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[本&雑誌&マンガ]-ライター中沢明子がナビゲート!- BOOK&MAGAZINE クルージング

[本&雑誌&マンガ]-ライター中沢明子がナビゲート!- BOOK&MAGAZINE クルージング

中沢明子
ライター。1969年東京都生まれ。インタビューやルポルタージュを手がけたり、書評を書いたり、近所の猫にちょっかい出したり。毎日、必ずどこかの本屋に出没し、いつも重い荷物を持っている。雑誌好きとしても局地的に有名で、週刊誌AERAにて「マガジン百名山」連載中。

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コーギ犬づくしのターシャ・テューダーの最新刊『ターシャとコーギ』

Book080325_1 先週、母に誘われて「ターシャ・テューダー展」(松屋銀座にて、~3/31(月)まで。以降、岩手、福岡、大分、大阪で開催)に行ってまいりました。平日の昼間にもかかわらず、初日だったこともあり、会場は大盛況。どっさり展示されたターシャの絵、洋服、人形やマリオネット、キッチン道具の数々に来場者は皆、口々に「素敵ねぇ」「すごいわねぇ」などと言いながら、嘆息していました。もちろん、母も私も……。

NHKで特集されて以来、日本でもファンが急増したターシャ・テューダーさんは、現在92歳。ご存知の方も多いと思いますが、念のため説明すると、もともとはアメリカの権威ある賞を2度も受賞している有名な児童文学作家。今も、彼女の著した絵本はアメリカでは定番で、繊細であたたかなタッチのイラストは、ポストカードにもなって親しまれているそうです。
そんな彼女は、36年前に田舎のバーモント州の山奥に引越し、息子のセスさんが建ててくれた18世紀風の家で一人暮らしを始めました。愛するコーギ犬を筆頭に、大好きな動物たちに囲まれながら、ガーデニングを楽しんだり、縫い物をしたり、自然の恵みを生かしてジャム作りをする姿が紹介されると、19世紀のような究極のナチュラルライフを実践している人として、注目を浴びるようになりました。せわしないこの現代に、日々の暮らしに手をかけて、強い意志を持って生きるライフスタイルが静かな感動を呼び、ターシャの絵本やライフスタイルを紹介した本がロングセラーとなっています。

そのターシャの最新刊が『ターシャとコーギ』です。短い足でコロコロと走り回るコーギ犬は、彼女がもっとも愛する動物で、長年の相棒。本書にはターシャの記憶に基づいた、テューダー家のコーギ犬の系図が掲載されており、まさにコーギ犬がターシャの半生と共にあったことがわかります。絵本のコーギ犬が登場する場面の他、日々、描きためているスケッチ、ぬいぐるみやマリオネットになったコーギ犬、そして彼女自身が撮影した代々の相棒たちの写真(ターシャは写真を撮ることも好きなんですって)。本書の帯にあるように、まさに「コーギ、コーギ、コーギづくしの1冊!」でした。現在の相棒「メギー」はテレビ番組でも、その愛くるしい様子が紹介されていましたから、「ああ、あのコね!」と思い出す方もいらっしゃるはず。もちろん、本書にもメギーは登場しています!
コーギ犬たちの愉快なお祭りが描かれた代表作『コーギビルの村まつり』は、ターシャ自身が「もっとも気に入っている作品」なんだそうですが、本書からもターシャとコーギ犬との幸せな時間がこぼれてきます。ページをめくりながら、思わず、コーギ犬を飼いたくなってしまいました……。ちなみに、この本は翻訳本ではなく、日本用に独自に編集されたものだとか。素敵な仕上がりなので、いつかアメリカに逆輸出(っていうのかな?)されるといいですね。

