ギョーカイのウラ側、見せます! 「プラダを着た悪魔」&「サンキュー・スモーキング」
“ギョーカイ”の言葉で思い浮かぶのは、なぜかマスコミ関係。ホントはいろんな業界があるのに、不思議ですねえ。それはさておき、今週はいわゆるギョーカイを舞台にした2本をご紹介。業種は違いますが、その壮絶なオシゴトに驚き、笑ってください。
大学卒業後、ジャーナリストを志してニューヨークにやって来たアンディ(アン・ハサウェイ)。ファッションに関心ゼロの彼女が見つけた仕事は、なぜかハイ・ファッション誌『ランウェイ』のカリスマ編集長、ミランダ・プリーストリー(メリル・ストリープ)のアシスタントだった。それは世界中の女性があこがれる仕事。でも同時に、世にも有名な地獄のポストでもあった。そう、ミランダは「プラダを着た悪魔」だったのだ……!
その苛烈な要求に耐え切れる者は、ごくわずか。あまりに入れ替わりが激しいので、アシスタントになった者の名前は問答無用で、“エミリー”(笑)。いったい、どんな仕事ぶりなの? と思ったアナタ。そのすさまじさ、笑わずにはいられません。
朝の6時から容赦なくかかってくる呼び出し電話や、ミランダの出社直後に絶妙のタイミングで用意しなければならない適温のスターバックス・コーヒーは序の口。ハリケーンが原因で運休なのに、「なんとかして」の一言に、運航してくれと航空会社にかけあう休日(その帰らなければならない理由は、ミランダの双子の娘の学芸会……)。うっかり、夫婦喧嘩を目撃してしまったがために命じられた『ハリー・ポッター』シリーズ最新刊の出版前の原稿入手に至っては、「辞めてやる!」と、アンディと一緒に叫びたくなります。
どんな無謀な要求でもアンディが頑張る理由は、1年やれば好きな編集部で働けるという約束と、同棲中の優しい恋人ネイト(エイドリアン・グレニアー)がいるから。ところが、否応なく仕事漬けになり始めると、その関係もギクシャクしてきます。
編集部でただ一人アンディを助けてくれるミランダの右腕のファッション・ディレクター、ナイジェル(スタンリー・トゥッチ)に、「恋人とうまくいかなくなった時は、仕事がうまくいっているってこと」と言われても、ねえ。でも、傲慢で怖いものなんか何一つなさそうなミランダにも悩みや苦しみがあることを知ると、“悪魔”もちょっぴり“人間”に見えてきて――。
大注目は、ダサダサなアンディが、ナイジェルの協力で見違えるほどオシャレになっていくところと、上級者の着こなしを存分に披露するミランダのゴージャス・ファッション。衣裳は、TVシリーズ『セックス・アンド・ザ・シティ』でスーパー・スタイリストの名を欲しいままにしたパトリシア・フィールドと聞けば、納得かも。
原作は、ヴォーグ誌の現役女性編集長アナ・ウィンターの助手を務めていたローレン・ワイズバーガーのデビュー作。公式には“架空のキャラクター”ですが(笑)、さまざまな興味と憶測を呼んで、いきなりベストセラーを記録しました。果たして、アンディの恋と仕事の行方は? 特別試写会もあるので、ぜひ一足先にご覧ください!
「プラダを着た悪魔」11月18日~、日比谷スカラ座他、全国公開
オフィシャルサイト http://movies.foxjapan.com/devilwearsprada/
(c)2006 TWENTIETH CENTURY FOX
s-woman.net「プラダを着た悪魔」特別試写会に、合計1660名様をご招待!
詳しくはこちら http://www.s-woman.net/devilwearsprada/

「サンキュー・スモーキング」は、PRマンが主人公。ニック・ネイラー(アーロン・エッカート)は、タバコ業界が業界繁栄のために創設したタバコ研究アカデミーの広報部長だ。1日に1200人を殺していると全世界的なバッシングを受けている今、日夜タバコのために闘っている。彼の話術にかかると、喫煙反対派の急先鋒、フィニスター上院議員(ウィリアム・H・メイシー)でさえ、すっかり煙に巻かれてしまうのだ。すべてがトントン拍子で絶好調の彼を、暗雲が襲う。取材に来た記者ヘザー(ケイト・ホームズ)とベッドイン、うっかり話してしまった内幕を記事にされたのだ。絶体絶命の危機を、彼はどう乗り切るのか?
2006年3月、低予算映画らしくアメリカの少数の劇場で封切られたのが、瞬く間に劇場数が増え、2006年度の1館あたりの興行収入記録まで打ち立ててしまった本作。公開数週間で、伝説のカルト・ムービーの仲間入りを果たした、と言っても過言ではありません。
何がそんなにおもしろいのか。それを伝えるのに、ニックの話術が欲しいと心底願う私。だって、CGもなく、アクションもなく、ロマンスもなく、涙もない。イマドキのトレンドは、すべてハズしているのですから。
TV討論会で、「未成年者喫煙撲滅キャンペーンに巨額な資金を投じている」と発表、喫煙でガンを発症した少年に賞賛の言葉を言わせたり、映画の中でスターにタバコを吸わせようと提案し、ハリウッドのスーパー・エージェント、ジェフ(演じるロブ・ロウがまたアヤシイ!)と一計を講じたり、肺ガンに侵され、訴訟準備中の初代マルボロマン(サム・エリオット)を買収に行ったり……。呆れるばかりの仕事内容の数々です。
友人と言えば、アルコール業界のPRマン、ポリー(マリア・ベロ)と銃製造業界のPRマン、ボビー(デヴィッド・コークナー)。週イチで集まる彼ら――別名モッズ(Merchant of Death=死の商人)特捜隊(笑)――の会話に、また笑ってしまいます。
全てを失ったニックがどう復活するのか。離婚した妻と暮らす一人息子ジョーイ(キャメロン・ブライトが珍しくフツーの少年役で登場)が、ホロリとさせてくれます。ケイト・“トム・クルーズ夫人”・ホームズのビッチぶりにニヤリとしつつ、ブラックで、シニカルで、人を煙に巻く知的コメディを堪能してください。そうそう、意外なことに、喫煙シーンは1つもなし。そんなところにも、作り手のイタズラ心が感じられませんか?
「サンキュー・スモーキング」10月14日~、シャンテ シネ他、全国順次公開
オフィシャルサイト http://www.foxjapan.com/movies/thankyouforsmoking/
(c)2006 TWENTIETH CENTURY FOX
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2006-10-06 【映画】 | 固定リンク
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コメント
「プラダ~」は女性に人気がありますよね。私の友人や同僚、姉も「これ観たいんだよねー」って言ってました。私も、コラム読んでいてますます観たくなりました。週末に行ってきます!
投稿: ori | 2006/11/22 10:48:26
oriさま
週末、見にいらっしゃいましたか?
ストーリーも設定も、そしてもちろん衣装も、見ていて楽しくなること請け合いです。ご覧になった感想も、よかったらお聞かせくださいね。
投稿: 加藤アカネ | 2006/11/26 14:03:51