いつの時代も、恋は突然で切ない――「プライドと偏見」&「好きだ、」
「ああいうタイプ、ムカつく」「なんか苦手」と思う相手ほど、実は気になる――そんな経験、ありませんか? 恋はいつも突然で、切ないもの。そして、時代を超えて共感できるもの。今週は、初恋の物語です。
「プライドと偏見」は18世紀末の英国が舞台。5人姉妹と両親が暮すベネット家の隣りに、大富豪ビングリー(サイモン・ウッズ)が越してきた。長女ジェーン(ロザムンド・パイク)は彼に惹かれるが、なかなか気持ちを表せない。一方、次女エリザベス(キーラ・ナイトレイ)は、ビングリーの親友ダーシー(マシュー・マクファディン)のプライドの高さと態度に強い反感を抱く。でも、なぜか気になって……。
おカタいタイトルで見る気を失くしたという人、いませんか? そのイメージを大きく覆し、思わず笑っちゃうほど明るく楽しく、そしてもちろん、初恋の切なさやドキドキ感もたっぷりの映画です。
「女3人寄れば、かしましい」なんて失礼な言葉(でも、事実?)もあるように、5人姉妹だけでもにぎやかなベネット家は、母親もキョーレツ。なにせ、女性には相続権がないという、驚きの時代。もし、父親が死亡すれば財産は遠縁の男性が相続し、姉妹は無一文で放り出されるのです。母が必死に資産家の若い男性に娘たちを売り込むのも、「結婚」が女性の人生すべてを決めてしまう当時では、仕方のないことかもしれません。
それでも、やっぱり愛のある結婚をしたい。読書好きで聡明なエリザベスは、自分の理想を追い求め、それをはっきりと口に出す勝気な女性。彼女には、上流階級に属し、自分たちを見下す態度をとり、さらには姉の恋路を邪魔するダーシーは許せない男なのです。
でも、そう考える頭と感情が別物なのが、人間の厄介でおもしろいところ。惹かれているのに気づかないまま、反発を重ねる彼女はかわいいけれど、ちょっとヤキモキ。そして、クソ真面目なダーシーの不器用な態度に、地団太踏みたくなります。
サラリと描写された当時の階級社会を背景に、人々の恋の行方を追うのは、ワクワクドキドキ。衣装や建物、風景も美しく、上質な映画は見る者を幸せな気持ちにしてくれるのだなと再認識。恋する切なさは、いつの時代も同じ。そんな当たり前のことも、嬉しくなる映画です。
「プライドと偏見」有楽座他、全国で公開中
オフィシャルサイトhttp://www.pride-h.jp
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かわって約200年後の現代・日本を舞台にした「好きだ、」。17歳のユウ(宮崎あおい)とヨースケ(瑛太)は同級生。彼がユウの姉に憧れていることを、ユウは知っている。ヨースケが姉を誘って、学校帰りに川辺で会ったことも。でもある日、姉は事故に遭う。時が過ぎ、34歳のヨースケ(西島秀俊)は、ユウ(永作博美)と17年ぶりに再会する――。
これだけじゃ、なんだかわからないストーリーですよね。17歳の2人の関係も、何だか曖昧。「好き」と言ったことはなく、もちろん付き合っていたわけでもなく、「姉」の存在を挟んで、机を並べていただけ。一度だけ、ユウからキスをしたことはあったのだけど、それもハッキリ意思表示したわけじゃない。ユウ自身、なぜそんなことをしたのか、ヨースケも、その時なぜ逃げてしまったのか、曖昧なまま卒業し、遠ざかったのです。
全編を通じて流れるのは、不思議な「間」。台本の読み合せはせず、毎日、各キャストにキーワードを渡し、カメラは1~2時間回しっぱなしという、変わった撮影方法をとったそうです。だから、沈黙が続いたり、会話が途切れたりして、不思議な「間」が生まれる。でも、実はそれってすごくリアルなのかも。現実には台本がないのですから。
その不思議な「間」から、彼らの気持ちが伝わってくるような気がします。具体的な言葉も、大げさな感情表現もないのに。
17年の時を重ね、大人になった2人は、相変わらず器用じゃない。それでも、少しずつ少しずつ近づいていく姿に、なぜだか自分の初恋を思い出してしまいました。しみじみと味わってください。
「好きだ、」 2月下旬、渋谷アミューズCQNにて公開
オフィシャルサイトhttp://www.su-ki-da.jp
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2006-01-24 【映画】 | 固定リンク
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