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[映画]-2時間1800円の至福- 映画を観よう、幸せになろう

加藤アカネ
“独身の新人ライター”としてスタートしてから5年以上が過ぎ、今ではなんと2人の子供がいる身の上。いまだにそんな自分が時々不思議に思えるほどの自覚のなさですが、元映画宣伝マンの経験を生かして、ジャンルを問わず、いろんな映画を楽しく、わかりやすくご紹介していきたいと思います。よろしくお願いします。

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この世ならぬ世界を、ちょっと覗いてみませんか? 「デスノート the Last name」&「椿山課長の七日間」

Movie1103_1
先日亡くなった俳優の丹波哲郎さんはよく語っていましたが、実際に見たことがある人は、まずいない(はずの)死後の世界。人間があれこれ“死”について考えをめぐらすのは、老いた人にも若い人にも、貧しい人にも富める人にも、必ず等しく訪れるからではないでしょうか。今週は、この世とあの世(?)をリンクさせた世界をお楽しみください。

次々と不審な死を遂げる犯罪者たち。彼らを“裁く”者として救世主キラの存在が巷で囁かれる中、ついに対面した夜神月(やがみ・ライト/藤原竜也)と探偵L(エル/松山ケンイチ)。月は、キラ逮捕に協力するためと称し、Lの率いるキラ対策室に入り込む。彼を有力なキラ候補者と考えるLは、それを虎視眈々と待ち受けていた。一方で、死神リューク(声:中村獅童)とは別の死神レム(声:池畑慎之介)が、もう1冊のノートを人間界に送り込む。拾ったのは、キラを崇拝するアイドル・弥海砂(あまね・ミサ/戸田恵梨香)。彼女は、月が持とうとしなかった特別な力“死神の目”をも手に入れると、月を探し出し、“第二のキラ”として協力を申し出る。デスノートのルールを熟知した月は、海砂の“目”とその天才的な頭脳を駆使し、Lを葬るための策を練る。果たして、誰の名前が「デスノート the Last name」として書かれるのか――? 

ついに完結編です。6月の「前編」公開時に「後編」とされていたタイトルも、「デスノート the Last name」に決定。最後に名前を書かれるのは誰か? 意味深なタイトルに期待が膨らみます。

前編では少しだけの登場だった海砂も、今回は原作同様、中心キャラとして大活躍。ゴスロリ系ファッションに身を包み、まるで宿題でもこなすようにノートに“裁く”者たちの名前を書き込んでいく姿には、ドキリとさせられます。原作ファンには有名な(?)監禁シーンも再現。演じる戸田さん自身、「一番印象に残るシーン」にあげていますが、「待ち時間に縄を解くと戻すのが大変なので、縛られたまま待機していたことも。だからリアルな芝居が出来た気がする(笑)」と、まさしく体当たりで演じたことがうかがえます。

今回、とってもおもしろかったのが、Lのお菓子シリーズ。前回はケーキやパフェの洋菓子でしたが、和菓子にチェンジ。松山さんが、「Lは言葉や表情に気持ちが出てくる人間ではないので、様式で見せるしかない」と、自ら提案したラインナップだそうです。長い串団子を、ワインクーラーほどもあるガラス瓶にたっぷり入ったタレに浸して食べるシーンや、キラに殺された○○さんの遺影に供えられたおはぎ3個を、捜査会議中にパクパクたいらげるシーンなどが、印象的です。やっぱり頭をフル活動させると、カロリーも大量に消費するんでしょうか(笑)?

そして、もちろん一番の見どころは月とLの対決。天才2人の頭脳戦は、一種のアクション映画のよう。「原作のテーマを尊重し、それをどう受け止めるかに重きを置いた」と監督が語るように、原作ファンも、前編を見た人も、納得のラストシーンになっていると思います。

最後に、誰が、誰の名前を書くのか。ぜひ、劇場で確かめてください。

「デスノート the Last name」11月3日~、丸の内プラゼール他、全国松竹・東急系にて公開
オフィシャルサイト 
http://wwws.warnerbros.co.jp/deathnote
(c)2006 「DEATH NOTE」 FILM PARTNERS

Movie1103_2
打って変わってこちらはほのぼの系です。デパートに勤める椿山課長(西田敏行)は、社運を賭けたバーゲンセールを指揮する最中に、脳溢血でパッタリ逝ってしまう。妻(渡辺典子)と小学生の息子(須賀健太)、新築した自宅と残っている21年のローン、施設で暮らす認知症の父(桂小金治)と未練たっぷりの彼は、天国と地獄の中間点にある“中陰役所”のマヤ(和久井映見)から、やむにやまれぬ事情がある者だけ、7日間現世に戻れることを聞く。その“逆送”が許されたのは、彼とヤクザの武田(綿引勝彦)、雄一(伊藤大翔)という少年の3人だけだった。ところが、目覚めると椿山は絶世の美女・椿(伊東美咲)に、武田はヘアスタイリストの青年・竹内(成宮寛貴)に、雄一は蓮子(志田未来)という少女に変わっていた。死後4日が過ぎていたため、残すところあと3日。「椿山課長の七日間」は、“この世”の未練を解消し、彼を心安らかに旅立たせてくれるのか?

つい先日、ご紹介したばかりの「地下鉄(メトロ)に乗って」に続き、原作は浅田次郎。朝日新聞での連載中には、「死ぬのが怖くなくなった」という感想が続々と寄せられたとか。それも納得の、ちょっとおかしくて切ない物語です。

そもそも椿山課長の“逆送”が、なぜ許可されたのか。それには深い事情がありました。彼自身が気にしていたことなんて、実はどうってことなかったのです(笑)。“役所”が「知らないままでいるには、あまりにかわいそう」と同情するほどの、数々(!)の事情。それが、一つ一つ明かされていくのが、おかしいやら哀しいやら。

そして、こう言っては何ですが、ふくよかなオジサン・西田敏行が八頭身美女・伊東美咲に変わるというおかしさ。鏡に映った自分の姿に驚愕し、あちこち触りまくって確認する彼(彼女)に、「あまり、恥ずかしいことはしないでくださいね」とすかさず突っ込むマヤ。さらに動揺する椿の姿に、笑いがこぼれます。

すばらしい迫力だったのが、成宮寛貴。本体がヤクザという設定を120%納得させてくれる鋭い目つきに、まさしく“眼力”とはこのこと、と言いたくなります。仕草や口調にも“本来の姿”がにじみ出ていて、こんなにスゴい俳優だったんだ、なんて遅まきながら認識した次第です。

数々の衝撃的な真実を知らされる椿山課長。「知らないまま、あの世に逝った方が良かったんじゃ……」なんて思わないでもないですが、“椿”や“蓮子”、“竹内”がこの世で過ごした3日間は、遺された人々にも大きな影響を与えたのです。あなたもきっと、温かな気分になれるはず。ぜひ、ご覧ください。

「椿山課長の七日間」11月18日~、東劇他、全国公開
オフィシャルサイト 
http://www.tsubakiyama.jp
(c)2006「椿山課長の七日間」フィルムパートナーズ

 
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2006-11-03 【映画】 | 固定リンク

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