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[映画]-2時間1800円の至福- 映画を観よう、幸せになろう

加藤アカネ
“独身の新人ライター”としてスタートしてから5年以上が過ぎ、今ではなんと2人の子供がいる身の上。いまだにそんな自分が時々不思議に思えるほどの自覚のなさですが、元映画宣伝マンの経験を生かして、ジャンルを問わず、いろんな映画を楽しく、わかりやすくご紹介していきたいと思います。よろしくお願いします。

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ブタの鼻を持つ、とってもキュートなヒロイン登場! 「ペネロピ」&第80回アカデミー賞受賞結果

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誰でも、なにか1つくらいコンプレックスがありませんか? 顔やスタイル、○○な性格、××な話し方、△△なクセ……もっとこうだったら良かったのに、と思ういろんなこと。努力して変えられることならいいけれど、どんなにがんばってもできないこともありますよね。今週のヒロイン「ペネロピ」が抱えるのは、ちょっと普通じゃ考えられないことでした。

社交界指折りの名家・ウィルハーン家の一人娘ペネロピ(クリスティーナ・リッチ)は25歳。この7年、ひたすら名家の息子たちとお見合いを繰り返してきた。それというのも、先祖が魔女に呪いをかけられたせい。「次に生れてくる娘はブタの鼻と耳になれ!」そして、誕生した娘がペネロピだった。呪いを解く方法はただ1つ、“仲間”と永遠の愛を誓うこと。心配した母(キャサリン・オハラ)はマジックミラー越しに“仲間”たちとお見合いをさせるが、ペネロピが姿を現した途端に名家の息子たちは恐怖の叫び声をあげて逃げ出していく。それを捕まえては、「口外しない」という誓約書にサインさせていたが、ヴァルダーマン家のエドワード(サイモン・ウッズ)は逃げおおせて警察に駆け込んでしまう。しかし、「ブタ人間に殺されそうになった!」という訴えは妄想癖と片付けられ、あろうことか新聞にデカデカと書きたてられてしまった。怒り狂ったエドワードは記者(ピーター・ディンクレイジ)と組んで、ペネロピの写真を何とか手に入れようとする。彼らの目に留まったのが、名家の生まれだが、今は落ちぶれたギャンブラーのマックス(ジェームズ・マカヴォイ)だった。報酬に目のくらんだマックスは、新たな見合い相手としてペネロピの元へ向うが……。

呪いをかけられたお姫様を救えるのは、王子様の真実の愛だけ――おとぎ話の定番ですが、イマドキの話はちょっと違うのです。お姫様はただ待っているだけじゃない。助けを求めて、自らお城(家)の外へと飛び出すのですから。

家から一歩も出ず、母に言われるがままお見合いを繰り返しては、目の前から逃げ出されるという哀しい出来事を繰り返すペネロピは、次第に疑問を抱き始めます。「なぜ、ありのままの私じゃダメなの?」。そして、「今までの人とは違う」と感じ、初めて恋したマックスに「結婚できない」と言われた時、運命を変える方法を求めて、家出を敢行します。

そのペネロピを演じるC・リッチがとってもキュート。ブタの鼻と耳をつけていても、なぜか違和感がないくらい(笑)、似合っています。彼女のファッションや、隠れ家のような幻想的な部屋もとってもステキで、見ているだけでワクワクしてきます。

そして、そして! 赤丸急上昇(もう、こんな言い方しない?)のJ・マカヴォイにノックアウト(笑)。「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」の半人半獣の気弱なタムナスさんや、「ラストキング・オブ・スコットランド」の浅はかで考えなしの若造役が吹っ飛んでしまう色っぽさでした! 酒とポーカーに溺れたちょっと崩れた男、その真実の姿は…なんていうと陳腐だけど、とにかくカッコいいんです、これが! 続く出演作であるアカデミー賞作品賞ノミネートの「つぐない」もグッときますし、一見の価値、大アリです。

