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[映画]-2時間1800円の至福- 映画を観よう、幸せになろう

加藤アカネ
“独身の新人ライター”としてスタートしてから5年以上が過ぎ、今ではなんと2人の子供がいる身の上。いまだにそんな自分が時々不思議に思えるほどの自覚のなさですが、元映画宣伝マンの経験を生かして、ジャンルを問わず、いろんな映画を楽しく、わかりやすくご紹介していきたいと思います。よろしくお願いします。

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時に“家族”の存在はうっとうしいけど、やっぱり大切なのです。「ママの遺したラヴソング」&「アルゼンチンババア」

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あなたにとって、“家族”とは何ですか? 「いて当たり前」、そんな普段はまるで空気のような存在で、でも時に、うっとうしい、なんてこともあったりして。中々その大切さを身にしみて感じることは少ないですよね。今週は、そんな“家族”の大切さ、温かさがじわじわ伝わってくるような映画です。

「ママの遺したラヴソング」――幼いころから祖母に育てられたパーシー(スカーレット・ヨハンソン)の元に、何年も音沙汰のなかった母ロレーンの訃報が届く。祖母の死後、高校を中退し、フロリダで怠惰な生活を送っていたパーシーは、母が暮らしていた、自分の生まれ故郷でもあるルイジアナへと向かう。母は遺言でパーシーと友人である大学の元文学部教授ボビー(ジョン・トラヴォルタ)と作家志望の青年ローソン(ゲイブリエル・マック)に家を遺していた。酒浸りの見知らぬ男たちと住むなんて冗談じゃない、と一度はフロリダへ戻ろうとするパーシーだったが、長距離バスの待合室で、巻末にボビーの献辞が綴られた母の形見の小説『心は孤独な狩人』を読むうち、小説の主人公の歌手と、地元では知られた歌手だった母が重なり、記憶にない母の姿を知りたくなる。こうして3人の奇妙な共同生活が始まった……。

まだ10代なのに、早くも人生を見切ってしまったようなパーシー。生意気で不遜な態度をとってばかりですが、何かにつけて衝突していたボビーたちとの共同生活や、母と幼いころの自分を知っている周囲の人々の存在が、次第に彼女の気持ちをほぐしていきます。

父の名も知らず、母に愛された記憶もない彼女にとって、周囲の人々が懐かしそうに語る母の姿はまるで現実味がありません。でも、母の遺した数々の本を読むことで、母の存在は生身のものになっていくのです。そして、彼女が読書を好きだと気づいたボビーたちが学費を工面し高校に復学させることで、パーシーは失った少女時代を取り戻していきます。

演じるS・ヨハンソンがとってもかわいいのです。当時、彼女は20歳(撮影は2004年で現在22歳)。それまで演じてきた役柄は大人びたものが多かったのですが、本作では、少女らしくなかったパーシーが次第に”年相応”に見えてきてびっくり。“大女優”の片鱗をあらためて見せてくれます。

すっかり頭髪が白くなったJ・トラヴォルタの老け役ぶりも驚きでした。無精ヒゲを生やし、薄汚れた服装にサンダル履きという姿は、ただの年老いた酔っ払い。元大学教授らしく、その場に合った作家や哲学者の名文句をちょいちょい口にしますが、それすら、たわ言に聞こえてくるほどです。そんな彼が、ギターを片手に披露する歌声が見事。上手い下手を超えた、一種独特の雰囲気が、映画の彩りをさらに鮮やかにしています。

ジェイニー・ゲイベル監督が準備を始め、パーシー役をS・ヨハンソンにと心に決めてから2年後、初めて脚本を読んで出演を決めたS・ヨハンソンは16歳でした。それから予算確保まで実に4年。その間、2人はミーティングを重ね、実現を待ちました。その想いがいっぱい詰まった、切ないほど優しい“家族”を描いた映画です。ぜひ、ご覧ください。

「ママの遺したラヴソング」 4月7日(土)~、シネスイッチ銀座他、全国順次公開
オフィシャルサイト http://www.mamanolovesong.com
(c)2004 BOBBY LONG, LLC

