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[映画]-2時間1800円の至福- 映画を観よう、幸せになろう

加藤アカネ
“独身の新人ライター”としてスタートしてから5年以上が過ぎ、今ではなんと2人の子供がいる身の上。いまだにそんな自分が時々不思議に思えるほどの自覚のなさですが、元映画宣伝マンの経験を生かして、ジャンルを問わず、いろんな映画を楽しく、わかりやすくご紹介していきたいと思います。よろしくお願いします。

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ちょっと不思議な、水にまつわる物語「レディ・イン・ザ・ウォーター」&「いちばんきれいな水」

Movie0929_1
人の体の60%が水でできていることはよく知られていますが、網膜はその92%が水だったなんて、知っていましたか? この目で見るすべての物は、水に映った映像だったのです。ちょっと驚きですよね。というわけで(笑)、今週は水にまつわる、おとぎ話のような物語。ちょっと不思議なその世界を、あなたの目にぜひ映してみてください。

「レディ・イン・ザ・ウォーター」の主人公は、フィラデルフィア郊外のアパートの住み込み管理人クリーブランド(ポール・ジアマッティー)。雑用と修繕に明け暮れる単調な日々を送る彼は、ある晩、プールで美しい女性を見つける。ストーリー(ブライス・ダラス・ハワード)と名乗る彼女は何者で、なぜそこにいるのか。すべては謎だったが、あどけない彼女が気になったクリーブランドは、部屋に連れ帰る。翌日、彼は住人の女子大生ヤンスン(シンディー・チャン)から聞いた東洋の“水の精”伝説とストーリーが、ぴったり符合することに気づく。伝説は、人間にメッセージを伝えに来た“水の精”と彼女を狙う邪悪な存在、そして近くにいるという彼女を助ける力を持った人々のことを語っていた。クリーブランドは彼女を救うため、アパート全57室の住人から“力”を持った人々を探し始める――。

「シックス・センス」「サイン」と、話題作を続々と世に送り出してきた監督&脚本M.ナイト・シャマラン。ホラータッチの作品が多い彼の最新作を、意外に思った方もいるのでは。実は本作のモトは、彼が娘たちに即興で聞かせたベッド・タイム・ストーリー。そのせいか、明るくちょっとコミカルな物語で和んだ後は、人ってそれほど捨てたもんじゃないかも……なんて気分に。

それというのも、クリーブランド役P・ジアマッティーの存在が大きいのです。頭をずんずんと侵食していくオデコと自己主張を始めたお腹を持つ、いかにもオジサンな彼が、自分より背の高いストーリーをお姫様抱っこして激走するシーンには、ついつい笑ってしまいます。でも、応援せずにはいられません。

年齢も、職業も、人種も、話す言葉もバラバラな個性的住人たちも、彼のホラのような話に半信半疑ながらも、手を貸します。ヒーローじゃない、ごく普通の彼らが、おろおろしながら必死に考える様子は、決して捨てたモンじゃないのです。

もちろん、これはおとぎ話。ちょっぴり間が抜けていても、何の見返りも求めない彼らの姿は温かで、私たちまで優しい気分にしてくれます。

そうそう、余談ですが、自作には必ずちょこっと出演してきた監督。今回は、なんと準主役級でした。ということは、次回作は監督&主演?(笑)

「レディ・イン・ザ・ウォーター」9月30日~、サロンパス ルーブル丸の内他、全国松竹・東急系公開
オフィシャルサイト 
http://wwws.warnerbros.co.jp/ladyinthewater/
(c)2006 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

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小学6年生の夏美(菅野莉央)は、父(田中哲司)と母(南果歩)、そして姉・愛(加藤ローサ)の4人家族。難病で11年間眠ったままの愛に話しかけるのが、夏美の日課だ。夏休みのある日、母の妹でカメラマンの真理子(カヒミ・カリィ)が、仕事先の南米で事故に巻き込まれる。安否確認のため、パスポートがない夏美と愛を残し、両親は現地へ。生まれて初めて姉妹が2人きりになった夜、奇跡が起きる。愛が目覚めたのだ。いつのまにか自分の体は19歳になり、赤ん坊だった妹が成長していることに驚く愛。一方、夏美も、心は8歳のままの無邪気な姉の行動に振り回される。夏期講習に通う夏美を強引に連れ出した愛は、「いちばんきれいな水」がある場所へ向かう。それは、ある告白のためだった――。

