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[映画]-2時間1800円の至福- 映画を観よう、幸せになろう

加藤アカネ
“独身の新人ライター”としてスタートしてから5年以上が過ぎ、今ではなんと2人の子供がいる身の上。いまだにそんな自分が時々不思議に思えるほどの自覚のなさですが、元映画宣伝マンの経験を生かして、ジャンルを問わず、いろんな映画を楽しく、わかりやすくご紹介していきたいと思います。よろしくお願いします。

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陰謀。復讐。――その果てにあるものは? 「ザ・シューター/極大射程」&「女帝<エンペラー>」

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リベンジ――とよく言いますが、実現させるのはなかなか難しいもの。だからこそ、ちょっぴりの願望を込めて、古今東西、復讐のドラマがよく描かれるのかもしれません。そして、復讐に燃える者たちは、望まない陰謀に巻き込まれた者たちであることもしばしば。今週は、強大な権力による陰謀に立ち向かい、復讐に突き進む主人公たちの物語です。

「ザ・シューター/極大射程」――海兵隊特殊部隊所属の狙撃の名手、ボブ・リー・スワガー(マーク・ウォールバーグ)は、相棒ドニーとアフリカの小国エリトリアで任務に就いていた。しかし、予想を超える敵の数に応援を要請するも、本部は彼らを見捨て撤退。ようやく敵を殲滅したスワガーの隣りで、祖国に愛する妻サラ(ケイト・マーラ)を遺しまま、ドニーは息絶えていた。3年後、退役し愛犬とワイオミングの山中でひっそりと暮らしていたスワガーの前に、ジョンソン大佐(ダニー・グローバー)とその部下たちが現れる。全米各地を遊説する大統領の暗殺計画阻止のため、スワガーの狙撃手としての力を貸して欲しいと言うのだ。一度は断るが、持ち前の正義感と自らの力を知るスワガーは、自分になら阻止できると考え、引き受けることに。しかし、それは巨大な陰謀の序章だったのだ……。

先日の全米アカデミー賞で助演男優賞にノミネート(「ディパーテッド」)されたM・ウォールバーグ。何本も主演作があるにも関わらず、なんとなく地味な“助演”のイメージがついているような気がするのは、私だけでしょうか? その彼の最新主演作です。

ワシントン・ポスト紙の映画批評家スティーヴン・ハンターが書いた原作は、日本でも『このミステリーがすごい!』の海外作品部門第1位を獲得した人気小説。すでにシリーズ物として根強いファンもいる主人公スワガーは、ハードボイルドな個性派です。

とにかく、その狙撃の腕のすごさといったら! 約2kmも先の物を撃ち抜いちゃうんですから、想像もつきません。身体能力、危機回避の判断力の早さ、そして非常事態のサバイバル力も並大抵ではありません。その彼が、強大な権力の使い捨てのコマとして選ばれ、大統領暗殺犯にされてしまうのです。

国中の注目を浴び、追われることになった彼が、たった1人でどう闘い、陰謀の真相を暴きだすのか。味方はドニーの妻サラと、ひょんなことからスワガー犯人説に疑問を抱いてしまったFBIの新人捜査官ニック(マイケル・ペーニャ)だけ。ちなみに、この一見いかにも頼りなさそうな新人ニック君が、意外に頼れる粘り腰をみせてくれるのも、見どころのひとつです。

スワガーとともに一歩一歩、真実に近づけば近づくほど、途方もなく巨大な陰謀の片鱗が見えてきて、「いったい、どう決着させるの?」と呆然としてしまうかも。「もしかして、現実のアメリカも……?」なんて思わせるリアルな設定にもドキリとさせられて、見応え十分です。

全然笑わない主人公スワガーは、マット・デイモン主演で人気シリーズとなった「ボーン・アイデンティティー」に比べると愛嬌は足りませんが(笑)、シリーズ化の可能性もあるかも。まずは、ご覧ください。

「ザ・シューター/極大射程」 6月1日(金)~、日劇3他、全国公開
オフィシャルサイト 
http://www.shooter-movie.jp

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「女帝<エンペラー>」――国同士が絶え間なく争い、国内でも実の父子、兄弟が争っていた戦乱期の古代中国。皇太子ウールアン(ダニエル・ウー)と想いを寄せ合っていたが、父である皇帝に望まれ、皇后となったワン(チャン・ツィイー)。しかし、ウールアンが失意のうちに都を去っている間に、皇帝の実弟リー(グォ・ヨウ)が皇帝を暗殺、新帝として即位する。リーの狙いは皇帝の地位だけでなく、美しく聡明なワンを手に入れることにもあった。リーがウールアンの暗殺も企んでいると知ったワンは、ある決意を胸に秘めて、彼の妻になる道を選ぶ。しかし、それはウールアンの嫉妬と不信を招き……。

