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[本&雑誌&マンガ]-ライター中沢明子がナビゲート!- BOOK&MAGAZINE クルージング

[本&雑誌&マンガ]-ライター中沢明子がナビゲート!- BOOK&MAGAZINE クルージング

中沢明子
ライター。1969年東京都生まれ。インタビューやルポルタージュを手がけたり、書評を書いたり、近所の猫にちょっかい出したり。毎日、必ずどこかの本屋に出没し、いつも重い荷物を持っている。雑誌好きとしても局地的に有名で、週刊誌AERAにて「マガジン百名山」連載中。

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s-woman.netで政治学者・姜尚中さんが読者とともに考えた「まともに生き残る道」へのヒントが一冊に! 『ニッポン・サバイバル――不確かな時代を生き抜く10のヒント』

Book0227_01 月の最後の金曜深夜、「こんばんは、田原総一朗です」というおなじみの挨拶から始まる討論番組「朝まで生テレビ!」。右、左、その間(?)、さまざまな立場の論客たちが、口角泡を飛ばして激論する「朝生」の出演者の中で、政治学者・姜尚中さんは異色の存在です。
それまでやいのやいのと他人の発言を遮り、文字通り、大声で自説を唱えていた人々が、「そうでしょうか?」「なるほど~かもしれません。しかし…」と姜さんがソフトな小声で語りだすと、なぜかシーンとしてしまう。最近は、同じく政治学者でシャープな関西弁をあやつる村田晃嗣さんと意見が対立して、たま~に「大声」を出すこともありますが(それでも小声だけどね)、冷静にディベートを進めることによって、相手に「聞く耳」をもたせる姜さんのスタイルを身につけられれば、国家レベルでも個人レベルでも、もう少し「まとも」に意見の交換をできるようになるかも?と思います。

そんな姜さんが、s-woman.netでの人気連載をまとめた『ニッポン・サバイバル――不確かな時代を生き抜く10のヒント』を上梓されました。「お金」「自由」「幸せ」など、多くの人が持つ悩みや不安を読者と一緒に姜さんが考察していく本書は、たくさんの気づきと救いに満ちていて、できるだけ多くの方に読んでいただきたい良書です。
何より画期的なのは、テーマに即して読者から寄せられた「みんなの声」を手がかりにして、大切なテーマが考察されていく点。とっても身近でわかりやすく、「政治学者」の難しい本はちょっと……と尻ごみしがちな方でも、「わかるわかる!」「なるほど~」と頷きながら、するする読めちゃうと思いますよ。
悩みや不安を持つことは決して不健全じゃない、むしろ当然、だけど、そのままにしないで一緒に考えよう、そして生きづらい今の世の中をしぶとくサバイブしていこう(←ライター中沢の勝手な要約)――そんな姜さんの切なるメッセージが心に響きます。漠然としていた悩みや不安が、かなりクリアになるはずです。悩みや不安がクリアになれば、対処方法だって、うっすらと見えてくるから、本書はきっと、心強いテキストになると思います。

「お金」を持っている人が勝ちですか?
「自由」なのに息苦しいのはなぜですか?
「仕事」は私たちを幸せにしてくれますか?
激変する「メディア」にどう対応したらいいの?
どうしたら「知性」を磨けますか?
なぜ今「反日」感情が高まっているの?
今なぜ世界中で「紛争」が起こっているの?
どうしたらいい「友人関係」を作れますか?
どうしたら「平和」を守れますか?
どうしたら「幸せ」になれますか?

これらは全て、言うまでもなく、とても大切な「問い」ですが、だからこそ、真摯に答える姜さんだって「絶対の正解」を提示するのは不可能です。しかし、「正解」に近づくためには、問題がそこにあることに気づき、考え、もがき、痛みや幸せを感じ、実際の体験を重ねていくしかありません。マジメなテーマをマジメに考えるなんて、ちょっとテレてしまうかもしれないけれど、しなやかで堅苦しくない姜さんと一緒に考えながら、「まとも」に生き残る術を探りましょう。

『ニッポン・サバイバル――不確かな時代を生き抜く10のヒント』(集英社新書)定価735円
姜尚中

お勧め度 ★★★★★

『ニッポン・サバイバル――不確かな時代を生き抜く10のヒント』のご購入はこちらで。
http://www.s-book.com/plsql/com2_detail?isbn=9784087203790