鼻をマフラーで隠して(ビールを飲むときはストローで!)街を歩くペネロピは、人目を避けながらもなぜか生き生きしていて、とってもイイ感じ。長所も欠点もある、ありのままの自分を誰かに愛してもらうには、まずは自分で自分を好きになることが大切なのかも。元気がもらえるキュートな映画です。

Movie080229_2 「ペネロピ」 3月1日~、テアトルタイムズスクエア他、全国順次公開。
オフィシャルサイト http://www.penelope-movie.com
(c)2006  Tatira Active Filmproduktions GmbH & Co. KG




第80回アカデミー賞受賞結果

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<写真左>作品賞「ノーカントリー」
(c)2007 Paramount Vantage, A PARAMOUNT PICTURES company, All Rights Reserved.
<写真右>監督賞 ジョエル&イーサン・コーエン 「ノーカントリー」

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<写真左>主演男優賞 ダニエル・デイ=ルイス 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
(c)2007 BY MIRAMAX FILM CORP. AND PARAMOUNT VANTAGE, A DIVISION OF PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
<写真右>主演女優賞 マリオン・コティヤール 「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」
(c)2007 LEGEND-TF1 INTERNATIONAL-TF1 FILMS PRODUCTION OKKO PRODUCTION s.r.o.-SONGBIRD PICTURES LIMITED.

Movie080229_5

<写真左>助演男優賞 ハビエル・バルデム 「ノーカントリー」
<写真右>助演女優賞 ティルダ・スウィントン 「フィクサー」
(c)2007 Clayton Productions, LLC

2月24日(全米時間)、ロサンゼルスのコダックシアターで無事行われた第80回アカデミー賞授賞式。もう皆さんご存知のこととは思いますが、結果のご報告です(タイトルの後は日本公開予定)。
混戦模様という下馬評通り、「やっぱり、これか」という本命もありましたが、「えー、意外」という受賞も。そして、80年のアカデミー賞の歴史でおそらく初めて、主演&助演の男優女優賞4名全員がアメリカ以外の出身という結果になりました(D・D=ルイス/イギリス、M・コティヤール/フランス、H・バルデム/スペイン、T・スウィントン/イギリス)。

作品賞「ノーカントリー」(3月15日公開)
監督賞 ジョエル&イーサン・コーエン 「ノーカントリー」
主演男優賞 ダニエル・デイ=ルイス 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(4月26日公開)
主演女優賞 マリオン・コティヤール 「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」(公開中)
助演男優賞 ハビエル・バルデム 「ノーカントリー」
助演女優賞 ティルダ・スウィントン 「フィクサー」(4月12日公開)

残念ながら、私の予想は主演女優賞と助演男優賞だけ当てての2勝4敗。昨年の5勝2敗(外国語映画賞も予想)、一昨年の4勝3敗(長編アニメーション賞も予想)に比べると、惨敗でした(泣)。遅ればせながら、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」と「フィクサー」も見ましたが、なるほど、授賞式直前のインタビューでG・クルーニーが、「D・D=ルイスしかいないだろう」というようなことを言っていたけど、それも納得の迫力でした。この2本は4月公開なので、また改めてご紹介したいと思います。

注目を集めていた外国語映画賞の、浅野忠信主演「モンゴル」(4月5日公開)は受賞を逃し、「ヒトラーの贋札」(公開済)が受賞。でも、浅野忠信がリラックスしてインタビューに答えたり、レッドカーペットを歩く姿を見られて、なんだか嬉しくなりました。ここ数年、渡辺謙や菊地凛子と日本人俳優の姿を見ることが増えてきましたし、今年は4つの俳優賞すべてを外国人が受賞ということからも、アカデミー賞はアメリカだけではなく、全世界の注目を集めている、ということを改めて確認したような気がします。
もちろん、受賞に関わらずおもしろい作品はたくさんありますが、受賞作はやっぱりおもしろい。これから公開されるものが多いので、ぜひ映画館に行ってみてくださいね。

アカデミー賞 オフィシャルサイト http://www.oscar.com

 
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2008-02-29 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

人生の終焉を迎えたとき、誰の名を呼びますか? 「いつか眠りにつく前に」

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ふと、初恋の相手や昔のカレを思い出すこと、ありませんか? それは、思い出の場所を訪れた時や懐かしい友人に再会した時、古いアルバムを開いた時やちょっと人恋しい時など、いろんなきっかけがあるでしょう。でも、やがて迎える人生の最期に、あなたは誰の名前を呼ぶのでしょうか?