絵はもちろんのこと、料理もガーデニングも手芸も全て、絶句するほどの腕前で、生活を楽しむ達人として「憧れの存在」と化したターシャさん。しかし、彼女自身がよく言うように、焦らず、絶え間なくコツコツと努力し続けたことが「マルチな才能」を開花させたのだし、離婚を経験し、子どもたちを1人で育ててきた苦労だって大変なものだったろうと思います。そう易々とマネできることではないし、「ターシャの生き方」が「商品化」されるのも(自分も展覧会に、嬉々として駆けつけておいてなんですが)、彼女にとってはアンビバレントな現象のような気もします。
それでも、本書『ターシャとコーギ』をはじめ、“ターシャ本”が私たちにもたらしてくれる、心和む時間と「幸せは自分で作るもの」という哲学について考察できる機会は得がたいもの。長年、静かに暮らしていたターシャには申し訳ない気持ちはあるけれど、日本のメディアに登場してくれて良かったなあ、と思います。

『ターシャとコーギ』(メディアファクトリー)定価1995円
ターシャ・テューダー 著/リチャード・ブラウン 写真/食野雅子 訳

お勧め度 ★★★★★

★おまけDVD本
『ターシャからの贈りもの―魔法の時間のつくり方』(メディアファクトリー)定価4725円
ターシャ・テューダー/NHKテレコムスタッフ 著
*2006年にNHKで放送された番組に未公開映像を加えたDVDと本のセット。番組を見逃した方はどうぞ。

『ターシャとコーギ』と『ターシャからの贈りもの―魔法の時間のつくり方』を発行しているメディアファクトリーのサイトはこちら。
http://www.mediafactory.co.jp/


Book080325_2 ●マガジン見どころ、読みどころ

マキア
2008年5月号

この春夏は本当にファンデーションが豊作らしいです。となると、うれしい悩みではあるけれど、その豊作の中からどれを選ぶ? という難問が出てくるわけですね。でも、大丈夫。難問解決は『マキア』にお任せあれ。
女の肌は艶・華・凛でできている! うっとりファンデーション&ベースメイク特集
はページ数を計算するのも面倒くさくなるほど(って、失礼!)、きっちりがっちり、さまざまな情報をおさえた大特集。2008年の「うっとりマキア肌」を作るためのメソッドや道具がたくさん紹介されています。私が特に「面白いなあ」と思って読んだのは、PART6の「『肌磨きのお道具』使いこなし術!」でした。
Book in Book 女を上げる ゆれフェミニンヘア オーダーBOOK
は人気サロンが提案するヘアブック。切り取ってサロンに持っていくのに便利です。
また、LEDライト搭載のミラー「マキア限定モデル うっとり女優ミラー」が発売されました。こちらのサイト「マキア ブティック」で購入していただけます。

 
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2008-03-25 | 固定リンク | コメント (0)

真剣に働く女がモテる時代がやってきた! 『キャリモテの時代』

Book080318 結婚や恋愛テーマの特集を担当することが多かった時期があります。5年くらい前です。その頃、取材を重ねながら、「最近、真剣に働き続ける女性たちの“幸せ婚率”が高いような……」と、うっすらと感じていました。そして、この風潮がどうやら事実であり、顕著になったことを『キャリモテの時代』という本で知りました。

著者の白河桃子さんは恋愛・結婚テーマの第一人者。私も存じ上げているのですが、ものすごく幅広い人脈を持っていて、数字だけでなく、現場にもよく通じていらっしゃいます。だから、私が単に「うっすらと感じていた」だけだった風潮を、豊富な取材経験に裏づけされた明晰な分析で、クリアに紹介してくれていました。
そうです。「事件は現場で起こっているんだ!」(by青島刑事)です。数多(あまた)の現場を知る人だけに、ただ「分析」するだけではなく、結婚を望む人がちゃんと結婚できるよう、様々なアドバイスを提言し、檄を飛ばす(?)本書は、結婚活動、略して「婚活」時代のバイブルになりそうです。(「婚活」とは、パラサイトシングル、希望格差社会といった言葉を生んだ社会学者・山田昌弘さんが、雑誌『AERA(2007年11月5日号)』で名づけた用語)。