“読んだことはなくても、ストーリーは知っている物語”をあげていけば必ず出てくる1本が、シェイクスピアの『ハムレット』ではないでしょうか? 本作は舞台を古代中国に、主人公をハムレット(=ウールアン)から彼の母ガートルード(=義母ワン)に移したことで、新たな復讐の物語となりました。

とにかく衣装やセットの豪華絢爛ぶりにため息。中国各地からモンゴル草原まで、約3ヶ月の撮影期間と2000万ドルもの製作費をかけただけあって、圧倒的な迫力で迫ってきます。その中心となるチャン・ツィイーは、男たちを夢中にさせてしまうのも納得の美しさ。さすが某シャンプーのCMで“アジアン・ビューティ”に認定されただけあります(笑)。

アクション・シーンも、中国映画「HERO」や「LOVERS」でお馴染みのワイヤー・アクションで、殺気よりも優美さを感じさせ、まるで舞踊を見ているように、どこまでも鮮やかで艶やか。

個人的には、オフィーリア役に当たる、ウールアンの許婚者チンニー(ジョウ・シュン)が印象的でした。原作『ハムレット』では、復讐に燃える彼に冷たくされたことで精神的に追い詰められ、狂死してしまう哀れな婚約者でしたが、チンニーはウールアンの心を別の女性が占めていることを知りながら、しなやかな強さで一途に彼を想い続けます。

憎い男と夜をともにしながら、揺るぎない決意を胸に1日1日指折り数えるワン。彼女の復讐と野望は周囲の人々をも巻き込み、燃え上がります。その結末がどんなものになるのか。その目で見届けてください。

「女帝<エンペラー>」 
6月2日(土)~、有楽座他、全国東宝洋画系にて公開
オフィシャルサイト
http://jotei.gyao.jp
(c)2006 Media Asia Films(BVI) Ltd. Huayi Brothers Film Investment Co.,  Ltd. All Rights Reserved.

 
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2007-05-25 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

あなたは、お母さんのことをどのぐらい知っていますか? 「眉山」&DVD「オール・アバウト・マイ・マザー」

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先日13日は「母の日」でしたが、あなたはお母さんに何かしてあげましたか? 考えてみれば、昔はずいぶんケンカもしましたが、年を重ねるごとに母は近しい存在になってくるような気がします。でも、意外に母の若い頃の話はあまり知らないままじゃないでしょうか? 今週は母の物語です。

「眉山―びざん―」――東京の旅行代理店に勤務する河野咲子(松嶋菜々子)は、故郷・徳島に暮らす母・龍子(宮本信子)の入院の知らせを受ける。父を知らない咲子にとって、母はたった1人の身内だった。帰郷した彼女に母は変わらぬ気丈な姿を見せるが、担当医から告げられた病名は末期ガン。咲子は母に真実を話すことが出来ない。しかし、ある日、かつて母の営む店に勤めていた松山(山田辰夫)から、龍子が「自分が死んだら咲子に渡すよう」にことづかっていたという箱を渡される。中には、自宅の登記簿の他に、死んだはずの父が咲子の誕生日ごとに送ってきた手紙の束と、若い頃の母が見知らぬ男性と写っている1枚の写真が収められていた。問い詰める咲子に、逆に母は本当の病状を隠していたことで切り返す。母が病状に気づいていたこと、諍(いさか)いをしてしまったことに落ち込む咲子を慰めたのは、病院で知り合った医師・寺澤(大沢たかお)だった。母の最期が近いことを知った咲子は、母が愛する阿波おどりを見せるために、寺澤と外へ連れ出すが――。

タイトルの眉山(びざん)とは、万葉集にも詠まれているなだらかな美しい眉のようなシルエットを持つ山で、古くから徳島の人々を優しく見守り、癒してきた山です。阿波おどりと共に、徳島を象徴する風景のひとつと言えるのかもしれません。