童話『いばら姫』を連想させる美しい姉が大好きで、大切に思いながらも、容姿を比較してちょっぴりコンプレックスを抱く夏美。姉妹を持つ人なら、そんな複雑な感情に素直に共感できるのではないでしょうか。でも、突然の覚醒は夏美を動揺させます。心は8歳のまま、自分よりもはるかに幼い言動をとる愛は、夏美の作り上げた“姉”のイメージを、すっかり覆してしまうのですから。

年齢よりもずっと大人びている夏美は、一つ一つ素直に驚き、反応する姉に恥ずかしさを覚えます。自分だって子供なのに。そんな羞恥心を抱く必要なんてないのに。受験のために夏休みの毎日を塾で過ごす夏美に、愛は必死に呼びかけます。「この夏は、一度きりしかないんだよ!」

幼かった姉は、その瞬間、姉になったのかもしれません。“将来のため”に塾に通い、受験に備える夏美。例え合格しても、“今年の夏“をやり直すことはどうしたってできない。それを、身をもって知っている愛の言葉が胸に響きます。

11年のブランクをモノともせず、元気に自由奔放に一瞬一瞬を楽しむ愛のキャラクターと、演じる加藤ローサの明るくほんわかしたムードに、ちょっと舌足らずなしゃべり方が見事にマッチ。「こんなに終わりたくなかった現場は初めて」と自身が言うように、伸び伸び演じていて、魅力的です。

登場シーンは少ないですが、これが映画初出演となる姉妹の叔母役カヒミ・カリィも印象的。ちょっと浮世離れした、マイペースなキャラクターが持つ独特の存在感は、彼女ならでは、でしょう。

秘密の場所に隠されていたのは、愛の心の闇。それを夏美に明かすことで、2人は強く結びつきます。原作は古屋兎丸のコミック。それを、サザンオールスターズ、一青窈、椎名林檎など個性的なアーティストのミュージックビデオを手がけてきたウスイヒロシ監督が、透明感あふれる映像で映し出しました。

「いちばんきれいな水」10月7日~、ユナイテッド・シネマ豊洲、渋谷シネクイント他、全国順次公開
オフィシャルサイト 
http://www.cplaza.ne.jp/kireina-mizu/
(c)2006「いちばんきれいな水」フィルムパートナーズ

 
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2006-09-29 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

実在の人物がリアルに甦る、重厚感たっぷりのドラマ 「カポーティ」&DVD「グッドナイト&グッドラック」

Movie0922_1
「事実は小説より奇なり」なんて言葉もありますが、時にフィクションを遥かに凌ぐパワーを持つ「事実」。今週は、そんなパワーを秘めた実在の人物を描いた、事実に基づくドラマを2作ご紹介します。

1959年11月、前年に出版された『ティファニーで朝食を』の成功で作家としての名声を手にした「カポーティ」(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、小さな新聞記事に目を留める。それは、カンザス州の農家で一家4人が惨殺されたという事件だった。幼なじみで良き理解者の作家ネル・ハーパー・リー(キャサリン・キーナー)と共にカンザスへ向ったカポーティは、捜査官デューイ(クリス・クーパー)に近づく。1ヶ月後、容疑者の2人組が逮捕。拘置所に通い、犯人の1人ペリー(クリフトン・コリンズJr.)と親しくなったカポーティは、死刑宣告を受けた彼の上訴のため、敏腕弁護士を雇う。そして、事件を題材とした本を書くために彼の元に通いつめるうち、次第に友情にも似た感情を抱き始め……。

