もし、あなたが自分ではない人生を生きることになったら――? 「ディパーテッド」&「ラッキーナンバー7」

明けましておめでとうございます。お正月はどんな風に過ごされましたか? 今年もいろんな映画をご紹介していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。さて、今年のお正月映画の特徴は、ファミリー向け作品が多かったこと。そういう年は、たいてい第2弾(1月以降公開)に大人向けタイトルが多くなる傾向があるのです。2007年の第1回は、ちょっとハードな男たちの物語をご紹介。もしあなたが、本当の自分ではない他人の人生を生きることになってしまったら。それも、命懸けで。どうします?
ボストン南部サウシー地区。マフィアのボス、コステロ(ジャック・ニコルソン)が牛耳るこの地区出身の2人の若者が、警察学校に入学する。1人は、犯罪者の一族に生まれた自らの人生を変えるため、警察官を志したビリー(レオナルド・ディカプリオ)。もう1人は、コステロが幼いころから目をかけ育て上げたコリン(マット・デイモン)。2人は優秀な成績を修め、コリンは精鋭集団のSIU(特別捜査課)へ、ビリーは極秘捜査班へ大抜擢される。エラービー警部(アレック・ボールドウィン)率いるマフィア撲滅の最前線でコステロに情報を流し続けるコリン。一方、ビリーに課せられたのは、コステロ組織への潜入捜査だった。警察内部でも彼の正体を知っているのは、極秘捜査班を率いるクイーナン警部(マーティン・シーン)とディグナム巡査部長(マーク・ウォールバーグ)だけ。失敗すれば、命はない。互いの顔も素性も知らず、本当の自分を「ディパーテッド」(死者)として生きるビリーとコリン。しかし、ついに双方に内通者がいることがバレて――。
「あれ? どこかで聞いたような話」と、思ったあなた、その通りです。すっかりハマってしまった私が3作(DVDも含む)全部を紹介してしまった初のシリーズ、トニー・レオン&アンディ・ラウ主演「インファナル・アフェア」のハリウッド・リメイク版です。
いつも、続編&リメイク路線にちょっと冷たーい視線を向けている私ですが、さすがにこれは気になって、観に行っちゃいました(笑)。だって、マーティン・スコセッシ監督とこの俳優陣がそろったのです。どんなことになったのか、見ないでおくテはありません。
結論から言いますと、楽しめます(笑)。2時間半を超える超長尺を飽きさせなかったのですから、それだけでも大したモノ。基本的には原作に忠実で、シーンによっては、「よく似てるなあ」なんてところもありました。
逆に、かえっておもしろくなっていたのが、ビリーとコリンが魅かれる女性が同一人物だということ。犯罪者や警察関係者のカウンセリングを専門に行う精神科医マドリン(ビーラ・ファミーガ)と警察内で偶然出会うコリン。一方、ビリーは裁判所の命令で患者として治療を受けることになるのです。
陽の当たる明るい場所でデートを重ねるコリンと、本当は警察官なのに犯罪者として彼女に相対するビリー。2人が仮面を被って、本当の自分を明かしていないことを本能的に感じつつ、魅かれていくマドリン。三角関係が、物語をさらに深めていきます。
彼らを待つのは、どんな結末か? 「インファナル・アフェア」をご覧になっている方も、もちろんそうでない方も、きっと楽しんでいただけると思います。
「ディパーテッド」 1月20日(土)~、サロンパス ルーブル丸の内他、全国松竹・東急系にて公開
オフィシャルサイト http://www.departed-movie.jp
(c)2006 Warner Bros. Entertainment Inc.

空港で待つ青年に車椅子の男(ブルース・ウィリス)が話しかけてきた。それは、平凡で幸せな家族を巻き込んだ、「ラッキーナンバー7」にまつわる物語。話し終えるや、男=グッドキャットは青年を射殺し、立ち上がると、自分の代わりに死体を乗せた車椅子を押して立ち去る――。
アパートで目覚めたスレヴン(ジョシュ・ハートネット)は、シャワーを浴びると痛む鼻を鏡に映した。砂糖を借りに訪ねてきた隣人・リンジー(ルーシー・リュー)はスレヴンの姿に驚く。実はスレヴンは失業し、恋人の浮気まで発覚したため、この部屋の住人で友人のニックを訪ねてニューヨークに来たのだ。ところが、路上でチンピラに殴られ身分証明書を盗まれた上、ニックは不在。それを聞いたリンジーは、ニックの行方を一緒に探そうと持ちかける。次に訪ねてきたのは、ギャングの下っ端。ニックと間違えられ、“ボス”(モーガン・フリーマン)の元に連れて行かれたスレヴンは借金返済を迫られる。出来ないのなら、3日のうちに敵対組織のトップ、“ラビ”(ベン・キングズレー)の息子を殺せと言うのだ。アパートに戻るや否や、今度はラビ側に誘拐されるスレヴン。ニックはこちらの組織にも借金があったのだ。ラビは、借金相殺の代わりに”ボス”暗殺を命じる。そのボスとラビの傍らには、凄腕の暗殺者グッドキャットの姿があった――。
長いストーリー説明でゴメンナサイ! 映画はまず、突然殺される2人の男から始まります。その後に上に書いた空港の1件があって、ようやくスレヴンが登場。いったい、コレ、どうつながってるの?? と、最初、頭はちょっと混乱気味になるかもしれません。
情け容赦ない射殺シーンが続いたかと思えば、腰のバスタオル1枚で連れて行かれるスレヴンの姿はちょっと吹き出してしまうほどコミカル。そんな緩急に富んだテンポが、あっという間に私たちを物語に引き込んでいきます。
対立する2大組織のボス。行方不明のニック。そして、他人の人生の帳尻合わせを本人に代わってさせられる、なんともツイていない男、スレヴン。タダの失業青年に、ギャング組織のボスを暗殺しろだなんて、そりゃムチャな。しかもその陰には、暗殺者の不気味な姿まであるのです。
キャストが出演理由の1つに「脚本がおもしろい」と口をそろえて挙げているだけあって、そのおもしろさはお墨付き。サスペンス、ミステリー、コメディ、そしてラブとあらゆる要素をギュウギュウ詰めにした展開で、息つく暇を与えません。
まだ、どんな話かわからない、と言うあなた。またまたゴメンナサイ。たっぷり楽しんでいただくためには、これ以上、説明できないんです。とにかく、「ダマされた」と思って見て下さい。きっと、「ダマされ」続けて迎えるラスト・シーンに、ニヤリとしてしまうから。
「ラッキーナンバー7」 1月13日(土)~、丸の内プラゼール他、全国松竹・東急系にて公開
オフィシャルサイト http://www.lucky-movie.jp
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2007-01-05 【映画】 | 固定リンク
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