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[映画]-2時間1800円の至福- 映画を観よう、幸せになろう

加藤アカネ
“独身の新人ライター”としてスタートしてから5年以上が過ぎ、今ではなんと2人の子供がいる身の上。いまだにそんな自分が時々不思議に思えるほどの自覚のなさですが、元映画宣伝マンの経験を生かして、ジャンルを問わず、いろんな映画を楽しく、わかりやすくご紹介していきたいと思います。よろしくお願いします。

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自分らしく生きたいハチが魅せるワクワクハラハラの大冒険──『ビー・ムービー』

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去年、アメリカで一番当たった映画は『スパイダーマン3』だったんだけど、2番目に当たった映画は『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』ではなく、なんとアニメの『シュレック3』だったのだ!! アニメ映画でありながら、『スパイダーマン』や『パイレーツ~』等の超大作に引けを取らない大ヒットというのは、まさに快挙。そんな『シュレック』シリーズで知られる、ドリームワークスの最新アニメーション映画が、この『ビー・ムービー』。
眉毛がやけに印象的な、人間顔のミツバチのバリーが主人公の冒険&成長物語。と聞いて、「みなしごハッチ」(たとえが古くてすいません)みたいなアニメ映画なのかな、と思って観たのだが、国と時代が変われば、やはり中身も違う。良くも悪くもすっごくアメリカ的で今っぽい、一風変わった作品なのだ。

バリー(声:ジェリー・サインフェルド)は、大学を卒業したばかりの、前途に胸ふくらませる好奇心旺盛なミツバチ。だが、ハチの世界では、一度「この仕事に就く!」と決めたら、死ぬまでその仕事に従事するのがルールなのである。とはいえ、「外の世界が見たい」「自分にしかできない、何かがあるはず」と思っているバリーは、ルールに従えず巣から抜け出して、人間の社会・ニューヨークへ。冒険のスリルを味わい、危険にもさらされ、心優しき花屋さんのヴァネッサ(声:レネー・ゼルウィガー)とも出会う。そしてバリーは、さらにハチ界の規則を破って彼女に話しかけ、ちゃっかり友達になっちゃうのだ。
まさに、ルンルン気分のバリーだったが、ヴァネッサと入ったスーパーで衝撃の事実を知る。ズラリと並んだハチミツのボトルを見て、「ボクたちの作ったハチミツが人間に奪われている」ことを知ったバリーは、「これぞボクの使命」とばかりに、なんと人間相手に“ハチミツを返して”裁判を起こすのだ!? ヴァネッサにも助けられ、結果はミツバチ側の勝訴。
充実感に酔うバリーだったが、喜びもつかの間、この勝訴が自然界のバランスをも崩す、とんでもない事態を招くのだった。さあ、この一大事を、バリーはどうする?

ミツバチvs人間の裁判なんて「ありえない」と思いつつも、お互いもっともらしい論争を繰り広げ、百戦錬磨のイジワルな人間弁護士相手に奮闘するバリーの姿が、ユーモラスかつ見ごたえも充分に描かれていて、気がつけば引き込まれているといった感じ。
アニメの中でも裁判沙汰っていうのは、いかにもアメリカっぽいけれど、それ以上に私がアメリカ的と感じるのが、主人公バリーの存在。
バリーは良く言えば、夢と希望にあふれた自由人。だが逆に、自分勝手で向こう見ずな若者とも言える。そして、バリーはルールを無視しても、結果的に仲間を堕落させることになっても、“詫び”はいれない。反省するよりまず行動、というのが、バリー風。きっと、前述の「みなしごハッチ」だったら、まず仲間に謝ってから一緒に問題を解決する(そもそも裁判を起こそうなんて発想もないと思うけど)気がして、お国柄というか、時代性が反映されていて興味深い。
まあ、個人的には、心ない謝罪だけして後始末をしない大人な対応より、みずからオトシマエをつけることで報いようとするバリーのほうが、危なっかしくも微笑ましいと思うけど。

そんなバリーの成長物語に加えて、バリーの住む、全てが曲線でできている管理と設備の行き届いた、カラフル・キュートなミツバチの世界“ニュー・ハイヴ・シティ”の様子、ミツバチの目線で描いたミツバチ気分に浸れる、スリルと遊び心にあふれたニューヨークの飛行シーン、そして、バリーを支えるヴァネッサや仲間との友情などを見ているだけでも楽しい。ユニークな“自分探し”映画です。