まだ同性愛に対する偏見が強かった時代に堂々とゲイであることを公言し、華やかでスキャンダラスな数々の言動行動で常に注目を浴びていた作家トルーマン・カポーティ。今では珍しくもない、実在の事件や人物をもとに書く“ノンフィクション・ノベル”というジャンルの第1作となったのが、彼の『冷血』でした。

本作は、カポーティが『冷血』を書き上げるまでの物語。カポーティの作品中、もっとも高い評価を受けたこの小説は、同時に彼にとっての最後の作品となりました。その後は、書き始めはするものの、完成させることが出来なくなってしまったのです。その理由はなんなのか。映画は感情的に彼に寄り添うことなく、淡々と語られていきます。

これを見てカポーティに感情移入する人は、おそらくいないでしょう。それほどに彼の個性は強烈です。後世に残る作品を生み出すような天才は、やはり常人には測りきれないのかもしれません。

演じるP・S・ホフマンが圧巻です。女性的な仕草、甲高い声など、実際のカポーティを見事に体現。名バイプレイヤーとしてずっと地道に活動してきた彼が、本作でアカデミー賞をはじめとした数々の主演男優賞の栄冠を手にしたのも納得の迫力です。

死刑執行を著作の結末にしたいのに、ペリーに会ううち、恵まれない家庭環境にあった彼と自分を重ね合わせていくカポーティ。そう、本を完成させるためには、カポーティこそがもっとも死刑を切望し、同時にもっとも恐れていたというパラドックスが、彼を激しく蝕むのです。

実は、これが初の長編劇映画となる監督ベネット・ミラーと脚本ダン・ファターマンとホフマンは高校生の頃からの友人。彼らの熱い、でも冷静な心意気が伝わってくる作品です。

「カポーティ」 9月30日~、恵比寿ガーデンシネマ、シャンテ シネ他、全国公開
オフィシャルサイト
http://www.sonypictures.jp/movies/capote

Movie0922_2「グッドナイト&グッドラック」は、1930~1950年代に、全米で最も高い人気を誇り、“アメリカの歴史を変えた1人”と称される伝説のニュースキャスター、エド・マローが番組の締めに言った言葉からタイトルがつけられました。
1953年、米ソ冷戦下で上院議員マッカーシーが率いる調査委員会の厳しい追及は、共産主義者を根絶やしにする“赤狩り”として恐れられていた。マスコミさえ見て見ぬふりをする中、CBSの人気キャスター、エド・マロー(デヴィッド・ストラザーン)とプロデューサーのフレッド・フレンドリー(ジョージ・クルーニー)らスタッフは、アメリカの自由を守るために議員の虚偽と策謀を次々に暴いていく。しかし、彼らを待ち受けていたのは強大な圧力とワナだった――。

G・クルーニーと言えば、その明るいキャラクターと、一声かければブラッド・ピットをはじめとするスターがズラッと集まって、信じられない豪華キャストの共演映画(「オーシャンズ11」シリーズ)があっさりと実現する信頼篤い兄貴ぶりでおなじみ。その彼が、監督&共同脚本&出演の3役をこなしたばかりか、自宅を抵当に入れてまで製作費を捻出し、映画化を実現させたのが、本作です。

スタイリッシュなモノクロ映像や、自ら選曲した、全編を流れるスタンダード・ジャズにちょっと驚くかも。お茶目でイタズラ好きな彼のまったく別の一面が不意に現れたようで、ドキドキです。

ニュースキャスターだった父親の影響で、元々ジャーナリスト志向だったクルーニーにとって、エド・マローは文字通り「我が家のヒーローだった」とか。「情熱から作った映画で、お金のためではない。どうしてもこの映画を撮りたかった。出来なかったら、70歳になったとき、一体何を残せたと言えるのだろう」という熱い思いを抱いた作品なのです。

どんな圧力がかかっても、平然と、そして淡々と真実を追い、報道するマローたち。報道人としての彼らの静かで熱い思いのなんてカッコいいことか。激したり、怒鳴ったりの感情的な姿は見せなくても、彼らの中に熱い血が滾(たぎ)っているのが見えてきます。同時にそれは現代アメリカの行く末を案じる、クルーニーたちスタッフやキャストの思いなのかもしれません。

