ブロードウェイの大ヒット・ミュージカルをスクリーンで楽しもう!「プロデューサーズ」&「レント」
「シカゴ」「オペラ座の怪人」など、このところ毎年のように映画化されるのが、見ていない人でもタイトルだけは知っているという、ブロードウェイの大ヒット・ミュージカル。日本ではこの4月に、ちょうど2本が公開されます。リメイク、続編ばやりのハリウッドのネタ切れを証明しているかのようですが、これは要チェック。と言うのも、共に舞台のオリジナル・キャストが出演しているから。N.Y.に行ってもなかなかチケットが取れない人気作が、日本にいながらにして見られるなんて。とってもお得だと思いませんか?
「プロデューサーズ」は1959年のN.Y.が舞台。かつては“ブロードウェイの王様”と呼ばれた大物プロデューサー、マックス(ネイサン・レイン)。でも、今は啼かず飛ばずで、初日が楽日(=すぐに打ち切り)という体たらくだ。そんな彼のオフィスに、帳簿付けにやって来た会計士レオ(マシュー・ブロデリック)は、あることに気づく。「ショウ・ビジネスはヒットしなくても儲かる」。それを聞いたマックスは、すぐに計画を立てた。即打ち切りの失敗確実なショウを上演し、出資金200万ドルをそのままいただいちゃおうというのだ。マックスと、“演劇プロデューサーになるのが子供の頃からの夢だった”レオの2人による、史上最低のショウを上演する企みが始まった!
「ヒットしないのに儲かる?? ウソでしょ」と思うでしょうが、ブロードウェイにはそんな秘密のからくりがないこともないようで(それが真実かどうかはさておいて)。こんなふうに全編を通しての皮肉な視点と、業界裏話的な内容がおもしろいのです。
出資金の集め方といい、脚本やスタッフ・キャストの選び方といい、もしかしたら現実にあったこと? と思わせニヤリ。実は本作のオリジナルは、1968年公開の映画。それが、2001年に舞台化され大ヒットし、そのキャストたちが今回の再映画化に出演という、珍しい経歴を持つ作品なのです。40年を経た今も人々を楽しませることができるのは、いつの時代も、みんなミーハーで芸能ネタが好きなせいかも(笑)。
ケッサクなのは、“失敗確実なショウ”の内容。「そりゃ、コケるわ!」と誰もが納得するはずなのですが、事態は2人のプロデューサーの思う通りにはいきません。その意外な展開を招いた原因が、またまた現実を皮肉っていて、笑わずにはいられません。
今回の映画化に当たり、新たに作られたオリジナル曲もあって、お得感はさらにアップ。クールな美女役が多いユマ・サーマンが、ちょっとスロー・テンポな女優志望のスウェーデン人を演じていて愉快。音楽はもちろん、オシャレな衣装や小道具もたっぷり楽しんでください。
「プロデューサーズ」4月8日~、日劇他、全国東宝洋画系にて公開
オフィシャルサイト http://www.SonyPictures.jp
「プロデューサーズ」が業界内幕話なら、「レント」は1989年12月24日から始まる、アメリカのごく普通の若者たちの1年間を描いた物語です。ロジャー(アダム・パスカル)は、かつて人気ロックバンドの一員として活躍していたが、恋人の自殺と自らの病気に打ちのめされ、今は部屋にこもりがち。再開発で立ち退きを迫られているN.Y.のイーストビレッジのアパートに、映像作家を目指すマーク(アンソニー・ラップ)と同居中だ。その一角には、夢と希望を持ちながら、厳しい現実を抱える若きアーティストたちがいた。
「ごく普通の若者」と言いましたが、エイズ、ドラッグ、ゲイのカップルにゲイ・バッシングと、日本に住む私たちにはかなりハードな環境。そんな現実をごく普通に受け入れている彼らの姿が当時のアメリカだったのだと思うと、何だか言葉に詰ります。
1996年に小劇場からスタートした本作は、わずか3ヶ月でブロードウェイの大劇場に進出。ミュージカルとしては異例のピュリッツアー賞まで受賞した“伝説”の作品です。実は私も、ブロードウェイに移って間もない頃に舞台を見たことが。完売状態の中、たまたまキャンセルが出て手に入れた当日券で見たのですが、客席の熱気に当てられてフラフラになったのを覚えています(英語が苦手で100%内容が理解できなかったのが、残念でしたが)。
照れくさいのを承知で言葉にすれば、人を愛するということ、夢を持つということ、そして、死ぬということをストレートに描いた青春群像が、眩しいほど。それも、当時20代の自分が30代になったせいかもしれませんが……。
もちろん10年を経た21世紀の現在からすると、ちょっと古臭いと感じる部分もあるでしょう。でも、未だにブロードウェイでロングランを続けているのは、変わらない普遍のパワーを持つからこそ。そのパワーを音楽がさらに盛り上げます。
舞台のテイストをかなり忠実に残しての映画化が、お見事。もちろん、舞台ならではのナマの臨場感をそのままスクリーンで味わうことは難しいでしょう。でも、舞台にはない映像や視点で見られるのが、映画の大きな持ち味。舞台を見ている人も、いない人も、十分楽しめると思います。
今回は2本ともトニー賞(舞台のアカデミー賞)受賞の品質保証付き。ぜひ、この機会に大きなスクリーンでご覧ください。
「レント」 4月29日~、Bunkamuraル・シネマ、東劇他にて公開
オフィシャルサイト http://www.movies.co.jp/rent
(c)2005 Sony Pictures Entertainment, Inc.
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