あなたは、騙される? 騙されない? 「アフタースクール」&「ラスベガスをぶっつぶせ」
ラストのドンデン返しをお楽しみに!――という紹介って良いのか悪いのか、いつも迷います。だって、最初に聞いちゃったら、ドンデン返しに心の準備をしながら見てしまうことになるから。何も聞かないほうが、よっぽど楽しめるのに。そんな前フリをして今週の2本を紹介したら、バレバレですよね。でも、いいんです、今回は。それでもおもしろいんだから。さて、あなたは騙される? 騙されない?
「アフタースクール」――神野(大泉洋)は母校の中学教師。夏休み、部活動で学校に来ていた彼を、同級生だった島崎(佐々木蔵之介)が訪ねてきた。探偵をしている島崎はある依頼を受け、やっぱり同級生だった木村(堺雅人)を探しているという。島崎とは親しくなかったが、神野と木村は当時も今も変わらない親友同士。今朝も、産気づいた彼の妻(常盤貴子)を、昨夜から帰らない木村の代わりに産院へ送り届けたばかりだ。そんな彼に島崎は1枚の写真を見せる。今朝、あるホテルの前で撮られたというそれには、若い女性(田畑智子)と親しげに車に乗り込む木村の姿が写っていた。ショックを受ける神野に、木村探しを手伝ってほしいと持ちかける島崎。いつの間にか神野は彼の強引なペースに巻き込まれ、木村の行方を追うことになるが……。
十数年ぶりの同窓会で昔の友達に会ったとき、「変わらないなあ」と思う相手と、「えっ!? これが彼女(彼)?」と驚く相手がいませんか? 外見ばかりでなく、中には見た目は変わらないのに、話していてちょっと意外に感じたりする人も。それは、会わなかった長いブランクの間に彼女(彼)が変わったからなのか、自分が変わったからなのか。それとも、当時はただ気づかなかっただけなのか。そんなことを考えると、不思議な気分です。
神野と木村は中学時代からずっと親友同士。卒業後、教師と一流企業のエリートサラリーマンになった2人ですが、つき合いは変わることはありませんでした。でも、「変わってないって、何でわかるんだ。お前は本当に友達のすべてを知ってるのか?」突然、現れた元同級生の言葉に、神野は揺らぎます。かつては1日の大半をともに過ごしていた親友。でも卒業後、アフタースクール=放課後となった今、果たしてどれだけ知っているのか。
この元同級生たち3人が、とにかくイイ。底抜けにお人好しの神野。決して他人を信用しない島崎。そして、優しい微笑のウラに何事かを秘めているような木村。まったくタイプの違う3人の存在だけで、もうワクワクドキドキ。少しずつ明らかになっていく“真実”を、一刻も早く知りたくてジタバタしちゃいます(笑)。
演じるのは、ひたすらイイ人に見えた神野を、本当にただのイイ人なのか? と次第に不安にさせていく大泉洋。出演作が続々公開中だけど、これほど荒んだ目をしていたことがあっただろうか、という迫力の佐々木蔵之介。その微笑は、実は真実を隠し、他人を煙に巻くためなんじゃないか、と思わせる堺雅人。共演を楽しみにしていたという舞台出身の3人の、個性と実力が惜しむことなく発揮されています。
実は見終わってニヤリと笑った後、すぐにもう一度見たいと思った私。“真相”をわかった上で、「あのシーン」や「このシーン」、「そのセリフ」を確認したい、と。重箱のスミをつつきたがる、イヤラシイ観客ですねえ(笑)。でも、きっと抜かりはないんだろうな。あなたも、ニヤリと笑って重箱のスミをつつきに来ませんか?