『ニッポン・サバイバル』刊行記念 姜尚中講演会に450名様をご招待! 締め切りは3月15日(木)17時。詳しくはこちらで。
http://www.shueisha.co.jp/kang/

 
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2007-02-27 | 固定リンク | コメント (0)

膨大な田辺文学の全貌を知るきっかけに。『まいにち薔薇いろ 田辺聖子A to Z』

Book0220_01 現在、放映中のNHKの連続テレビ小説「芋たこなんきん」は、作家、田辺聖子さんのエッセイを基にして、田辺さんの半生がモデルとなったドラマです。また、集英社から刊行されていた『田辺聖子全集(全24巻+別冊1巻)』も、昨年ついに完結。今、「何度目かの田辺聖子ブーム」が到来しています。そんななか、きっと、これから田辺先生の作品をいろいろ読んでみよう!と思っている方も多いのではないでしょうか。

実は私も「これから田辺作品にチャレンジしよう」と思っている一人。小説や洒脱なエッセイに出会うたびに「田辺先生の作品、もっと読んでみよう~」と思ってきたものの、作家生活50年を超える田辺先生ですから、作品数がとにかく膨大。正直言って、どれから手をつけたらいいのか、よくわからなくて……。
そんな私のような「読みたいけれど、どこから手をつけていいかわからない、未来の田辺聖子愛読者」にぴったり!のスペシャルガイドブック『まいにち薔薇いろ 田辺聖子A to Z』が発売されました。タイトル通り、A to Z形式で「田辺文学と夢色暮らしをカラフルに紹介」された本書は、田辺作品の奥深さ、先生ご自身のチャーミングなパーソナリティまで、コンパクトながら、丁寧にまとめられているので、「田辺聖子ビギナー」にとって最適の一冊だと思います。田辺作品を知り尽くした『田辺聖子全集』の編集室が、腕によりをかけて編集したこの本、本の作りもおしゃれで、先生への愛情と尊敬がたっぷりこめられているのがわかります。

評伝小説から30代未婚女子を主人公にした“ハイミスもの”小説、夫がモデルの “カモカのおっちゃん”シリーズ、源氏物語の現代語訳、映画や宝塚、ドールハウスなど、先生が愛してやまない趣味に関わる作品などなど、「田辺ワールド」は本当に幅広い。でも、『まいにち薔薇いろ 田辺聖子A to Z』があれば、自分がピン!ときたジャンルから、田辺作品散策の旅に出られるはず! 私は源氏物語から旅を始めようかな、と思います。

カラー写真も豊富な本書で、私が一番、目が釘付けになったのは、女学校時代に友人たちと作っていたというお手製の雑誌「少女(おとめ)草」の完成度の高さ。表紙と挿絵は田辺先生が描いたそうで、そのファンタスティックで夢のある絵に、先生の「原点」があるように思いました。ちなみに、この雑誌が今も残っているのは、戦争のさなか、空襲に遭って逃げる際、先生のお母様が必死で持ち出した鞄の中に入っていたから、なんだそうですよ。
★川上弘美さん、江國香織さんによるエッセイも収録されています!

『まいにち薔薇いろ 田辺聖子A to Z』(集英社)定価1575円
『田辺聖子全集』編集室編

お勧め度 ★★★★★

『まいにち薔薇いろ 田辺聖子A to Z』の詳細はこちらへ。ご購入もしていただけます。
http://www.s-book.com/plsql/com2_detail?isbn=4087748375

『田辺聖子全集』を大人買い!の方はこちらへ。
http://www.s-book.com/plsql/com2_series?tid=908155005

 
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2007-02-20 | 固定リンク | コメント (0)

ストップ! 地球温暖化。元・アメリカ副大統領アル・ゴアによる、人類への警告書『不都合な真実』

Book0212_1現在公開中の同名タイトル映画の書籍版であります。
クリントン政権時代に副大統領を務め、2000年の大統領選で惜しくも破れたアル・ゴアさんのライフワークは、実は環境問題。分厚い本書で熱く語られる文章や行動から、ゴアさんが、地球温暖化をストップしたいと本気で努力していることがよくわかりました。

氷河に覆われた数十年前の「モンタナ州グレイシャー公園」と、ほとんど跡形もなく氷河がなくなっている現在の「モンタナ州グレイシャー公園」
データが冷徹に示す、年々、強度がひどくなるハリケーン。
あっちこっちで、これまでの風景が様変わりして、いびつな姿になりつつある地球……。
ゾッとしました。