“神田のお龍”と呼ばれるチャキチャキの江戸っ子だった母が、なぜ縁もゆかりもない徳島に1人やって来て咲子を産んだのか。しかも、咲子に相談もせず、医大生の解剖実習のために遺体を提供する“献体”まで申し込んでいたのです。営んでいた店をたたむ時も、ケアハウスに入居する時も、いつも事後報告だった母に、ついに咲子の不満が爆発してしまうのもやむを得ないような気がします。

そんな気丈な母を演じる宮本信子が、とにかくカッコいいです。映画出演は実に10年ぶりだそうですが、さすがの貫禄。筋が通らないことには一言、言わずにはいられない。でも、決して尾を引かない潔い彼女を慕う人々が大勢いるというのも納得。そのピンと張った背筋ひとつをとっても、全身で龍子の生きてきた人生を語っているようで、圧倒されます。

父のこともあって、母にどこか距離を置いてきた咲子が、手紙を頼りにかつての2人が歩んだ道をたどって行くシーンはジンと心に迫ります。考えてみれば、私も両親がどんな想いを抱いて生きてきたのか、その青春時代について聞いたことは、ほとんどありませんでした。その時々の切なくつらい想い、考えていたことなど、知っているようで何も知らないことにハッとさせられます。

母の本当の想いを初めて知った咲子が、何を考え、どう行動していくのか。ハンカチを握り締めて、劇場でご覧ください。

「眉山―びざん―」 全国公開中
オフィシャルサイト 
http://www.bizan-movie.jp
(c)2007「眉山」製作委員会

Movie0518_2 「オール・アバウト・マイ・マザー」――臓器移植のコーディネーターとしてマドリードの病院に勤めるマヌエラ(セシリア・ロス)は、女手ひとつで息子エステバン(エロイ・アソリン)を育ててきた。「父親についてすべて教えて」という彼の願いを17歳の誕生日にかなえる約束をするが、その晩、2人で芝居を見た帰り道、大女優ウマ(マリサ・パレデス)のサインが欲しくて道路に飛び出した息子は交通事故に遭い帰らぬ人に。息子の死を別れた夫に伝えようと決心したマヌエラは、18年ぶりにバルセロナへ向かう。そこで出会ったシスター・ロサ(ペネロペ・クルス)は密かに妊娠していた。その相手は、4ヶ月前に行方不明になったマヌエラのかつての夫ロラ(トニ・カント)だった……。

1999年に公開され(日本は2000年)、カンヌ国際映画祭最優秀監督賞や、全米アカデミー外国語映画賞を始めとする各賞を総ナメにしたスペイン映画です。最愛の息子を喪った母が、息子の想いを別れた夫に伝えるために、18年間に得たものすべてを捨てて、青春時代を過ごしたバルセロナへ向かいます。

そもそも18年前、なぜマヌエラがお腹に子供がいることを夫にも告げず、ひとりバルセロナを去ったのか。彼女がどれほどの想いで決断したのかは、案外さらりと語られます(とは言っても、かなりすさまじい状況下にあったのですが)。

様々な想いを飲み込み、それを昇華し、歩んできたマヌエラ。彼女の強さは、おそらくは息子の存在を唯一の支えにしていたものだっただろうに、それすらもなくしてどうなってしまうのか。でも、彼女はやっぱり前を向いて歩いていくのです。

その強さは、他の登場人物――ロサ、ウマ、親友アグラード(アントニア・サン・フアン)にも通じていて、ただただ見入ってしまうばかり。何もなかったはずはないのに、何もなかったかのように前を見続ける彼女たちの姿は、言葉には出さずとも、互いの人生を讃えているようにも見えてきます。

2作品とも、様々な女たちの人生を見ているうちに、いつのまにかピンと背筋がのびてしまうような物語です。希望あるエンディングが、さわやかな後味を残してくれますよ。

DVD
「オール・アバウト・マイ・マザー」
発売元:東芝エンタテインメント/販売元:アミューズソフトエンタテインメント
3129円(税込)で発売中
オフィシャルサイト 
http://www.amuse-s-e.co.jp/index.php
(c)EL DESEO S.A./RENN PRODUCTIONS/FRANCE 2 CINEMA. 1999.