「いつか眠りにつく前に」――重い病に倒れ、人生の最期を迎えようとしていたアン(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)。自宅で長女コンスタンス(ナターシャ・リチャードソン)と次女ニナ(トニ・コレット)、看護士(アイリーン・アトキンス)の看護を受けながら、彼女が夢うつつに呼んだ名前は「ハリス」だった。聞いたことのない名前に戸惑う娘たちをよそに、さらにアンは「ハリスと私がバディを殺したの」と口走る。アンの意識は、40年以上前へと戻っていた。暑い夏の日、親友ライラ(メイミー・ガマー)の結婚式でブライズメイドをつとめるため、歌手を夢見るアン(クレア・デインズ)はニューヨークからニューポートへやって来た。そして、ライラの弟バディ(ヒュー・ダンシー)に案内された別荘の湖のほとりでハリス(パトリック・ウィルソン)と出会う……。

V・レッドグレイヴ、メリル・ストリープ、グレン・クローズ、C・デインズ、T・コレット――大ベテランから若手実力派まで、ズラリ並んだ錚々たる名女優。このキャスティングだけで、もうお腹いっぱいですが(笑)、その期待に違わず、「いやあ、久々にいいモノ見せていただきました」と言いたくなる映画でした。

有名な歌手にはなれず、お世辞にも幸せとは言えなかった2度の結婚と離婚。たった1人で娘2人を抱えたまま、捨て切れない歌手の夢を追い続けて完璧な母親にもなれなかった。そんなアンが混濁した意識の中で思い返すのは、はるか昔のたった2日間の恋でした。

ハリスはどうしたのか。「バディを殺した」とはどういう意味なのか。それは映画を見ていただくとして、私が考えたのは、自分が人生の最期に何を想うだろうか、ということ(もちろん、突然の最期でそんなこと考えるヒマもないかもしれませんが)。

昔のカレ? それとも、今の相方? 子供たちのこと? 友人? 仕事のこと? 楽しかった思い出? やり残したこと? 自分の人生はこんなはずじゃなかった、もしあの時、別の選択をしていたら、という苦い後悔? 

夫と子供2人に囲まれて穏やかな生活を営む長女コンスタンス。そんな幸せな日常にも小さな悩みや後悔はあるのです。一方の次女のニナは、恋人も仕事も長続きしない根無し草の人生。今の恋人ルークは結婚を望んでいるけれど、どうしても決断が出来ない。朦朧とした意識で横たわる母を見守りながら、娘たちも否応なく自分の人生に思いを馳せるのです。

1つも失敗のない、1つも悔いのない人生なんて、きっとどこにもないのでしょう。日々悩み、苦しんで、精一杯選び取った結果が今の人生だったとしたら。そう考えたら、いつ来るかわからない――もしかしたら、遠い未来ではなく、すぐ明日かもしれない――最期の時を、少しは違った気持ちで迎えられるかもしれません。

「そんなの、ただのキレイごと」。そう思われる方もいるでしょう。でも、本作を見て「幸せになろうと努力して。なぜなら、人生に過ちなんてないのだから」というアンの言葉を噛みしめてみて。私は、その言葉をそっと心の片隅に置いておきたくなりました。

Movie080222_2 「いつか眠りにつく前に」 2月23日~、日比谷みゆき座他、全国で公開
オフィシャルサイト http://www.itsunemu.jp
(c)2007 Focus Features. All Rights Reserved.