豊富なデータとたくさんの写真によって知らされる、瀕死の地球の姿に改めて震撼し、今よりもっと真剣に、環境のために自分ができることを実践しなくては、という思いを強くします。そりゃね、地球温暖化を食い止めなくちゃ、もっとエコライフしなくちゃと、ある程度、わかっていたつもりでいましたよ。
でも、こんなふうに、データ&写真で畳み掛けるように「現実」を突きつけられると、「わかっていた“つもり”でごめんなさい~。もっと実践します~」と平身低頭な気持ち。スーパーでレジ袋はもらわないとか、電球型蛍光ランプに替えるとか、なるべく粗大ゴミを出さないように家具を増やさないとか、自分なりにちょっとは気を使っていたんだけど、足りませんね。こんなんじゃあ、全然足りません。だって、レジ袋はもらわないけれど、洋服やバッグだったら、二重三重にしてくださるステキな包装にうっとりして、いそいそ持ち帰っていますから。徹底してないです。ここはひとつ、考え直さなくちゃいけないな。

マジメな本です。でも、まったく難しい本ではありません。レイアウトが優れていて見やすいし、ゴアさんが環境問題に心底目覚めたきっかけは息子の交通事故に居合わせた時で、「本当に重要なことはなんだろう?」と自問したから、といったファミリーのストーリーも、人間味がありました。

ただ、本書が「全米を震撼させた」と聞くと、ちょっと驚きます。帯にあるゴアさんの言葉「地球のためにあなたが出来る最初の一歩は、この事実を知ることだ」を読んで、もっと驚きました。というのも、本書のデータや写真に「改めて」考えさせられたことは確かだけど、「初めて聞いた話」ってわけではなかったから。でも、地球温暖化を食い止めるための条約「京都議定書」の批准を、依然として拒んでいるアメリカです。世界最大の消費大国であるというのに、こうした「不都合な真実」を今まで知らなかった人が多かったのかもしれません。ゴアさんの今後の奮闘に期待!です。だってさ、アメリカが本気になったら、ものすごく効果があるはずだもん。もちろん、私たち日本人も、できることから始めて、「美しい国」ならぬ「美しい地球」を取り戻す努力をしなくちゃね。

『不都合な真実』(ランダムハウス講談社)定価2940円
アル・ゴア 著
枝廣淳子 訳

お勧め度 ★★★★☆

『不都合な真実』を発行しているランダムハウス講談社のサイトはこちら。
http://www.randomhouse-kodansha.co.jp/

Book0213_2●マガジン見どころ、読みどころ

LEE
2007年 3月号

現在発売中の女性ファッション誌は、どれも春物のバッグや靴がいっぱい載っています。どうしても同じアイテムになりがちだけど(そりゃそうだ、新作ですもの)、それでも、雑誌はそれぞれ、その雑誌らしいチョイスになりますね。『LEE』のチョイスもやっぱり、「らしい」。
おしゃれ運命を変える 「春バッグ&春靴」を総ざらい!
では、特に靴が、ほんのり甘さがあるものが多く、LEEテイストだなって思いました。履きやすそうで、かわいくて、ヒールはちょっと低め。ハイヒールを履かない私にとって、好みど真ん中なラインナップでうれしかったです。

やっぱり大好き! キャス・キッドソン
今までも、じわじわじわっと人気だった、花やフルーツ柄がスイートなキャス・キッドソン。代官山にオンリーショップがオープンするなど、本格上陸したのをきっかけに、ますます人気が過熱中です。そんなキャスの特集です。

LEE初登場の広末涼子さんや、栗原はるみさんの連載になにげに登場していた篠原涼子さんという、W涼子にも、要注目!

 
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2007-02-13 | 固定リンク | コメント (0)

