もし、あなたの町の広報に『戦争始めます』と載っていたら……? 「となり町戦争」+アカデミー賞受賞予想<1>&「ドリームガールズ」
あなたの住む自治体で出している広報、見たことありますか? 隅から隅まで熟読している方は少ないかもしれませんが(笑)、もしそこに、“となり町と○月×日に開戦します”なんてあったら、どうします?
とある地方の小さな町・舞坂に住む北原(江口洋介)は旅行会社社員。会社とアパートの往復という変わり映えしない、静かな毎日を送っている。しかし、いつものようにポストに入っていた『広報まいさか』を見て仰天。そこには、「となり町の森見町と戦争をします。」とあったのだ。何の変化もないまま“開戦日”が過ぎ12日目、突然鳴った携帯電話は彼の日常を変えてしまう。「対森見町戦争推進室」と名乗った町役場の香西(原田知世)の静かな声は、北原が特別偵察員に任命されたことを告げたのだ。こうして、やっているのか、いないのか、まるで見えてこない「となり町戦争」に、北原は巻き込まれていく――。
2005年、奇想天外な設定で物議をかもし、小説すばる新人賞を受賞した三崎亜記のデビュー作、ついに映画化です。「こんなこと、ありえないでしょー!」と笑い飛ばしたあなた、でも本当にそう言い切れますか?
ここ数年のアフガニスタンやイラクを見てください。確かに戦争をやっていて、日本からも自衛隊が派遣されています。私たちもTVや新聞、インターネットなどを通じてその映像や記事を目にします。でも、本当に“見て”いるのでしょうか?
リアルな現場をオンタイムで目にすればするほど、作り物めいて見えてきませんか? それこそ映画を見ているような。そして、そんなことを思っている自分に気づいて、ドキッとするのです。こんなに希薄な気持ちでこのニュースに接していて、いいんだろうか、と。おかしさと怖さが紙一重の本作を見ていたら、不意にそんなことを思い出しました。
広報に載っている戦死者数がジワジワ増えていく“現実”に、驚く北原。でも、彼が戦争を実感したのは、同僚が犠牲になったときでした。私たちも報道で、死者何百人、何千人という数字を見て「そんなに?」とぼんやり思うことはあっても、自分の家族や知り合いがその1人にならないと、本当に戦争を感じることはないのではないでしょうか。
いったい何でとなり町と戦争してるの? と思ったあなた。でも、現実も同じ。現在進行中の戦争が起きた本当の理由を理解している人が、どれほどいるのか。犠牲になった人々の顔は、どれほど見えているのか。奇想天外な物語のウラに、あなたは何を見ますか?
「となり町戦争」 2月10日(土)~、新宿ガーデンシネマ他、全国公開
オフィシャルサイト http://kadokawa-herald.co.jp/official/tonarimachi/
(c)2006「となり町戦争」製作委員会
この機会に、原作もどうぞ。
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=4-08-746105-X&mode=1/
「勝手に恒例(笑)! 全米アカデミー賞受賞予想 第1回」
また、この季節がやってきました。今年もやらせていただきます。昨年は4勝3敗という結果でしたが、さて今年は? ぜひご一緒に予想してみてください。
第1回は助演男優賞&助演女優賞。まずはノミネート一覧から。
<助演男優賞ノミネート>(※タイトルの後は、日本公開予定です。)
アラン・アーキン 「リトル・ミス・サンシャイン」(公開中)
ジャッキー・アール・ヘイリー 「リトル・チルドレン(仮題)」(夏公開)
ジャイモン・フンスー 「ブラッド・ダイヤモンド」(GW公開)
エディ・マーフィ 「ドリームガールズ」(2月17日公開)
マーク・ウォールバーグ 「ディパーテッド」(公開中)
<助演女優賞ノミネート>
アドリアナ・バラッザ 「バベル」(GW公開)
ケイト・ブランシェット 「Notes on a Scandal(原題)」(初夏)
アビゲイル・ブレスリン 「リトル・ミス・サンシャイン」