それにしても、カッコよすぎるなあ、G・クルーニー(笑)。ブラピやマット・デイモン、ジュリア・ロバーツが彼を心から信頼し、一緒の仕事を楽しむ気持ちがわかるような気がします。売れない時代が長かった苦労人のせいか、やりたいと思うことは硬軟問わず、飄々とこなしていくところもまたカッコいい。監督2作目にしてアカデミー賞ノミネートもお見事。すっかり褒めちぎってしまいましたが、彼のちょっと意外な一面、ぜひご覧ください。

DVD「グッドナイト&グッドラック」
発売・販売:(株)東北新社
豪華版(2枚組)は7,140円(税込)・通常版は3,990円(税込)で11月22日リリース
オフィシャルサイト
http://www.goodnight-movie.jp
(c)2005 Good Night Good Luck, LLC. All Rights Reserved.

 
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2006-09-22 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

オトナになる直前の少女たちが迎えた人生の岐路――「フラガール」&「夜のピクニック」

Movie0915_1
私にはすでに遠い昔ですが(笑)、「10代後半」って、子供じゃないけど大人でもない、なんだかスペシャルな感じがしませんか? 今週は、そんなオトナ直前の少女たちが主人公の、実話をベースにした物語です。

昭和40年、エネルギー需要が石炭から石油へと急激に変化し、リストラが始まった福島県の炭鉱町。起死回生を狙った会社は、従業員たちの激しい反対の中、レジャー施設「常磐ハワイアンセンター」を計画する。その目玉のフラダンス・ショーのために、東京から教師として招かれたまどか(松雪泰子)だが、炭鉱の田舎娘に踊れるわけがないと、まったくやる気がない。一方、ダンサー募集の貼り紙に、「ここから抜け出すチャンス」と紀美子(蒼井優)と早苗(徳永えり)は家族に内緒で応募。その真剣な彼女たちの姿が、まどかを変えていく。メンバーも徐々に増え、いよいよ「フラガール」たちは始動するが……。

「常磐ハワイアンセンター」(現:スパリゾートハワイアンズ)に行ったことがある人、名前だけは聞いたことがある人、たくさんいるでしょう。でも、ホテルや施設の従業員だけでなく、ダンサーやバンドメンバーも炭鉱員やその家族だったこと、知っていましたか? 本作は、その立ち上げを描いた実話なのです。

ダンサー、と聞いてストリップ・ショーを連想するコ、初めて見たフラダンスに、「ケツは振れねえ」「ヘソ丸見えでねえか」とドン引きしてしまうコ……、純情な彼女たちにちょっとクスリ。でも、その陰には、父や家族の働く炭鉱の行く末をシビアに見つめる、真剣な思いがありました。

母(富司純子)と兄・洋二朗(豊川悦司)の3人で暮す紀美子は高校に通っていますが、彼女をフラダンスに誘った親友・早苗は、父(高橋克実)と幼い弟妹を抱え、自分も炭鉱で働く少女。父と2人きりの小百合(南海キャンディーズ しずちゃん)に、子供を抱える事務員・初子(池津祥子)など、ダンサーに応募してきた女性はそれぞれに事情を抱えています。

SKD(松竹歌劇団)の花形ダンサーだったまどか自身も、ある事情から東京を出てきました。自分の力ではどうにもできない厳しい現実。でも、逃げることなく、きちんと向き合う彼女たち。笑顔で踊る姿に鼻の奥がツンと痛くなります。

圧巻は、もちろんダンス・シーン。3ヶ月間猛特訓したという松雪泰子が1人踊るシーン。蒼井優たちフラガールの勢ぞろいしたシーン。物語と実際の彼女たちのがんばりが重なって、感動。これがホントの映画初出演となる(「ラブ★コン」より撮影が先)南海キャンディーズのしずちゃんも、一際大きく目立ってガンバってます。