 
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2007-05-18 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

“真実”を見出すきっかけは、いつも思いがけないコト――「主人公は僕だった」&「毛皮のエロス」

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人生の転機なんて言うと大げさですが、ふとしたことがきっかけで一生を共にするほどの誰かと出会ったり、恋に落ちたり、別れたりと振り返れば思いがけないことばかり。今週は、まさしく人生を一変させる“真実”を見つける出会いを得た人々の話です。

過去12年間、1分の狂いもない判で押したような毎日を送る――それが、国税庁会計検査官ハロルド(ウィル・フェレル)だ。しかしある朝、歯磨きの最中に突然女性の声が聞こえてくる。その声は、彼の行動や頭に浮かんだ思いを、まるで「主人公は僕だった」と彼に言わせんばかりに文学的な表現で語るのだが、他人には聞こえないらしい。そして、どうにも振り払えないその声が決定的な一言を告げる。「このささいな行為が死を招こうとは、彼は知るよしもなかった……」。仰天したハロルドは精神科医やカウンセラーを訪ねるが、答えは出ない。ついにはある医者の「文学専門家を訪ねては」という言葉に、大学教授ヒルバート(ダスティン・ホフマン)の元へ。初めは相手にしなかったヒルバートだが、非常に文学的なハロルドの表現に興味を持ち、「悲劇は喜劇にすればいい。それには、まず敵対する相手と恋に落ちること」と助言する。そして、ハロルドは税金未納督促のために小さなケーキ屋を訪れ、アナ(マギー・ギレンホール)と出会う――。

毎朝、上下左右計76回歯を磨き、342歩でバス停へ歩き、1日平均7.134件の書類を調べ、45.7分のランチタイムをとり、帰宅後は23時13分に就寝――国税庁職員らしく(笑)、数字に裏打ちされたカンペキな日常をひっくり返したのは、奇想天外な“声”の存在でした。

その“声”の主は、有名な悲劇作家カレン(エマ・トンプソン)。なんとハロルドは、彼女が10年ぶりに執筆している、完成すれば傑作となるであろう小説の主人公だったのです。

もちろん現実にはありえない設定です。自分の人生が、作家の書く小説だったなんて。あらかじめ結末の“死”が決められ、それに向かって書き進められていただけだなんて。でも、実は日常で意識することはあまりありませんが、人間誰しも、生まれてからはひたすら“死”に向かう時間を生きているという意味では、同じことなのかもしれません。

意識していなかった“死”がまさに目前にあることを知ったハロルドは、「学生の時に買わずにあきらめていたギターを購入」したり、「仕事に行かず、1日家でのんびり過ごす」など、それまでなら考えられなかった人生を生き始めます。それは、ちょっと皮肉なことですが。でも、一瞬一瞬を楽しむ彼の人生は、明らかに輝き始めるのです。

敵対する(といっても、税金未納なだけですが・笑)、自分とはまったく違ってのびのびと人生を謳歌しているアナとの出会いは彼にどんな影響を与えるのか? 何よりも文学を愛するヒルバート教授との出会いは? さらに、決して異次元などではなく、同じ世界、同じ街で生きている作家カレンの居所を突き止め、自分が「本当にこの世に生きている」ことを伝えて、結末=“死”を回避することはできるのか? 

慌しい日常に紛れて、ふと忘れてしまいがちな「人生の大切なこと」。奇想天外な設定ですが、とっても普遍的な、誰にでも関わりのある何かを気づかせてくれそうです。

「主人公は僕だった」 5月19日(土)~、日比谷みゆき座他、全国公開
オフィシャルサイト http://sonypictures.jp
(c)2006 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

Movie0511_02
「毛皮のエロス ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト」――1958年、ニューヨークの裕福な家庭に育ったダイアン・アーバス(ニコール・キッドマン)は、ファッションカメラマンの夫アラン(タイ・バーレル)のアシスタントとして働きながら、2人の娘にも恵まれ、傍目には幸せな生活を送っている。しかし、常に心のどこかに満たされないものを抱えていた。ある晩、彼女の住むアパートメントに1人の奇妙な男が越してくる。コートで全身を覆い、眼の部分だけがくり抜かれたマスクを頭からすっぽり被ったその男ライオネル(ロバート・ダウニーJr.)に強烈に惹かれるダイアン。数日後、意を決した彼女はカメラを片手に彼の部屋を訪れ、「撮影させて欲しい」と頼むが……。

