人生は旅、なのだ!「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」&「トランスアメリカ」
先日、突然、現役引退を発表し世間を驚かせたサッカーの中田英寿選手。彼がブログに記した言葉が、「人生とは旅であり、旅とは人生である」でした。そこで今週は、「旅する映画」。命や人生を賭けた大いなる冒険の旅を、満喫しませんか。
「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」は、ウィル(オーランド・ブルーム)とエリザベス(キーラ・ナイトレイ)の結婚式で幕を開ける。ところが当日、2人は海賊ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)の逃亡幇助で逮捕、死刑を宣告されてしまう。2人を捕えたベケット卿(トム・ホランダー)がウィルに持ちかけた取引は、ジャックが持つ“北を指さない羅針盤”を手に入れること。エリザベスとの未来を賭け、大海原へ向かうウィル。一方、何かに脅えるジャックは陸を目指していた――。
大ヒットから3年、待望の続編です。「海賊物は当たらない」というジンクスを覆し、人気・実力がありながら興行的ヒットに恵まれず、今ひとつメジャーになりきれなかったJ・デップを一気に押し上げた前作。同じスタッフ&キャストが再集結した続編ですから、期待も大きく膨らもうというもの。
それに応えるように、ちょっと頼りなかったウィルはたくましく、余裕を湛えた男性に成長し、お転婆娘のエリザベスもさらに凛々しく、そしてオトナの女性に変貌しつつありました。それは演じるオーリーとキーラ自身が成長した証なのでしょう。
そして、ジャック! 助かるためなら手段を選ばないズル賢さも、危険を察知するとさっさと逃げの一手を打つ卑怯さも、あのアヤシイ歩き方も(笑)、よりパワーアップ。それがカッコよく見えるのだから、J・デップはホントに不思議。
今回、新たな火種となりそうなのが、彼らの関係です。なんと、エリザベスがジャックに心揺れてしまうのです。そう言えば、前作の取材でキーラに一番好きなシーンを聞いたら、「ジョニーと2人きりで演じた無人島のシーン」と言ってたっけ。個人的には、ウィルよりジャックに惹かれる気持ちはよくわかりますが(笑)、今後の展開に興味津々です。
思わず笑ってしまう、スゴ楽しいアクションも満載で、くどいほどエンタテインメントに徹しているのはさすが。彼らの命賭けの旅はどこへたどり着くのか? 本作は大いなる予告編でもありました。同時撮影された第3弾は、来年5月にシリーズ完結編として公開決定。見逃せません。
「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」7月22日~、全国超拡大公開
オフィシャルサイト http://PIRATES-MOVIE.COM
(c)Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
「トランスアメリカ」は文字通り米大陸横断の旅。性同一性障害(トランスセクシャル)を抱えるブリー(フェリシティ・ハフマン)は、家を離れ、ロサンゼルスで女性として暮らしている。肉体的にも女性になる手術を控えた彼女の元に、ニューヨークの拘置所から電話が。窃盗で逮捕されたトビー(ケヴィン・ゼガーズ)という少年が、父親を捜しているというのだ。学生時代、1度だけ女性と関係したときの子供だと知り、ショックを受けるブリー。迷いながらもニューヨークへ行き、保釈金を払うことにする。だが、トビーに会うと放っておけず、素性を隠したまま、ケンタッキーの継父の家へ彼を送り届けることに……。
今年のアメリカの各映画賞で話題になったのを覚えている方もいるでしょう。女優が、性同一性障害で女性になりたい男性を演じるというややこしい事態を見事に演じ、大きな話題となりました。見ているうちに、ホントに「女優」なのか、「男優」なのか、わからなくなってくるほどの、F・ハフマンの名演です。
監督兼脚本のダンカン・タッカーはこれが長編デビュー。本作のきっかけは、ある“女性”の存在でした。友人になって数ヶ月たった頃、トランスセクシュアルであることを打ち明けた“彼女”。すでに手術やホルモン治療を受けていた“彼女”が、生物学的に女性ではないということに驚いた監督は、同時に家族や友人から拒絶されてきた“彼女”の孤独や苦しみを知ります。「普通に暮らしたい」という“彼女”の夢は永久に叶わないのだろうか? そこから、本作はスタートしたのでした。
だからでしょうか。ブリーを見つめる視線がとても優しいのです。自分の本当の気持ちを、友人であるセラピストにしか打ち明けられない寂しさ。いつ崩れ去るかわからない生活への不安。スカーフとロングスカートで肌の露出を極力避ける彼女のスタイルは、肉体を隠すと同時に、本心をも隠す鎧なのかもしれません。
トビーが生きてきた厳しい現実も考えると、落ち込んでしまいそう。でも、物語は決して重苦しくハードにはなりません。明るく軽快で、そしてちょっぴり切なくて。ハッピーエンドとは言い切れないけど、希望ある前向きなラストも温かいのです。つらいこと、うまくいかないこと、いろいろあるけど、人生という旅はそれほど捨てたもんじゃない。そんなふうに、ポンと背中を叩かれた気分になりました。
「トランスアメリカ」7月22日~、シネスイッチ銀座他、全国順次公開
オフィシャルサイト http://www.transamerica-movie.jp
(c)2005 Transparent Films LLC
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2006-07-21 【映画】 | 固定リンク
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「トランス・アメリカ」★★★☆
フェリシティ・ハフマン、ケヴィン・ゼガーズ 主演
ダンカン・タッカー 監督、2006年、アメリカ
性同一性障害で女性への手術を
1週間後に控えた主人公。
レストランで皿洗いと、
自宅ではテレホンアポインターで
生計を立てて...... [続きを読む]
トラックバック送信日 2006/08/17 0:44:10
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