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高校生のみつこ(堀北真希)は、墓石彫り職人の父・悟(役所広司)とイルカ好きの母・良子(手塚理美)の家族3人で、楽しく暮らしていた。その母が亡くなった。1日も欠かさず病院を見舞っていた父は、なぜかその日に限って姿を見せず、そのまま行方不明に。叔母・早苗(森下愛子)とその息子で同い年の信一(小林裕吉)らが心配する中、半年後に発見された父は、なんと町外れの風変わりな一軒家、通称「アルゼンチンババア」(鈴木京香)の家に住んでいた! みつこは勇気を奮って、父奪還に向かうが……。

まず、「アルゼンチンババア」というタイトルに驚きませんか?(原作のよしもとばななファンの方には、すでにおなじみですが) しかも、その“ババア”役をあの鈴木京香が演じるなんて。どんな“ババア”ぶりなのか、興味津々になりますよね。

予想にたがわず(?)、ただの“ババア”ではありません。ものすごくインパクトのあるヘアスタイルと、ちょっと変わったイントネーションの優しい語り口は、なんだか別世界の人のよう。彼女の淹れるマテ茶や手づくり蜂蜜、愛するタンゴ、そして抱えている哀しい過去も含め、すべてが“アルゼンチンババア”ワールドを作りあげています。

あんなに愛していた母の葬儀にも出ず、娘も仕事も放って半年も音信不通だった父の気持ちを理解できないみつこや周囲の人々は、父を元の生活に戻そうと奮闘しますが、なぜだか頑として父は戻ろうとしません。それは、どうしてなのか? 父の真情が少しずつ見えてくるにつれ、みつこたちのアルゼンチンババアに対する気持ちにも変化が生じていきます。

誰しも、どうしようもなくつらく哀しい出来事は、起こらないで欲しい、なかったことにしたいと願うもの。でも、それに向き合ってこそ、初めて次の幸せを見つけることが出来るのかもしれない。もちろん、そのためには時間が必要ですが。きっと明日は来る――何もかも包み込んでくれそうな“アルゼンチンババア”の存在は、その象徴なのかもしれません。

みつこたち“家族”が、どんなふうにして再生していくのか。珍妙なタイトルにしては意外なほど、優しくファンタジックな物語です。

「アルゼンチンババア」 東劇他、全国公開中
オフィシャルサイト http://www.arubaba.com
(c)2006「アルゼンチンババア」製作委員会

 
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2007-03-30 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

裏切り者は、誰? 「アンフェア the movie」&「オール・ザ・キングスメン」

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突然ですが、あなたは誰かを裏切ったことがありますか? 裏切りにも理由はさまざま。自分や愛する者を守るため、誰かを陥れるため、あるいは強い信念に基づく、止むを得ない犠牲として。今週の裏切り者は、誰?

「アンフェア the movie」――バツイチ、子持ち、大酒飲みで単独行動ばかりの問題児だが、検挙率No.1の警視庁公安部警部補・雪平夏見(篠原涼子)は、警察内部の不正が記されているという極秘文書を追っていた。そんな中、何者かが車に仕掛けた爆弾で、娘・美央(向井地美音)が重傷を負う。最新設備の整った警察病院に搬送された娘の意識が戻る間もなく、病院を後にする雪平。その直後、乱入してきた戸田(成宮寛貴)を中心とする一団が病院を占拠、上司の斉木(江口洋介)とニュースを聞いた雪平は捜査本部に駆けつける。入院中の警察庁長官を人質に一味のリーダー後藤(椎名桔平)が要求してきたのは、警察庁の裏金80億円だった。長官救出を最優先にした警察上層部は、SAT(テロ対策特殊部隊)突入を決定。しかし、計画は失敗に終わる。情報が漏れていたのだ。誰も信じられない雪平は娘を救出するため、単独で病院潜入を試みるが――。

昨年1月、連続ドラマとしてスタートするや、今までにないハードボイルドなテイストと、謎が謎を呼ぶ展開で話題を呼んだ「アンフェア」。同年10月、続編となるスペシャルドラマ「アンフェア the special コード・ブレーキング-暗号解読」も高視聴率を記録し、待望のシリーズ完結編が映画として登場しました。

雪平役・篠原涼子を始めとするおなじみのメンバー――加藤雅也、江口洋介、寺島進、濱田マリ、阿部サダヲの他に、新たに椎名桔平、成宮寛貴、大杉漣など個性豊かな俳優陣も加わってドラマは一層の緊迫感を増し、さらに展開もスケールアップ。

