもが "I LOVE SUSHI!" で、来日中に一度はお鮨屋のカウンターに座る。
PHOTOGRAPH by SHINKA SHINOHARA
戸田さんとジョディ。ジョディは「掃除は嫌いだけど料理は好き」。日本食も作る?
今や、sushi dinner はハリウッド・セレブたちの定番だが、
本来が肉食の彼らには、“ステーキ”がやはり食べ慣れた味。
特ににおいしい“神戸ビーフ”をドカッと焼いたステーキは見過ごせない。
トム・クルーズなどは鉄板の前に座るやいなや、お箸でテーブルをたたいて
「早く焼いて!」とシェフを急かすほど。一晩で彼の胃袋におさまる
肉が何グラムか…。「それだけ食べるから、あんなエネルギッシュな日々を
送れるのね」と納得してしまう量である。
『宇宙戦争』PRで来日したトム・クルーズ、ダコタ・ファニング、スピルバーグ監督。
トムの勧めで神戸ビーフを食べたかも♪(05年)
最近は日本食を口にしないで帰るスターはいないと断言していいが、
もちろん彼らはすべてお箸を使う。
そこで日本の皆さんにひとつアドバイス。
外国人がお箸で食事をしていると「お箸の使い方がお上手ですね」と
誉める人が非常に多い。
だが私が思うに、今やこのコメントは「失礼」なのだ。
私たちが西洋料理を食べていて、「ナイフとフォークの使い方がお上手ですね」と
言われたら? 「当たり前でしょ」と内心ムカッときません?
今や、お箸もそれと同じ存在になっていることをお忘れなく。
最近、はるばる遠い日本を訪れてくれるスターが何人になるか。
ひと昔では考えられない爆発的な数に増えているが、彼らを惹きつける日本の
魅力のひとつが“ジャパニーズ・フード”であることは間違いない。
彼らをそばで見てきた一目撃者として証言しておこう。
2009-10-01 | 固定リンク
PHOTOGRAPH by SHINKA SHINOHARA
毎日新聞社の週刊英語新聞<Mainichi Weekly>で、
36年も映画コラムを連載していらっしゃる戸田さん。
来る10月1日に、毎日新聞東京本社にて、映画評論家の
金子裕子さんとのトーク・セッション・イベント開催が決定しました!
「スターと映画、ここだけの話」が聞けちゃう貴重な機会です。
観覧希望の方は、毎日新聞社にウェブサイトかハガキでご応募を。
詳細&リンクはこちら。
【日時】10月1日(木)18時会場/18時30分開演/20時終了予定
【会場】東京・竹橋 毎日新聞東京本社地下1階 毎日ホール
【定員】200名
どうぞこのチャンスを見逃さないで!
また、イベントには行けないけど、スターのマル秘エピソードが
知りたい方は、絶賛発売中の「字幕の花園」をどうぞ♪
2009-09-11 | 固定リンク
愛する娘が白血病に。親はあらゆる手を尽くして命を救いたいと思う。
そのためには血液提供から骨髄や腎臓の移植まで、
DNAの適合するドナーが必要である。
もうひとり子供をつくれば理想的なドナーとなる…。
そういう理由でこの世に生を受けた妹。
彼女は生まれたときから姉のために、自分の体の一部を提供し続ける。
そして11歳になった今、彼女は決心する。
「私にだって自分の人生がある。これ以上、姉の犠牲にはなりたくない。
両親を法に訴えよう!」
極限に追いつめられたこの家族のドラマ。
最後はもう涙…涙…残り少ない命を救いたいという気持ちは同じでも、
父親、母親、そして姉弟の考え方は違うという現実。
すべての立場を、それぞれの俳優がきっちり演じ分けている。
特に注目すべきはキャメロン・ディアス。
今まではロマコメではつらつとした若さをふりまいてきた彼女だが、
今回は初の母親役。それも死を前にした娘を持っているという
ドラマチックな難役だ。
放射線治療で髪の毛がなくなって悲しむ娘を見て、キャメロン自身、
美しいブロンドを丸坊主に剃ってしまうという場面まである。
豊かなブロンド・ヘアが女優キャメロンのトレードマークであることを思うと、
なんと勇気ある行為!
07年、ジュードと来日(C)Jun Sato/WireImage
素顔のキャメロンはひと言で言えば「太陽のような女性」だ。
彼女が部屋に入ってくると、文字通り部屋中がパ~ッと明るくなる。
『ホリデイ』で来日したとき、共演のジュード・ロウはこう言っていた。
「撮影中、キャメロンがセットに姿を見せると、スタジオのライトが
一斉についたように明るくなって、全員の顔がほころぶんだよ」と。
家族の死をテーマにしたこの映画でも、その輝きは健在で、
一家の太陽のようなすばらしいママだからこそ、
彼女に振りかかる試練が一層、残酷に思えるのだ。
さて英語に興味のある方にとって、こういうファミリーを題材にした映画は
理想的な教材である。アクション映画で乱発される汚い英語は実際的に、
われわれは使えないし、SF映画の未来語は現実に使う言葉とはほど遠い。
その点、今のアメリカの家庭での会話でなりたっている映画は、
今日からでも私たちの役に立つ。
たとえば、こんな場面。
白血病で病院に入院したケートは、同じ病気で入院している若者
テイラーと知り合う。重い病気でもふたりは恋を知る年ごろ。
テイラーはこう言って、彼女に近づく。
TAYLOR: Maybe we could hang together sometime. Can I get your phone number?
テイラー:ねえ、ときどき会おうよ。電話番号、教えてくれる?
どうです? 即、役立つせりふでしょう?
絶対にインプットしてほしいのは "hang"。
「吊るす」のhangは知っていても、こういう場面に出る言葉とは
思っていなかったはず。「吊るす」「つるむ」のイメージが転化して、
日常会話で「付き合う」「仲よくする」の意味を表し、
今や主流になっている言い方なのだ。応用してみると:
*Toshi and Naomi are hanging (out) together for some time.
トシとナオミはかなり前から付き合っているみたい。(out を入れることも多い)
*He is hanging with the motorbike gang.
あいつ、バイク連中の仲間に入ったようだぜ。
ケートはテイラーにケータイ番号を教え、ふたりはhangするようになる。
でも難病抱えたふたりの話は、やはり深刻になりがちだ。
KATE: You ever think about dying?
TAYLOR: Not really.
KATE: You're not scared?
TAYLOR: No. If I didn't have cancer, I never would've found you. So, I'm glad I'm sick.
ケイト:死ぬことを考える?
テイラー:いいや、あんまり。
ケイト:怖くないの?
テイラー:怖くない。癌でなきゃきみに出会えなかったろ?
だから病気でよかった。
これだけで、もう胸にジ~ンとくるものがありません?
この先は涙腺がゆるみっぱなし。アメリカ人なら、こう言うだろう:
This is definitely a two-hankie movie.
「これこそ、ハンカチを2枚必要とする映画だ」
皆さんもhankieを、お忘れなく!
それでも見終ったあとはさわやか。苦しみと悲しみを超えた
家族愛の美しさが、心を温かくしてくれるからだ。
(C)Frank Micelotta/TCA 2009/Getty Images
8月9日、娘役のふたりとティーン・チョイス・アワードに出席した
キャメロン。ママというよりやはり、お姉さんにしか見えません![]()
●「STAR★PROFILE」キャメロン・ディアスへ
●ROADSHOW TOPへ http://www.s-woman.net/roadshow/
『私の中のあなた』場面写真(C) MMIX New Line Productions, Inc. All Rights Reserved.
2009-09-01 | 固定リンク
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