「オンナらしさ」の正体とは何か。心理学者・小倉千加子さんがわかりやすく教え、知恵を授ける『オンナらしさ入門(笑)』
“中学生以上すべての人の”がキャッチフレーズの「よりみちパン!セ」というシリーズ本があります。「100%オレンジ/及川賢治」さんのイラストレーションがかわいく、文字も少なめで読みやすいのだけど、人生においてすごく大切なのに「学校でも家でも教えない」ことを「寄り道」して考えようという、異色の好シリーズです。中学生時代ははるか彼方に過ぎ去った私も何冊か買い求め、そのたびに新しい発見があったのですが、今回はその中でも特に「!」な発見をした1冊、心理学者の小倉千加子さんが著した『オンナらしさ入門(笑)』をご紹介したいと思います。
オンナらしさ――。
このやっかいなシロモノに悩まされてきた女子は多いと思います。というか、女子である以上、1人残らず、このやっかいな「オンナらしさ」というものに、必ず向き合っている/きた、はずです。世間の期待どおりにすくすくと(?)オンナらしく生きてきた人も、「男勝り」に反発して生きてきた人も、世間基準の「オンナらしさ」との距離とメリット・デメリットをはかりながら、自分の生き方、スタンスを選んでいると思います。
小倉さんは「マザーグース」の表現を借りて、こういいます。「女の子って何でできてる?」という質問の答えは「お砂糖とスパイスと、素敵ないろいろでできている」のである(らしい)、と。そして、「誰がそう決めて」「私は誰にとっての“甘い”ものなのか」を説いていき、お砂糖と素敵ないろいろなものでできている「女の子」なのに、意外や意外、スパイスのほうが効いているのか、女の子から女性になるまでの道のりは「イバラの道」のように生きがたい、というリアルな現実を突きつけます。
イバラの道を(ほとんど自分でも気づかないほど)上手に進んできた人もいるし、非常に強く意識した結果、オンナらしくあろうとガムシャラに努力して進んできた人もいるし、意識しすぎて、あえて外して生きている人もいる(「オンナらしくない」趣味を持つとか、逆に「ゴスロリ」のように過剰に甘くしてパンキッシュに自分を表現するとか)。
いずれにせよ、女子はみんな等しく「自分が人からどう見られるか」「自分は女の子にふさわしく、(見た目も行動も)可愛くあるか」を意識して生きざるをえない性であって、男子のように無邪気に、そしてわかりやすく「勝ち負け」で成り立つ(?)生き物ではない、ということです。
「オンナらしさ」は複雑です。例えば、一見オンナらしいけれど、ものすごくデキる女子のことを、男子が好きかどうかは微妙です。面白いギャグを飛ばしまくる女子は「恋人」ではなく「友達」になりがちです。それほど美人でない女子は、精一杯「オンナらしく」いなければ、なかなか振り向いてもらえません。男子ならそれほどハンサムではなくても、個性で結構イケるのに。男子に「オンナらしい」と思われるような「オンナらしさ」を持った女子でないと、女子人生、ちょっと損する気がします。
とはいえ、「オンナらしくない自分」を殺して「オンナらしく」あったからといって、必ずしも、その行き先に幸せが待っているとも限りません。オンナらしくふるまってきたかいがあり、白馬の王子様が現れる、なんてことは滅多にありません。
ということは、人生の悩みどころである「結婚」を「オンナらしさ」でなんとか手中に収めても、その先の人生がバラ色とは限らない、ということ。
あなたにすら分からないあなたの幸せを、どうして結婚相手が知っているのでしょう。「あなたを幸せにします」というような人は、あなたの幸せを勘違いしています。
あなたを幸せにできるのは、あなた自身なのです。(『オンナらしさ入門(笑)』p134)より)
では、結婚するにしろ、しないにしろ、自分が自分になるために、自分が自分を幸せにできるために、できることとは何だろう?
その点について、小倉さんは、自分で自分を育てていけるように「自分に水をやる」作業をできるようになることが大切だ、とハッパをかけます。その作業とは「自分だけの好き」を見つける作業です。そして、もしも、今まで生きてきた中で「オンナらしくないから」と排除してしまった「好き」があるなら、あるいは、今まさに「女の子には、無理」と諦めかけている「好き」があるなら、その眠れる「好き」を発掘せよ、と奨めます。
「オンナらしい」科目の象徴である「国語」だけが成績が良かったのに、「オンナらしく」あることから下りて生きてきた(と思っている)自分こそ、「オンナらしさ」というものを人一倍、強く意識してきたのかもしれないな、と発見をした私。驚愕です。
女子という女子、全てに一読していただきたい、興味深い1冊でした。
それにしても、「オンナらしさ入門」に「(笑)」をつけた書名がすごいな。軽やかで鋭い小倉先生のセンスに脱帽です。
『オンナらしさ入門(笑)』(理論社)定価1260円
小倉千加子 著
お勧め度 ★★★★☆
『オンナらしさ入門(笑)』を発行している理論社のサイトはこちら。
http://www.rironsha.co.jp/index.html
● マガジン見どころ、読みどころ
LEE
2007年7月号
つい先日、第1子の妊娠を発表したばかりの渡辺満里奈さんが表紙です。音楽や台湾、ピラティスなど、まさに「自分の好き」を追求してきた満里奈さんも、幸せを自分でつかんできた魅力的な女性ですね。さて、今月号の『LEE』で私がまず注目したのは、
休日は美術館へ~雨宮塔子さんと訪ねる 瀬戸内・直島アートの旅
です。そういえば、雨宮さんも「自分の好き」を追求してきた女性だなあ。「泊まれる美術館」として注目されている「ベネッセハウス」をはじめ、瀬戸内の魅力的な美術館やおいしいお店が紹介されています。ベネッセハウス、私もすごく行ってみたい場所なので、記事に釘付けでした。そのほか、全国の注目美術館情報も載っています。まずは、お近くの美術館にレッツゴー、なのだ。
今一番食べたい お取り寄せ100
は、自分用にもお中元用にも良さそうな、素敵なお取り寄せ情報がぎっしり。井上絵美さん、平松洋子さん、渡辺有子さんなど、料理に造詣が深い皆さんが教えてくれるのは、さすがの品ばかり。保存版ですよん。
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2007-06-12 | 固定リンク
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