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[映画]-2時間1800円の至福- 映画を観よう、幸せになろう

加藤アカネ
“独身の新人ライター”としてスタートしてから5年以上が過ぎ、今ではなんと2人の子供がいる身の上。いまだにそんな自分が時々不思議に思えるほどの自覚のなさですが、元映画宣伝マンの経験を生かして、ジャンルを問わず、いろんな映画を楽しく、わかりやすくご紹介していきたいと思います。よろしくお願いします。

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ちょっと不思議な、水にまつわる物語「レディ・イン・ザ・ウォーター」&「いちばんきれいな水」

Movie0929_1
人の体の60%が水でできていることはよく知られていますが、網膜はその92%が水だったなんて、知っていましたか? この目で見るすべての物は、水に映った映像だったのです。ちょっと驚きですよね。というわけで(笑)、今週は水にまつわる、おとぎ話のような物語。ちょっと不思議なその世界を、あなたの目にぜひ映してみてください。

「レディ・イン・ザ・ウォーター」の主人公は、フィラデルフィア郊外のアパートの住み込み管理人クリーブランド(ポール・ジアマッティー)。雑用と修繕に明け暮れる単調な日々を送る彼は、ある晩、プールで美しい女性を見つける。ストーリー(ブライス・ダラス・ハワード)と名乗る彼女は何者で、なぜそこにいるのか。すべては謎だったが、あどけない彼女が気になったクリーブランドは、部屋に連れ帰る。翌日、彼は住人の女子大生ヤンスン(シンディー・チャン)から聞いた東洋の“水の精”伝説とストーリーが、ぴったり符合することに気づく。伝説は、人間にメッセージを伝えに来た“水の精”と彼女を狙う邪悪な存在、そして近くにいるという彼女を助ける力を持った人々のことを語っていた。クリーブランドは彼女を救うため、アパート全57室の住人から“力”を持った人々を探し始める――。

「シックス・センス」「サイン」と、話題作を続々と世に送り出してきた監督&脚本M.ナイト・シャマラン。ホラータッチの作品が多い彼の最新作を、意外に思った方もいるのでは。実は本作のモトは、彼が娘たちに即興で聞かせたベッド・タイム・ストーリー。そのせいか、明るくちょっとコミカルな物語で和んだ後は、人ってそれほど捨てたもんじゃないかも……なんて気分に。

それというのも、クリーブランド役P・ジアマッティーの存在が大きいのです。頭をずんずんと侵食していくオデコと自己主張を始めたお腹を持つ、いかにもオジサンな彼が、自分より背の高いストーリーをお姫様抱っこして激走するシーンには、ついつい笑ってしまいます。でも、応援せずにはいられません。

年齢も、職業も、人種も、話す言葉もバラバラな個性的住人たちも、彼のホラのような話に半信半疑ながらも、手を貸します。ヒーローじゃない、ごく普通の彼らが、おろおろしながら必死に考える様子は、決して捨てたモンじゃないのです。

もちろん、これはおとぎ話。ちょっぴり間が抜けていても、何の見返りも求めない彼らの姿は温かで、私たちまで優しい気分にしてくれます。

そうそう、余談ですが、自作には必ずちょこっと出演してきた監督。今回は、なんと準主役級でした。ということは、次回作は監督&主演?(笑)

「レディ・イン・ザ・ウォーター」9月30日~、サロンパス ルーブル丸の内他、全国松竹・東急系公開
オフィシャルサイト 
http://wwws.warnerbros.co.jp/ladyinthewater/
(c)2006 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

Movie0929_2

小学6年生の夏美(菅野莉央)は、父(田中哲司)と母(南果歩)、そして姉・愛(加藤ローサ)の4人家族。難病で11年間眠ったままの愛に話しかけるのが、夏美の日課だ。夏休みのある日、母の妹でカメラマンの真理子(カヒミ・カリィ)が、仕事先の南米で事故に巻き込まれる。安否確認のため、パスポートがない夏美と愛を残し、両親は現地へ。生まれて初めて姉妹が2人きりになった夜、奇跡が起きる。愛が目覚めたのだ。いつのまにか自分の体は19歳になり、赤ん坊だった妹が成長していることに驚く愛。一方、夏美も、心は8歳のままの無邪気な姉の行動に振り回される。夏期講習に通う夏美を強引に連れ出した愛は、「いちばんきれいな水」がある場所へ向かう。それは、ある告白のためだった――。

童話『いばら姫』を連想させる美しい姉が大好きで、大切に思いながらも、容姿を比較してちょっぴりコンプレックスを抱く夏美。姉妹を持つ人なら、そんな複雑な感情に素直に共感できるのではないでしょうか。でも、突然の覚醒は夏美を動揺させます。心は8歳のまま、自分よりもはるかに幼い言動をとる愛は、夏美の作り上げた“姉”のイメージを、すっかり覆してしまうのですから。

年齢よりもずっと大人びている夏美は、一つ一つ素直に驚き、反応する姉に恥ずかしさを覚えます。自分だって子供なのに。そんな羞恥心を抱く必要なんてないのに。受験のために夏休みの毎日を塾で過ごす夏美に、愛は必死に呼びかけます。「この夏は、一度きりしかないんだよ!」

幼かった姉は、その瞬間、姉になったのかもしれません。“将来のため”に塾に通い、受験に備える夏美。例え合格しても、“今年の夏“をやり直すことはどうしたってできない。それを、身をもって知っている愛の言葉が胸に響きます。

11年のブランクをモノともせず、元気に自由奔放に一瞬一瞬を楽しむ愛のキャラクターと、演じる加藤ローサの明るくほんわかしたムードに、ちょっと舌足らずなしゃべり方が見事にマッチ。「こんなに終わりたくなかった現場は初めて」と自身が言うように、伸び伸び演じていて、魅力的です。

登場シーンは少ないですが、これが映画初出演となる姉妹の叔母役カヒミ・カリィも印象的。ちょっと浮世離れした、マイペースなキャラクターが持つ独特の存在感は、彼女ならでは、でしょう。

秘密の場所に隠されていたのは、愛の心の闇。それを夏美に明かすことで、2人は強く結びつきます。原作は古屋兎丸のコミック。それを、サザンオールスターズ、一青窈、椎名林檎など個性的なアーティストのミュージックビデオを手がけてきたウスイヒロシ監督が、透明感あふれる映像で映し出しました。

「いちばんきれいな水」10月7日~、ユナイテッド・シネマ豊洲、渋谷シネクイント他、全国順次公開
オフィシャルサイト 
http://www.cplaza.ne.jp/kireina-mizu/
(c)2006「いちばんきれいな水」フィルムパートナーズ

 
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2006-09-29 【映画】 | 固定リンク

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