今年は誰? アカデミー賞予想(3)

Movie080222_3

<写真左>ジュリアン・シュナーベル (「潜水服は蝶の夢を見る」) 監督賞ノミネート
(c)Peter Kramer
<写真右>「つぐない」 作品賞ノミネート 
(c)2007 Universal Studios. All Rights Reserved
アカデミー賞 オフィシャルサイト http://www.oscar.com

最終回の今週は、監督賞&作品賞ノミネートです。アカデミー賞前哨戦ともいわれる1月のゴールデングローブ賞の授賞式は、脚本家組合のストライキで中止されるという異例の事態となってしまい、続くアカデミー賞授賞式も心配されていましたが、予定通り2月24日(全米時間)に行われることに。やっぱり、華やかな舞台がないとちょっと寂しいですものね。今年は外国語映画賞に浅野忠信主演「モンゴル」もノミネートされ(日本公開未定だったのが、めでたく4月頃に公開されることも決定)、その結果もまた楽しみです。

<監督賞>
イーサン・コーエン&ジョエル・コーエン 「ノーカントリー」(3月15日公開)
ジュリアン・シュナーベル 「潜水服は蝶の夢を見る」(公開中)
ポール・トーマス・アンダーソン 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(4月公開)
ジェイソン・ライトマン 「JUNO/ジュノ」(初夏公開)
トニー・ギルロイ 「フィクサー」(4月12日公開)

馴染みのある名前はコーエン兄弟とP・T・アンダーソンでしょうか。他3名は全員初ノミネート。個人的には「サンキュー・スモーキング」の監督だったJ・ライトマンに期待したいところですが、やはりゴールデングローブ賞も受賞したJ・シュナーベルか。突然、倒れて全身の自由を奪われた元ELLE誌編集長が書いた、フランスでベストセラーの自伝(唯一動く左目の瞬きだけで書いた!)が原作。ほとんど動けない主人公を映像にするという、その発想からしてスゴイです。

<作品賞>
「つぐない」 (4月公開)
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」 (4月公開)
「ノーカントリー」 (3月15日公開)
「JUNO/ジュノ」 (初夏公開)
「フィクサー」 (4月12日公開)

今年は最多8部門にノミネートされたのが「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」と「ノーカントリー」、7部門が「つぐない」と「フィクサー」、4部門が「JUNO/ジュノ」と「潜水服は蝶の夢を見る」と、1つの作品が独走状態というより、まんべんなくノミネートされています。全作品を見ていないため、またもやヤマカンで申し訳ありませんが、「つぐない」を。これは見まして(笑)、よかったので。公開前には、ぜひ改めてご紹介したいと思っています。

来週は結果のご報告をさせていただきます。どうぞお楽しみに!

 
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2008-02-22 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

真摯でピュアな想いがじわりと心を満たす 「君のためなら千回でも」

Movie080215_1

「君のためなら千回でも」――このタイトルを聞いたとき、てっきり恋愛物だと思ってしまったのですが、とんでもないカン違いでした。これは、真摯でピュアな2人の少年の友情と、ある願いが込められた物語なのです。

2000年のサンフランシスコ。アフガニスタンから父と2人でアメリカに亡命したアミール(ハリド・アブダラ)は、ささやかだが幸せな生活を送っていた。夢だった小説家としての第1作目が出版された日、アフガンにいる恩人ラヒム・ハーン(ショーン・トーブ)から電話が入る。余命わずかなハーンの願いはアミールに会うこと。いまだ政情不安なアフガン行きを心配する妻ソラヤ(アトッサ・レオーニ)を説得し、20年ぶりの故郷へ向かったアミールの脳裏には、封印していた少年時代の自分(ゼキリア・エブラヒミ)と親友だった使用人の子ハッサン(アフマド・ハーン・マフムードザダ)の記憶が甦っていた――。

身分や民族の違い(同じアフガニスタンでもアミールはパシュトゥーン人、ハッサンはハザーラ人)を超えて幼い頃からともに育った2人は兄弟同然。穏やかで平和な緑あふれる国アフガニスタンで凧を手に走り回る姿は、のびのびと楽しそうで笑みを誘われます。