2002年から雑誌に連載され、単行本となった後、大ベストセラーとなった酒井順子さんの著書『負け犬の遠吠え』以前、以降を「B.M(before 負け犬)」「A.M(after 負け犬)」と認識するべきと白河さんは言います。つまり、この本が女性たちの恋愛・結婚観に与えた影響は想像以上に大きく、エポックメイキングだったということです。酒井さんご自身の意図と離れて言葉が一人歩きした結果、ズバリ言って、「私は負け犬にはなりたくない」という世の女性の焦燥感を煽ったんですね……。当時、私も「負け犬」テーマの記事に参加したことがあり、「煽った」つもりは毛頭なかったけれど、ほんの少し責任を感じています。
また、社会状況の変化も大きく影響しています。たとえば、バブルを謳歌した世代と「失われた十年」と言われる1990年代の就職氷河期に社会に出た世代では、男女ともに、恋愛・結婚観は上の世代とは大きく異なる様子。となると、同世代同士で結婚するとは限らないのだし、結婚に至る過程も「モテる条件」も、従来とは違ってくる――。行動様式や思考回路を精査し、作戦を練って実行に移す必要がありそうです。

そこで、本書の出番です。様々な条件から考えるに、「結婚難」の時代を乗り切るには、女性が「ワークライフバランス」ならぬ、「ワークモテバランス」能力を身につけるのが早道と説いています。装い方から思考回路の切り替えまで、具体的なアドバイスがてんこもり! 
ただし、詳細については、あえてここではご紹介しません。
というのは、『負け犬の遠吠え』同様、デリケートな問題であるだけに、考え方や立場が微妙に異なる人々が「さわり」だけを読んで、「わかったような気になる」ご紹介は避けたいのです。本書をじっくり読んで、ご自分の考えと照らし合わせ、結婚に対して1歩前進していただけたらいいなあ、と思います。

しかし、ひとつだけ、きちっと言及しておきますね。本書のタイトルになっている「キャリモテ」とは何か、という点です。
もちろん、文字通り、キャリアのある女性がモテる、という意味なのですが、とはいえ、何も外資系証券会社で年収2000万円を稼ぐような「バリキャリ」のような女性だけが「キャリアのある女性」と言うわけではなく、著者が言うところの、自立/自活できる「ライ“フ”ワーク」ならぬ「ライ“ス”ワーク」を持っている女性は全て「キャリアのある女性」に含まれます!
月曜日のご担当「スチャラカOL・トモコさん」に共感している方なら、きっと「なるほど~」と目からウロコが落ちること、間違いなしです。

『「キャリモテ」の時代』(日本経済新聞出版社)定価1260円
白河桃子 著

お勧め度 ★★★★★

『「キャリモテ」の時代』を発行している日本経済新聞出版社のサイトはこちら。
http://www.nikkeibook.com/

Book080318_2 ★おまけ本
『「婚活」時代』(ディスカヴァー新書)定価1050円
山田昌弘・白河桃子 著

*本文でもご紹介した家族研究の第一人者、山田昌弘さんと白河桃子さんによる共著。「今の若者は4人に1人は結婚できない」と言われる昨今、結婚にも就職と同じように「活動」が必須の時代が始まっていると指摘しています。各種結婚情報サービスの賢い活用方法など、実践的なアドバイスが満載な点も注目!

『「婚活」時代』を発行しているディスカヴァーのサイトはこちら。
http://www.d21.co.jp/



Book080318_3 ●マガジン見どころ、読みどころ

バイラ
2008年4月号

ハワイ、行きたい~。今月は『LEE』でもハワイの別冊付録がついていましたが、『バイラ』も「旅バイラ」がハワイですよ~。
旅バイラ ブレンダ in オアフ島 長谷川潤 in ハワイ島
オアフ島といえば、ブレンダさんのホームグラウンド。ブレンダさんのナビゲートで最新情報に触れてくださいね。また、ハワイ島は「2度目のハワイ」の旅先として人気ですが、こちらもホームグラウンドである長谷川潤さんがナビゲート。それぞれの魅力をしっかり伝えてくれる別冊付録です。ハワイに行きたい~! と思っている方、必携ですよ。
おしゃれ好き25人が選んだ25着の「春アウター」
は「プレッピーやスポーティなどの流行を反映した新鮮アウターが百花繚乱」の今春、逆にどう選んでいいものか、悩んでしまっている方にオススメです。モデルやスタイリストなど、おしゃれ業界の皆さんはどんなアウターをチョイスしているのかを調査しており、難易度が高いアウターにも挑戦してみよう、と思うはず!

