s-woman.netで政治学者・姜尚中さんが読者とともに考えた「まともに生き残る道」へのヒントが一冊に! 『ニッポン・サバイバル――不確かな時代を生き抜く10のヒント』
月の最後の金曜深夜、「こんばんは、田原総一朗です」というおなじみの挨拶から始まる討論番組「朝まで生テレビ!」。右、左、その間(?)、さまざまな立場の論客たちが、口角泡を飛ばして激論する「朝生」の出演者の中で、政治学者・姜尚中さんは異色の存在です。
それまでやいのやいのと他人の発言を遮り、文字通り、大声で自説を唱えていた人々が、「そうでしょうか?」「なるほど~かもしれません。しかし…」と姜さんがソフトな小声で語りだすと、なぜかシーンとしてしまう。最近は、同じく政治学者でシャープな関西弁をあやつる村田晃嗣さんと意見が対立して、たま~に「大声」を出すこともありますが(それでも小声だけどね)、冷静にディベートを進めることによって、相手に「聞く耳」をもたせる姜さんのスタイルを身につけられれば、国家レベルでも個人レベルでも、もう少し「まとも」に意見の交換をできるようになるかも?と思います。
そんな姜さんが、s-woman.netでの人気連載をまとめた『ニッポン・サバイバル――不確かな時代を生き抜く10のヒント』を上梓されました。「お金」「自由」「幸せ」など、多くの人が持つ悩みや不安を読者と一緒に姜さんが考察していく本書は、たくさんの気づきと救いに満ちていて、できるだけ多くの方に読んでいただきたい良書です。
何より画期的なのは、テーマに即して読者から寄せられた「みんなの声」を手がかりにして、大切なテーマが考察されていく点。とっても身近でわかりやすく、「政治学者」の難しい本はちょっと……と尻ごみしがちな方でも、「わかるわかる!」「なるほど~」と頷きながら、するする読めちゃうと思いますよ。
悩みや不安を持つことは決して不健全じゃない、むしろ当然、だけど、そのままにしないで一緒に考えよう、そして生きづらい今の世の中をしぶとくサバイブしていこう(←ライター中沢の勝手な要約)――そんな姜さんの切なるメッセージが心に響きます。漠然としていた悩みや不安が、かなりクリアになるはずです。悩みや不安がクリアになれば、対処方法だって、うっすらと見えてくるから、本書はきっと、心強いテキストになると思います。
「お金」を持っている人が勝ちですか?
「自由」なのに息苦しいのはなぜですか?
「仕事」は私たちを幸せにしてくれますか?
激変する「メディア」にどう対応したらいいの?
どうしたら「知性」を磨けますか?
なぜ今「反日」感情が高まっているの?
今なぜ世界中で「紛争」が起こっているの?
どうしたらいい「友人関係」を作れますか?
どうしたら「平和」を守れますか?
どうしたら「幸せ」になれますか?
これらは全て、言うまでもなく、とても大切な「問い」ですが、だからこそ、真摯に答える姜さんだって「絶対の正解」を提示するのは不可能です。しかし、「正解」に近づくためには、問題がそこにあることに気づき、考え、もがき、痛みや幸せを感じ、実際の体験を重ねていくしかありません。マジメなテーマをマジメに考えるなんて、ちょっとテレてしまうかもしれないけれど、しなやかで堅苦しくない姜さんと一緒に考えながら、「まとも」に生き残る術を探りましょう。
『ニッポン・サバイバル――不確かな時代を生き抜く10のヒント』(集英社新書)定価735円
姜尚中
お勧め度 ★★★★★
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http://www.s-book.com/plsql/com2_detail?isbn=9784087203790
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現在、放映中のNHKの連続テレビ小説「芋たこなんきん」は、作家、田辺聖子さんのエッセイを基にして、田辺さんの半生がモデルとなったドラマです。また、
現在公開中の同名タイトル映画の書籍版であります。
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