凧はアフガンの伝統的な遊びで、糸にガラスを砕いたものを仕込み、2人1組で戦って糸を切った組が切られたほうの凧を獲ることができるそうです。アミールたちは無敵の強さを誇り、特にハッサンには、戦利品の凧がどこに落ちるのかを読む天才的な嗅覚がありました。アミールが無邪気に「ハッサン! 絶対獲ってきて!」と言えば、「君のためなら千回でも!」と答えて走り出すハッサン。2人の信頼はゆるぎないものだったのです。

そんな彼らを引き裂いたのは、ハッサンを襲った差別による心ない事件と、それを見ないふりをして逃げてしまったアミールの少し足りなかった勇気。卑怯な自分を隠すためにアミールが1度ついた嘘はどんどん膨れ上がり、耐え切れなくなった彼はさらに嘘を重ねます。それがハッサンを遠ざけることになっても、止めることはできないのです。

年を経てオトナになった今なら、「そんな嘘はつかなかったのに」と思うような嘘。誰しも、覚えがあるのではないでしょうか。初めは小さな嘘だったのに、嘘が嘘を呼んでがんじがらめになってしまったことが。苦い悔いを抱えて成長したアミールの姿に、ふと自分の姿を見たような気がしてきます。

映画というフィクションではありますが、そこに暮らす1人1人の姿を丁寧に描くことで浮かび上がる現実があります。美しい友情と果てることのない争い。でも、どちらも同じ、人間の持つ感情から生まれているのです。どうしたら、すべての子供たちが笑って暮らせる平和な世界になるのか。そんなたいそうな力は私にはありませんが、誰もがそれを心に留めておくことで、もしかしたら世界は少しずつ変わっていくのかもしれません。

Movie080215_2 「君のためなら千回でも」 恵比寿ガーデンシネマ、シネスイッチ銀座他、全国公開中
オフィシャルサイト http://www.kimisen.jp
(c)2007 DreamWorks LLC and Kite Runner Holdings, LLC. All Rights Reserved.


今年は誰? アカデミー賞予想(2)

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<写真左>トミー・リー・ジョーンズ 主演男優賞ノミネート 「告発のとき」より
(c)2006 Elah Finance V.O.F.
<写真右>マリオン・コティヤール 主演女優賞ノミネート 「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」より
(c)2007 LEGEND-TF1 INTERNATIONAL-TF1 FILMS PRODUCTION OKKO PRODUCTION s.r.o.-SONGBIRD PICTURES LIMITED
アカデミー賞 オフィシャルサイト http://www.oscar.com

今週は、主演男優賞&主演女優賞ノミネートをご紹介します。先にお断りしておきますが、今年の予想は「一か八か」になってまいりました。実はインフルエンザに罹ってしまい、ほとんど試写に出かけられませんでした(涙)。そんな状況ですので、予想理由にお腹立ちになりませんよう、くれぐれもお願い申し上げます(※タイトルの後は日本公開予定)。

<主演男優賞>
ダニエル・デイ=ルイス 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(4月公開)
ジョニー・デップ 「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」(公開中)
ヴィゴ・モーテンセン 「Eastern Promises」(初夏公開)
ジョージ・クルーニー 「フィクサー」(4月公開)
トミー・リー・ジョーンズ 「告発のとき」(初夏公開)

どうでもいいことですが、D・D・ルイス以外は宣伝マン時代に全員の作品を担当し、取材でお会いしたことがあります。なんだか嬉しいです(笑)。V・モーテンセンだけ初ノミネートというベテランぞろい。今回、T・L・ジョーンズは、作品賞他最多8部門ノミネートの「ノーカントリー」(「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」も8部門)にも主演。ノミネートは「告発のとき」ですが、2本あわせ技でクビ1つのリードか。缶コーヒーのCMの出稼ぎ異星人キャラもかわいいですが、地味でシブイ役柄をきっちり決める実力派です。

