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[映画]-2時間1800円の至福- 映画を観よう、幸せになろう

加藤アカネ
“独身の新人ライター”としてスタートしてから5年以上が過ぎ、今ではなんと2人の子供がいる身の上。いまだにそんな自分が時々不思議に思えるほどの自覚のなさですが、元映画宣伝マンの経験を生かして、ジャンルを問わず、いろんな映画を楽しく、わかりやすくご紹介していきたいと思います。よろしくお願いします。

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笑って笑って、ドキドキしたら、次はじーん…と、盛りだくさん! 「寝ずの番」&「チェケラッチョ!!」

Movie0418_1今週の主人公たちは、文字通り老若男女よりどりみどり。舞台は、かたや人生の最終章を終えた人を偲ぶ、“寝ずの番(お通夜)”。こなた、4人の高校3年生がめいっぱいセイシュンする沖縄。どちらも、笑って、泣いて、ドキドキして、また笑って、と楽しめること間違いなし。絶対に“チェケラッチョ!”です!

「寝ずの番」は、上方落語界の重鎮、笑満亭橋鶴(長門裕之)の臨終から始まる。妻・志津子(富司純子)と弟子(中井貴一、笹野高史、岸部一徳、木下ほうか、田中章)たちに囲まれた橋鶴は、最期の願いも叶い(?)、穏やかに息を引き取った。通夜では、弟子たちの妻(木村佳乃、土屋久美子、真由子)も交え、親しい者ばかりで生前の師匠にまつわるいい話、笑える話、ジーンとする話が次々に語られていく。しかし、そこは噺家一家、事態は次第にとんでもない方向に……。

とにかく、初めから笑わせてくれます。まず、師匠の最期の願い。それは、「そ○が見たい」。「“そ○”ってなあに?」と、無邪気に聞いたアナタ。スミマセン。ハッキリお答えするには、ちょっとためらいが…。そうなんです、いきなり下ネタなんです。だから、師匠に誰の“そ○”を見せるかで、早速一騒動が持ち上がるのです。

下ネタ、と聞いただけで眉をしかめたアナタ。まあ、待って。私もそっち系の話は苦手ですが、これが不思議に下品じゃない。次から次へ、溢れだすように下ネタ話が出てきますが、どれもこれも、明るくて、楽しくて、生命力に溢れていて。語る人たちの度量の大きさなのか、これぞ大人の「粋」なのか。笑いながら楽しく見られちゃうのです。

演じるキャストたちが素晴しい。中井貴一のあまりの声の良さにビックリし、気風のいい木村佳乃に気持ちは晴れ晴れ。そしてとっても可愛い富司純子には、「いったい、何歳!?」と確認したくなります。監督はマキノ雅彦こと、日本映画史に残る名監督の叔父、マキノ雅弘の名を継いだ俳優、津川雅彦。彼の監督デビューを応援し、幅広い交遊録を証明せんとばかりに、堺正章、高岡早紀に加え、桂三枝、笑福亭鶴瓶、浅丘ルリ子、米倉涼子、中村勘三郎と錚々たる顔ぶれの登場も、楽しいのです(ちなみにタイトル字は緒形拳)。

久しぶりに映画館で見たのですが、予想通り年齢層はかなり高め。意外だったのはオバサマばかりでなく、もうすぐ“寝ずの番”をされちゃいそうな年齢(失礼!)の男性も多いことでした。笑いの中に感じられる、生きるということ、死ぬということをより深く味わえるのは、酸いも甘いも噛み分けたオトナならでは、だからでしょうか。でも、見逃してはもったいないくらいおもしろい。アタマの固くない、大らかなお相手とぜひ、劇場へ!

「寝ずの番」、シネスイッチ銀座他にて公開中
オフィシャルサイト
http://nezunoban.com

Movie0418_2うって変わって、「チェケラッチョ!!」は青春モノ。透(市原隼人)、哲雄(平岡祐太)、暁(柄本佑)、そして唯(井上真央)はごくフツーの沖縄の高校3年生。卒業を間近に控え、進学、就職とそれぞれの道は何となく決まりつつも、退屈な毎日を送っている。ところが、透は偶然知り合った年上の美女、渚(伊藤歩)に一目惚れ。地元で大人気のヒップホップバンド、ワーカホリックのライブで再会するや、ラップ音楽の楽しさと、女の子にモテたいという不純な動機から、哲雄と暁の3人でバンドを組むことに。バンド名は、沖縄の市外局番「098」。唯の心配をよそに、ワーカホリックの前座を務めることになるが……。

バックに流れるのはオレンジレンジの名曲の数々――とくれば、もうそのノリはしっかり伝わってくるでしょう。沖縄の真っ青な海と空にふさわしく、とにかく楽しくテンポがいい物語なのです。

透たち4人の関係が、うらやましいほどイイ感じ。透の片想いを軸に、それぞれの気持ちが重なりあい、ぶつかりあい展開します。でも不思議に、見ていても青春物にありがちな気恥ずかしさはなく、とても素直に受け止められて、なんだか嬉しくなってきます。

透にカツを入れながらも一番の理解者で、みんなからは「男前!」とからかわれるほど潔い唯は、お察しの通り、一途に透を想っています。そして、そんな彼女を静かに見つめている哲雄。この哲雄が、またイイんです。彼の笑顔がスクリーンに広がると、胸がキュンキュン、気持ちは20年前(笑)。もちろん、天然的ニブさと純情一直線な透もカワイイんですが、このちょっと冷静な哲雄がどんなふうに思い、考え、結論を出したのか。私の中では、もう一つの物語が出来上がってしまったほどです(笑)。

実際の撮影でも、この4人はかなり仲が良かったとか。そのムードはしっかり映画に反映され、楽しさがスクリーンから溢れかえります。その青春小僧たちを支える陣内孝則、平田満、柳沢慎吾、松重豊、樹木希林、大島さと子、KONISHIKI、ゴリ&川田(ガレッジセール)等々のベテラン&実力派&個性派の面々も奮闘して、楽しさは倍増です。

音楽や踊り、エキストラのおじいやおばあたちの存在が、沖縄独特の香りをさらに盛り込んで、気分はすっかり沖縄。歌って、踊って、しゃべって、精一杯生きなくっちゃ。そしたら、何も思い残すことなく、“寝ずの番”をしてもらう日を迎えられるに違いない。そんなふうに思ったのでした。

「チェケラッチョ!!」 4月22日~、全国東宝洋画系にて公開
オフィシャルサイト
http://www.ch-098.com
(c)2006 フジテレビジョン/東宝/S・D・P

 
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2006-04-18 | 固定リンク

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