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[映画]-2時間1800円の至福- 映画を観よう、幸せになろう

加藤アカネ
“独身の新人ライター”としてスタートしてから5年以上が過ぎ、今ではなんと2人の子供がいる身の上。いまだにそんな自分が時々不思議に思えるほどの自覚のなさですが、元映画宣伝マンの経験を生かして、ジャンルを問わず、いろんな映画を楽しく、わかりやすくご紹介していきたいと思います。よろしくお願いします。

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話題の2人の初共演作は、壮絶な夫婦ゲンカ物だった?!『Mr.&Mrs.スミス』

Movie1129main_1いよいよお正月映画の季節。今週は、ブラピ破局の原因はコレとの噂も絶えない、何かと話題のブラッド・ピット&アンジェリーナ・ジョリー共演作『Mr.&Mrs.スミス』です。

出張先の南米で出会ったジョン(B・ピット)とジェーン(A・ジョリー)。電光石火で恋に落ちた2人は、帰国後、友人たちの心配をよそに結婚する。しかし、数年後、少しずつスレ違いが。実は、2人は互いに大きな秘密があった……。

その秘密とは、本当の職業。そう、2人は“殺し屋”だったのです。出張の多い仕事を隠れ蓑にしていた彼らでしたが、同じターゲットの仕事を請けたため、とうとう現場で鉢合わせ。互いの正体を知ってからの展開は、凄まじいのひと言です。

バレたら48時間以内に相手を抹殺するのが、組織の掟。2人の対決は、銃とナイフから身体を張っての肉弾戦へと雪崩れこみます。“仕事”としてだけでなく、騙されたというプライベートな怒りも加わって、まさしく命懸けの“夫婦ゲンカ”。お互い様…なんてことは一瞬たりとも考えない(笑)。スタントなしの2人は傷だらけになったそうですが、「そりゃそうでしょ」と納得(笑)のアクションです。

2人のキャラクターがまたおもしろい。一匹狼で、気分と直感で、別の言い方をすれば思いつきで仕事をするジョンに対し、ジェーンは女性だけの組織をリーダーとしてきっちりまとめ、アリの這い出る隙もない綿密な計画を立てるタイプ。その違いに、「性格的にもうまくいかないんじゃないの」なんて茶々を入れたくなっちゃいます(笑)。

でも、これってとってもリアルだと思いませんか。例えば、結婚生活「5年」と言うジョンに対し、すかさず「6年よ」と訂正するジェーン。思わず「そうそう、男の人ってそうゆうのアバウトだよねえ」と頷いてしまいそう。

壮絶な“夫婦ゲンカ”は、性格の違いも、本来の姿も、初めてさらけ出すことでもありました。本音でぶつかり合った2人の結婚生活は? 組織の追っ手も現れ、大混乱の結末は? 熱いラブ・シーンに「マジ?」と野次馬気分も味わいつつ、お正月らしい派手な映画を楽しんでください。それにしても、こんなに銃の似合う女優っていないよね。

Movie1129sub12月3日~、全国<超拡大>ロードショー。
オフィシャルサイト
http://mr-and-mrs-smith.com
(c)2005 Twentieth Century Fox. All rights reserved.

 
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2005-11-29 【映画】 | 固定リンク | コメント (3)

彼女と同じ女である自分が愛しくなる『イン・ハー・シューズ』

Movie1122main コンプレックスのない女なんて、この世にいるでしょうか。なりたい自分と現実の自分。その落差に、自己嫌悪で泣きたくなることだってある。でも、2人を見ていると、それすら愛しく思えてくるのです。

美人でゴージャスなスタイルが自慢のマギー(キャメロン・ディアス)は、30歳を目前に未だ定職に着かず、再婚した父の家で暮している。優等生の姉ローズ(トニ・コレット)は、大手法律事務所の弁護士として仕事一筋の生活だ。対照的な姉妹の共通点は、幼い頃に母を亡くした悲しい思い出と靴のサイズ24.5cm、そして、それぞれ大きなコンプレックスを一つ抱えていることだった――。

この2人のコンプレックスも対照的。ローズは自分の容姿。マギーは難読症だということ(知能や記憶などに異常はないのに、読書や文字を綴る時に特定の文字が理解できない。トム・クルーズが克服したことでも有名)。そして、そのコンプレックスをもっとも刺激する相手が、身近にいる姉(妹)なのです。

私にも妹がいますが、子供の頃から身近にいて何かと比較される存在は、ただでさえうっとうしいもの。加えて、自分の一番触れてほしくない部分が彼女の美点だったら、もうたまりません。でも、もっとやっかいなのは、そんな相手でもいないと寂しいし、物足りなくなってしまうことかもしれません。

