祇園の老舗お茶屋の女将に、京都の心、日本の美学を教えてもらう。『おおきに。―祇園に学ぶしなやか処世術』
京都のイメージに欠かせない存在といえば、祇園の舞妓・芸妓さんです。ひょっとすると、外国人にとっては京都どころか「日本という国のイメージ」そのもの、かもしれません。豪華絢爛な着物、ハッとするような紅、白い襟足、華やかなかんざし、艶やかな仕草、清潔感のある笑顔……。京都を訪れても、実はそう滅多にお目にかかれないんだけど、それでも、京都のビジュアルイメージは舞妓・芸妓さんを抜きにして描けません。
でも、そんな舞妓・芸妓さんについて、どれくらいの知識がありますか? お茶屋遊びに縁がない私たち(と言いきってしまいますが)は、「なんとなく」イメージを持っているだけで、実は舞妓・芸妓さんの生活やしきたりについて、ほとんど何も知らないんじゃないかな? 時々、「祇園の遊び方」といった雑誌の特集で「へえ」と思う程度……という方、多いのではないでしょうか。もちろん、私もそうです。きれいだな~、伝統を守っている素敵な人たちだな~、と思っていたけれど、じゃあ、「伝統」って何だ? と聞かれると、具体的に答えられなかったりして……。
そんな私が書店で「そういえば、知りたかった!」と、小躍りして手にとった本が『おおきに。―祇園に学ぶしなやか処世術』でした。著者は、100年以上の歴史を持つ老舗お茶屋「吉うた」の四代目女将、高安美三子さん。祇園で生まれ育ち、祇園でずっと生きてきた、言うなれば「祇園の生き字引」のような美三子女将が、祇園のしきたり、舞妓・芸妓になる手順や心得、京のみどころ、祇園の歴史などを、素人にもわかりやすく説明してくれています。
かんざしや着物の柄で季節を先取りするので、暦とにらめっこする毎日だとか、衣装は20kgにもなるからとっても重いとか、舞妓デビューには3000~5000万円もかかるから、すぐに辞められたら赤字になるとか……。初めて知る「舞妓・芸妓の舞台裏話」は興味深いものばかり。
先ほどから、「舞妓・芸妓」といちいち分けて書いているのも、本書を読んで、舞妓さんが芸妓さんになるには、大変な下積みを乗り越えないと難しいと知ったためだし、「お茶屋」と「置屋」の違いも、よくわかりました。美三子女将の言葉を借りると、「お茶屋」はコンシェルジュ&問屋、「置屋」は(舞妓・芸妓を育てる)メーカーのような役割を担っているそうです。私の頭の中では、「お茶屋」と「置屋」がゴッチャになっていましたが、これで役割がスパッと理解できました。ちなみに、舞妓・芸妓さんを呼んで遊ぶ場所である料理店は「小売店」と表現されていました。
でも、本書を読んで一番心に残ったのは、何より「おもてなしの極意」でした。
「粋な気くばり」とは、相手に悟られないこと。といった要の部分は、ぜひ本書を読んでいただきたいのですが、たとえば、書名の「おおきに」は、祇園でもっとも多く使われる言葉で、この変幻自在の言葉を使いこなせてこそ「一人前」だそう。「おおきに」を添えた会話はやわらかく、その場の空気を和ませます。断りの返事にも「おおきに」を使うのは、「誘ってくださって、ありがとうございます。でも、今回はご遠慮しておきますね」と、まずは感謝の意を伝えるためだとか。なるほど~、と思いました。
祇園に限らず、昔は、こうした粋な処世術を身につけた日本人が多かったのかな、と想像します。日本人ならではの、こまやかでしなやかな処世術と美意識の素晴らしさを、美三子女将に改めて教えていただきました。
『おおきに。―祇園に学ぶしなやか処世術』(扶桑社)定価1365円
高安美三子 著
お勧め度 ★★★★☆
『おおきに。―祇園に学ぶしなやか処世術』を発行している扶桑社のサイトはこちら。
http://www.fusosha.co.jp/
●マガジン見どころ、読みどころ
エクラ
創刊宣言号
先月の「マリソル」創刊に続き、新雑誌『エクラ』がお目見えです。50代前後がターゲットですが、中身が詰まっているからか、30代の私が読んでも面白かったです。
すべての快楽はイタリアにあり
は、ユーミンこと松任谷由実さんのシチリア旅行から始まって、有元葉子さん、舟越桂さんが極上のイタリアを紹介してくれています。テーマのある旅をじっくり贅沢に堪能できるのは、大人ならではの楽しみかもしれません。私も、こんな旅が出来る粋な大人になりたいな、と思いました。
極上通販エクラプレミアム
は、イタリアのジュエリーからテーブルまで、グッドデザインなアイテムが勢揃い。有元葉子さんがオーダーした「オーロビアンコ」のキャリーバッグや「ブサッティ」のリネン類、エクラオリジナルの「ロベルタ ディ カメリーノ」のミニバッグ、またイタリアワインもラインアップに入っています。雑誌の通販としては破格の個性と上質さで、「おお!」と思いましたよ。
もちろん、ファッションや美容テーマも丁寧に練られた誌面でした。エクラ世代には、まだちょっと時間がある人も、「こんな大人になりたいな」と願いながらページをめくってみてくださいね。
◆新雑誌「エクラ」の公式サイトはこちら。 http://eclat.shueisha.co.jp
「極上通販エクラプレミアム」はこちら。 http://swfs.jp/eclat
●マガジン見どころ、読みどころ
LEE
5月号
「1点華やか主義」でおしゃれ筋力を上げる!
というタイトルを見て、印象的な特集タイトルだな、と思いました。「おしゃれ筋力」って、面白い~。今年はプリント生地やキラキラ小物など、「華やか」なアイテムが多いから、なんだかウキウキします。私もド派手な(?)プリントのワンピースを2枚、購入しちゃいましたよ。でも、太っちょだから、スキニージーンズがどうにも似合わなくてねぇ・・・、レギンスブームがあって助かりましたけど、
最強スタイルの切り札はジーンズ!
を読んで、「バギー」のジーンズを買おうかな、と思いました。1年ぐらい、ジーンズを買っていないので、この特集で吟味しようと思います!
巻頭クローズアップ SHIHOさん
は、LEE初登場!のモデルのSHIHOさんが、ちょっぴりモードなビジュアルで新鮮な表情を見せてくれています。実は私、インタビューのために、この撮影に同行させていただいたのですが、文字通り、朝から晩まで1日かかっての撮影をSHIHOさんは頑張りぬいてくれました。ぜひぜひ、本誌を見てね!
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2007-04-10 | 固定リンク
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