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[映画]-2時間1800円の至福- 映画を観よう、幸せになろう

加藤アカネ
“独身の新人ライター”としてスタートしてから5年以上が過ぎ、今ではなんと2人の子供がいる身の上。いまだにそんな自分が時々不思議に思えるほどの自覚のなさですが、元映画宣伝マンの経験を生かして、ジャンルを問わず、いろんな映画を楽しく、わかりやすくご紹介していきたいと思います。よろしくお願いします。

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鳥肌モノのスリルとサスペンスあふれる2本立て 「スネーク・フライト」&「ブラック・ダリア」

Movie1020_1
朝晩、ぐっと涼しく秋らしくなってきましたね。さらに涼しくなってもらおう、というワケじゃないですが、今週はスリルとサスペンスたっぷりの2本を。まったく違う種類のオソロしさですが、背筋がゾワッとすること、間違いナシです! 

ハワイを旅行中のショーン(ネイサン・フィリップス)は、エディ・キム一味の殺人現場を目撃する。ドラッグ、恐喝、児童売春、武器売買とあらゆる悪事を働きながら、証拠を残さないキムを逮捕するには、ショーンの証言だけが頼りなFBI捜査官フリン(サミュエル・L・ジャクソン)は、民間機のファーストクラスを借り切ってショーンを護送することを計画。しかし、情報は漏れ、キムは機内に“暗殺者”を送り込む。それは、数千匹の毒蛇だった……! 何も知らないフリンとショーン、そして一般の乗客や乗務員を乗せ、恐怖の「スネーク・フライト」が飛び立った――。

実は私、ダメなんです。ヘビとか、ミミズとか、ナメクジとか、足のない生き物。これを見ながら何度、「もう、帰してくれ~! ここ(試写室)から出してくれ~!」と叫びそうになったことか。じゃあ、何で見に行ったの、って? アメリカ公開前後の異様な盛り上がりが、とっても気になっていたもので……。

厳戒態勢の昨今、機内に銃や爆弾を持ち込むなんて、まずムリ。でも、ヘビだったら? 金属探知機にはひっかからないし、特定の1人を狙うことはできなくても、誰彼かまわず、無差別に襲いかかることは十分可能。飛行機という密室に、凶暴化させたヘビを何千匹と放ったら、どんなことになるのか。呆れるほど乱暴だけど、今までになかった発想ですよね。その奇抜な設定は、公開前からインターネットを中心に多くのファンを引きつけ、あっという間に火が点きました。一時、検索サイト・グーグルで「スネーク・フライト」を検索すると、3800万件もの結果が出たとか。

とにかく、ぜひ映画館で見てほしいのです。映画館の座席ってちょっと飛行機に似てませんか? みんな同じ方向を向いてズラッと並んで、隅っこは薄暗く隙間もいろいろあって。今にもそこら中から、太いのや細いのや、長いのや短いのや、赤や青や黄色の極彩色のヤツらが、ズルズルと這いずり出てくるような、こんな臨場感はそうそう味わえません!?

そんなとこ噛まないで! と叫びたくなるような、イヤーなところも情け容赦なくガツガツ噛んで、もうタイヘン。でも、ヤツらの襲撃を見ているうちに、次第に笑いが。人間、一線を越えると笑ってしまうと、身をもって実感してしまいました。

生き残った乗員と個性豊かな客たちが、どう立ち向かうのか。果たして、無事生還できるのか。ドキドキしながらも、キレたS・L・ジャクソンの「ふざけんなあ!!」の咆哮と共に、何かがスッキリ落ちていったのは、私だけでしょうか? 犠牲者続出のトンでもない設定ですが、見ているだけで何かやり遂げたような(笑)爽快感が待っています。蛇足ながら、彼氏と行くのは要検討。男性には凍りつくような展開がありましたので。

「スネーク・フライト」10月21日~、有楽座他、全国東宝系公開
オフィシャルサイト 
http://www.movie-eye.com/snake/

Movie1020_2
変わって、こちらはサイコ・サスペンス。1947年、ロサンゼルスのダウンタウンで、体を腰から真っ二つに切断された惨殺死体が発見される。内臓が抜かれ、血液は洗い流され、笑っているかのように口を耳元まで裂かれたそれは、いつも黒髪に黒いドレス姿でハリウッド・スターを夢見ていた、「ブラック・ダリア」と呼ばれる若い女性だった。ロス市警の刑事コンビ、バッキー・ブライカート(ジョシュ・ハートネット)とリー・ブランチャード(アーロン・エッカート)は捜査を開始するが、リーは異様なまでに事件解決に執念を燃やす。そんな彼を心配するバッキーとリーの恋人ケイ(スカーレット・ヨハンソン)だったが、2人は次第に魅かれあっていき……。

原作は、“アメリカ文学界の狂犬”を自称する作家ジェイムズ・エルロイの代表作<暗黒のLA4部作>の第1作。実は、完全なフィクションではありません。ロサンゼルスで実際に起き、当時のアメリカを震撼させた迷宮入り殺人事件を、エルロイが丹念に事実を調査し、生まれた作品なのです。彼自身、少年時代に母を殺され、事件は未解決のままという過去が。それを思うと、なにか執念のようなものを感じてしまいます。

なぜ、ブラック・ダリアは殺されたのか。しかも、こんな異常な姿で。誰が手を下したのか。事件にのめり込んでいくリーを心配し、諭そうとするバッキー。でも、一番バランス感覚に優れていたはずのバッキー自身、解決のヒントを求めて、ダリアが受けたオーディション映像を片っ端から見ているうちに、とり憑かれていたのかもしれません。

もうこの世に存在しない女性が、生きているとき以上に周囲にその存在感を強めていくという、皮肉。スターを夢見ていた彼女は、殺されて初めてスターになったのです。一方、事件に関わった者たちは、まるで彼女に焼き尽くされていくように、身を滅ぼしていきます。

ハリウッドの華やかなイメージと、まだ開発途上の街特有の荒々しく雑然とした背景が、当時のロサンゼルスが持つムードを色濃く映し出し、さらに物語の陰影を強めます。捜査のために、ダリアそっくりの大富豪の娘マデリン(ヒラリー・スワンク)に近づいたバッキーは、真相にたどり着くことが出来るのか。親友の恋人ケイと魅かれあう彼には、どんな未来が待っているのか。

虚実入り混じった物語は、あっという間に見る者を引きずり込んでいきます。もしかしたら、エルロイが導き出した事件の結末こそが、この迷宮入り事件の真相なのかも。そんな説得力を持つストーリーです。映画を見た後、原作を読むのもきっとおもしろいですよ。

「ブラック・ダリア」日比谷スカラ座他、全国公開中
オフィシャルサイト 
http://www.black-dahlia.jp
(c)2005 Millennium Films  All Rights Reserved.

 
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2006-10-20 【映画】 | 固定リンク

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