今回は出張中の元夫・佐藤(香川照之)に代わり、娘と暮らす雪平の母性が爆発。娘を救うため、上層部の命令に背き、職を賭して、命懸けの単独行動に挑みます。しかも、捜査本部の情報はテロリスト側に漏れているのです。いったい誰が? 警察側の人間すべてが裏切りの容疑者。おまけに、最新設備の警察病院には、雪平たち現場の捜査員たちが知らない、大きな秘密もあったのです。

「いきなり映画から入っても、ついていける?」と心配しているあなた。もし、ドラマを見ていなかったら、一度、公式サイトに掲載されている今までのストーリーに目を通してから、映画館へどうぞ。実は、私もドラマを見ていませんが、それでも十分楽しめます(余裕がある方は、発売中のDVDで完全制覇すれば、きっとより楽しくなるはず)。

もちろん、ドラマを見ていた人は楽しめること間違いナシ。果たして、誰が“裏切り者”なのか。衝撃のラストを、思う存分堪能してください。

「アンフェア the movie」 全国東宝系で公開中
オフィシャルサイト http://unfair-movie.jp
(c)2007 関西テレビ放送 フジテレビジョン 東宝

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「オール・ザ・キングスメン」――1949年、ルイジアナ州メーソン市で、新聞記者ジャック(ジュード・ロウ)と郡の出納官ウィリー(ショーン・ペン)は出会う。貧しい生い立ちのウィリーは、育った環境も生活もまったく異なる上流階級出身のジャックに強い印象を残す。しばらく後、小学校建設の不正入札を糾弾したウィリーは失業し、セールスマンに。取材に行ったジャックに、「俺は決して信念を捨てない」と熱く語る。やがて問題の学校が欠陥工事による死傷者を出し、俄然注目を浴びたウィリーは担がれて州知事に立候補、さまざまなウラのからくりを乗り越え、労働者の支持を集めて見事当選する。一方、彼を応援する記事を次々と書き、居づらくなったジャックは退職し、ウィリーの側近となる。5年後、絶大な権力を握ったウィリーは、汚職と女性スキャンダルにまみれていた……。

本作は、1946年にピュリッツアー賞を受賞したロバート・ペン・ウォーレンの小説『すべて王の臣』が原作です。小説といっても実在のモデルがいて、1928年にルイジアナ州知事に当選し、31年に上院議員、そして1935年8月にアメリカ大統領選出馬宣言をし、翌月、州議事堂で知人である医師に射殺されたヒューイ・P・ロングがその人。当時の大統領ルーズベルトから、「今、もっとも危険な人物の1人」と言われたほど、貧困層からの絶大な人気と、大きな権力を誇っていたそうです。

このところ、日本でも地方自治体の長の汚職が相次いで発覚して、初めは理想と信念に燃えていても人間は時の経過とともに腐敗してしまうんだろうか、なんてちょっぴり暗澹とした気分に。本作が書かれたのは60年も前ですが、とても過去の出来事だなんて思えないほど、現代に重なっていて驚きます。

パワフルで行動力に溢れたウィリーを演じたS・ペンが、ただのスキャンダル知事じゃない魅力を発散していて、ロングという人もこうだったのかも、と説得力十分に見せてくれます。一方、彼の側近となるも常にどこか傍観者だった本作の語り手ジャック役のJ・ロウも、ノーブルな外見とムードがマッチ、好対照な存在として光っています。

ジャックの父親代わりだったアーウィン判事役アンソニー・ホプキンスも出番は少ないながら強い印象を残し、ウィリーの側近役のジェームズ・ガンドルフィーニやパトリシア・クラークソンもベテランの味をたっぷり発揮、ドラマをキッチリ締めています。

ジャックの幼なじみで初恋の、そして永遠の女性であるアンを演じたケイト・ウィンスレットも、先週紹介した「ホリデイ」でJ・ロウと兄妹役でしたが、まったくイメージが違っていて、さすがの一言。「タイタニック」のローズ役で、『レオ君が守らなくても、十分生き残れそうだった』とさんざん叩かれた陰口も(笑)、すっかり遠い昔のようです。