母と衝突する紀美子を陰ながら応援していた洋二朗が、「母ちゃんも、お前も、あの先生も、女はつえぇな」と尊敬の念をこめて言うシーンが印象的。そう、女はガンバっているのです。もちろん、男も(笑)。ぜひ見て、元気をもらって来てください。

「フラガール」 9月23日~、シネカノン有楽町、渋谷アミューズCQN他、全国公開
オフィシャルサイト 
http://www.hula-girl.jp

Movie0915_2
ガラリと変わって、「夜のピクニック」は現代の高校生が主人公です。24時間かけて80kmを歩くという高校生活最大のイベント、歩行祭。高校生活最後の歩行祭を目前に、貴子(多部未華子)は密かに決めたことがあった。それは、同級生の融(石田卓也)に話しかけるということ。2人の間には、そんな簡単なことがどうしても出来ない、親友にすら言えない秘密があった。しかし、以前から意識しあう2人の関係を噂していた周囲は、ここぞとばかりにあれこれとおせっかいを焼いてくる。2人の秘密とは? そして、ゴールまでに貴子は融に話しかけることが出来るのか?

第1回受賞作「博士の愛した数式」、第3回受賞作「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」――全国の書店員が“自分が一番売りたい本”に投票し、選出される本屋大賞。本作はその第2回受賞作が原作。このラインナップからも、楽しみになってきませんか。

本作も実際の出来事がモデル。原作者・恩田陸氏の母校(茨城県立水戸第一高校)で戦後から行われている伝統行事「歩く会」がそれです。ただ夜に歩くだけで、なんで映画(小説)に…と思う人もいるかもしれませんが、これがなかなかのドラマなのです。

実は、私も学生時代に学祭行事のオーバーナイト・ハイクというのに参加したことが。夜の10時ごろに学校を出発し、チェックポイント数ヶ所を回って、ほぼ山手線を一周して翌朝に戻るという、なんてことのないイベントです。ところが不思議なことに、歩いているとハイになってくるのです(お酒を飲んでいるわけじゃありませんよ)。しゃべって、歌って、走って(!)と、もう大騒ぎ。それも深夜には語り合いになり、最後はあまりの疲労に口も聞けなくなり、足を引きずって帰ってきました(笑)。

考えてみると、一晩かけて何十kmも歩くなんて、そうそうないこと。その“疲労感を体感する”ために、貴子役・多部未華子の提案で、主要キャストとスタッフで実際に60kmを24時間かけて歩いたそうです。そのせいか、スクリーンにはワクワクするような、ある達成感がにじみ出てくるみたい。

主人公2人の間を流れるぎこちないムードがとっても初々しくて、嬉しくなってきます。周囲の個性的な友人もいい感じ。特に、昼間はゾンビのようなのに、夜になると俄然ハイテンションになる高見役・柄本佑がイイ味出してます。

2人が抱えていた秘密から解き放たれ、新たな1歩を踏み出した時、何だか私も少しだけ軽くなったような気分に。きっとあなたも、夜のピクニックに行きたくなりますよ。

「夜のピクニック」 9月30日~、丸の内プラゼール他、全国松竹・東急系にて公開
オフィシャルサイト 
http://www.yorupic.com
(c)2006「夜のピクニック」FILM VENTURER

 
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2006-09-15 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

運命は変えられるのか? 極限状態の恋の行方――「イルマーレ」&「ロフト」

Movie0908_1
「映画」と「恋」は切っても切り離せない、密な間柄。でも、今週の「恋」はかなり特殊なのです。現実にはありえない、極限状態で落ちてしまった「恋」の運命に立ち向うヒロインたち。そんな映画ならではの「恋」を、お楽しみください。