 
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2008-03-18 | 固定リンク | コメント (0)

祝・10周年! 人気ブランド「HUMAN WOMAN」のキュートな記念本。『HUMAN WOMAN Le livre de 10eme anniversaire』

Book080311_1 ほんのりカジュアルで、品のあるフレンチスタイル。仕事にもデートにもぴったりの服をリアルなプライスで提案してくれる「HUMAN WOMAN」は、とても頼りになるブランドです。ショップに立ち寄ると、欲しいな、着てみたいな、と思う服が必ずあって、しかも、褒められ度が高いから、ヘビーローテーションで着ちゃう愛用アイテムになる確率大。とりわけパンツのパターンに定評があるので、「HUMAN WOMAN」のパンツは絶対手放せない! という人は多いと思います。

そんな「HUMAN WOMAN」が今年、ブランド設立10周年を迎え、記念本『HUMAN WOMAN Le livre de 10eme anniversaire』を発売しました。残念ながら書店では売っていないのだけど、全国の「HUMAN WOMAN」ショップと公式サイトで購入できるので、ご紹介させていただきますね。
だってね、これがめちゃくちゃ素敵な本なんですよ! 
イラストは『マキア』でもおなじみの中川清美さんが手がけていらっしゃって、ちょっぴりスモーキーな色合いの洒落たイラストがぎっしり。ブランドのデザイナーさんが自ら撮影したパリの町並みのスナップも、フランスを旅している気分になれます。パラパラっと眺めるだけでも心が晴れやかになる本です。でもね、やっぱり文章もじっくり読んで、「HUMAN WOMAN」スタイルの本質をしっかり感じて欲しいな、と思います。

服の着こなし、素材のABC、自分に似合うアイテムの見つけ方、服のお手入れ、といった洋服に関するページは見て楽しいだけじゃなくて役に立つし、フランスのライフスタイルを紹介しているページも読み応えがあります。
売らんかな、の本じゃないのもいいんです。洋服ブランドの本なのに、いきなりバラのお話から始まるんですよ。バラの種類、ローズ・ウォーター、プレゼント・アイディア。バラの芳醇な香りを思い出しつつ、リラックスしてページをめくる……そんな穏やかな時間が流れます。
何気ない日常を大切にし、1日、1日を楽しく過ごせる服を作りたい。これこそ「HUMAN WOMAN」の思いであり、スタイルなのだということが、よくわかりました。そんな「HUMAN WOMAN」の思いを受け取った私、「バラの芳醇な香りを思い出しつつ」どころか、実際に、とっておきのバラのキャンドルに火を灯しながら、読みました!

ショップのディスプレイもセンス抜群で、確固とした世界観を持つブランドらしく、この本にも「HUMAN WOMAN」の世界観がぎゅ~っと詰まっています。ファンならずともフレンチ・シックが好きな方は必見です。もちろん、ファンなら問答無用で必携なのだ!

これで840円は安いなあ……と思ったら、そのうえ、本書の収益の一部は育林活動を展開している「グリーンサンタ基金」に寄付されるそう。素敵な本を読んで、さらに環境改善に協力できる『HUMAN WOMAN Le livre de 10eme anniversaire』。ぜひとも購入して読んでくださいね。

『HUMAN WOMAN Le livre de 10eme anniversaire』定価840円
お勧め度 ★★★★★

『HUMAN WOMAN Le livre de 10eme anniversaire』は、HUMAN WOMANのショップと公式サイトで購入できます。
http://www.selecsonic.com/hw/disp/CSfLastGoodsPage_001.jsp?GOODS_NO=65655&dispNo=001003

Book080311_2 「こんなにかわいいの!」ということをお伝えしたかったので、サンエーインターナショナルさんに許可をいただきました。中身を特別掲載です♪(撮影・中沢)