2人も、ケンカしつつも、いざとなると相手を頼り、頼られる間柄。ところが、マギーがしでかした出来事から決定的に決裂してしまうのです。初めて遠く離れ、相手の存在を深く感じた2人は、和解できるのでしょうか。

9月下旬に来日した2人は、映画以上に仲良しだったそう。来日中、天ぷらや寿司を好んで食べた日本通のキャメロンは、一足先に帰るため、帰国日の朝4時起きで、初来日のトニを築地市場に案内したのです。しかも、早朝だからとスタッフにも知らせず、運転手だけ手配して出かけたとか。

そんな2人が演じる姉妹は、コンプレックスを受け入れることで、新しい自分に生まれ変わっていきます。見ているだけで、元気が出てきちゃう、姉妹か友人の女同士で見たい映画です。

Movie1122sub全国公開中。
オフィシャルサイト
http://www.inhershoes.jp
(c) 2005 TWENTIETH CENTURY FOX

 
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2005-11-22 【映画】 | 固定リンク | コメント (3)

世界一有名な本「聖書」の秘密が明かされる……?!『奇談』

Movie1115main神に背き、“知恵の木の実”を食べてエデンを追われた人類の祖先アダムとイブ。彼らが登場する「聖書」は、読んでいない人でも粗筋を知っている、世界一の超ベストセラーです。でも、彼ら以外にもう1人、エデンに住民がいたなんて聞いたことありますか?

――1972年。民俗学専攻の大学院生・佐伯里美(藤澤恵麻)は、連日、奇妙な夢に悩まされていた。子供時代の出来事のようだが、記憶にはない。里美は真実を求め、当時を過した東北の山深い村へと向かう。村には、異端の考古学者・稗田(阿部寛)も訪れていた。翌日、村人が遺体で発見される。遺体は、キリストのように磔にされていた――。

歴史の教科書に出てきた「隠れキリシタン」。時代劇にも出てくるお馴染みの言葉ですが、20世紀の現代までその信仰が続いていたなんて、聞いたことないですよね。しかも、隠れているうちに聖書の内容が少しずつズレていき、別のものになっていたなんて。

そんなにわかには信じ難い物語ですが、見るうちにぐいぐい引き込まれ、終わった時には呆然。圧倒的な説得力に、すぐには感想も出ないほどでした。それもそのはず、原作は熱狂的なファンを持つ、諸星大二郎のコミック。映画化は難しいと言われた1本なのです。

原作を読んでいない私が言うのもなんですが、膨大な資料と調査を元に書かれた物語は迫力満点。原作ファンには異見があるかもしれませんが、難しい物語をうまくエンタテインメントにまとめ、映像化しています。キャストも、藤澤恵麻演じる里美は清潔感に溢れ好感が持てるし、何にも動じない超然とした阿部寛の稗田もぴったり(ドラマ「トリック」の学者役とは全然違うムードです)。

ところで、本筋にはあんまり関係ないですが、“神隠し”にあった新吉クン役の男の子が可愛いのです(笑)。哀しい生い立ちの彼が、ふっくらほっぺとクリッとした目で、「おら、みんなと行くよ」と決断した時は切なかった。帰るなり、留守番していた我が家のチビ君をギュッと抱きしめちゃいました(笑)。
それにしても、こういうキリスト教異聞は、追いかけるとものすごく深みにはまりそうで、ドキドキ感倍増です。

Movie1115sub11月19日~、新宿オスカー他、全国ロードショー公開。
オフィシャルサイト
http://www.kidan.jp

『奇談』原作、生命の木「諸星大二郎 自選短編集1 汝、神になれ鬼になれ」
集英社文庫<コミック版>はこちら
愛蔵版コミックスはこちら

 
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2005-11-15 【映画】 | 固定リンク | コメント (0)

月の光のように穏やかで澄んだ景色が美しい『同じ月を見ている』

Movie1108_1窪塚洋介、復帰第一作。本作を語る上で、外せない一文です。スタッフがあげた企画から、本人が選んだ1本がこれ。見終わって、「やっぱり、クボヅカはイイよね」と、思いました。

婚約中の幼なじみ、エミ(黒木メイサ)が患う心臓病を治すために医者になった鉄矢(窪塚洋介)。彼の元を刑事が訪ねてくる。もう1人の幼なじみ、ドン(エディソン・チャン)が刑務所を脱走したというのだ……。昔は、強い絆で結ばれていた3人だったが、エミの父親が死亡した山火事事件の犯人として、ドンが逮捕。以来、彼との交流はぷっつり切れていた。動揺する鉄矢に、エミの気持ちも揺れて――。

