今年のアカデミー賞の大本命登場! 「ブロークバック・マウンテン」
昨年のヴェネツィア映画祭の金獅子賞受賞以降、映画賞を総ナメにし、トリを飾るアカデミー賞では最多8部門にノミネートされた本作。保守的な人間が多いと噂されるアカデミー協会が、男性同士の恋愛をテーマにした作品を選んだことも、話題を呼んでいます。
1963年、貧しい青年イニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)は、ワイオミングのブロークバック・マウンテンにある牧場の労働者として出会った。放牧された羊の管理のために山でキャンプをするうち、2人の気持ちは友情を超え、肉体関係を結ぶまでになる。やがて山を降りた彼らはそれぞれ家庭を持つが、数年後に再会し――。
たかだか40数年前の出来事。でも、2人があと20年遅く生まれていたら、もう少し楽に生きられたかも、と思うと切なくなります。
イニスは少年時代、男性同士のカップルの1人がリンチの末、殺された事件を目撃していました。それほど同性愛への世間の目が厳しい時代。おまけに、手を下したのは自分の父親だったのです。それを忘れられない彼は、ジャックの一緒に暮そうという誘いにうなずくことが出来ません。
何故、同性だと言うだけで世間の目を憚らなければならないのか。頑ななイニスに不満を抱くジャック。何も考えず抱き合ったブロークバック・マウンテンの幸福な思い出は、逆に諍いのタネとなっていきます。相手のことが一番大切なのに。でも、何よりつらいのは、周囲にバレる事よりも、イニス自身が罪悪感を抱いていることでした。それはイニスを傷つけ、ジャックをも傷つけていきます。
そうして20年間秘め続けた2人の関係は、どんな結末を迎えるのか。正直いうと、女の自分は、彼らの妻の気持ちを思わないではいられなかったのですが、彼らが隠さずに生きていくことはできなかった時代だということも事実なのです。人を思う気持ちに後ろ指を差されるなんて、理不尽。でも、もし自分の周囲にそういう人たちがいたら、私は自然に見守ることが出来るのか。その時、ふと、自分の中の偏見に思い当たったような気がしました。ラスト・シーンのイニスの笑顔が脳裏に焼きつきます。
「ブロークバック・マウンテン」3月4日~、シネマライズ先行公開。3月18日~、全国拡大公開
オフィシャルサイトhttp://www.wisepolicy.com
(c)2005 Focus Features LLC/WISEPOLICY
*原作は集英社文庫から発売中。ご購入はこちら
勝手に予想! アカデミー賞を楽しもう!(3)
3回目の今週は、監督賞&長編アニメ映画賞です(※タイトル横のカッコ内は日本公開時期)。
<監督賞>
ジョージ・クルーニー 「グッドナイト&グッドラック」(5月公開)
ポール・ハギス 「クラッシュ」(公開中)
アン・リー 「ブロークバック・マウンテン」(3月4日公開)
ベネット・ミラー 「カポーティ」(10月公開)
スティーブン・スピルバーグ 「ミュンヘン」(公開中)
受賞経験者は、大御所S・スピルバーグだけ(「シンドラーのリスト」「プライベート・ライアン」)。作品賞・オリジナル脚本賞・助演男優賞(「シリアナ」で)と監督賞の計4部門ノミネートを果たしたのはご存知G・クルーニーで、これが監督3作目。P・ハギスは映画監督デビュー作、B・ミラーは2作目で、3者とも初ノミネートとなりました。でも本命は、やはり今年の賞レースを締めるにふさわしく、「ブロークバック・マウンテン」のアン・リー監督ではないでしょうか。
<長編アニメ映画賞>
「ハウルの動く城」(公開済)
「ティム・バートンのコープスブライド」(公開済)
「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」(3月18日公開)
宮崎駿監督の受賞も期待されますが、ここはやはり、短編ですでにアカデミー賞を受賞し、今年のアニー賞(アニメ界のアカデミー賞)全10部門独占受賞という快挙を成し遂げた「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」で。あのちょっとクールでカワイイ、グルミットの大活躍を見ると、ついついキャラクター・グッズを買いたくなっちゃいませんか。そう言えば、今年は戌年ですし(笑)。
さて、皆さんの予想は? 来週は、いよいよ作品賞です。
アカデミー賞 オフィシャルサイトhttp://www.oscar.com
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2006-02-21 【映画】 | 固定リンク
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» ブロークバック・マウンテン トラックバック The Palantir
久しぶりに良い映画を見させてもらいました。 過去に「アイス・ストーム」という素晴らしい作品があったので、 アン・リー監督の新作はなるべく見るようにしていました。でも、 思えばここ数回、肩すかしを食らわされっぱなしでした。 「グリーン・ディスティニー」しかり..... [続きを読む]
トラックバック送信日 2006/03/12 1:15:16
» 「ブロークバック・マウンテン」は繊細な愛の物語 トラックバック 万歳!映画パラダイス〜京都ほろ酔い日記
久しぶりにほぼ満席の映画館(京都シネマ)で映画を観た。待望の「ブロークバック・マウンテン」(アン・リー監督)。ベネチア映画祭でグランプリを獲得するなどして、アカデミー作品賞の大本命だったが、監督賞にとどまった。カウボーイの同性愛という極めて特異なテーマ....... [続きを読む]
トラックバック送信日 2006/03/19 21:21:59
» ブロークバック・マウンテン トラックバック バンパク!
多くの女性には受けがいいみたいですね。デートで観にいったら男性のほうが引くという結論かなー。まあ、男性でこの映画が面白いって言ったら周りの男から確実に引かれるっていうこともあるから、か?... [続きを読む]
トラックバック送信日 2006/03/22 0:19:23
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コメント
こんにちわ!ブロークバック・マウンテン観ましたヨ。身を引き裂かれるような切なさは、伝わってくるのですが、カウボーイのゴニョゴニョした話し方に眠気を誘われてしまいました。
ヒース・レジャーとジェイク・ギレンホールの2人じゃなかったら、これほど話題にならなかったのではないかと思います。
2人の演技はそれほどまでに痛々しく、素晴らしかったです。
投稿: Myums | 2006/02/21 19:04:42
Myumsさん
もし、現実にゲイの噂がある俳優が演じていたら、アカデミー協会はもっと拒否反応を示したんじゃないかという巷の噂も。この2人は、ホントお見事でしたよね。ところで、私はJ・ギレンホールを見るたびに、あの長くってビッシリ生えた睫毛に釘付けです(笑)。
投稿: 加藤アカネ | 2006/02/21 22:13:03