「悪」は「善」を生むことが出来るのか。誰が、誰を裏切るのか。ウィリーやジャックの行き着く先には何があるのか。出演者を並べるだけでも、重厚さが伝わってくる大人のドラマです。じっくりとご覧ください。

「オール・ザ・キングスメン」 4月7日(土)~、日比谷みゆき座他、全国公開
オフィシャルサイトhttp://www.sonypictures.jp/movies/allthekingsmen/index.html

 
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2007-03-23 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

心がほのぼのしてくる恋物語 「渋谷区円山町」&「ホリデイ」

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暖冬、と言われつつも、やっぱり陽射しにあらためて春を感じる今日この頃。今週は、さらにあったかい気持ちになる恋物語をご紹介します。一方の主人公は初々しい高校生。もう一方は、うまくいかない恋もたくさん知っている働く女性。果たして、その結末は?

JR渋谷駅のハチ公口改札を抜けてスクランブル交差点を渡り、道玄坂を上がった先にある「渋谷区円山町」。友達と渋谷に遊びに来た女子高生・由紀江(榮倉奈々)は、ひょんなことからその有名なラブホテル街の探索を始め、何と数学の臨時教師ヤマケン(眞木大輔)が女性とホテルに入るのを目撃してしまう。以来、同い年のカレ氏がいるのに、ヤマケンのことが頭から離れなくなってしまった由紀江。彼の仕草の1つ1つにドキドキしながら、かわいい嫌がらせを始めるが、ヤマケンはまったくの子ども扱いだ。ついに由紀江は、「ラブホに連れてってよ」と強引にせまるが……。

女子高生時代は、すでに“大昔”となってしまった私ですが、あのころのドキドキ感は今でも鮮明に覚えています。本作は、そんな感覚を甦らせてくれました。

横目で相手の一挙手一投足を追いながら、いざ話をすれば憎まれ口ばかり。1人になると「あんなかわいくないこと、言わなければよかった」と落ち込んで、でも翌日には同じことの繰り返し。今思えば、笑ってしまうような小さな出来事ばかりですが、当時はホンキでアップダウンしたものでした。

だから、由紀江の行動がどうも他人事とは思えないのかも(さすがに、「ラブホテル行こう」とは誘えませんでしたが・笑)。ハラハラしながら、懐かしいような不思議な気分で観てしまい、それがまた楽しく、見終わった後は何だか口元に笑みが浮かんでいたようです。

由紀江役・榮倉奈々ちゃんの晴れた青空のような明るいイメージが清々しくて、好感度高し。ヤマケン役・眞木大輔さんも、EXILEのMAKIDAIだとは思えないほど(笑)にジャージ姿が似合っているハマり役です。彼が思わぬ水浴びをしてしまい、メガネを外して上半身裸になるシーンでは、アナタも由紀江と一緒にドキドキしてしまうかも(笑)。

実は本作は2編からなっています。もう1本は、いじめにあっている女子高生・糸井(仲里依紗)が、クラスの一匹狼的存在の有吉(原裕美子)と初めて渋谷に行く物語。2人の友情ともいえないような不思議な関係が、なんともいえない味わいを残してくれます。

「渋谷区円山町」 3月17日(土)~、渋谷Q-AXシネマ他、全国順次公開
オフィシャルサイト http://www.maruyamacho-movie.com/
(c)2006「渋谷区円山町」製作委員会

榮倉奈々「渋谷区円山町」スペシャルインタビューはこちら。
http://www.s-woman.net/eikura-nana2/1.html

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ロンドンの新聞社に勤めるアイリス(ケイト・ウィンスレット)は、クリスマス直前の会社のパーティで最悪な瞬間を迎えた。別れたが、ずっと愛し続けていた同僚が、社内の別の女性との婚約を発表したのだ。あふれる涙をぬぐいながら、1人郊外のコテージに帰った彼女は、インターネットに、休暇中に家も車もすべて交換するという“ホーム・エクスチェンジ”の広告を出す。一方、ロサンゼルスで映画の予告編製作会社を経営するアマンダ(キャメロン・ディアス)は、同棲中の恋人の浮気に気づき、彼を家から叩き出した。仕事は順調なのに、いつもうまくいかない恋。気分転換の旅行を決めてパソコンに向かったアマンダは、アイリスの広告を見つける。メール交換で即決した2人は、翌日、空港へ。こうして、予想もつかない「ホリデイ」が始まった――。