ジェニファー・ハドソン 「ドリームガールズ」
菊地凛子 「バベル」
今年は、初ノミネートが目立ちます。助演男優賞はA・アーキンとD・フンスー以外の3人、助演女優賞もK・ブランシェット以外全員が初。日本では菊地凛子が話題の的ですが、実はJ・ハドソンもシンデレラ・ガール。彼女は、あの全米大人気のオーディション番組『アメリカン・アイドル』2004年のファイナリストの1人なのです。これがデビューとは思えない歌唱力と迫力で、共演のビヨンセを圧倒していました。
また、E・マーフィの名前を見て驚いた方も多いのでは? このところ、すっかり「あの人は今」状態の彼でしたが、この新作で改めて歌えるエンタテイナーであることを証明、初ノミネートとなりました。
私の予想は、助演男優賞はA・アーキン(写真左上)。「リトル・ミス・サンシャイン」は作品賞候補にもなっていますが、正直なところ受賞は難しそう。その代わりに、と言っちゃあ何ですが、ぜひ!(いきなり“予想”じゃなく、“期待”になってますが。笑)そして、助演女優賞はJ・ハドソン(写真左下)。菊地凛子も良かったですが、その新人離れしたパワーは圧巻でした。
全米アカデミー賞 オフィシャルサイト http://www.oscar.com
(c)2006 TWENTIETH CENTURY FOX
(c)2006 Paramount Pictures and DreamWorks LLC. All Rights Reserved.

今週は助演男・女優賞にノミネートされている「ドリームガールズ」のご紹介も一緒に。
1962年、アメリカ・デトロイトに音楽での成功を夢見る少女たちがいた。ディーナ(ビヨンセ・ノウルズ)、ローレル(アニカ・ノニ・ローズ)、エフィー(ジェニファー・ハドソン)の3人は“ドリーメッツ”というトリオを組み、エフィーの兄C.C.(キース・ロビンソン)の書く曲とダイナミックなエフィーの歌で喝采を浴びる。しかし、シビアなショー・ビジネス界は何の後ろ盾も持たない彼女たちに冷たい。そんな彼女たちに目をつけた中古車販売会社を経営するカーティス(ジェイミー・フォックス)は、音楽業界進出という自らの夢も賭け、プロモーションを買って出る。“ドリームズ”と名を変え、ローカル・スターのジミー(エディ・マーフィ)のバックコーラスも決まった3人とカーティスは、着々と夢に近づいていく。しかし、さらなる夢を実現するため、リード・ボーカルをエフィーからルックスのいいディーナに変えたことから、固い絆にひびが入っていき……。
1981年にブロードウェイで大喝采を浴びた伝説のミュージカル「ドリームガールズ」をスクリーンに甦らせた本作。ダイアナ・ロスがかつて所属していた、“ザ・シュープリームス”というグループの話がモデルになっています。
実力主義に見えるショー・ビジネス界に当時あった、驚くほどあからさまな人種差別。そんな時代を背景に、夢を追ってまっしぐらに突き進んだ彼らの姿を、音楽にのせてエモーショナルに描き迫力満点です。特に、エフィー役J・ハドソンの歌はスゴいの一言でした。
また、歌に自信のなかったディーナが、真ん中に立つことで次第に垢抜けていく姿は光り輝いていて、さすがビヨンセ!といった感じ。破滅への道を歩んでしまう、かつてのスター、ジミーを演じたE・マーフィも、その歌とともに強い印象を残します。
当時を再現した豪華な衣装やセットも見応え十分。スクリーンで見たい作品です。ぜひ、映画館へどうぞ!
「ドリームガールズ」 2月17日(土)~、日劇3他、全国公開
オフィシャルサイト http://www.dreamgirls-movie.jp
(c)2006 Paramount Pictures and DreamWorks LLC. All Rights Reserved.
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2007-02-02 【映画】 | 固定リンク
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