ブタの鼻を持つ、とってもキュートなヒロイン登場! 「ペネロピ」&第80回アカデミー賞受賞結果

誰でも、なにか1つくらいコンプレックスがありませんか? 顔やスタイル、○○な性格、××な話し方、△△なクセ……もっとこうだったら良かったのに、と思ういろんなこと。努力して変えられることならいいけれど、どんなにがんばってもできないこともありますよね。今週のヒロイン「ペネロピ」が抱えるのは、ちょっと普通じゃ考えられないことでした。
社交界指折りの名家・ウィルハーン家の一人娘ペネロピ(クリスティーナ・リッチ)は25歳。この7年、ひたすら名家の息子たちとお見合いを繰り返してきた。それというのも、先祖が魔女に呪いをかけられたせい。「次に生れてくる娘はブタの鼻と耳になれ!」そして、誕生した娘がペネロピだった。呪いを解く方法はただ1つ、“仲間”と永遠の愛を誓うこと。心配した母(キャサリン・オハラ)はマジックミラー越しに“仲間”たちとお見合いをさせるが、ペネロピが姿を現した途端に名家の息子たちは恐怖の叫び声をあげて逃げ出していく。それを捕まえては、「口外しない」という誓約書にサインさせていたが、ヴァルダーマン家のエドワード(サイモン・ウッズ)は逃げおおせて警察に駆け込んでしまう。しかし、「ブタ人間に殺されそうになった!」という訴えは妄想癖と片付けられ、あろうことか新聞にデカデカと書きたてられてしまった。怒り狂ったエドワードは記者(ピーター・ディンクレイジ)と組んで、ペネロピの写真を何とか手に入れようとする。彼らの目に留まったのが、名家の生まれだが、今は落ちぶれたギャンブラーのマックス(ジェームズ・マカヴォイ)だった。報酬に目のくらんだマックスは、新たな見合い相手としてペネロピの元へ向うが……。
呪いをかけられたお姫様を救えるのは、王子様の真実の愛だけ――おとぎ話の定番ですが、イマドキの話はちょっと違うのです。お姫様はただ待っているだけじゃない。助けを求めて、自らお城(家)の外へと飛び出すのですから。
家から一歩も出ず、母に言われるがままお見合いを繰り返しては、目の前から逃げ出されるという哀しい出来事を繰り返すペネロピは、次第に疑問を抱き始めます。「なぜ、ありのままの私じゃダメなの?」。そして、「今までの人とは違う」と感じ、初めて恋したマックスに「結婚できない」と言われた時、運命を変える方法を求めて、家出を敢行します。
そのペネロピを演じるC・リッチがとってもキュート。ブタの鼻と耳をつけていても、なぜか違和感がないくらい(笑)、似合っています。彼女のファッションや、隠れ家のような幻想的な部屋もとってもステキで、見ているだけでワクワクしてきます。
そして、そして! 赤丸急上昇(もう、こんな言い方しない?)のJ・マカヴォイにノックアウト(笑)。「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」の半人半獣の気弱なタムナスさんや、「ラストキング・オブ・スコットランド」の浅はかで考えなしの若造役が吹っ飛んでしまう色っぽさでした! 酒とポーカーに溺れたちょっと崩れた男、その真実の姿は…なんていうと陳腐だけど、とにかくカッコいいんです、これが! 続く出演作であるアカデミー賞作品賞ノミネートの「つぐない」もグッときますし、一見の価値、大アリです。
鼻をマフラーで隠して(ビールを飲むときはストローで!)街を歩くペネロピは、人目を避けながらもなぜか生き生きしていて、とってもイイ感じ。長所も欠点もある、ありのままの自分を誰かに愛してもらうには、まずは自分で自分を好きになることが大切なのかも。元気がもらえるキュートな映画です。
「ペネロピ」 3月1日~、テアトルタイムズスクエア他、全国順次公開。
オフィシャルサイト http://www.penelope-movie.com
(c)2006 Tatira Active Filmproduktions GmbH & Co. KG
第80回アカデミー賞受賞結果

<写真左>作品賞「ノーカントリー」
(c)2007 Paramount Vantage, A PARAMOUNT PICTURES company, All Rights Reserved.
<写真右>監督賞 ジョエル&イーサン・コーエン 「ノーカントリー」

<写真左>主演男優賞 ダニエル・デイ=ルイス 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
(c)2007 BY MIRAMAX FILM CORP. AND PARAMOUNT VANTAGE, A DIVISION OF PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
<写真右>主演女優賞 マリオン・コティヤール 「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」
(c)2007 LEGEND-TF1 INTERNATIONAL-TF1 FILMS PRODUCTION OKKO PRODUCTION s.r.o.-SONGBIRD PICTURES LIMITED.

<写真左>助演男優賞 ハビエル・バルデム 「ノーカントリー」
<写真右>助演女優賞 ティルダ・スウィントン 「フィクサー」
(c)2007 Clayton Productions, LLC
2月24日(全米時間)、ロサンゼルスのコダックシアターで無事行われた第80回アカデミー賞授賞式。もう皆さんご存知のこととは思いますが、結果のご報告です(タイトルの後は日本公開予定)。
混戦模様という下馬評通り、「やっぱり、これか」という本命もありましたが、「えー、意外」という受賞も。そして、80年のアカデミー賞の歴史でおそらく初めて、主演&助演の男優女優賞4名全員がアメリカ以外の出身という結果になりました(D・D=ルイス/イギリス、M・コティヤール/フランス、H・バルデム/スペイン、T・スウィントン/イギリス)。
作品賞「ノーカントリー」(3月15日公開)
監督賞 ジョエル&イーサン・コーエン 「ノーカントリー」
主演男優賞 ダニエル・デイ=ルイス 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(4月26日公開)
主演女優賞 マリオン・コティヤール 「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」(公開中)
助演男優賞 ハビエル・バルデム 「ノーカントリー」
助演女優賞 ティルダ・スウィントン 「フィクサー」(4月12日公開)
残念ながら、私の予想は主演女優賞と助演男優賞だけ当てての2勝4敗。昨年の5勝2敗(外国語映画賞も予想)、一昨年の4勝3敗(長編アニメーション賞も予想)に比べると、惨敗でした(泣)。遅ればせながら、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」と「フィクサー」も見ましたが、なるほど、授賞式直前のインタビューでG・クルーニーが、「D・D=ルイスしかいないだろう」というようなことを言っていたけど、それも納得の迫力でした。この2本は4月公開なので、また改めてご紹介したいと思います。
注目を集めていた外国語映画賞の、浅野忠信主演「モンゴル」(4月5日公開)は受賞を逃し、「ヒトラーの贋札」(公開済)が受賞。でも、浅野忠信がリラックスしてインタビューに答えたり、レッドカーペットを歩く姿を見られて、なんだか嬉しくなりました。ここ数年、渡辺謙や菊地凛子と日本人俳優の姿を見ることが増えてきましたし、今年は4つの俳優賞すべてを外国人が受賞ということからも、アカデミー賞はアメリカだけではなく、全世界の注目を集めている、ということを改めて確認したような気がします。
もちろん、受賞に関わらずおもしろい作品はたくさんありますが、受賞作はやっぱりおもしろい。これから公開されるものが多いので、ぜひ映画館に行ってみてくださいね。
アカデミー賞 オフィシャルサイト http://www.oscar.com
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「L change the WorLd」 2月9日~、丸の内プラゼール他、全国公開

