何気ないメシ処に何気ないメニューが、心に沁みる。異色のグルメコミック2冊。『深夜食堂』&『孤独のグルメ』
ミシュランに載っているような華やかなレストランに行くと、気持ちが弾みます。でも、いわゆる「大衆食堂」の味も捨てがたいものです。チェーン店の大衆食堂も悪くないんだけど、やっぱりここはひとつ、お店の2階に店主と奥さんが住んでいるような感じの、地元に根付いた食堂に軍配を上げたい気がします。何しろ、あったかさや雰囲気に「味」がありますからね……なんつって、ちょっとうまいことを言ってみたりして。
そんな「大衆食堂」の人情味とあったかさが心に沁みる漫画が『深夜食堂』。青年誌に連載中の渋~い作品であります。
この作品の舞台は、新宿二丁目近くにありそうな食堂で、営業時間は深夜0時~朝7時頃まで。店主は左眼の周りに傷があって、酸いも甘いも噛み分けた、人生をわかっていそうな男性です。メニューは豚汁定食、カツ丼、納豆、ビール、おつまみ、ポテトサラダ、ナポリタンと、何でもござれ。材料さえあれば、どんな料理でも作ってくれます。
着色料たっぷりの「赤いウィンナー」をタコの形に切ってもらい、ご飯と一緒に食すのが大好きな怖そ~な兄ちゃん、焼き海苔をやたらに食べて、フサフサの髪と娘の自慢をする中年オヤジ、惚れっぽいストリッパーの大好物が「たらこ」の理由は……。
家で即再現できそうな何気ないメニューの数々は「ああ、これさえあれば幸せ♪」と、思わず顔がほころぶものばかり。もちろん、店主や馴染み客たちと交わす会話も「おいしいおかず」の一つです。特にお疲れ気味の身には、こういう何気ないメニューと何気ない会話の組み合わせは、じーんと心に沁みるはず。いいなあ、こんな食堂が近所にあったらいいのになあ、と思わずにはいられない食堂です。ま、深夜0時過ぎに「ナポリタン」とか、食べたら太りますけどね……。
もう1冊、1997年に単行本で発売された後、文庫化され、静かなベストセラーとなっているのが、『孤独のグルメ』。グルメマンガ(?)として有名ですから、ご存知の方も多いと思います。私はやっと最近読んだのですが、なるほど、これは粋な漫画ですねぇ。
主人公はどうやら独身、結構イケメン、完全なる下戸の、雑貨輸入会社を営む井之頭五郎。彼が仕事の合間に、あてずっぽうに入った定食屋さんやラーメン屋さんで食べるお話です。本当に、「空腹を満たすため」にひたすら食べるだけのお話です。
で、あてずっぽうに入るのではありますが、かといって、するっと店をチョイスできるわけではなく、モノローグを挟みつつ、ウロチョロ歩き回って、えいやっと決めて、入店するのが常のこと。そして、どこの店でも、地元の人間でない彼は「よそ者」です。だから、食事そのものを楽しみつつ、店内の様子を観察して、その土地の雰囲気も味わいます。
東京・山谷の「ぶた肉いためライス」、赤羽の「鰻丼」、渋谷の大盛り焼きそばと餃子、神奈川県・川崎の「焼き肉」……。いつも「空腹を満たすため」食べるシチュエーションだからか、井之頭さんはついいろいろ頼んで食べ過ぎちゃうのがご愛嬌ですが、彼にとって、こうした「一人で食べ、幸福に空腹を満たす小一時間」は、つかの間の「自由」を感じる貴重な時間。孤独のグルメタイムなのです。
イケメン社長だから、おしゃれで値段が張るレストランもよく行くはず。でも、井之頭さんが至福の「自由」を手に入れられるのは、こうした何気ない食堂の、何気ないメニューをモリモリと食べる時間なのでしょう。
私もお酒が飲めないので、「渋谷の大盛り焼きそばと餃子」を食べながら井之頭さんが感じた居心地の悪さは、「わかるぅ~」と思いました。また、登場する店は、おそらくほとんど実在のお店だろうと思います。名前をちょっと変えているだけの有名店もありましたし、地元の人なら、「ああ、あそこ!」とピンとくるんじゃないでしょうか。ちなみに、私は板橋の「ハンバーグライス」の店にピンときました!
『深夜食堂』(小学館)定価780円
安倍夜郎 著
お勧め度 ★★★★☆
『深夜食堂』の詳細はこちらへ。ご購入もしていただけますが、2008年2月5日現在、在庫切れです。重版後の2月15日以降にお求めくださいませ。
http://www.s-book.com/plsql/com2_detail?isbn=9784091817075
『孤独のグルメ』(扶桑社文庫)定価630円
久住昌之 原作 谷口ジロー 作画
お勧め度 ★★★★★
『孤独のグルメ』を発行している扶桑社のサイトはこちら。
http://www.fusosha.co.jp/
●マガジン見どころ、読みどころ
モア
2008年3月号
今月の『モア』はヘア関連特集が2つ、あります。先月、ちょこっと髪を切ってデジタルパーマをかけた私、アレンジ指南に興味津々です。
トツゼン大流行! 大人のシュシュ・アレンジ
確かに。シュシュ、突然、大流行しています。でも、私はどうもうまく使いこなせていないので、このページをじっくり読みました。とにもかくにも、「ゆるめ」に「ラフ」に仕上げるのが肝ですね。私にはこのラフさ加減が難しいのだけど、家で十分、練習してからチャレンジしたいと思います。もう一つは
別冊付録 印象激変! フレッシュ春ヘアBOOK
春らしいヘアスタイルがいろいろ載っているので、この別冊をヘアサロンに持っていって、「この髪型にしてください!」とリクエストするのに便利です。また、私の好みにジャストフィットな記事だったのは、
みうらじゅん×高田純次の役に立たない!? 人生相談
粋なスーダラ中年親父の2大巨頭「JJ」が「いい加減」に「適当」にお答えする、素敵な企画。お下品なようで品がある、かっこいいお2人です。連載にして!
下の「コメント」をクリックして、人名欄はペンネームを、URL欄は不要、コメント欄にご意見を書き込んで「投稿」をクリックしてください。
トラックバックについて詳しくお知りになりたい方は、「トラックバックについて」をクリックしてご確認ください。
2008-02-05 | 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。

コメント