傷ついた男たちに魅了される──『傷だらけの男たち』

よく“時が心の傷を癒してくれる”と言う。たしかに、良くも悪くも“忘れること”ができるのが人間である。でも、心の痛みを癒すのは、時だけではなく、人との関わりも大きいような気がする。そんなことをシミジミ考えさせられるのが、『インファナル・アフェア』のチームが集結して作り上げた、この『傷だらけの男たち』。『インファナル・アフェア』のリメイク版『ディパーテッド』に続いて、本作もレオナルド・ディカプリオ主演でハリウッド版の映画化が決定している話題作だ。
ここに登場する2人の男は、ともに心に深い傷を抱えている。1人は、傷に溺れて酒浸りのやりきれない日々を送る男。もう1人は、傷を糧に地位も名誉も手に入れた男。こう書くと後者の男性のほうが、いかにも前向きなように映るかもしれないけど、彼にとってはこの傷こそが生きるための唯一の原動力であり、よっぽどの奇跡でも起きないかぎり癒されることはない根深い悲運を背負っているのだ。
かつては上司と部下、そして親友でもあった刑事のヘイ(トニー・レオン)とポン(金城武)。だが、3年前のクリスマスの悲劇が、2人の人生の明暗を分ける。ポンの恋人が自殺したのだ。それ以来、ポンは警察を辞め、飲めなかった酒を浴びるように飲み、今では万年酔っぱらいのしがない私立探偵。一方、ヘイは仕事も順調、なにより資産家の娘で美人のスクツァン(シュー・ジンレイ)と結婚し、この上なく幸せな日々を送っているように見える。しかし、再び2人の運命を変える事件が起こる。スクツァンの父親が何者かに惨殺されるのだ。警察は金品目的の強盗殺人として容疑者を挙げ、事件を解決に導く。しかし、どうも腑に落ちないスクツァンは、事件の調査を夫ヘイの親友ポンに依頼。その直後から、彼女の身を脅かす不審な出来事が起こりはじめ、ポンの調査が進むにつれ、事件の真相と1人の人間の運命を狂わせた悲しい過去が浮かび上がってくる。
サスペンスではあるけれど、謎解きや犯人当てがメインという映画じゃあない。コレを読んでるカンのいい人は、もう誰が犯人かはわかってると思うし、劇中でも案外あっさりとバラしてしまう。問題は、結果ではなく過程なんだよ、というワケ。『インファナル・アフェア』でもそうだったけど、偽りの自分や抱えこんだ秘密、そしてやり場のない心の痛みに葛藤する男たちの行く末をじ~っくりと見つめる。これこそが、この映画の醍醐味なんですよ!
また、前述したように人との関わりにも注目。ヘイにはスクツァンがいるし、ポンにも深酒しすぎる彼を心配するキュートなフォン(スー・チー)がいる。彼女たちと関わりを深めていくことで、男たちがどう変わってゆくのか、も見もの。
しかも、そんな傷だらけの男たちを、大人の色香を感じさせるトニー・レオンと、酔いどれててもナイーヴで胸キュンさせる金城くんが、グッとくる演技で魅せてくれるのだ。まったく違うタイプなのに、どちらももっと知りたい、彼らの痛みを理解したい、と思わせる、人を惹きつけずにはおかない魅力がある。2人の迫真の演技と男っぷりにシビれます。
『傷だらけの男たち』 7月7日(土)~日比谷みゆき座ほか全国公開
オフィシャルサイト http://drywhisky.com/
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2007-07-06 【映画】 | 固定リンク
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傷だらけの男たちは、傷ついた男たちの切ない物語。
トニー・レオンと金城武の共演の心に深い闇を抱えた男たちの
人生を描いたヒューマンドラマ・・・
物語のカギを握るベテラン刑事をトニー・レオンが熱演しています。
レオナルド・ディカプリオ主演でハリウッド・リメイクも
決定しているそうですよん♪
... [続きを読む]
トラックバック送信日 2007/07/07 1:32:19

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