「アフタースクール」 5月24日(土)~、シネクイント他、全国公開
オフィシャルサイト http://after-school.jp
(c)2008「アフタースクール」製作委員会
「ラスベガスをぶっつぶせ」――ベン(ジム・スタージェス)はMIT(マサチューセッツ工科大学)の優秀な学生。親友と3人でコンテスト用の工学ロボットを研究し、帰りにはバーで飲みながら議論を交わすという、地味だが充実した人生を送っている。夢は卒業後、ハーバード大学医学部へ進み、医師になること。だが、母子家庭の彼にとって30万ドルという学費の調達は不可能だ。そのための奨学金の試験もうまくいかず、落ち込む彼に声をかけてきたのは、数学のローザ教授(ケヴィン・スペイシー)だった。教授が誘ったのは、ブラックジャックで必ず勝つ方法を習得し、ラスベガスのカジノで一儲けしようというチーム。一度は断るが、憧れの学内一の美女ジル(ケイト・ボスワース)もメンバーの1人だということと、ハーバードの学費を調達できるかもしれないという希望が彼の背中を押す。訓練で天才的な数学の才能を発揮したベンは、ついにラスベガスへ足を踏み入れるが。
「3つの扉のうち、1つに新車が、残り2つにヤギが隠れている。さて、あなたはどの扉を選ぶか」――この問題で、ベンの天才的な数学の才能に気づいたローザ教授。いくら説明されても納得のいかない私。だって、それって確率の問題じゃん。理屈はそうでも、現実にそうなるとは限らない。とゴネる私に、やっぱり数学の才能はないのでしょう(笑)。でも、大丈夫。映画は楽しめます。
カード・ゲームは運(ツキ)と度胸が勝敗を分けると思っていましたが、実は記憶力が99%モノをいうとは。なんとこれ、実話を元にした小説の映画化なのです。実際に巨万の富を得たという元学生が、実際にディーラー役で出演しているのですから、2度ビックリ。
主人公ベンを演じるJ・スタージェスの変貌ぶりがスゴイ。最初はちょっとダサい、地味な大学生だったのに、ラスベガスでスリルあふれる勝負の世界を味わい、ゴージャスな生活を楽しむうちに、顔つきまで変わってきます。
学費だけ稼いでやめようと思っていた彼がギャンブルの虜になり、教授のセオリー通りに冷静に勝負していたのが、やがて大損害を出すまでにのめりこんでしまうなんて。ギャンブルの魔力と恐ろしさをまざまざと見せつけます。
また、ローザ教授がまったく、教師の風上にも置けないトンでもないヤツなのです。失敗したベンをあっさり切り捨てると、彼が学費として密かに貯めていた資金もすべて取り上げてしまう守銭奴ぶり。「きったなーい!」と思わず声に出してしまいたくなる彼を演じたK・スペイシーが、あいかわらずイヤラシイくらい、ウマイ(笑)。実際は、「高校の最終学年で落第点を取ったくらい、数学はダメ」だそうですが。原作に惚れ込んで自ら映画化権を買って製作したほどですから、気合いも入っています。
ルール違反をする者を、時に暴力を使ってでも取り締まるカジノ側のコール(ローレンス・フィッシュバーン)や、ベンの才能をやがて妬むようになるチームのメンバーの存在も出現し、ベンの周囲は波乱含み。すべてを失った彼が、どんな反撃に出るのか。痛快なラストをどうぞお楽しみに。
「ラスベガスをぶっつぶせ」 5月31日(土)~、有楽座他、全国公開
オフィシャルサイト http://ore-tensai.jp
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
下の「コメント」をクリックして、人名欄はペンネームを、URL欄は不要、コメント欄にご意見を書き込んで「投稿」をクリックしてください。
トラックバックについて詳しくお知りになりたい方は、「トラックバックについて」をクリックしてご確認ください。
2008-05-16 【映画】 | 固定リンク
トラックバック
このページのトラックバックURL:
http://www.typepad.jp/t/trackback/160820/12588032
このページへのトラックバック一覧 あなたは、騙される? 騙されない? 「アフタースクール」&「ラスベガスをぶっつぶせ」:
コメントを投稿
*投稿された内容の修正、削除の依頼は一切応じられませんので、投稿される前に十分にご確認ください。
*「投稿」ボタンは1度だけ押してください。

コメント