新年は、愛あふれる“数学”映画からスタート「博士の愛した数式」&「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」
「数学」と聞いただけでウンザリするほど、学生時代に手こずった私。でも、そのイメージを180度ひっくり返し、「実はおもしろい、感動的学問かも」と思わせた(笑)のが、この2本。今週は、「数学」と人間を心から愛した人たちの物語です。
「博士の愛した数式」は、高校の数学教師(吉岡秀隆)の回想から始まる。彼のニックネーム“ルート”は、少年時代、家政婦をしていた母(深津絵里)の勤め先の博士(寺尾聰)がつけたもの。博士は、事故で記憶が80分しかもたないというハンデを抱えながらも、心から数学を愛し、人を慈しむ人だった。
“80分しかもたない記憶”という驚きの設定は、見ているうちに、それがどれほど哀しいことなのかひしひしと感じさせます。誰と何を話したのか。何を見てどう感じたのか。どれほど感動しても、どれほどつらい思いをしても、80分後にはすべてリセットされてしまう。つらいことは忘れたほうがマシ、と思う人もいるでしょう。でも、何一つ積み重ねられないということが、どれほど切ないか。博士がどんな思いでそれを受け容れたのか。それすらも80分だけの記憶なのですが、時に現れる激情が彼の思いを垣間見せます。
そんな博士に対し、明るくイヤな顔一つせず、同じ会話を楽しむように繰り返す母。母からたっぷり愛情を注がれたルート少年も、博士とのおしゃべりに物怖じしません。そんなルートを慈しむ博士の姿はただただ優しく、見ているこちらまで心が温まります。
悩みも苦労もたっぷりあるけど、誰もが優しく相手を思いやる。それは、大人のお伽話なのかもしれません。でも、見終わってこんなに優しい気持ちになれるなんて。みんな幸せになれますように。そう願う、帰り道でした。
「博士の愛した数式」 1月21日~、渋谷東急他、全国松竹・東急系で公開
オフィシャルサイトhttp://www.hakase-movie.com
(c)「博士の愛した数式」製作委員会
「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」は、天才数学者でありながら、晩年は精神のバランスを失った父(アンソニー・ホプキンス)と、同じ才能に恵まれながらも、父の再起を信じ、すべてを捨ててその世話に明け暮れ、5年の時を過した娘(グウィネス・パルトロウ)の物語。その父の死後、弟子(ジェイク・ギレンホール)が書斎で発見したノートに記されたある数式の証明(プルーフ)は、世紀の発見だった。証明したのは、父と娘のどちらなのか?
“証明”、あったねえ。もう、結論はわかってるんだから、今さら証明なんてしなくたっていいじゃん!と思ったものです(笑)。そんなあなたでも大丈夫。証明そのものは、大した問題じゃないのです。亡き父との生活を思い起こし、それを追体験しながら立ち直っていく娘の物語です。
元々は舞台作品。2002年、監督ジョン・マッデンと主演グウィネスはロンドンの舞台で上演し、今回の映画化で再びタッグを組んだのです。上演時に元気だったグウィネスの父は、映画撮影前年に逝去。彼女の父への思いが役柄にシンクロし、派手ではないけれど、真に迫った演技が印象的です。
なんとなく、「数学って人間的じゃない」なんて思っていた私。この2本を見て、もっと勉強すればよかったと、ちょっと後悔。今年の抱負は、「先入観にとらわれない」にしようかな。では、今年もどうぞよろしくお願いします。
「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」1月14日~、みゆき座他、全国で公開
オフィシャルサイトhttp://www.gaga.co.jp
(c)2004 Miramax Film Corp. All Rights Reserved.
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2006-01-03 【映画】 | 固定リンク
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コメント
博士の愛した数式は予告編をみてとても気になっていました。演技派俳優がたくさん出ているので早く観たいです。
投稿: まき | 2006/01/03 13:17:16
まきさん
溢れんばかりの愛情が、自分のことまですっぽり包んでくれそうで、ホントに気持ちのいい映画です。一段と寒い冬、映画を見て温まってくださいね。
投稿: 加藤アカネ | 2006/01/04 15:27:23