<主演女優賞>
ジュリー・クリスティ 「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」(初夏公開)
マリオン・コティヤール 「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」(公開中)
エレン・ペイジ 「JUNO/ジュノ」(初夏公開)
ケイト・ブランシェット 「エリザベス:ゴールデン・エイジ」(2月16日公開)
ローラ・リニー 「The Savages」(公開未定)

助演女優賞とWノミネートのC・ブランシェットは、前作「エリザベス」に続いて同役でノミネート。今回のエリザベスは、恋に悩み、スペインの無敵艦隊と戦わなければならない激動の時を迎えます。普段は華やかにセットしたかつらをつけた彼女。それを取り去った時の少年のようなざんぎり頭があまりに無垢で、胸を衝かれます。それにしても、イギリス人はエリザベス1世が好きなんですねえ(笑)。でも、本命はこちらも実在の人物を演じたM・コティヤールでしょうか。

さて、みなさんの予想はいかがですか? 来週は、監督賞&作品賞です。

 
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2008-02-15 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

あの大ヒット映画の人気キャラがパワーアップして復活! 「L change the WorLd」

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たいへんご無沙汰しております。2度目の産休から戻ってきました加藤アカネです。長いお休みをいただき、こうして復帰することが出来たのも、ピンチヒッターを引き受けてくださった大塚恵美子さん、編集部スタッフの方々、そして、何より読んでくださる読者のみなさんのおかげです。ホントにホントに、ありがとうございます。少々“浦島太郎”的な不安な気持ちもありますが(笑)、前以上におもしろく楽しく、いろんな映画をご紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

復帰第1作目は、2006年の邦画NO.1ヒット作『デスノート』に登場した名探偵・Lが主人公のスピンオフ作品『L change the WorLd』。『デスノート』をご覧になった方はもちろん結末を知っているわけですが、さて、Lはいかにして復活するのでしょうか?

名前を書かれた人間は必ず死ぬ――死神の持つ「デスノート」を手に入れた夜神月(ライト/藤原竜也)は、法が裁けない凶悪犯たちを次々と粛清していく。しかし、“新世界の神キラ”として君臨しようとした彼を捕らえるため、天才探偵L(エル/松山ケンイチ)が立ちはだかった。大きな代償を払って事件を解決したLの前に、少年と少女が現れる。タイの少年・BOY(福田響志)は、消滅した小さな村の唯一の生き残り。少女・真希(福田麻由子)は、非業の最期を遂げた父(鶴見辰吾)から、人間が作り出した恐ろしい“死神”を託されていた。一見関係なさそうなBOYと真希を結ぶ、恐ろしい計画。孤立無援で2人を守り、事件を解決しなければならないLに残された時間は、あと23日間だけだった――。

『デスノート』後編の公開直後に製作が発表された、L主演のスピンオフ映画。取材に行った私は、実はかなり不安を感じていました。というのも、内容も共演者もまったく明かされなかったのです。L人気に便乗しただけの作品だったら? もし『デスノート』の、何よりLの世界観を崩してしまったら? 原作キャラが憑依したようなLを作り上げた松山ケンイチに驚嘆していた私は、そんな心配をしていました。

でも、それは無用な心配でした。そう、松ケンがあんなに作りこんだLを簡単に明け渡してしまうワケがなかった(笑)。シナリオ製作から積極的に参加した彼のLへの強い想いは、見事に映像化されていたのです。

今回のLは、“今まで誰も見たことがないL”。明らかにインドア派で、パソコンを駆使して推理を展開し、モニター越しに捜査員に命令を下してきた彼が、子供2人を連れ(似合わない…)、電車に乗り(座席の上でも、しゃがんでます)、自転車を漕ぎ(しかもママチャリ、しかもカゴに子供を乗せて)、全力疾走し(あいかわらずの猫背)、というアウトドアぶり(?)を発揮。人を食ったような態度が時に腹立たしく、時にユーモラスな彼でしたが、本作では笑いの要素の方がちょっと強いかもしれません。

