やっぱり子役にゃ、かなわない!! ローティーンの名女優にうなる 「リトル・ミス・サンシャイン」&「シャーロットのおくりもの」
“子供と動物にはかなわない”――とは昔からよく言いますが、今週はまさしくそれを証明するべく(?)、10歳と12歳の超若手実力派女優出演の2本をご紹介。ジャンルはいわゆるファミリー映画ですが、オトナも十分楽しめて、心震えるちょっとイイお話です。
アリゾナに住むオリーヴ(アビゲイル・ブレスリン)は10歳の女の子。ポコンと出たお腹にメガネ姿の彼女の夢は、美人コンテストで優勝すること。家族は4人。15歳の兄ドウェーン(ポール・ダノ)は空軍テストパイロットを目指し日々体を鍛え、なぜか立てた“沈黙の誓い”で家族との間に会話はない。ヘロインで老人ホームを追い出されたおじいちゃん(アラン・アーキン)と、自説“成功のための9ステップ”出版のために奔走中の父リチャード(グレッグ・キニア)を働いて支えるのは、母シェリル(トニ・コレット)だ。その母の兄フランク(スティーヴ・カレル)が新たな家族の一員としてやって来た。自称“アメリカ一のプルースト学者”として大学で教えていたが“いろいろ”あってクビになり、自殺未遂を図ったのだ。そんな中、突然の電話が。「リトル・ミス・サンシャイン」コンテスト地方予選の次点だったオリーヴが繰り上げ優勝で、カリフォルニアの本選に出場できるというのだ。狂喜乱舞するオリーヴ。しかし、飛行機代はない。誰かを留守番させることも出来ない一家は、オンボロのミニバスでカリフォルニアを目指すことに……。
脚本が書かれて1度は買い取られたものの、無名の新人脚本家(マイケル・アーント)だったためなかなか製作に至らず、紆余曲折を経て5年。ようやく完成し、サンダンス映画祭でプレミア上映されるや観客の大喝采を受け、ついには契約金が同映画祭史上最高額まで跳ね上がったと言えば、そのおもしろさがわかっていただけるのではないでしょうか?
芸達者な俳優陣をそろえていますが、スターはゼロ。監督もミュージシャンのPVやコマーシャルの経験は豊富ですが、長編劇場映画は初めて(ちなみに珍しい夫婦の監督)。でも、関わったスタッフ&キャスト全員がこの作品を愛し、大切にしていることが伝わってくるような温かさがあるのです。
バラバラだった家族が旅(しかも一筋縄じゃいかない、トラブル続出)を通して1つにまとまっていく――と言ってしまえば、あり過ぎるくらいよくある話。でも、そんな言葉だけで終わらせたくない。そんな風に思う物語です。
わずか10歳のオリーヴ役アビゲイルが魅力的。コンテストに出場するミニチュア大人の少女たちの中、子供らしい体型のオリーヴは完ペキに浮いています。でも、媚びたような表情の彼女たちとは対照的に、なんて自然で生き生きとしていることか。実際は子供用のファット・スーツを着用しての撮影だそうですが、そんなぬいぐるみみたいな彼女を抱きしめたくなってしまいます。
そして、おじいちゃん。70歳を超え、いまだヤク中というトンでもなさですが、息子・孫への愛情はホンモノ。演じるA・アーキンのちょっとぶっきらぼうな外見が、余計に心に響きます。
リメイク流行りのハリウッド製大作映画が並び立つ昨今、それでもこういう作品がちゃんと出てくるところが、映画大国アメリカの面目躍如たるところかもしれません。見落としてしまいそうな小品ですが、ぜひ、ご覧ください。
「リトル・ミス・サンシャイン」 渋谷シネクイント他、全国で公開中
オフィシャルサイト http://www.foxjapan.com
(c)2006 TWENTIETH CENTURY FOX

ある春の晩、農業を営むエラブル家に11匹の子ブタが生まれた。でも、母ブタのお乳は10個。最後に生まれた小さな子ブタは育つことができない。手斧を手にした父の姿に娘ファーン(ダコタ・ファニング)は子ブタを抱き上げて叫んだ。「私が育てる!」。そうして順調に成長した子ブタ・ウィルバー(声:ドミニク・スコット・ケイ)は、やがて向かいのザッカーマン家の農場に預けられることに。ファーンは毎日会いに来てくれるし、納屋には馬のアイク(声:ロバート・レッドフォード)やガチョウ夫婦など同居人も大勢いて寂しくはない。みんなの嫌われ者・クモのシャーロット(声:ジュリア・ロバーツ)とも友達になったウィルバーは楽しく暮らしていた。でも、やがて恐ろしい事実が明らかに。春生まれの子ブタは、冬を越せないというのだ。そう、クリスマスにはソーセージにされてしまうから……。恐怖に怯えるウィルバーにシャーロットは約束する。「私が守ってあげる。」それは、素晴らしい「シャーロットのおくりもの」だった。
こちらは、おなじみ天才少女D・ファニング出演作。単独主演作はもちろん、ショーン・ペン、ロバート・デ・ニーロ、デンゼル・ワシントン、シャーリーズ・セロンと並み居るアカデミー俳優との共演にも決してかすむことがない、ベテラン子役(?)の域に達した彼女ですが、実はまだ12歳。
本作出演に際しても、「子供たちはこの作品で“サイクル・オブ・ライフ(命のつながり)”を知るでしょう。原作にも映画にも伝えるべきメッセージがたくさんあるのです」とコメント。恐るべし12歳!です。
そう言えば本作は、名優のもう1人(?)の強敵“動物”も揃っていました。主演(?)ウィルバーがとにかく可愛いのです。「ベイブ」という大ヒット作もありましたが、ホントにキュート。雨の日に泥んこの中で転げまわって遊んだり、自分の行く末を聞いて気絶してしまったり(笑)、もちろんCGの部分もありますが、愛らしい姿がいっぱいです。
出産後のJ・ロバーツ復帰第1作が本作、というのも注目するところ。双子の母になった彼女が、母性たっぷりにシャーロットを演じています。実は動物たちの声は、オリジナル版だけでなく日本語吹替版も、おなじみのスター(鶴田真由、高橋英樹、松本伊代、ヒロミ他)が出演。あなたは、何人の声がわかりますか?
「シャーロットのおくりもの」 日比谷スカラ座他、全国公開中
オフィシャルサイト http://www.charlotte-movie.jp/site/
(c)2006 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
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