Movie08012502『ビー・ムービー』 1月26日(土)~丸の内プラゼールほか全国公開
オフィシャルサイト
http://www.beemovie.jp/
BEE MOVIE TM & (c) 2007 by DreamWorks Animation LLC. All Rights Re

 
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2008-01-25 | 固定リンク | コメント (0)

イギリス・コメディの真打がパワーアップして再登場! ──『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』

Movie080118_1

このコーナーでも、これまでイギリスのコメディ番組をいくつか紹介してきたけれど、やはりイギリスを代表するコメディと言えば、モンティ・パイソンとMr.ビーンでしょう。
風刺とウィットの効いたモンティ・パイソンは「通受け」といった感じなので、イギリス文化や言葉の壁でイマイチ笑えないという人もいるかもしれない。ただ、2月20日に発売される『空飛ぶモンティ・パイソン』“日本語吹替復活”DVD BOXは、オリジナル英語を無視した吹き替えが最高に楽しいのでオススメ。とはいえ、お値段31,290円也、やはりマニア向けですね。
一方、Mr.ビーンは、ほとんどしゃべらず身体を使って視覚だけで笑わせるサイト・ギャグのオンパレードなので、初心者からコアなファン、英語圏以外の人まで幅広く楽しませてくれるのだ。
そのMr.ビーンが、映画版『ビーン』(97年)から約10年ぶりに帰ってきた。それが、この映画『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』。

正直、前作『ビーン』は、アメリカが舞台だったからか、やけに大味な印象だった。ギャグもどことなくキレがなく薄味だったし、なにより、“しゃべるビーン”に違和感を感じてしまったのだ。それを踏まえたからか、今度の舞台は英語圏ではないヨーロッパのフランス。それも、パリから映画祭でにぎわうカンヌまでのトラベル(トラブル?)ムービーだ。
教会のくじ引きで、1週間の南仏旅行とビデオカメラを当てたビーン(ローワン・アトキンソン)は、どしゃぶりのロンドンからピーカンのカンヌへ、いざ出発。とはいえ、火のない所を大火事にだってしてしまうのが、この男。そう簡単にカンヌに着くはずがない。
まず、パリ市内で迷子になり、ガール・デュ・リヨン駅のレストランで一騒動。さらに、ロシアから映画祭に出席するために来た映画監督を駅のホームで呼び止め、ビデオカメラでさんざん自分を撮らせた上に、同じ列車に乗るはずだった監督をホームに置き去りにしてしまう。しかも、車中には監督の息子、10歳のステパン(マックス・ボルドリー)がいて、ビーンのせいで、異国でひとりぼっちになってしまうのだ。
事情を察したビーンは、お得意の百面相でステパンを励まし、父親捜しを手伝うのだが、捜索中にパスポートと財布を置き忘れ一文なし。おまけに、監督はビーンを誘拐犯だと思いこみ、警察に通報しちゃったから、さあ大変。
無一文で言葉も通じない指名手配中の2人が、どうやってカンヌまで行き、監督の居場所の唯一の手がかり、映画祭の会場にいかにして潜りこむのか。そして、ステパンは無事父の元へ、ビーンは念願のビーチへ、たどり着くことができるのかが描かれてゆく。

ビーンと少年の珍道中と聞いて、真っ先にチャップリンの『キッド』を連想したんだけれど、あちらは笑いと涙の感動作。こちらは、笑いとポジティヴ志向の痛快作と言えそう。一文なしなら稼げばいい、手配されてるなら変装すればいい等々、転んでも転んでもタダでは起きないのがビーン流。
「ウィ」「ノン」と、(なぜかスペイン語の)「グラシアス」しかしゃべれないのに、トラブルさえ楽しんで旅を満喫するビーンの姿は、見ていて気持ちいいし、こっちまで旅気分が味わえる。
また、本物のカンヌ映画祭開催中に撮影したレッド・カーペットのシーンも見ものだし、ウィレム・デフォー演じるアメリカ人のナルシスト監督をギャフンと言わせる、ビーンのイタズラも愉快痛快だ。そして極めつき、お騒がせ男ビーンが、天使に見えるサプライズ・シーンからエンディングへの流れも見逃せない。
最後の最後まで、とことん楽しませてくれる、まさに愛すべきトラブルメーカー。ビーン初心者は、あの変顔とキテレツなパフォーマンスに病みつき必至、TV版のコア・ファンもビーンらしいサイト・ギャグの数々に笑いが止まらない、おもしろ快作だ。