Book080311_3 ●マガジン見どころ、読みどころ

リー
2008年4月号

『LEE』は今年、創刊25周年です。っちゅうことは、四半世紀です。これもひとえに、読者の皆さまのおかげ。編集部に勝手に成り代わって、皆様に御礼申し上げます。というわけで、今年はいろんな企画が目白押し。
おしゃれ「エコバッグ」を作りました!
LEEでおなじみの雅姫さん、伊藤まさこさん、平澤まりこさん、それぞれがデザインしたエコバッグを発売します。こちらも収益の一部が「グリーンサンタ基金」に寄付されるんですって。http://www.lee-marche.com/からチェックしてくださいね。それから、私が個人的に「いよっ、待ってました!」と思った特集は、
ストールひと巻きで今年顔!
です。ホント、昨年からストールは大注目アイテムですよね。ストールを巻いただけで、ぐっと旬の着こなしになります。私も『LEE』で紹介されているブランド「ファリエロ サルティ」が今、すごく気になっています!
ドリーム対談 美輪明宏さん×YOUさん
は内容の濃いビッグ対談。LEE読者憧れの女性No.1のYOUさんが、尊敬する美輪さんと、軽やかに生きる秘訣について語り合います。また、今月の表紙は小西真奈美さん。出演した最新映画「Sweet Rain 死神の精度」の主題歌で歌手デビューも果たしました。表紙インタビューは不肖・中沢が担当させていただきましたので、ぜひ読んでくださいね。小西さん、とっても素敵な女性でした。

Book080311_4

マリソル
2008年4月号

今月、創刊1周年を迎えた『マリソル』。専属キャラクター、川原亜矢子さんが登場するテレビCMをご覧になっていただけましたか? 
特別付録 ロベルタ ディ カメリーノ特製 おしゃれエコバッグ
は『マリソル』が読者の皆さまに感謝を込めて贈る、マジで使えるエコバッグです。おしゃれで丈夫でコンパクト。内ポケットまでついているんです! もちろん、『マリソル』もすっぽり入る、たっぷりサイズ。いつもバッグに入れて、ガンガン使ってください。
“美しく働く”新40歳がこの春買うべき服全リスト
は渡辺いく子さん、森慶子さんという2大スタイリストがナビゲートする「華ありシック」スタイルの提案です。『マリソル』の世界観が改めてわかる特集でした。
また、今月から雨宮塔子さんや佐藤悦子さんなど、新連載もいろいろ始まりました。ますますパワーアップしている『マリソル』です。

 
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2008-03-11 | 固定リンク | コメント (0)

安土桃山時代のロックバンドが権力に立ち向かう。『桃山ビート・トライブ』

Book080304_1 第20回小説すばる新人賞を受賞した、天野純希さんのデビュー作『桃山ビート・トライブ』を読みました。いやー、痛快でした! 
新人らしい瑞々しさとスピード感、そして、意表をつく設定をフックに、一気に読ませてくれるエンターテインメント性。これは大型新人が現れましたよ。
単行本の帯には、「躍動感あふれる<進化系>時代小説」とありました。うん、確かに。これはまさに、進化系の時代小説だと思います。だってね、舞台は秀吉が権勢をふるう安土桃山時代なんです。だけど、ロックバンド(!)の話なんです。
といっても、「ロックバンド」と文中に書かれているわけではありません。だけど、これがロックバンドでなくして、一体なんだというんでしょう?

