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[本&雑誌&マンガ]-ライター中沢明子がナビゲート!- BOOK&MAGAZINE クルージング

[本&雑誌&マンガ]-ライター中沢明子がナビゲート!- BOOK&MAGAZINE クルージング

中沢明子
ライター。1969年東京都生まれ。インタビューやルポルタージュを手がけたり、書評を書いたり、近所の猫にちょっかい出したり。毎日、必ずどこかの本屋に出没し、いつも重い荷物を持っている。雑誌好きとしても局地的に有名で、週刊誌AERAにて「マガジン百名山」連載中。

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空前のブーム到来の予感! フェルメール本いろいろ。

Book010801 近年、17世紀に生きたオランダの画家、ヨハネス・フェルメールに大きな注目が集まっています。今や「世界的ブーム」と言っていい状況で、もちろん、日本も例外ではありません。美術関連書コーナーを見れば、様々な「フェルメール本」が出版されていますし、昨年はフェルメール作品の中でも「傑作」と言われる「牛乳を注ぐ女」が日本初公開され、話題となりました。
そして、今年2008年の日本では、さらなる「フェルメール・ブーム」が沸き起こる予感大。というのも、なんと、なんと、なんと! 6点ものフェルメール作品が一堂に会す展覧会、その名も「フェルメール展(仮)」が8月に上野の東京都美術館で開かれるからです。だから、ただでさえ多い「フェルメール本」ですが、今年も続々と出版されるはず。ところで、この展覧会について私がなぜ大騒ぎしているかと言えば……。
美術に詳しい方はよくご存知かと思いますが、大騒ぎする最大の理由はフェルメールの「真筆」とされる作品が、たった30数点しか残っていないからです。多作で知られるピカソの数万点は多すぎるとしても、30数点しか作品を残さなかったフェルメールはやはり寡作。数少ない作品は欧米に散らばっており、それぞれ美術館の目玉ですから、なかなか「一堂に会す」のは難しく、「6点」が集合するのは、ほとんど「事件」なんです!

そこで、そんな注目の展覧会をもっともっと楽しむために読んでおきたい、「フェルメール本」を既刊本の中から数冊選んでみました。
フェルメールについてほとんどご存知ない場合は、まずフェルメール作品の全体像がつかめる画集『西洋絵画の巨匠(5) フェルメール』か、ニューヨーク在住のジャーナリスト・朽木ゆり子さんによる『ヴィジュアル版 フェルメール全点踏破の旅』をお勧めしたいと思います。先にフェルメール作品は「30数点しか残っていない」と書きましたが、だからこそ、時間とお金をやりくりすれば、「全点踏破」してフェルメール作品全てを鑑賞することが可能。その「夢の旅」を実現し、記録したのが本書です。各作品の特徴や魅力が詳述されているばかりでなく、絵を所有している美術館や所有されるまでの歴史についても言及されており、それぞれの街の息遣いも伝えてくれる「旅本」でもあります。一流のジャーナリストらしい、センチメンタルな感傷は極力廃した、どこかドライな筆致が、フェルメールという稀有な画家の魅力を一層引き立てています。
その朽木さんがフェルメールに興味を持ったのは、美術品盗難事件を調べているうちにフェルメール作品の盗難事件が「象徴的な役割を果たしている」ことを発見したからだそう。同じく朽木さんの著書であり、フェルメールをはじめとする美術品盗難事件に迫った『盗まれたフェルメール』もドラマティックなノンフィクションで、こちらも読み応えがあります。