“ホーム・エクスチェンジ”という制度を知ってましたか? 家と車を丸ごと交換だなんて、あまりにダイナミックで、日本ではあまりピンとこない休暇の過ごし方ですが、海外ではよくあるようです。

仕事はそれなりに順調で、親しい友人にも恵まれ、いろんな経験を積んで人間的に成長しているはずなのに、なぜか恋だけはうまくいかない。日本にも、そんな心当たりのあるワーキング・ウーマンはたくさんいるのではないでしょうか? そんなあなたに、この映画は少しの勇気と元気をくれそうです。

予想もつかない休暇らしく、幕開けも予想外の人物との出会いから。雪深いコテージで、時差ボケで中々眠りにつけないアマンダを叩き起こしたのは、アイリスの兄グラハム(ジュード・ロウ)でした。酔っ払って、車の運転がおぼつかなくなった彼が、妹の不在をすっかり忘れて、飛び込んできたのです。

一方、アイリスが対面したのは、アマンダの仕事相手で、彼女の元同棲相手の友人でもあるマイルズ(ジャック・ブラック)。恋人連れでやって来た彼は、友人が残してきた荷物を取りに来たのでした。2人の運命の相手になるかもしれない、J・ロウとJ・ブラックがとってもイイ感じで、ちょっと出来すぎじゃん! と言いたくなってしまうほどです(笑)。

ここまで聞けば、双方のカップルに何か起こるに違いない。それも、きっとステキなコトが。そう思いますよね。でも、コトはそう簡単にはいきません。いくら互いに魅かれあっても、アマンダとアイリスにとっては休暇中の仮住まい。グラハムやマイルズも含め、それぞれの本来の生活は海の向こうの、9600kmも先にあるのです。

ホンの一時のホリデイを楽しむだけの出会いになるのか。それとも……? それを決めるのは、2人の勇気と決断と行動力。そう、出会いを今後につなげていくのか、それっきりにしてしまうのかは、あなた次第なのです。一期一会という言葉もありますが、もしかしたら明日、突然出会う人が――いえいえ、それとも毎日会っているあの人が、あなたの人生を変える人かも。出会いの季節の春にふさわしい映画を、お楽しみください。

「ホリデイ」 3月24日(土)~、日劇3他、全国公開
オフィシャルサイト http://www.holiday-movie.jp
(c)2006 Universal Studios. All Rights Reserved.

 
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2007-03-16 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

黒人俳優を代表するアカデミー賞受賞の実力派2人の最新作、続々公開! 「デジャヴ」&「ラストキング・オブ・スコットランド」

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ブラック・パワーが目立った2007年全米アカデミー賞。21世紀に入って、そんな傾向が強くなってきたようです(2002年に主演男優賞デンゼル・ワシントン&主演女優賞ハル・ベリー。2005年に主演男優賞ジェイミー・フォックス&助演男優賞モーガン・フリーマン)。今週は、主演男優賞に輝いた、黒人俳優を代表する実力派2名の最新作をご紹介します。

2006年2月、アメリカ、ニューオリンズ。全米最大のカーニバルを祝うため、500名を超える乗客がミシシッピー川のフェリー“スタンプ号”に乗り込んだ。陽気な音楽が鳴り響く中、出発してしばらく後、爆発音と共にフェリーは炎上する――。地獄絵図さながらの現場に駆けつけたATF(アルコール・タバコ・火器局)捜査官ダグ(D・ワシントン)は、543名の遺体の中の1人クレア(ポーラ・パットン)が、爆発の1時間前に死んでいたことを知る。彼女が事件の手がかりだと直感した彼は、彼女の自宅へ急行。そこで「君は 彼女を 救える」というメッセージを見つけた彼は、同時にかつて来たことがあるような「デジャヴ」を覚える。一方、周囲の監視カメラから不審人物を発見するなど、高い捜査能力を持つダグに目をつけたFBI捜査官プライズワーラ(ヴァル・キルマー)は、彼を特別捜査班に誘う。そこには、政府が密かに開発中の驚くべき監視システムがあった……。