秀吉治下、己の夢見る社会を作り上げようと野心満々の石田三成が、民衆を締め付けようとする。とりわけ、俗世とは「無縁」――つまり、治外法権――のはずの河原芸人を目の敵にする三成に、一矢報いようとする若者たち。彼らの武器は刀や槍ではなく、音楽と踊りです。それも、今まで誰も見たことがないような、全く新しい音楽と踊りです。三味線弾きの藤次郎、笛役者の小平太、天性の舞姫・ちほ、黒人で元奴隷の太鼓叩き・弥介が繰り広げる、激しいビートとトランス状態のダンシング! 「能」はあっても、まだ「歌舞伎」はなかった時代、彼らのパフォーマンスを見た民衆の驚きと熱狂は計り知れません。
評判を聞いた権力者たちに丸め込まれそうになっても、あくまで河原芸人として、常識にとらわれず、破天荒に芸を披露する道を選ぶ彼ら。そのスタンスが、スカッとしてカッコいいんです。
藤次郎は気風が良くてヤンチャ、リアリストの小平太、ちほは美人だけど大酒をかっくらい、ギャル曽根もかくやとばかりの大食漢、故郷のアフリカに思いを馳せる弥介と、主人公4人のキャラクターがいいし、彼らを囲む人々の人物像も、またいいんですよねぇ。私は彼ら4人を見出した、小屋の主、又一郎のニヒルさにしびれちゃいましたよ。
ちなみに、トランス状態で踊りまくる「ちほ」に関しては、史料にたった1行だけ登場する実在の人物だそう。その1行から、「ちほ」というキャラクターを育てた天野さんの想像力に脱帽です。

毒なしのロック・ミュージックが幅を利かせる昨今ですが、もともとロックは、そう、こんなふうに、体制だとか権力だとかに抗う気迫を持っていたはずです。作者の天野さんは音楽好きらしいので、「ねえ、本来ロックってさ、こういうもんじゃなかったっけ?」という思いがあったのかもしれないですね。
歴史的な史実を背景に、市井の人々の思いをビートにのせて、安土桃山時代を描いた『桃山ビート・トライブ』。元気をチャージしたい人に、絶対お勧め! の作品です。

『桃山ビート・トライブ』(集英社)定価1470円
天野純希 著

お勧め度 ★★★★★

『桃山ビート・トライブ』の詳細はこちら。ご購入もしていただけます。
http://www.s-book.com/plsql/com2_detail?isbn=9784087712087

Book080304_2 ●マガジン見どころ、読みどころ

モア
2008年4月号

皆さんは小荷物派ですか? 大荷物派ですか? 私は完全に、大荷物派です。雑誌、本、手帳にポーチ、ICレコーダー、ミネラル・ウォーター、そして当然、ケータイと財布が入っています。というわけで、バッグ自体は軽ければ軽いほどありがたいんです。だから、『モア』の
「激軽」通勤バッグを狙いうち!
なんて特集は大助かり。この特集では、紹介されているバッグが全部、700g台以下なんです! ケイト・スペード ニューヨークやサザビーなど、頼りになるブランドばかりの強力ラインナップ。春らしい「激軽」通勤バッグを見つけてくださいね。
特別付録 ちびMOREきほんBOOK 「品格」以前のマナーBOOK
にも注目を。この春、社会人デビューする人も多いはず。これからは、大人として、冠婚葬祭、ビジネスの場で恥ずかしい言動は禁物です。この特別付録をしっかり読んで、基本マナーを頭に叩き込んでください。要保存です。

Book080304_3 エクラ
2008年4月号

今月の『エクラ』の大特集はエクラ世代のおしゃれ 最高のほめ言葉は「カッコイイ」! アラウンド50歳の女性にふさわしい、豊かで粋な装いを『エクラ』が全力で提案しています。私は特に、
PART3「洗練クロップトパンツ」で女をあげる!
というページがいいな、と思いました。いろんな種類のクロップトパンツが紹介されているので、ぜひチェックをしてみてください。クロップトパンツを上手に着こなした大人の女性って、本当に洗練された印象だし、軽やかで素敵ですもんね。おなじみになった
極上通販『エクラプレミアム』
では、ドゥーズィエム クラス ラリューの旅スタイルを厳選。ワンピース感覚の光沢のあるシルク・トレンチなど、今月も素敵なチョイスです。その他にも、魅力的なアイテムがたくさんありました。詳しくは、こちらのページで確認してくださいね。
http://swfs.jp/eclat/

 
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2008-03-04 | 固定リンク | コメント (0)

 
 
 
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