ダイアン・アーバスは実在の女性カメラマン。彼女の主たる被写体は、結合双生児や身長8フィート(約240cm)の大男、同性愛者、ヌーディスト等々のいわゆる“フリークス”と呼ばれる人々でした。彼らの抱える精神的外傷を共有した彼女の作品は、やがて後の写真家たちに大きな影響を与えていきます。

原作となったのは、1984年に出版されたパトリシア・ボズワースの書いた伝記『炎のごとく 写真家ダイアン・アーバス』。映画は、彼女の足跡をたどる伝記の一部――カメラを手にし、アーティストに変貌していく過程を、「なぜ、彼女がフリークスにのめり込んでいったのか」という謎を中心に、監督スティーヴン・シャインバーグと脚本家エリン・クレシダ・ウィルソンがイマジネーションで膨らませたものになっています。ですので、ライオネルは(彼女の作品にモデルとなった男性はいる)、実は架空の存在(映画にも「本作は史実に忠実な伝記映画ではない」とクレジット)。

その分、物語は自由にはばたき、内気で貞淑な妻であり母であった女性が生きる意味を見い出すための葛藤や、そのきっかけとなる男性との出会いがよりドラマチックに。2人の関係は一言で言ってしまえば不倫ですが、真摯で、清らかにすら見えます。

それにしても、N・キッドマンの変わらない美しさにため息。ひとまとめにした髪を下ろし、若々しい青いドレスに着替えた彼女が、カメラ1つをクビに提げライオネルの部屋を訪れるシーンは、見ているだけでドキドキしてしまいます。

この出会いをきっかけに自由な翼を得た彼女が、見つけたものは何だったのか。映画で描かれた出会いはフィクションですが、きっと彼女が遺した作品と見事にリンクしているのではないでしょうか。そう思うと、写真集にも興味がわいてくる映画です。

「毛皮のエロス ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト」 5月26日(土)~、シネマGAGA! 他全国順次公開
オフィシャルサイト http://kegawa.gyao.jp
(c)MMVI NEW LINE CINEMA PICTUREHOUSE HOLDINGS, INC./HBO PICTUREHOUSE HOLDINGS, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

 
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2007-05-11 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

気分爽快! 有名選手も実名で出演するシリーズ 「ゴール!2」&DVD「ゴール!」

Movie0504_01
「筋書きのないドラマ」と言われるスポーツをテーマにした映画は星の数ほどあります。でも、全3部作からなるこのサッカー映画は、FIFA(国際サッカー連盟)公認の映画史上初となるシリーズ。今週ご紹介する第1&2話は、本物のイングランドのプレミア・リーグやスペインのリーガ・エスパニョーラの試合に、そして最終話は、なんと2006年のワールドカップ・ドイツ大会に映画カメラを入れて撮影しているのです。“筋書きのない試合”と“シナリオのある映画”がどんな物語を生み出すのか? ぜひ、お楽しみください。

「ゴール!2」――イングランド・プレミア・リーグの名門ニューカッスル・ユナイテッドで大活躍のサンティアゴ(クノ・ベッカー)。恋人ロズ(アンナ・フリエル)との挙式も控え、充実した日々を送る彼に転機が訪れる。スペインの強豪レアル・マドリードから移籍話がきたのだ。話し合いのため、サンティはエージェントのグレン(スティーヴン・ディレイン)と親善試合で東京滞在中のチームを追って東京へ。監督メルベ(ルトガー・ハウアー)に「あとは君次第」と告げられた彼は、一足先にニューカッスルから移籍していたガバン(アレッサンドロ・ニヴォラ)の後押しもあり移籍を決意する。看護師の仕事と英国に愛着を抱くロズを説得し、スペインへ渡ったサンティはスーパーサブとして頭角を現すが、なかなかスタメンにはなれない。さらに距離と様々な誘惑がロズとの間に溝を生み……。

チャンス、活躍、挫折、復活、そして栄光――スポーツものにお約束のセオリーが、きっちり盛り込まれたサクセス・ストーリー(まだ終わってませんが)。そこに目新しさはありません。でも、やっぱり興奮と感動がたっぷり味わえるんですから、見ない手はありません。

前回、無事ニューカッスルのトライアル(入団テスト)にパスし、選手として活躍を始めたサンティ。その彼に、突然舞い込んだ移籍話の相手は、“銀河系軍団”の異名をとる名門中の名門、レアル・マドリードでした。英国からスペインへ生活を移すリスク、英国人の恋人ロズの存在、さらには大スター揃いのチームで自分がスタメンとして出場できるのかという不安……でも、夢をさらに大きく実現させるためには一歩踏み出すしかないのです。

