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[本&雑誌&マンガ]-ライター中沢明子がナビゲート!- BOOK&MAGAZINE クルージング

[本&雑誌&マンガ]-ライター中沢明子がナビゲート!- BOOK&MAGAZINE クルージング

中沢明子
ライター。1969年東京都生まれ。インタビューやルポルタージュを手がけたり、書評を書いたり、近所の猫にちょっかい出したり。毎日、必ずどこかの本屋に出没し、いつも重い荷物を持っている。雑誌好きとしても局地的に有名で、週刊誌AERAにて「マガジン百名山」連載中。

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女性の生き方を解放したブランドの真髄を知る。『シャネル』

Book0918_1 先週は、ヴィクトリア・ベッカムの著書『おしゃれの掟』をご紹介しました。今週も引き続き、とっておきのファッション本をご紹介します。今回の1冊は、ガブリエル・シャネルが生み出した輝かしいブランドの真髄に迫る、その名もズバリ、『シャネル』です。

本書が発売されると知った時、「これは買わなきゃ」と思いました。しかし、「シャネル」に関する本はたくさん出ています。では、なぜこの本に対して、特に意気込んで「買いたい」と思ったかといえば、本書はガブリエル・シャネル自身についての歴史というより、創始者ガブリエルから現デザイナー、カール・ラガーフェルドにいたるまでの、シャネル・スーツを代表としたモード、ビューティ、香水、ファインジュエリーにまつわる「シャネルの歴史」を豊富な資料でひもといた、アーカイブ本の決定版らしかったからです。

そんなわけで、発売後、仕事の途中で勢い込んで買いに行ったわけですが、実物を見て驚きました。まず、本のサイズが「こ、これを持ち歩くのはちょっと」と躊躇するほど大きいの。そして、お値段が……高い。8800円。うーん、どうしよう。結局、重さと値段にひるんで別の日に買ったのでありますが、しかし! だけど! じっくり読んでみて「このサイズと値段は妥当だ」と思いました。写真は見ごたえがあり、内容も非常に丁寧です。「シャネル」が大好きなら、絶対オススメ――というか、本書を読まなきゃモグリだぞ。また、特にシャネルのファンでなかったとしても、このブランドの偉大さを知るには格好の1冊だと思うし、インテリアとして飾るだけでも素敵です。

今、私は「インテリアとして飾るだけでも素敵」と書きましたが、装丁はカバーも本体も、ブランドのロゴが非常にシンプルにあしらわれているだけです。それなのに「絵になる」のは、その潔いロゴデザインもさることながら、「シャネル」という言葉に、長い歴史と革新性、憧れ等々、いろいろなバックグランドを感じるからなのだと思います。
「シャネル」のアイコンとも言うべき、着心地が良いうえ、その人らしく個性的に着られるあのスーツは、ブティックが誕生した1913年に既にあったそうです。美しいけれど動きにくかったロングドレス姿を一瞬で「時代遅れ」にした「ブランドの顔」は、「シャネル」誕生とほぼ同時に生まれていたんですね。その1点だけでも、すごいことです。
本書の19Pに掲載されている、ラガーフェルド撮影のヴァネッサ・パラディ(香水のイメージキャラクターだった)は、ピンクのシャネル・スーツを着て、頭に大きなリボンを巻いているのですが、かわいいというより強く、セクシーでモダンです。そして驚いたのは、彼女の着用したスーツは1960年代のヴィンテージである、ということ。時代に合わせ、マイナーチェンジを繰り返してきたシャネル・スーツですが、その普遍的な魅力を思い知りました。
今、また「シャネル」の「チェーン・バッグ」がファッション・ピープルたちのマストアイテムになっています。あのバッグもこれ以上ないくらいシンプルなデザインですが、素材やチェーンの長さを変えると、あっと驚くほど新鮮に感じます。きっと、基本の型が完成しているからなのでしょう。

先週ご紹介した、ヴィクトリア・ベッカムの言葉「母の友人が「シャネル」の5番を使い切るたび、私に空き瓶をくれたの。私はそれをドレッサーにずらりと並べていた。見るだけで、うれしくなったものよ」(『おしゃれの掟』「メイクアップ&ヘア」より)は「シャネル」というブランドが、特に女性にとって特別なブランドであることを表しています。
心身ともに、女性を自由にした20世紀が産んだ最強ブランド「シャネル」が、なぜ特別なブランドなのか。本書を読んで、改めて深く納得しました。

『シャネル』(講談社)定価8800円
ダニエル・ボット 著
高橋真理子 訳

お勧め度 ★★★★★

『シャネル』を発行している講談社のサイトはこちら。

http://www.kodansha.co.jp/


Book0918_2 ●マガジン見どころ、読みどころ

バイラ
2007年 10月号

ここんところ、何人かのファッション編集者の方と靴の話で盛り上がりました。いわく、「なかなか足にしっくりくる靴に出合えないよねぇ……」。張り切ってハイヒールを買っちゃあ、出先で「足、いたーーい!」とわめくハメに陥る私。「スニーカーだけ履いてれば?」と家人に言われても、めげずに「今度こそ」と鼻息荒くして新しい靴を買うのですが、同じことの繰り返し。ああ、プロの皆さんも同じ悩みを抱えているんだなあと、なぜか安堵した私です。だから、『バイラ』最新号の
歩く日パンプス・魅せる日パンプス
は食い入るように読みました。ま、私はほとんど「魅せる日」はないので、もっぱら「歩く日」に食い入ったのですが、いいなあ、エミリオ・プッチのストラップ・パンプス。今度、ショップで試してみようっと。
今シーズンの本命アウター長期予報
は、冬のお買い物の大物、アウター選びの際、ぜひチェックしておいていただきたい特集です。今年、絶対、レザーのライダースが欲しいと思っている私ですが、この特集に載っていた「マルティニーク」のリボンベルトつきロングコートにも、心惹かれました。7万円弱とお手ごろなのに、小技が効いてグッドルッキングです。ちなみに、オススメしていらしたプレスの清水真紀さんは、いつもとっても品良く服を着こなしていらっしゃる素敵な女性です!

 
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2007-09-18 | 固定リンク

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