かつて黒人俳優がキャスティングされたのは、コメディか型にはまった悪党役ばかり。そんな状況を打破したのが、シドニー・ポワチエ(1964年に黒人として初のアカデミー主演男優賞受賞)でした。でも、それ以降もなかなか全体の流れは変わらなかったのです。

そんな中で独特の地位を築いたのがD・ワシントンでした。尊敬するS・ポワチエの「自分がいいと信じる役が来るまで待つべき」というアドバイスに従った彼は、その実力と存在感を発揮できるタイミングを待ち、実に38年ぶりで、S・ポワチエに続く2人目の黒人俳優として主演男優賞を獲得するまでになったのです(1990年に助演男優賞も受賞)。

私が彼をスゴイと思うのは、同じようなタイプの役を避け、常に新しい役どころに挑み、社会派から娯楽作まで幅広く出演しているところ。「マルコムX」のタイトルロールを演じた後、同じような役のオファーがきたのをきっぱり断ったのは、ちょっと有名な話です。

本作の彼は、敏腕捜査官でありながら、捜査を進めるうち、すでにこの世にはいない女性に魅かれるという、軸となるサスペンスにロマンス色をたっぷり絡ませた役どころです。

普通、死んでしまった女性にそれほど強く想いを寄せるなんて、考えられないですよね。ところが彼は捜査の過程で、生きて話す生前の彼女の姿を見るのです。それも間近で、何度も何度も。なぜそんなことが可能なのかは、ぜひ本編で。そう、本作はただのサスペンスではないのです。

ダグが感じたデジャヴ(既視感)は、どこから来ているのか? 彼女の家で見つけたメッセージ――U(YOU) CAN SAV(E) HER=君は彼女を救える――が、なぜこれほどまでに気にかかるのか? そのすべての謎を解いたとき、彼は彼女を救うことが出来るのか――エンディングまで息つく間もない展開を、お楽しみください。

「デジャヴ」 3月17日(土)~、日劇1他、全国公開
オフィシャルサイト http://deja-v.jp
(c)TOUCHSTONE PICTURES and JERRY BRUCKHEIMER INC. All Rights Reserved.

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スコットランドの医大を卒業したニコラス・ギャリガン(ジェームズ・マカヴォイ)は、若さに任せた冒険気分で、アフリカのウガンダの小さな村を赴任地に選ぶ。1971年、軍事クーデターを起こした将軍アミン(フォレスト・ウィテカー)が大統領の座に就いた直後のことだった。診療所で働き始めたニコラスは、偶然、演説会で近くの村を訪れていたアミンのケガを治療、アミンに気に入られて主治医に抜擢される。そして、いつしか主治医の枠を超え、アドバイザー的な役割まで果たすようになる。しかし、旧政権による大統領暗殺未遂事件や進まない政策は、スコットランド好きで「ラストキング・オブ・スコットランド」を自称するアミンの妄想や疑心暗鬼を増大させていく。気づいた時、ニコラスはアミンの第2夫人ケイ(ケリー・ワシントン)と心を通わせ、危険な立場にはまり込んでいた……。

あなたは、ウガンダのアミン大統領の名前を知っていましたか? 私は通り一遍の、“大量虐殺を行った恐怖の独裁者”というイメージだけでしたので、本作でいまだにウガンダの国民の一部がアミン元大統領を慕っていると知り、びっくりでした。

でも考えてみれば、人間はいろんな面を持っているのが当たり前で、一面しかない人なんていないですよね。ただの独裁者ではなく、大きな夢を抱き国民を熱狂させた、お茶目で気さくな人柄も確かにあったに違いないのです。

本作で、先日発表された今年のアカデミー主演男優賞を、4人目の黒人俳優として見事に受賞した、F・ウィテカー。その容貌と役柄のせいか、なんとなく気が弱そうな印象の彼ですが(私だけ?)、小心で、気分屋で、強権的な性格を併せ持つ、複雑な実在の人物を見事に演じきりました。

アミンやケイの存在と、描かれている事件は実在のものですが、ニコラスは架空の存在(スコットランド人の主治医とイギリス人のアドバイザーはいたそうです)。実際にアミンが親しくしていた数人の西洋人を元に生み出された、まだ若く、冒険心や理想に燃え、同時に浅はかで衝動に弱い彼の存在が、物語をより私たちに身近なものにしています。