Movie080118_2 『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』 1月19日(土)~日比谷みゆき座ほか全国公開
オフィシャルサイト http://www.mrbean.jp/

 
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2008-01-18 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

あこがれは時に殺意を招く?──『ジェシー・ジェームズの暗殺』

Movie080111_1

誰にでも「あの人みたいになりたい!」という、“あこがれの人”がいると思う。そして、できるものなら、その人とお近づきになって「もっと彼(彼女)を知りたい」と、思うのではないだろうか。
ただ、実際の相手が自分の思い描いていた人物と違った場合はどうだろう。魅力的な部分もあるけれど、許せない部分もある。だったら「相手を嫌いになる」で済めば問題ないけれど、崇拝していればいるほど、そう簡単に割り切れるものじゃない。
さらに、相手の弱みを身近で見てしまったことで、「だったら私だって、彼(彼女)に取って代われるのでは?」という欲まで出てくるかもしれない。
この映画『ジェシー・ジェームズの暗殺』の、ジェシー・ジェームズ(ブラッド・ピット)とロバート・フォード(ケイシー・アフレック)のように。

舞台は1880年代のアメリカ。ジェシー・ジェームズとロバート・フォードは、実在の人物だ。ジェシーは、窃盗団を率いて25件以上の強盗と17件の殺人を犯した重罪人のお尋ね者であるにもかかわらず、人々から権力に刃向かうアウトローとして称えられた伝説の男。一方、ロバートは、ジェシーの手下でありながら彼を背中から撃ち殺したとされる、アメリカ一の卑怯者と人々から蔑まれた男。
その「撃ち殺したらしい」という結果から憶測して、単に“ヒーローと卑怯者”として語り継がれている。けれども、誰よりもジェシーを崇拝していたロバートが、ジェシーの背中へ銃口を向けるに至るまでには、ひと言では言い表せない感情の荒波を体験したはず。「あこがれが殺意へと変わる」ロバートのその荒波は、何ゆえに起こったのか? 2人の男の間には、いったい何があったのか? といった、2人の感情の変遷が、本作では映しだされてゆく。

ここまで読んでくださった方は、もうお気づきだとは思うけど、銃を持ち馬にまたがる窃盗団の話とはいえ、いわゆる西部劇とは異なる、心理ドラマといった趣。それも、かなりサスペンスフルな心理ドラマになっているのがポイント。

なにしろ、ジェシーになりきるブラピに、まず魅せられる。カリスマ性があって、つかみどころがない。彼の内面に少し近づけたかな、と思ったら、次の瞬間にはこちらを威圧する。かと思えば、すごく痛々しい孤独な表情を見せたりもする。ベネチア国際映画祭の最優秀男優賞受賞も納得の、複雑だけど魅力的なジェシー像をみせてくれるのだ。もちろん、見た目もカッコいいしね。

さらに、ロバート役のケイシーも、ブラピに負けない迫真演技で応える。ジェシーというヒーローにあこがれる、おどおどした無垢な部分と、ジェシーに信頼されたことで顔を出す自惚れや強がり。そして、ジェシーと過ごすことで味わう、崇拝、失望、ジェラシー、怒りなどの感情の変化を、ケイシーが生々しく体感させるのだ。こちらも、ゴールデン・グローブ賞助演男優賞ノミネートをはじめ、各賞レースで大本命と言われている名演ぶり。

そんな2人のやり取りから感情の変化を読み取り、心のあやをひも解く、ヘタな犯人当てサスペンスより、よっぽどミステリアスで緊迫感のある心理劇だ。
加えて、『ショーシャンクの空に』『クンドゥン』『バーバー』をはじめ、アカデミー賞に5回もノミネートされた、名匠ロジャー・ディーキンズによる、2人の心の動きをも描写する詩的で美しい映像も見ものですよ。

Movie080111_2 『ジェシー・ジェームズの暗殺』 1月12日(土)~丸の内プラゼールほか全国公開
オフィシャルサイトhttp://wwws.warnerbros.co.jp/assassinationofjessejames/
(c) 2008 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

 
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2008-01-11 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

