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[映画]-2時間1800円の至福- 映画を観よう、幸せになろう

加藤アカネ
“独身の新人ライター”としてスタートしてから5年以上が過ぎ、今ではなんと2人の子供がいる身の上。いまだにそんな自分が時々不思議に思えるほどの自覚のなさですが、元映画宣伝マンの経験を生かして、ジャンルを問わず、いろんな映画を楽しく、わかりやすくご紹介していきたいと思います。よろしくお願いします。

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運命は変えられるのか? 極限状態の恋の行方――「イルマーレ」&「ロフト」

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「映画」と「恋」は切っても切り離せない、密な間柄。でも、今週の「恋」はかなり特殊なのです。現実にはありえない、極限状態で落ちてしまった「恋」の運命に立ち向うヒロインたち。そんな映画ならではの「恋」を、お楽しみください。

シカゴの病院へ赴任が決まり、お気に入りの湖畔の家から引っ越すことになった医者ケイト(サンドラ・ブロック)。名残惜しさに、歓迎の言葉と誤配された郵便の転送を頼む手紙を、次の住人に宛てて家のポストに残す。しかし、越してきた建築家アレックス(キアヌ・リーブス)は訝しむ。家は、長いこと空き家だったのだ。彼は冗談半分で、「何かの間違いでは?」とそのポストに返事を入れる。数日後、様子を見に来たケイトはそれを読み、再び手紙を書いた。「私はここに住んでいました。ちなみに今は2006年です」。驚くアレックス。彼の「今」は2004年だったのだ。ポストを介し、2年の時を超えて出会った2人。半信半疑で手紙を交すうちに惹かれ合い、ケイトのいる2006年の「明日」、街の人気レストラン「イルマーレ」で会う約束をするが……。

タイトルに覚えのある方もいるでしょう。2001年に日本公開された、チョン・ジヒョン(「僕の彼女を紹介します」)主演の同名韓国映画のリメイクです。演じるのは、大ヒット作「スピード」のコンビ、K・リーブスとS・ブロック。あれから12年(!!)、一度も共演のなかった2人ですが、友人としてずっと親交があったというだけあって、息のピッタリあったところを見せてくれます。

タイム・スリップ物はいろいろありますが、違う時代に生きたままで知り合い、恋に落ちるという設定は、ちょっと珍しいのでは。2人のコミュニケーション手段は、湖畔の家のポスト。そこだけが、2人を繋いでいるのです。

最近は、パソコンや携帯電話のメールが主で、手紙を書く人はほとんどいないでしょう。でも、手紙だからこそ、自分の素直な気持ちや思いを綴り、相手の反応を受け止め、互いの真の姿に近づけるのかもしれません。仕事に追われ、プライベートでもどこか満たされない彼らにとってこの不思議な出会いは、運命だと感じるにふさわしいものだったのです。

2年の時をはさみ、同じ日の同じ時間に同じ場所を散策する2人。手を繋ぐことは出来なくても、2人の満たされた気分が伝わってくるようなデート。2年前にケイトがどこにいたかを聞き、会いに行くアレックス。彼には彼女がわかるのに、彼女にはわからない。名乗り出ることも出来ない、もどかしさ。この感覚は、まるで10代の頃の恋のよう。

ある「事実」を知ったケイトが、彼の運命を変えようとポストに入れる手紙。彼がそれを読むように必死に祈る姿に、心の中で一緒に祈っていた私。ケイトにとってはすぐ来る「明日」でも、アレックスがその「日」を迎えるまでの2年は、長いのです。果たして、2人は会うことができるのか。そのエンディングは、ぜひ劇場で確かめてください。

「イルマーレ」 9月23日~、丸の内ピカデリー1他、全国松竹・東急系にて公開
オフィシャルサイト 
http://www.il-mare.jp
(c)2006 Warner Bros. Ent. Inc, -US, Canada, Bahamas & Bermuda
(c)2006 Village Roadshow Films (BVI) Limited – All Other Territories

Movie0908_2
「イルマーレ」がSF的出会いであれば、「ロフト」はホラー・テイストたっぷり。
礼子(中谷美紀)は期待の新進作家。しかし、筆は進まず、原因不明の体調不良に悩まされていた。担当編集者・木島(西島秀俊)の勧めもあって、郊外の一軒家に引っ越すが、そこには前の住人だった作家志望の女子大生(安達祐実)の荷物がそのままに。その晩、礼子は向いの廃屋に、男が何かを運び入れるのを目撃する。調べてみると、廃屋は大学の研修所で、男は考古学教授の吉岡(豊川悦司)だった。彼のグループは、最近、1000年前の女性ミイラを沼から引き上げたという。魅入られたように、廃屋に忍び込み、ミイラを目の前にした礼子は、吉岡に見つかってしまう。実は、吉岡は展示用に保存処置しなければならないミイラを、無断で運び込んでいたのだ。これをきっかけに、急速に接近する2人。そんな2人を見つめる影があった……。

ミイラと死体の違いは、何でしょう? 黒沢清監督は、死体の映像がTVなどで放映されることはないのに、ミイラになると堂々と映し出されたり、展示されるのをヘンだと感じたことから本作のアイディアを得たとか。確かに、そう考えると不思議。

このミイラがいわくたっぷり。どうも永遠の美を手に入れるために、自分で泥を飲んだというのです。さらに、戦前に撮影されたフィルムにも、同じようなミイラの映像が。なぜ、歴史的発見の記録が、埋もれていたフィルム以外に残っていないのか? 謎が謎を呼びます。

そんな状況で出会った礼子と吉岡は、それが運命だったかのようにあっという間に惹かれ合うのです。ハッキリとした理由も、動機づけもなく、まるで何かにとり憑かれてしまったかのように。

家の中に、誰かの影を感じる礼子。前に住んでいた女子大生はどこへ? そして、彼女を知っていたらしい木島。演じる西島秀俊の得体の知れない存在感にゾクッ。安達祐実の誰だかわからなかったくらいの演じっぷりにビクッ。もう、大忙しです。

ミイラに何かを感じている吉岡の抱えた闇。それを感じ取り、愛するがゆえに彼を救い出そうとする礼子。礼子は、ジワジワと彼を飲み込んでいく運命を、変えることができるのか?ホラー&サスペンス&ロマンスと盛りだくさんな恐怖の世界。1人では観に行かないほうが、いいかもしれませんよ。

「ロフト」 9月9日~、テアトル新宿、シネ・リーブル池袋他、全国公開
オフィシャルサイト 
http://www.loft-movie.com
(c)2005 「LOFT」制作委員会

 
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2006-09-08 【映画】 | 固定リンク

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