自分らしく生きたいハチが魅せるワクワクハラハラの大冒険──『ビー・ムービー』

去年、アメリカで一番当たった映画は『スパイダーマン3』だったんだけど、2番目に当たった映画は『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』ではなく、なんとアニメの『シュレック3』だったのだ!! アニメ映画でありながら、『スパイダーマン』や『パイレーツ~』等の超大作に引けを取らない大ヒットというのは、まさに快挙。そんな『シュレック』シリーズで知られる、ドリームワークスの最新アニメーション映画が、この『ビー・ムービー』。
眉毛がやけに印象的な、人間顔のミツバチのバリーが主人公の冒険&成長物語。と聞いて、「みなしごハッチ」(たとえが古くてすいません)みたいなアニメ映画なのかな、と思って観たのだが、国と時代が変われば、やはり中身も違う。良くも悪くもすっごくアメリカ的で今っぽい、一風変わった作品なのだ。
バリー(声:ジェリー・サインフェルド)は、大学を卒業したばかりの、前途に胸ふくらませる好奇心旺盛なミツバチ。だが、ハチの世界では、一度「この仕事に就く!」と決めたら、死ぬまでその仕事に従事するのがルールなのである。とはいえ、「外の世界が見たい」「自分にしかできない、何かがあるはず」と思っているバリーは、ルールに従えず巣から抜け出して、人間の社会・ニューヨークへ。冒険のスリルを味わい、危険にもさらされ、心優しき花屋さんのヴァネッサ(声:レネー・ゼルウィガー)とも出会う。そしてバリーは、さらにハチ界の規則を破って彼女に話しかけ、ちゃっかり友達になっちゃうのだ。
まさに、ルンルン気分のバリーだったが、ヴァネッサと入ったスーパーで衝撃の事実を知る。ズラリと並んだハチミツのボトルを見て、「ボクたちの作ったハチミツが人間に奪われている」ことを知ったバリーは、「これぞボクの使命」とばかりに、なんと人間相手に“ハチミツを返して”裁判を起こすのだ!? ヴァネッサにも助けられ、結果はミツバチ側の勝訴。
充実感に酔うバリーだったが、喜びもつかの間、この勝訴が自然界のバランスをも崩す、とんでもない事態を招くのだった。さあ、この一大事を、バリーはどうする?
ミツバチvs人間の裁判なんて「ありえない」と思いつつも、お互いもっともらしい論争を繰り広げ、百戦錬磨のイジワルな人間弁護士相手に奮闘するバリーの姿が、ユーモラスかつ見ごたえも充分に描かれていて、気がつけば引き込まれているといった感じ。
アニメの中でも裁判沙汰っていうのは、いかにもアメリカっぽいけれど、それ以上に私がアメリカ的と感じるのが、主人公バリーの存在。
バリーは良く言えば、夢と希望にあふれた自由人。だが逆に、自分勝手で向こう見ずな若者とも言える。そして、バリーはルールを無視しても、結果的に仲間を堕落させることになっても、“詫び”はいれない。反省するよりまず行動、というのが、バリー風。きっと、前述の「みなしごハッチ」だったら、まず仲間に謝ってから一緒に問題を解決する(そもそも裁判を起こそうなんて発想もないと思うけど)気がして、お国柄というか、時代性が反映されていて興味深い。
まあ、個人的には、心ない謝罪だけして後始末をしない大人な対応より、みずからオトシマエをつけることで報いようとするバリーのほうが、危なっかしくも微笑ましいと思うけど。
そんなバリーの成長物語に加えて、バリーの住む、全てが曲線でできている管理と設備の行き届いた、カラフル・キュートなミツバチの世界“ニュー・ハイヴ・シティ”の様子、ミツバチの目線で描いたミツバチ気分に浸れる、スリルと遊び心にあふれたニューヨークの飛行シーン、そして、バリーを支えるヴァネッサや仲間との友情などを見ているだけでも楽しい。ユニークな“自分探し”映画です。
『ビー・ムービー』 1月26日(土)~丸の内プラゼールほか全国公開
オフィシャルサイト http://www.beemovie.jp/
BEE MOVIE TM & (c) 2007 by DreamWorks Animation LLC. All Rights Re
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2008-01-25 | 固定リンク
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