英国民にめちゃウケの過激コメディ──DVD『Little BRITAIN/リトル・ブリテン』

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2007年は全体的にあまり良い年だったとは思えないけど、08年はパーッと行きたいものです。そんなわけで、新年早々“笑える作品”をピックアップしてみました。それが、このイギリス発のTVコメディ『リトル・ブリテン』。
「女装」や「ゲイねた」など、過激なお笑いが多い番組であるにもかかわらず、DVDが英国発売されるやいなや『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』を抜いて1位に輝いたという国民的人気の話題作。あのジョニー・デップやニコラス・ケイジも番組の大ファンで、日本でも木村カエラちゃんが大好きと言ってたから、イギリスに限らず「女装」と「ゲイ」は世界的にウケるのかも(笑)。

『リトル・ブリテン』は、03年から英国BBCで放映がスタートした(日本ではWOWOWで放映中)コメディ番組。コメディアン・コンビ、マット・ルーカス(ポッチャリさん)&デヴィッド・ウォリアムズ(ノッポさん)が、女装しコスプレし、さまざまな強烈キャラを演じ分ける、爆笑ショートコント集なのだ。

過激ネタ満載なのに、これほどみんなに愛される、その番組の内容は…。
まず冒頭、“Oh~、ブリテン! ブリテン! ブリテン!”と言う大仰なキメ文句でスタートし、英国がいかに素晴らしいかを語り称える(チャカす?)、あまりにも大げさでおかしいナレーションからして、「なんだ、コレは!」のおもしろさ。いかにも国営放送のナレーションといった感じの気取った声なのに、言ってることは毒舌という、このギャップがケッサク。しかも、毎回、“素晴らしさの内容”も変えてくるので、今度は何を言い出すやら、と自然と心待ちにしちゃうんですねえ。
そして始まる、マット&デヴィッドの七変化による、庶民的だけどどっかズレてる「世にもおかしな英国人キャラ」のオンパレード! 例えば、「てゆーか、つーか」が口ぐせで、意味不明の弾丸トークで大人たちの説教を巧みにかわす、日本のコギャルみたいな“ヴィッキー”。あるいは、突き出たお腹をピッチピチのボンテージルックで強調させて、たとえ隣でゲイ・カップルがチューしてても「ボクは村で唯一のゲイ! だから大変」と言い張る“ダフィド”。または、歩けるくせに進んで車椅子生活を送り、甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる友人ルーの言うことに全て「イヤだ」で応える、ウルトラへそ曲がりな“アンディ”。などなど、体型を生かした見た目からしてインパクト大の奇抜キャラを連発していくマット。
一方、デヴィッドは、見た目よりも意外性で勝負。例えば、首相を崇拝するあまり同僚やファーストレディにまでキバをむく、超嫉妬深いゲイの補佐官“セバスチャン”。さらに、見た目はいたってマトモそうだし、フィアンセもいるのに、その結婚の打ち合わせの席でママにおやつをせがむ文字どおり「乳離れできない」“ハーヴェイ”。ものすご~く年上に目がない、おばあさんフェチの青年“ジェイソン”などだ。
果ては、2人仲良く、時代錯誤な女装(上の写真参照)で、ルンルンしちゃう“エミリーとフローレンス”。

と、よくもまあこれだけ英国の伝統と格式、イギリス人の生態をコケにできるよなあ、と感心するやら驚くやら。その大胆さには、もう笑うしかない。
かなりドぎついユーモアもあるけれど、意外にも不快ではない。それは、マット&デヴィッドが、ヘンだけど愉快、アブないけどカワいい、と感じさせるキャラをつくりだしているからかもしれない。観れば観るほど彼らに愛着がわいてくるから、不思議だ。
恥も外聞もなんのその、したたかに堂々と生きる──そんなタフなキャラばかりだから、気持ちよく笑える、過激だけどクセになるコメディですよ。

『Little BRITAIN/リトル・ブリテン』
発売元:CKエンタテインメント[KINETIQUE]
販売元:ジェネオン エンタテインメント
セル&レンタル:ファースト・シリーズ Vol.1、Vol.2、セカンド・シリーズ Vol.1は各3,990円にて発売&レンタル中。セカンド・シリーズ Vol.2は1月11日発売&レンタル開始
オフィシャルサイト http://www.comedique.com/littlebritain/

Movie010402

◎(左)セカンド・シリーズ Vol.1/3,990円(税込)/発売中
◎(右)セカンド・シリーズ Vol.2/3,990円(税込)/1月11日発売

 
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2008-01-04 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

 
 
 
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