そんな中にも、Lが奥底に秘めていた人への情がにじみ出て、グッときます。ホンの短いシーンにも関わらず、快く出演を決めた藤村俊二、戸田恵梨香、瀬戸朝香などのオリジナル・メンバー、そして新たに参加した工藤夕貴、鶴見辰吾、高嶋政伸の個性派俳優たちがLワールドの完成度をさらに高めています(ちなみに、前作のシーンをそのまま使っての出演となった藤原竜也は、「僕も出演してるんだ」と喜んだとか)。

そして、Lの新たな物語のラストシーンは、原作コミックのファンならニヤリとしてしまう名シーンになっていました。ぜひ、『デスノート』前後編を見てから、本作を見てください。もうLに会えないことが寂しくなるような作品です。

Movie08020802「L change the WorLd」 2月9日~、丸の内プラゼール他、全国公開
オフィシャルサイト
http://www.L-movie.jp
(c)2008「L」FILM PARTNERS  (c)2008「L」PLOT PRODUCE



今年は誰? アカデミー賞予想(1)

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<写真左>ハビエル・バルデム 助演男優賞ノミネート 「ノーカントリー」より
(c)2007 Paramount Vantage A PARAMOUNT PICTURES company. All Rights Reserved.
<写真右>ケイト・ブランシェット 助演女優賞ノミネート 「アイム・ノット・ゼア」より
(c)2007 VIP Medienfonds 4 Gmbh & Co.KG All photos-Jonathan Wenk

アカデミー賞 オフィシャルサイト
http://www.oscar.com

気がつけば、もう全米アカデミー賞の時期でした。そこで早速ですが、恒例アカデミー賞受賞予想です。正直に告白しますが、この半年あまり、まったく新作を見ていなかった私。ほとんど見ないままで予想するなんてとんでもないんですが、お祭りということでご容赦くださいませ。2月24日(LA時間)の発表まで、一緒に楽しんでいただければ嬉しいです。まず1回目は、助演男優&助演女優賞を(※タイトルの後は日本公開予定)。

<助演男優賞>
ケイシー・アフレック 「ジェシー・ジェームズの暗殺」(公開中)
ハビエル・バルデム 「ノーカントリー」(3月15日公開)
フィリップ・シーモア・ホフマン 「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」(5月公開)
ハル・ホルブルック 「Into the Wild」(公開未定)
トム・ウィルキンソン 「フィクサー」(4月公開)

いきなりですが、「ノーカントリー」しか見ていません。スミマセン(泣)。それにしてもスゴかった。殺し屋なんですが、とても人間とは思えない。その無表情が、目つきが、まるで異次元の生物を見ている気分にさせてくれます。コワイです。彼が出てくるだけで、これはホラーだったのか、と。巷の噂や最多ノミネート作ということだけでなく、J・バルデムを。ちなみに受賞経験者はP・S・ホフマンのみ(『カポーティ』で主演男優賞)で、ちょっと地味な印象がぬぐいきれないかも。

<助演女優賞>
ケイト・ブランシェット 「アイム・ノット・ゼア」(4月公開)
ルビー・ディー 「アメリカン・ギャングスター」(公開中)
シアーシャ・ローナン 「つぐない」(春公開)
エイミー・ライアン 「Gone Baby Gone」(公開未定)
ティルダ・スウィントン 「フィクサー」(4月公開)

今年は主演女優賞とWノミネートのC・ブランシェット以外、全員が初ノミネート。1994年生れの13歳(S・ローナン)から1924年生れの83歳(R・ディー)まで、実に年齢差70歳の女優陣が一線に並んだのは、ある意味壮観。本命はやはりゴールデングローブ賞も受賞したC・ブランシェットか。生きる伝説ボブ・ディランを6人の俳優が演じるという異色作で彼女が演じたのはその1人。つまり男装しているのですが、いやあびっくり。まったく彼女に見えなかった。わかっていても男性に見えた。今さらですが、さすがです。