2003年に亡命先のサウジアラビアで病死したアミン元大統領。本作を見た彼の実の息子が、「マイナス・イメージが誇張されている。(中略)より深く理解してもらうには何千年もかかるだろう」とコメントを発表しました。確かに正当な評価はこれからなのかもしれませんが、でも、虐殺も事実。物事や人間には様々な側面がある、ということを改めて考えてしまいました。

「ラストキング・オブ・スコットランド」 3月10日(土)~、有楽町スバル座他、全国公開
オフィシャルサイト http://movies.foxjapan.com/lastking/
(c)2006 TWENTIETH CENTURY FOX

 
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2007-03-09 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

死の陰に潜む真実とは? 「パフューム -ある人殺しの物語-」&DVD「ゆれる」+アカデミー賞結果発表

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最近、何だかワケのわからない殺人事件をよく耳にしませんか。いくら報道で解説を聞いても、それが本当に殺人を犯すほどの原因だったのか、納得がいかないような……。今週は、人の死の陰に潜む真実に迫る物語です。

「パフューム -ある人殺しの物語-」――18世紀、パリの魚市場で母親に産み落とされるや、捨てられた赤ん坊がいた。奇跡的に助かった彼は、何kmも先の匂いをかぎ分けられる超人的な嗅覚を持っていた。ジャン=バティスト・グルヌイユと名付けられた彼は、成長して皮なめし職人の下で働き出す。ある日、親方についてパリの街中へ出たジャン(ベン・ウィショー)は、焼きたてのパンやワイン、生牡蠣、白粉や口紅の豊かな匂いを味わった後、ある香りに強く魅かれる。それは、プラム売りの少女の体臭だった。もっとかぎたいと近づいた彼に、脅える少女。彼女の悲鳴を塞ごうとしたジャンは誤って少女を殺してしまう。何とかしてあの芳しく幸福な香りを再現させたい。ジャンは香水調合師バルディーニ(ダスティン・ホフマン)に弟子入りする。やがて、フランス中を震撼させる奇怪な連続殺人事件が始まって――。

人間の持つ五感の中で、嗅覚というのは一番説明しにくいと思いませんか? 視覚、聴覚、触角、味覚はそれまでの体験や経験を元に伝えられますが、匂いは自分がいいと思っても、他の人がどう感じるかはとっても不確か。あなたの近くに、たっぷりつけた香水で「あ、○○さん、この部屋にいたんだ」なんて、すぐわかる人、いませんか(笑)。いくらステキな香りでも、過剰なのは禁物。でも、それに本人が気づいていない場合も多いということは、やっぱり匂いは個人差が激しく、説明しにくいのではないでしょうか?

それをあえて映像化する、というのはちょっとしたチャレンジです。原作は、1985年にドイツで15週連続第1位を獲得したベストセラー小説。奇想天外で前代未聞のストーリーは大きな話題を呼び、あっという間に45ヶ国語に翻訳、1500万部以上を売り上げました。この映像化にチャレンジしたがったのが、スティーヴン・スピルバーグやマーティン・スコセッシなどの名だたる監督と聞けば、一層期待が膨らみます。

共演した名優D・ホフマンが『10万人に1人の才能』と絶賛した無名のB・ウィショーをジャン役に抜擢したのは、本作の映画化権獲得に奔走した、「薔薇の名前」で有名なドイツ人プロデューサー、ベルント・アイヒンガーでした。ウィショーの“鼻”の演技は、スクリーンを見ている私たちにまで様々な香りを感じさせてくれます。

夢の香りをひたすらに追い求めるジャンが起こす事件の数々。彼の無垢な瞳を見ていると、さらに恐ろしさが募ります。

衝撃的なラストシーンに、あなたは何を思うでしょうか? 

