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[映画]-2時間1800円の至福- 映画を観よう、幸せになろう

加藤アカネ
“独身の新人ライター”としてスタートしてから5年以上が過ぎ、今ではなんと2人の子供がいる身の上。いまだにそんな自分が時々不思議に思えるほどの自覚のなさですが、元映画宣伝マンの経験を生かして、ジャンルを問わず、いろんな映画を楽しく、わかりやすくご紹介していきたいと思います。よろしくお願いします。

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だって、好きなんです! 佐藤浩市2本立て 「陽気なギャングが地球を回す」&「雪に願うこと」

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今週は、個人的趣味に走ります(笑)。だって、佐藤浩市サマ出演作が続けて公開になるんです。全然毛色の違う作品で、全然タイプの違う人物を生き生きとスクリーンに息づかせる彼に、あなたもハマること、間違いなし?!

「陽気なギャングが地球を回す」は、ひたすらエンタメに徹した作品。銀行で強盗に遭遇した4人が、互いの超個性的な特技に気づき、銀行強盗チームを結成した。求めるのは、お金よりもロマン。"仕事"は順調、今回も見事に成功させるが、逃走途中、待ち伏せていた4人組に戦利品を強奪されてしまう。情報が漏れていた? 裏切り者がいる? 横取りされた現金を奪還するため、彼らは奇抜な計画を実行するが……。

この4人の特技が、おもしろい。人の嘘が100%見抜ける、人間嘘発見器の成瀬(大沢たかお)。常に正確な体内時計で物事を計測し、脅威のドライビング・テクニックを誇る雪子(鈴木京香)。スリの腕前は超一流、動物をこよなく愛する大学生、久遠(松田翔太)。そして、「夢の中でもしゃべってる」(笑)という、人を煙に巻く演説の天才、響野(佐藤浩市)。実際の"仕事"に彼らの特技をどう役立てるかは、見てのお楽しみです。

響野の口グセは、「ロマンはどこだ!」。本職は喫茶店経営ですが、その店名も「ロマン」。金髪をツンツン立たせ、口説き落とした若妻(加藤ローサ)とラブラブな日々を送りながら、進展しない成瀬と雪子の仲を取り持とうと余計なことをしては、久遠に冷たーく突っ込まれる。でも、メゲずに「俺のポリシーは、大人げなく生きることなんだ!」と言い切るカワイイ彼。ともかくしゃべりまくりで、「無口でシブい俳優」というイメージは、大転換。ひっくり返り過ぎて、1回転半しちゃったような勢いです。

私が彼にハマッたのは、かれこれ十数年前。映画「トカレフ」を見て、でした。恋した人妻を我が手にするため、彼女の1人息子を誘拐し殺害するという、とんでもない男。もちろん以前から知っていましたが、特にどうということもありませんでした。それが、ほとんどセリフの無い、極悪非道で同情の余地ナシの不気味な男に、なぜかヤラレてしまったのです。ちょっと斜め下から見上げる目つきが、強烈に印象に残っています。

映画にテレビに出演作が多数ある中でも、本作はかなり異色。こんなにしゃべりまくって、お節介で、陽性のオトコは初めてじゃないでしょうか? 金髪にド派手なシャツや真っ赤なロングコート、いかにもギャングなピンストライプのスーツ等々、銀行強盗用衣装も意外なほど似合って、目に鮮やかです。

Skoop On Somebodyの主題歌のようにテンポ良く展開するノリの良いストーリーに、脇を固める一癖も二癖もある共演陣(大倉孝二、大杉漣、篠井英介、松尾スズキ、古田新太)。佐藤浩市好きじゃなくても、まったく問題ナシの超豪華エンタテインメントです。まずは、見て!

「陽気なギャングが地球を回す」5月13日~、池袋シネマサンシャイン、渋谷アミューズCQN他、全国公開
オフィシャルサイトhttp://yo-gang.com
(c)2006 「陽気なギャングが地球を回す」製作委員会

Movie0425_2
“ギャング”とは対極の佐藤浩市を楽しむ(笑)「雪に願うこと」は、北海道のばんえい競馬が舞台。ばんえい競馬とは、いわゆるサラブレッドではない農耕馬が人を乗せたソリを引くレースで、農民の祭りをルーツとする、世界でも唯一のレースです。元騎手で、今は調教師として厩舎を経営する年の離れた兄、威夫(佐藤浩市)と母(草笛光子)を捨てて東京に行き、IT産業で成功を収めた学(伊勢谷友介)。ある事情から、13年ぶりに故郷に帰ってきた学は、ひょんなことから厩舎を手伝うことに。ギクシャクした関係の兄や厩務員たちと馬の世話をするうち、彼は自分自身を見つめ直していく――。

スマートで頭が良く、一見洗練された学に対し、生意気な弟を本気で蹴り倒すほど、すぐに手が出る短気で無骨な威夫。対照的な兄弟が馬を挟んで、少しずつ互いを認めていくストーリーは、目新しいものではないでしょう。でも、ちょっとした1シーン、例えば、威夫が学に語りかける「馬を見てっと、気持ちやわくなってこねえか?」という一言など、弟への愛情と自分への自信が胸に沁みます。

学や、騎手として伸び悩む牧絵(吹石一恵)など、甘ったれた人間に対しては容赦なく鉄拳を振るう威夫が、必死に生きる晴子(小泉今日子)に対しては限りなく優しくて、羨望のため息。言葉より態度で示す威夫に、やっぱり、男はこうでなくちゃと再確認です(笑)。

移動しながら開催される実際のレースを追いかけて撮影しただけあって、ドキュメンタリーのようなシーンも、物語の骨組みをたくましくします。中でも、厳寒の朝靄の中、調教する馬から湯気が立ち昇るシーンは息を呑むほどに美しく、迫力満点。速さより力強さを競うばんえい競馬が、兄弟の人生にも重なっていくようです。

これほど対照的な人物を、過剰でなく、きちんと息づかせる佐藤浩市という人は、年々どんどん輝いていくよう。彼が出演するだけで、物語が幾重にも厚みを増していくみたい。そう言えば、某大河ドラマも、彼の役が死ぬ回まではちゃんと見てた私。きっと、これからもカッコよく年を重ねてくれるんだろうなあ。ああ、楽しみ(笑)。

さて、突然ですが、リニューアルのため、しばらくの間お休みをいただきます。また、戻ってまいりますので、懲りずにお付き合いくださいませ。どうぞよろしくお願いいたします。

「雪に願うこと」5月20日~、テアトル タイムズスクエア、銀座テアトルシネマ他、全国公開
オフィシャルサイトhttp://www.yukinega.com

 
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2006-04-25 【映画】 | 固定リンク

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