Book010802 「フェルメールについては結構知っているよ~」という方には、稀代の贋作者として美術史に悪名を残したファン・メーヘレンの生涯を追った『私はフェルメール―20世紀最大の贋作事件』をお勧めしたいです。いやはや、『盗まれたフェルメール』同様、スリリングな読み物でした。先ほどから何度も書いている通り、フェルメールは「30数点」しか作品を残していないんですが、なぜ「30数点」と曖昧な数字なのかといえば、作品数が少ないうえ、作風にバラつきがあるため、いくつかの作品については「真筆」か否か、専門家の意見が分かれているのです。手堅い数字を挙げる少数派は32点、多数派は34点、もっとも楽観的な評価をする人は36点――だったのが、2004年、新たな作品が「発見」され、オークションにて約32億円で落札されました。この作品はフェルメール作品の贋作者として有名なファン・メーヘレン作とする専門家は多いのですが、フェルメール自身の真筆と信じる専門家もいます。
17世紀の作家フェルメールの作風を、20世紀に完璧に模した最高の(?)贋作者にして詐欺師であったファン・メーヘレンとはいかなる男だったのか。本書の作者が「(贋作者として成功するためには)詐欺師として才能を磨くのはもちろんのこと、すぐれた美術史家、修復家、科学者、筆跡鑑定家、文書係とならねばならない。怠け者には向かない仕事である」と書く通り、贋作者は案外、割に合わない商売なのに、メーヘレンは完璧を目指します。彼の欲望の大きさと類まれな才能、哀しい挫折の軌跡に、ただただ圧倒されてしまうノンフィクションでした。

今年「来日」する6点のフェルメール作品の中では、特に「小路」を観るのを楽しみにしている私。1990年、ボストンのガードナー美術館から盗まれて以来、行方不明になったままの作品「合奏」が発見され、一緒に奇跡の「来日」を果たすことを祈りながら、待ちたいと思います。

『西洋絵画の巨匠(5) フェルメール』(小学館)定価3360円
尾形彰宏 著

お勧め度 ★★★☆☆
『西洋絵画の巨匠(5) フェルメール』の詳細はこちらへ。ご購入もしていただけます。
http://www.s-book.com/plsql/com2_detail?isbn=4096751057

『ヴィジュアル版 フェルメール全点踏破の旅』(集英社新書)定価1050円
朽木ゆり子 著

お勧め度 ★★★★★
『ヴィジュアル版 フェルメール全点踏破の旅』の詳細はこちらへ。ご購入もしていただけます。
http://www.s-book.com/plsql/com2_detail?isbn=4087203581

『盗まれたフェルメール』(新潮選書)定価1365円
朽木ゆり子 著

お勧め度 ★★★★★
『盗まれたフェルメール』を発行している新潮社のサイトはこちら。
http://www.shinchosha.co.jp/

『私はフェルメール―20世紀最大の贋作事件』(ランダムハウス講談社)定価1890円
フランク・クイン 著
小林頼子・池田みゆき 訳

お勧め度 ★★★★★
『私はフェルメール―20世紀最大の贋作事件』を発行しているランダムハウス講談社のサイトはこちら。
http://www.randomhouse-kodansha.co.jp/


Book010803 ●マガジン見どころ、読みどころ

マリソル
2008年2月号

春色の汽車に乗って~♪と思わず、鼻歌を歌いながら眺めた(←マジ)特集です。
「ピンク」の服と小物で、ハッピーも手に入れる
は、この春の注目カラー「ピンク」をフィーチャーして、様々なアイテムを紹介してくれています。だから、文字もピンクにしてみました。中でも私は、フューシャピンクの「エルメス」のバッグ「オータクロア」に釘付けでした! 華やか! 目立つ! それでいて上品! バッグについては、ゴールドとかシルバーといった「キラキラ」までは冒険できるんですが、こういうピンクはなかなかおいそれと買えません。こんなバッグを持っている人こそ、真のおしゃれさんですね。「ヴァレクストラ」の淡いピンクのバッグもノーブルで素敵でした。大特集はこちら。
ミラノ&パリで学ぶ「上質感×トレンド」のおしゃれ技
は海外特派で、「華ありシック」な65人が登場。“美しく働く”おしゃれの理想型として、ミラノとパリのマダムにおしゃれの「さじ加減」を学びます。扉ページに登場しているパリのマダムの迫力に、いきなり脱帽した私でありました。超イカした、ワイドパンツの着こなし、とくとご覧あれ。また、いよいよ「マリソル・プレステージクラブ」の会員募集が始まりました。編集部と読者の皆さまをつなぐイベントを開催したり、会員限定の特別なおしゃれ情報もあるそうです。詳しくはこちらの「マリソル」ホームページをチェックしてくださいね。私も入ろうかしら~。

 
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2008-01-08 | 固定リンク

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