このところ、コミックの映画化が多いですよね。でも本作の場合、原作の主人公がドンだったのに対し、鉄矢の視点をメインに描かれるという点で、原作とは違う新しい物語になっているとかもしれません。

とても印象深かったのが、3人が子供時代を過した田舎の風景。穏やかで、大らかで、スクリーンを見ながら深呼吸したくなるくらい、美しいのです。そんな景色を背景に甦る記憶は、素敵なものばかり――と言いたいところですが、鉄矢にとっての10代は、自分にないものを持つ親友への憧憬と嫉妬、他人の目を気にする小心、初めて人を愛した歓びと不安がいっぱいの切ない時代でした。

大人になり、すべてを手に入れたかのような鉄矢。でも、実は子供時代と変わらぬ澄んだ瞳をしたエミは、愛しさと同時に不安を感じさせる存在だったのかもしれません。彼女と過ごした記憶には、常にドンの存在があったのだから。ドンの存在を封印していた鉄矢が、7年間抱えていたある秘密をエミに打ち明ける時、ようやく過去から開放されるのです。

鉄矢の弱さや優しさは、演じる窪塚さんの気持ちそのものなのかもしれません。そして、絵を描くことで秘めた気持ちを表現する、穏やかな中に激しさを併せ持つドンと、病気を抱えながらも凛としたたたずまいのエミの存在が、映画に奥行きを与えます。この映画は、3人のキャスティングが決まった段階で、ほとんど完成していたのかもしれない。そう思えるほどに、美しい風景と3人並んだ姿がしっくりくる映画です。

Movie1108_211月19日~、全国東映系にて公開。
オフィシャルサイト
http://www.onatsuki.jp
(c) 2005 「同じ月を見ている」製作委員会

 
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2005-11-08 【映画】 | 固定リンク | コメント (3)

本当の恐怖は、あなた自身の中にある――『ブース』

Movie1101mainジャパニーズ・ホラーと言えば、今やハリウッドから引く手あまたの人気ジャンル。本作は、新しい監督と旬のキャスティングに刺激的な音楽を融合させ、新たな恐怖を生み出そうという若手スタッフ&キャストが贈る、“絶対恐怖”の世界です。

勝又真吾(佐藤隆太)は深夜ラジオ番組の人気パーソナリティー。今日は局の移転準備で、いつもとは違う古いブース、「第6スタジオ」での放送だ。リスナーの恋愛相談のテーマは、「許せない一言」。最初の少女の話を聞く真吾たちの耳に、突然、別の女性の声が聞こえてくる。「嘘つき…。」囁き声とともに、キイキイと響く金属音。その“混線”は一度では終わらなかった。生放送を続ける真吾の頭を、過去の様々なシーンがよぎる……。

調子が良くて、女の子にモテて、好きだと思ったら周囲のことは何一つ考えずに押しまくるけど、冷めたらあっさり別れを告げる。自分のことだけを考えて生きてきた彼が、初めて考えたこと。もし、自分の言葉や行動が、ひどく相手を傷つけていたら? あいつは、俺を恨んでいるかもしれない。こいつは、仕返しを考えているかもしれない……。

突然、そう、気づいたら。それはもう、単なる“不安”を超えて、“恐怖”になると思いませんか。この映画の一番怖いところは、“恐怖のタネ”が、現実ではなく、自分の想像の中で芽吹いていくということなのです。

真吾の場合、きっかけは電話の“混線”でしたが、実は、もうひとつ、大きな不安を抱えていました。誰にも打ち明けられない、放送直前のある出来事。いったい何があったのか。狭いブースを一歩も出ないまま、現実と回想が交互に進行していきます。

彼の回想は留まるところを知らず、しまいにはどこまでが現実で、どこからが妄想なのか、それすら曖昧になっていくのです。結末よりも、そこに至るまでの彼の心情にゾッときます。相手が自分をどう思っているのか。それは、誰もが一度は考えること。でも、もし、自分の言動が思いがけず、相手を傷つけていたとしたら? 自分は大丈夫、と言い切れるでしょうか? あなたは、どうですか?

Movie1101sub11月5日~、シネマライズにてレイトショー公開。
オフィシャルサイト
http://www.n-g-t.com
(c)2005 日本出版販売/ポニーキャニオン

 
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2005-11-01 【映画】 | 固定リンク | コメント (2)

 
 
 
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