みなさんの予想は、誰ですか? 来週は、主演男優賞&主演女優賞です。

 
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2008-02-08 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

美しくも残酷な許されざる愛の物語──『ラスト、コーション』

Movie080201_1

けっして惹かれてはいけない相手に、心を奪われそうになる…。殺したい男の胸に自ら飛び込んでゆく、そんな女性の心の動きを、息を呑むほど美しい映像でエモーショナルに映しだす話題作が、この『ラスト、コーション』。
『ブロークバック・マウンテン』に引き続き、ヴェネツィア国際映画祭のグランプリを制した、アン・リー監督の最新作だ。許されない愛に身を焦がす、という点では、『ブロークバック・マウンテン』の姉妹編とも言えるかもしれない。

1940年代、日本占領下の上海。女(タン・ウェイ)は、抗日運動に燃える若きレジスタンス活動家のひとり。彼らのターゲットは、日本の言いなりになっている政権の特務機関で、秘密裏に働くトップの男(トニー・レオン)。しかし、冷酷で抜け目のないこの男に近づく方法はひとつだけ。仲間の誰かが、男を誘惑し愛人となり、暗殺の手引きをするしかない。その任務を、可憐な美貌の持ち主である女が志願するのだ。
女は身元を偽り、まず男の妻に接近し、家に招かれる仲になる。そして男とも言葉を交わすようになり、誘惑のワナを仕掛ける。簡単ではなかったが、男は女と関係を持ち、互いを貪りあうように激しく求め、身体の関係を重ねてゆく。まさに、女の思惑どおりに事は運んでいるかに見えたのだが…。

過激で大胆なセックス・シーンの話題ばかりが先行しているようだけど、エロいだけの官能映画ではないし、ここでのセックスは意味を持つ。女も男も偽りの人生を生きているなかで、肉体だけは偽れない。言葉にできない感情を、2人はセックスで表してゆく。そのセックスによる“人生”描写、2人が背負っている現実の重みや抑え込んでいる感情の激しさは、見ていて痛々しくなるくらいだ。
むしろ、セックスしていない時の2人のほうがエロティック。男の妻やマージャン仲間がいるところで見せる、女から男への目配せや、ほろ酔いの女が男の吸っているタバコを見つめるウットリ目など、こっちまでドキッとしてしまう。

そんな匂い立つような色香を魅せてくれるのが、チャン・ツィイーやスー・チーというスター女優を押し退け、オーディションで選ばれた無名の新人タン・ウェイ。彼女がとにかく魅惑的で、まるでサナギが蝶に変わるように、無垢な女子大生からツワモノの要人さえ惑わす大人の女へと変化する様は圧巻。しかも、目線やしぐさだけで心の動きを表現してしまうのだから、うれしい驚きだ。

もちろん、経験豊富な男がイイ女を育てる。そうした大人の余裕で彼女を引き立てるトニー・レオンの抑えた演技にも注目。冷酷無比な男の役と聞いて正直、似合わないかもと思ったけれど、じつは心に虚無を抱える孤独な男。オンナは陰のある男に弱い、という定石どおり、彼女も彼の痛みや意外な優しさに触れ、ハートを揺さぶられてしまう。

とはいえ、2人は敵対する者同士、真実を知られれば命はない。そんなサスペンスフルで残酷な愛の行方が、美しくせつなく、そしてエレガントに描かれてゆく。テレビじゃ出せない映画ならではの醍醐味が堪能できる、激情のロマンスです。

Movie080201_2 『ラスト、コーション』 2月2日(土)~シャンテ シネ、Bunkamuraル・シネマほか全国公開
オフィシャルサイト http://www.wisepolicy.com/lust_caution/
(c)2007 HAISHANG FILMS/WISEPOLICY


長いようでアッという間だった約8ヶ月…アクセスしてくださった皆さんに心から感謝です。来週からは、加藤アカネさんが復帰しますので、お楽しみに。

 
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2008-02-01 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

 
 
 
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