シカゴの病院へ赴任が決まり、お気に入りの湖畔の家から引っ越すことになった医者ケイト(サンドラ・ブロック)。名残惜しさに、歓迎の言葉と誤配された郵便の転送を頼む手紙を、次の住人に宛てて家のポストに残す。しかし、越してきた建築家アレックス(キアヌ・リーブス)は訝しむ。家は、長いこと空き家だったのだ。彼は冗談半分で、「何かの間違いでは?」とそのポストに返事を入れる。数日後、様子を見に来たケイトはそれを読み、再び手紙を書いた。「私はここに住んでいました。ちなみに今は2006年です」。驚くアレックス。彼の「今」は2004年だったのだ。ポストを介し、2年の時を超えて出会った2人。半信半疑で手紙を交すうちに惹かれ合い、ケイトのいる2006年の「明日」、街の人気レストラン「イルマーレ」で会う約束をするが……。

タイトルに覚えのある方もいるでしょう。2001年に日本公開された、チョン・ジヒョン(「僕の彼女を紹介します」)主演の同名韓国映画のリメイクです。演じるのは、大ヒット作「スピード」のコンビ、K・リーブスとS・ブロック。あれから12年(!!)、一度も共演のなかった2人ですが、友人としてずっと親交があったというだけあって、息のピッタリあったところを見せてくれます。

タイム・スリップ物はいろいろありますが、違う時代に生きたままで知り合い、恋に落ちるという設定は、ちょっと珍しいのでは。2人のコミュニケーション手段は、湖畔の家のポスト。そこだけが、2人を繋いでいるのです。

最近は、パソコンや携帯電話のメールが主で、手紙を書く人はほとんどいないでしょう。でも、手紙だからこそ、自分の素直な気持ちや思いを綴り、相手の反応を受け止め、互いの真の姿に近づけるのかもしれません。仕事に追われ、プライベートでもどこか満たされない彼らにとってこの不思議な出会いは、運命だと感じるにふさわしいものだったのです。

2年の時をはさみ、同じ日の同じ時間に同じ場所を散策する2人。手を繋ぐことは出来なくても、2人の満たされた気分が伝わってくるようなデート。2年前にケイトがどこにいたかを聞き、会いに行くアレックス。彼には彼女がわかるのに、彼女にはわからない。名乗り出ることも出来ない、もどかしさ。この感覚は、まるで10代の頃の恋のよう。

ある「事実」を知ったケイトが、彼の運命を変えようとポストに入れる手紙。彼がそれを読むように必死に祈る姿に、心の中で一緒に祈っていた私。ケイトにとってはすぐ来る「明日」でも、アレックスがその「日」を迎えるまでの2年は、長いのです。果たして、2人は会うことができるのか。そのエンディングは、ぜひ劇場で確かめてください。

「イルマーレ」 9月23日~、丸の内ピカデリー1他、全国松竹・東急系にて公開
オフィシャルサイト 
http://www.il-mare.jp
(c)2006 Warner Bros. Ent. Inc, -US, Canada, Bahamas & Bermuda
(c)2006 Village Roadshow Films (BVI) Limited – All Other Territories

Movie0908_2
「イルマーレ」がSF的出会いであれば、「ロフト」はホラー・テイストたっぷり。
礼子(中谷美紀)は期待の新進作家。しかし、筆は進まず、原因不明の体調不良に悩まされていた。担当編集者・木島(西島秀俊)の勧めもあって、郊外の一軒家に引っ越すが、そこには前の住人だった作家志望の女子大生(安達祐実)の荷物がそのままに。その晩、礼子は向いの廃屋に、男が何かを運び入れるのを目撃する。調べてみると、廃屋は大学の研修所で、男は考古学教授の吉岡(豊川悦司)だった。彼のグループは、最近、1000年前の女性ミイラを沼から引き上げたという。魅入られたように、廃屋に忍び込み、ミイラを目の前にした礼子は、吉岡に見つかってしまう。実は、吉岡は展示用に保存処置しなければならないミイラを、無断で運び込んでいたのだ。これをきっかけに、急速に接近する2人。そんな2人を見つめる影があった……。

ミイラと死体の違いは、何でしょう? 黒沢清監督は、死体の映像がTVなどで放映されることはないのに、ミイラになると堂々と映し出されたり、展示されるのをヘンだと感じたことから本作のアイディアを得たとか。確かに、そう考えると不思議。