この「ゴール!」シリーズの見どころの1つは、現実とリンクした設定。登場するチームはもちろん実在のものだし、今回のサンティの移籍話も、先日、実際にレアルからニューカッスルに移籍したマイケル・オーウェンの代わりとしてオファーがきた、という設定になっているのです。

特に試合シーンの撮影の仕方はものスゴい手の込みようで、実際の試合に映画カメラを7~9台も設置して撮影し、後からそのプレーに合わせて、俳優と実在選手のそっくりさんが何度も何度もプレーを繰り返しては1つの試合を撮り上げていくのです。つまり、試合シーンは現実の試合と、後からシナリオに沿って演じたプレーを合わせたもの。CGも使っての合成ですが、今までのスポーツものにはちょっとないほどのリアリティと迫力です。

全面的に協力しているベッカムは、俳優たちの試合シーンの撮影にも実際に参加しているので、サンティやガバンときっちりからむプレー・シーンもあり、よりリアルに。FIFAや選手の協力なくして成り立たない映画だったことがよくわかります。

実は、サンティを悩ますのはサッカーとロズだけではありません。幼いころに家族を捨てて出ていった実母と異父弟の存在や、様々な誘惑も。彼がその壁をどんなふうに乗り越えるのか。ワールドカップを舞台にした最終話への期待を、十分に持たせてくれる続編です。

「ゴール!2」 5月26日(土)~、渋谷東急他、全国松竹・東急系公開
オフィシャルサイト http://goalthemovie.jp
(c)Goal 2 Limited, Scion Films Premier (Second)Limited Partnership, Goal Productions Ⅱ Limited, Babelsberg Production Service GmbH and Impala S.A and Anola S.L

Movie0504_02「ゴール!」――片時もボールを離さず、サッカーとともに成長したメキシコ生まれのサンティアゴ(クノ・ベッカー)。父、祖母、弟と共にアメリカに移住した今も、プロを夢見て地元チームで活躍している。そんな彼を偶然見かけた元プレミア・リーグ選手・グレンの誘いを受け、サンティは父の反対を押し切り、単身英国へ渡る。しかし、気候の違いや持病の喘息の発作に襲われた彼は、トライアルで思うような結果が出せない。一時は帰国することにしたサンティだったが、グレンの必死の売り込みと、チームの看護師ロズの励ましで再トライすることに。彼の夢は叶うのか?

貧しい家庭に育ち、「夢なんか持ってもムダ」という父の元、プロ・サッカー選手になるというかすかな望みを抱き続けてきたサンティ。突然、夢を実現させる可能性が飛び込んできますが、それは簡単なものではありませんでした。

父の大反対、高額な渡航費用、そして何より、アメリカへは密入国によって移住していた彼は、一度メキシコへ戻ってからでなければ、英国入国は不可能なのです。そこまでのリスクを冒して、プロになれなかったら? 家族を残していく後ろめたさとあいまって、彼の不安はつきません。

そんな彼の後押しをしてくれたのは祖母と弟でした。でも、ようやく決意して英国へ渡った彼を待っていたのは、各地からトライアルを受けに来た逸材ぞろいの選手たち。相手を蹴落としてでもプロになりたいというライバル意識と、今までにない環境にサンティは翻弄されます。

彼は一流のプロ選手になれるのか? シリーズ3部作なので結果は見えていますが(笑)、やっぱり盛り上がります。さらに、ベッカムやジダンたちが自分の役で出演しているのも本シリーズの特徴。FIFAの全面協力を得た本作が、シリーズ最終話の展開に、実際の試合や選手をどう絡めていくのかも大きな見どころの1つです。

2006年のワールドカップ・ドイツ大会に初めて映画カメラを入れた最終話は、今夏、ドラマ部分を撮影・編集後、来年公開予定だそうです。中田英寿も出演しているそうですし、まだまだ話題は尽きません。ぜひ、今から1&2話をおさえて来年公開される最終話に備えては?

DVD「ゴール!」スタンダード・エディション
発売元:東芝エンタテインメント/販売元:ポニーキャニオン
3129円(税込)で発売中
オフィシャルサイト
http://www.toshiba-ent.co.jp/dvd_list_fm_f.html

 
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2007-05-04 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

 
 
 
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