映画『オリバー・ツイスト』主演、バーニー・クラークくん記者会見リポート

カンヌ映画祭パルムドール、アカデミー監督賞を始めとする数々の栄誉に輝き、世界中の観客を魅了した映画『戦場のピアニスト』から3年。全世界が注目する巨匠ロマン・ポランスキー監督が手掛けた最新作は、ミュージカル作品としても馴染み深い名作中の名作『オリバー・ツイスト』。原作、ミュージカルをも超越した出来!と、公開前から呼び声が高く、一足お先に東京国際映画祭にも出品された。それにあわせ、主演のオリバー役を演じたバーニー・クラークくんと、製作プロデューサーのロベール・ベンムッサ氏が10月29日に記者会見、舞台挨拶を行った。
「彼と仕事するのはとても楽しくて、演出することもそうは難しくなかった」と、監督を唸らせたバーニーくんは、まだまだあどけなさが残る12才。
「この作品に出演できたことは素晴らしい経験だったし、その上、役がオリバーだったことが嬉しかったです。演じていて一番難しかったところは、芝居に感情表現を取り入れたところ。場面ごとに神経を集中して挑みました。あと、寒くて雨が降っていた日は辛かったです。眠いのに撮影しなくちゃいけないことも、僕にとっては大変な苦労でした。
監督はあまり口では説明しない人で、こういう風に演技するんだよと現場で見せてくれたのでわかりやすかったです。それと最初に、甘い物やチョコレートは撮影が終わるまで我慢してもらわなきゃいけないなって言われました。ほっぺがあまり膨らんでしまうとオリバーとの差が出てしまうという理由で。でもたまにズルして食べてましたけど(笑)。
たくさん辛いことはあったけど、でも現場は楽しかったです。監督がチェコのプラハにあるゴーカート場に連れてってくれて、撮影の合間に遊ばせてくれたこともありました。もちろん、腕とか怪我したら大変なので、注意しながら遊びました」
『戦場のピアニスト』では、自らの戦争体験に向き合っていたポランスキー監督。『オリバー・ツイスト』は、天涯孤独の少年オリバーが次々に襲ってくる困難に遭いながらも、純粋な心を失うことなく幸せを掴んでゆくまでの物語。監督はこの作品で、今度は何を一番伝えたかったのか? 製作プロデューサーのベンムッサ氏が語る。
「『戦場のピアニスト』でも大きな成功を得たと思いますが、その後、監督はすべての人に向けてなにか感動してもらう作品を作りたいと考えていました。若い少年が困難を乗り越えてゆく、これ以上に感動を呼ぶものはないと考えたのです。
私はフランス人、キャストはイギリス人、そして撮影はチェコのプラハ。大変、マルチナショナルなプロダクションでした。一見、大変そうにも思えるでしょうが、シナリオライター、衣装デザイナー、セットデザイナー、配給会社に至るまですべて『戦場のピアニスト』と同じスタッフで作業したんです。配給会社とはいい信頼関係を持っていましたし、双方の助け合い精神がありました。資金面でもお世話になることができた。というわけで、今回も素晴らしい作品が完成したわけです。
複雑な作業だったのは、やはりセット作りだと思います。19世紀初頭のロンドンが舞台で、もちろん現存はしておりません。ゼロからすべて作り上げなくてはならなかった。例えば85トンにも及ぶ建物を建設したり、道、街並みやレンガを組んだりと、膨大なシーンばかりでした。でもスタッフはもちろん、配給会社からもいい協力が得られたので、満足のできる仕上がりになってます」
会見後は、渋谷Bunkamuraオーチャードホールに場所を移し、舞台挨拶が行われた。花束贈呈役として登場したのは、日本を代表する子役の名士こと、神木隆之介くん。なんとバーニーくんとは同じ年。「彼の印象は?」と聞かれ、「かっこいいです!」と感心しきりだった神木くんは、「映画、さっそく見ました。オリバーの素直で前向きな姿勢に感動したし、自然な演技が素晴らしくて映画の中に入り込んでしまいました」
一方、バーニーくんは照れ笑いしながらも、「(神木くんは)本当に素敵ないい人。昨日、初めて会ったんですけど、任天堂のゲームをプレゼントしてもらいました。ゲームをくれたから“ いい人 ”という意味ではないですよ(笑)」と、場内を湧かせしてくれた。
*バーニー・クラーク
1993年6月25日生まれ、英ロンドン在住の12歳(撮影当時は11歳)。母親は元女優のオーストラリア人で、父親はイギリス人。幼い頃から演技に興味を示し、夏休みのワークショップや週1のスペースで演劇スクールに参加。映画デビューは『The Lawless Heart』('01年)で、主人公の息子役を。以降、テレビシリーズ『The Brief』('04年)でレギュラー出演。その後、本作に起用され、映画初主演に至る。『オリバー・ツイスト』は2006年新春、公開予定。
撮影・文/永原由香子
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2005-10-31 | 固定リンク
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