このミイラがいわくたっぷり。どうも永遠の美を手に入れるために、自分で泥を飲んだというのです。さらに、戦前に撮影されたフィルムにも、同じようなミイラの映像が。なぜ、歴史的発見の記録が、埋もれていたフィルム以外に残っていないのか? 謎が謎を呼びます。

そんな状況で出会った礼子と吉岡は、それが運命だったかのようにあっという間に惹かれ合うのです。ハッキリとした理由も、動機づけもなく、まるで何かにとり憑かれてしまったかのように。

家の中に、誰かの影を感じる礼子。前に住んでいた女子大生はどこへ? そして、彼女を知っていたらしい木島。演じる西島秀俊の得体の知れない存在感にゾクッ。安達祐実の誰だかわからなかったくらいの演じっぷりにビクッ。もう、大忙しです。

ミイラに何かを感じている吉岡の抱えた闇。それを感じ取り、愛するがゆえに彼を救い出そうとする礼子。礼子は、ジワジワと彼を飲み込んでいく運命を、変えることができるのか?ホラー&サスペンス&ロマンスと盛りだくさんな恐怖の世界。1人では観に行かないほうが、いいかもしれませんよ。

「ロフト」 9月9日~、テアトル新宿、シネ・リーブル池袋他、全国公開
オフィシャルサイト 
http://www.loft-movie.com
(c)2005 「LOFT」制作委員会

 
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2006-09-08 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

続々出演作公開中!  13歳のモノスゴイ俳優に注目「記憶の棘」&「X-MEN:ファイナル ディシジョン」

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いわゆる子役は星の数ほどいますが、たまに「ホントは何歳!?」と問い質したくなるような、“天才”にギョッとすることありませんか。今週は、ただ今、出演作続々公開中の13歳(1993年1月26日生)、キャメロン・ブライト君をご紹介。タダ者じゃあ、ありません。

「記憶の棘」のヒロイン・アナ(ニコール・キッドマン)は、NYに暮す30代の女性。急逝した夫ショーンを想い、再婚しないまま10年を過ごしてきた。しかし、彼女を3年間待ち続けたジョゼフ(ダニー・ヒューストン)の想いを受け、ついに婚約。数日後、突然訪ねてきた10歳の見知らぬ少年(キャメロン・ブライト)は、こう告げる。「僕はショーン、君の夫だ」。驚き、怒ったアナは少年を追い返すが、彼は「ジョゼフとは結婚しないで」という手紙を届ける。動揺するアナ。そして、少年は、彼女と夫しか知り得ないことまで知っていた。本当に夫の生まれ変わりかもしれない。アナの思いは次第に確信へと変わるが――。

あの美しいロングヘアをバッサリ切って話題を呼んだ、N・キッドマン主演作。露わになった華奢なうなじが、彼女の人間離れした容姿を一層際立たせ、スクリーンに出てくるだけで、ため息が出てきます。

もちろん、ただ美しいだけでなく、その演技力も今や周知の事実となった彼女。その彼女と互角に渡り合ったのが、少年ショーンを演じたキャメロン君でした。撮影時、なんと弱冠10歳! そう聞いても、信じられないほどの存在感です。

10歳の少年が、亡き夫の生まれ変わりだと主張する――年上の美しい女性に、憧れにも似た恋をしてしまったらしい男の子に、最初、周囲は苦笑し、たしなめようとします。でも、彼の様子が不安をかき立てていくのです。身体は10歳でも、実は中身は違うのかもしれない――見る者に、言葉だけでなく、仕草だけでなく、その存在で、そう思わせるような不思議なムードを湛えた少年。こんなのアリ? もう、ただただ圧巻です。

彼に“真相”を打ち明けさせようとしたアナが、「私のすべてを満足させることが出来るの? 言ってる意味、わかるでしょ?」と、迫るシーンにドキリ。彼はその性的な意味を理解した上で、今の自分にはどうすることも出来ない事実に苦悩するのです。眼差しだけで。こんなにセクシーでスリリングなシーン、最近見たことあったっけ? 10歳の少年の表情に幻惑されてしまいそう。

Movie0901_2少年は、本当に夫の生まれ変わりなのか? それともウソなのか? ミステリー仕立ての物語には、どんな結末が待っているのか。N・キッドマンの美しく切ない演技をガッチリ受け止めたキャメロン君に、あなたも惑わされてみては?

