母は強し!アカデミー女優が挑む、闘う母の勝負の行方は?「フライトプラン」&「スタンドアップ」
「女は弱し。されど母は強し。」と言いますが、今週は、闘う母が主人公。しかも、共にアカデミー女優の熱演ですから、一見の価値アリです。
「フライトプラン」で母が闘う相手は、娘を誘拐した犯人。夫を亡くし、一人娘ジュリア(マーリーン・ローストン)を連れ、ドイツからアメリカへ帰ることにしたカイル(ジョディ・フォスター)は、自ら設計した最新鋭の航空機に乗る。葬儀などの疲れから眠ってしまった彼女が目を覚ますと、娘の姿はどこにもなかった。必死に探しても、娘のいた痕跡すらない。高度1万メートルの航空機の中で、いったいどこに消えたのか――?
飛行中の航空機は一種の巨大な密室。なのに、娘の姿はおろか、1人の目撃者もいない。乗客名簿には名前もない。ホントに娘はいたの? と、見ている私たちでさえ、疑ってしまうサスペンスフルな状況。1人の味方もない中、娘を探す母の姿には鬼気迫るものが。シングル・マザーという生き方を選んだジョディと、カイルの強さがシンクロして、相乗効果バッチリです。
女優として2度のアカデミー受賞を果たしただけでなく、監督やプロデューサーとしても評価の高いジョディ。3年ぶりのスクリーン復活作に、前回(「パニック・ルーム」)同様、母親役を選んだのは、きっと、2人の子供(人工授精だと話題)との生活が充実してるからだろうな、なんて思ったりして。
最初のシーンでアップになった彼女にすごく年齢を感じて、ちょっとショックを受けたけど、見ているうちにどんどんドラマに引き込まれ、あっという間にそんなことは忘れていました。そう、ジョディは昔から美醜や年齢を超えたところにいたよなあ。
いわゆるアカデミー狙いの作品ではないですが、一級のエンタテインメントになっているのは、さすが。ハラハラドキドキ、最後まで安心して(笑)、楽しんでください。
「フライトプラン」 1月28日~、丸の内ピカデリー1他、全国公開
オフィシャルサイト http://flight-p.jp
(c) TOUCHSTONE PICTURES
「スタンドアップ」の敵は、女性差別をする職場と土地。10代でシングルマザーとなったジョージー(シャーリーズ・セロン)は、後に結婚した夫の暴力に悩み、2人の子供を連れて故郷に帰る。しかし、昔ながらの町が彼女を温かく迎え入れることはなかった。子供と3人の自立した生活を目指す彼女は、男だけの職場、鉱山で働くことを決める。しかし、そこは差別と偏見が渦巻く場所だった。度重なるセクハラや嫌がらせに、ついに彼女は訴訟を決意。それは、たった1人で巨大企業に挑む、厳しい闘いの始まりだった。
実話を基にしたという物語ですが、1980年代とは思えないほど、時代錯誤な男女差別ぶりに、唖然。辞めちゃえばいいのに、と言いたくなりますが、それぞれに事情があって辞められないのがつらいところ。どんな屈辱を受けても働かなければならなかった女性たちにとって、会社に反旗を翻し、立ち上がったジョージーはただ邪魔な存在に過ぎず、協力したがらないのも十分納得できるのです。
だからこそ、立ち上がった彼女の勇気にエールを送りたくなります。自分だったら、行動できたか? たとえそれが、子供とのより良い生活を得るためだとしても、正直私には自信がありません。前作(「モンスター」)でアカデミー賞を受賞したセロンが、文字通り、泥だらけになりながら、弱く、しかし強い母をじっくりと演じます。
話は変わるけど、この2本のもう一つ共通点は、ショーン・ビーン。「ロード・オブ・ザ・リング」以降、悪役以外の役柄が増えた彼が、最近ちょっとお気に入りの私。特に、「スタンドアップ」の彼は病気の妻を支え続ける、うらやましい夫ぶりです。シブイ大人の男の色香に酔うのも、またよし。女優対決とあわせて存分に味わってくださいませ。
「スタンドアップ」1月14日~、サロンパスルーブル丸の内他、全国で公開
オフィシャルサイト http://www.standup-movie.com
(c)2005 Warner Bros. Entertainment Inc.
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2006-01-10 【映画】 | 固定リンク
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