次々と飛び込んでくる重大ニュース。ただ流して聞いちゃっていいのかな? 『たまには、時事ネタ』

Book0206_1_3_2なんだか最近、腹立つニュースが多いです。
まず、不二家にはガッカリしました。一連の不祥事は当然「ガッカリ」なんだけど、新社長がNHK「クローズアップ現代」という番組で、他人事のように「今回の不祥事についての分析」を延々と語り、ズレまくりのコメントを連発しているのを見て、ガッカリ2乗。どのへんがズレているかをここで書きたくても、ズレている部分が多すぎて文字数的に書ききれないほど。「こりゃ~、自力再建は絶対ムリだわ」と思ってしまいました。「ルックチョコレートやネクター、ミルキーを、再びなにげなく飲食できる日がくるのだろうか」と遠い目になっちゃいます。ルックチョコレート、大好きなのに(特にバナナ味)。ペコちゃんも泣いているぞ。
あとねぇ、柳沢厚生労働大臣の「女性は子どもを産む機械」と「一人頭でがんばってもらわないと」発言ね。これは、書評家・斎藤美奈子さん的に表現すると「フェミコード」(「フェミコード」については、詳しくは斎藤さんの著書『物は言いよう』をお読みください)の最低ラインと言っていい「とほほ」な発言でした。あまりの低レベルに、バカらしくて怒る気にもなれません。

でも――。
そうやって、ひっかかるニュースが次々と流れるなか「怒る気にもなれない」と思考停止で放ってしまっていいのだろうか。私一人でなんやかや考えても、しょせん何も変わらないさ、と諦めムードでいいのだろうか。いいや、いいわけがない。
と、斎藤さんが思ったのかどうかはわかりませんが、書評家として確固たる地位を築いていらっしゃる斎藤さんが日々のニュースについて考えたエッセイ集『たまには、時事ネタ』が発売されました。

斎藤さんの書評は、ベストセラーの「流行の理由」を斬り、まさに「時事」を分析していらっしゃる評論も多いですが、このエッセイ集では純粋に「ニュースの本質」を考察し、問題点をあぶりだしています。
ふだんは斜に構えた「モノの見方」をすることもある斎藤さんですが、本書では、意外にも、と言ったら失礼なのかもしれないけれど、ストレートに語り、ストレートな問いを投げかけているように思いました(もちろん、喩えなんかは洒脱で笑っちゃうけどね)。

本書は2001年~2006年、つまり小泉政権であった時期に書かれたもので、その間、イラク戦争&イラク日本人人質事件「自己責任論」、自衛隊派遣、新潟県中越地震、教育改革、BSE問題、韓流ブーム、ライブドア事件など、重要なニュースが目白押しでした。目白押しすぎて目がまわり、なんだか皆が流されるような空気漂うご時勢の中で、危機感を持ち、立ち止まって考えようとされた、斎藤さん。感じ入りました。

私ももっと、立ち止まって考えよう、と思います。流れていくニュースの本質に聞き耳をたてること。世の中が変わる足音を聞き逃さないこと。NOと思ったら、声を上げること。それが大人の義務なんじゃないか。そんなことを考えながら、本書を読み終わった、ぼんやり人間・ライター中沢であります。

*山口マオさんのイラストも見どころ。実は私、展覧会で購入したマオさん自筆の絵を、ずーっと大切に飾っています! 

『たまには時事ネタ』(中央公論新社)定価1365円
斎藤美奈子 著

お勧め度 ★★★★★

『たまには、時事ネタ』を発行している中央公論新社のサイトはこちら。
http://www.chuko.co.jp/


Book0206_02 ●マガジン見どころ、読みどころ

SPUR
2007年 3月号

ショップでは、秋冬物のセールも終わり、春夏物が入荷しております。皆さんは、洋服から買う派? 小物から買う派? 私はまだ寒い日が続いているし、どうしても先に靴&バッグの新作が気になります。だから、『SPUR』3月号では、まず
別冊付録 春の靴&バッグ パワー 312 BOOK
を読みました。312って多いよっ。どんだけ取材しているんだよっ。と、編集部の仕事っぷりにツッコミを入れつつ、あれも欲しいこれも欲しいと、頭を抱えています。特に私が今シーズン欲しいのは、「ロエベ」のナッパ素材で作られた新作バッグ。くしゅっとしていて、あれいいなあ、と思っていたら、先日、某編集長様が真っ赤なのをお持ちになっていらしたので、「ちょっと見せて見せて!攻撃」をしたばかりです。「ターコイズブルーのもあったわよ。中沢さんにはあの色が似合うんじゃない?」とおっしゃってくださったので、本気で悩み中。

横綱スイーツ、揃い踏み
は、おかしいの。「横綱スイーツ」だからって、第62代横綱、大乃国さんにお菓子作りをさせちゃうとはね。笑っちゃいました。数あるバレンタイン特集の中でも、私が知る限り、一番の「変化球」でありました。

 
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2007-02-06 | 固定リンク | コメント (0)

 
 
 
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