「記憶の棘」 9月23日~、シャンテシネ、新宿武蔵野館他、全国公開
オフィシャルサイト 
http://www.kiokunotoge.jp
(c)2004 NEW LINE PRODUCTIONS. INC, All Rights Reserved.




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1963年の発表以降、全世界75ヶ国で発売、売上げ総数4億冊を超える大ヒット・アメコミが原作の「X-MEN:ファイナル ディシジョン」。突然変異により、人類にない特殊能力を身に着けたミュータント、プロフェッサーX(パトリック・スチュワート)とマグニートー(イアン・マッケラン)は仲間だったが、人類による差別と迫害から袂を分かつ。人類との平和的共存を望み、チームX-MENを組織したプロフェッサーXに対し、怒りから武力で対抗するテロ組織ブラザーフッドを結成したマグニートー。2人の熾烈な戦いで、X-MENのジーン(ファムケ・ヤンセン)は死亡。密かに彼女を愛していたX-MENのウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)と彼女の恋人スコット(ジェームズ・マーズデン)、仲間のストーム(ハル・ベリー)は、それぞれに痛みを抱えていた。そんな中、ミュータント能力を無効にするという治療薬“キュア”が開発される。その陰にはある能力を持つミュータント少年リーチ(キャメロン・ブライト)の存在があった。人類の命運を賭け、X-MENとブラザーフッドによる壮絶な少年の争奪戦が始まる――。

メイン・キャラ、ジーンの死亡という意外な展開に驚かされた前作を経て、ついに最終章となる本作。前2作の主要キャラの他、X-MEN予備軍として、スクールで学んでいた少年少女たちも前線で活躍を始めます。

人類とは決定的に違う自分のパワーを憂いこそすれ、手放しで喜んではいないX-MENメンバー。そんな彼らの前に、降って沸いたように新薬キュアが登場するのです。今回、大きなテーマの1つとなるのが、ミュータント・パワーは“治療”すべきものなのか、ということ。そのあたりをもっと掘り下げていれば、まったく違うテイストの作品になったのでしょうが、あくまでエンタテインメントに徹しています。

動揺し、浮き足立つミュータントたちが出てくる中、“キュア”の開発のため、隔離された生活を送るリーチ。何ひとつ不自由はないけれど、完全に孤独な日々。すべてをあきらめ、受け入れたかのような表情に胸を衝かれます。

登場シーンは少ないキャメロン君ですが、キーパーソンとしての大きな存在感はさすが。彼の能力に驚いたミュータントに、「ソーリー」と呟く、伏し目がちの表情が印象的でした。

ミラ・ジョボビッチと共演した「ウルトラ・ヴァイオレット」の冷めた表情の少年役が、妙に気になっていたのですが、この2作で納得。これほど眼で語ることのできる俳優が、何人いるでしょう。「勉強と俳優業を両立させることが悩み」という、13歳。ドリュー・バリモア、マコーレー・カルキン、ハーレイ・ジョエル・オスメントと“天才”と言われた子役は激しい挫折に見舞われることも多いですが(ジョディ・フォスターの例もありますが)、ぜひこのまま成長して欲しい。少年らしくふっくらした、頬から顎にかけたラインが鋭さを増した時、どんな大人になっているのでしょう。今から、ドキドキです。

「X-MEN:ファイナル ディシジョン」 9月9日~、日比谷スカラ座他、全国公開
オフィシャルサイト 
http://www.x-menfinal.jp
(c)2006 Twentieth Century Fox

 
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2006-09-01 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

 
 
 
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