「パフューム -ある人殺しの物語-」
3月3日(土)~、サロンパス ルーブル丸の内他、全国松竹・東急系公開
オフィシャルサイト http://perfume.gyao.jp/
(c)2005 Constantin Film GmbH

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DVD「ゆれる」 
販売元:バンダイビジュアル
3,990円(税込)で発売中
映画オフィシャルサイト http://www.yureru.com
バンダイビジュアル オフィシャルサイト http://www.bandaivisual.co.jp/

東京でカメラマンとして成功した猛(オダギリジョー)は、母の一周忌で久しぶりに帰郷する。ガソリンスタンドを営む実家には、折り合いの悪い父(伊武雅刀)と、いつも優しく猛を迎えてくれる兄・稔(香川照之)が住んでいた。法要の翌日、稔の誘いで、猛とスタンドで働く幼なじみの智恵子(真木よう子)の3人は近くの渓谷へ遊びに行く。猛が1人先に渡った吊り橋を、後から追ってきた稔と智恵子。しかし、途中で智恵子は吊り橋から落下、激しい渓流にのまれてしまう。近くにいたのは、稔だけ。事故か、事件か? やがて始まった裁判で、まったく違う一面を見せ始めた稔に、猛の心は「ゆれる」が――。

昨年夏に公開されて以来、小規模な公開ながら、大きな話題を呼んだ作品です。うっかり見逃してしまったことがとっても悔やまれていたのですが、やっと見ることが出来ました。期待に違わず、スゴイ映画です。

智恵子の転落は、事故なのか、事件なのか。一緒にいたのは、みんなの信頼が厚い実直な稔だけ。最初は誰もが、運の悪い事故だったと思います。でも、裁判を通して、兄弟を中心に、周囲の思いはゆれていきます。

一見、仲の良かった兄弟各々が心に秘めていたこと。突如むき出しにされた兄の感情は、弟の記憶まで曖昧にさせてしまいます。人の記憶が、いかにいい加減なものなのか。そんなことを考えつつ、スリル溢れる2人のやり取りに、釘付けにされてしまいました。

脚本&監督は弱冠33歳の女性、西川美和。「同世代なのに、よくこんな繊細な感性を持っている」(オダギリジョー)、「10年に1本、出合えるかどうかの脚本」(香川照之)と、脚本を読んですぐに出演を決めたキャストたち。彼らの絶賛を聞くまでもなく、本作を見たら、今後の彼女の作品に期待せずにはいられません。

ゆれる兄弟が行き着く先はどこなのか。兄弟のドラマだけでなく、真相をあぶり出す謎解きのような展開に、最後まで引きつけられます。ラストシーンで、幼い頃のように「お兄ちゃん!」と兄を呼ぶ猛と、振り返った稔の表情が、ちょっと忘れられません。

「勝手に恒例(笑)! 全米アカデミー賞受賞結果発表」
2月25日(日本時間26日)に発表されているので、もうすでにご存知でしょうが、まずは結果発表です。

<作品賞>(※タイトルの後は、日本公開予定です。)
「ディパーテッド」(公開中)
<監督賞>
マーティン・スコセッシ 「ディパーテッド」(公開中)
<主演男優賞>
フォレスト・ウィテカー 「ラストキング・オブ・スコットランド」(3月10日公開)
<主演女優賞>
ヘレン・ミレン 「クィーン」(4月公開)
<助演男優賞>
アラン・アーキン 「リトル・ミス・サンシャイン」(公開中)
<助演女優賞>
ジェニファー・ハドソン 「ドリームガールズ」(公開中)
<外国語映画賞>
ドイツ 「善き人のためのソナタ」(公開中)

私の予想は、作品賞と主演男優賞を除いて見事(!)当たりでした。5勝2敗はなかなかの成績ではないでしょうか(自画自賛)? それにしても、やっぱり、レオ君は受賞ならず、でしたねえ。ガンバッてるのになあ。何がそれほどアカデミー会員の支持を得られないのでしょうか? かの名優ポール・ニューマンが、数々のノミネートはされるものの、やっぱりなかなか受賞できず、ようやく主演男優賞を獲得したのが「ハスラー2」だったことを思い出します。こう言っては何ですが、この作品で主演男優賞を贈るぐらいなら、もっと他にあったんじゃないの? と思ったものでしたが、そんなことにレオ君がなりませんように(笑)。
さて、みなさんの予想はいかがでしたか? もちろん、賞がすべてじゃありませんが、これからご覧になる際の参考の1つにするのもいいのでは。ぜひ、劇場で確かめてください!

全米アカデミー賞 オフィシャルサイト http://www.oscar.com

 
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2007-03-02 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

 
 
 
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