膨大な田辺文学の全貌を知るきっかけに。『まいにち薔薇いろ 田辺聖子A to Z』
現在、放映中のNHKの連続テレビ小説「芋たこなんきん」は、作家、田辺聖子さんのエッセイを基にして、田辺さんの半生がモデルとなったドラマです。また、集英社から刊行されていた『田辺聖子全集(全24巻+別冊1巻)』も、昨年ついに完結。今、「何度目かの田辺聖子ブーム」が到来しています。そんななか、きっと、これから田辺先生の作品をいろいろ読んでみよう!と思っている方も多いのではないでしょうか。
実は私も「これから田辺作品にチャレンジしよう」と思っている一人。小説や洒脱なエッセイに出会うたびに「田辺先生の作品、もっと読んでみよう~」と思ってきたものの、作家生活50年を超える田辺先生ですから、作品数がとにかく膨大。正直言って、どれから手をつけたらいいのか、よくわからなくて……。
そんな私のような「読みたいけれど、どこから手をつけていいかわからない、未来の田辺聖子愛読者」にぴったり!のスペシャルガイドブック『まいにち薔薇いろ 田辺聖子A to Z』が発売されました。タイトル通り、A to Z形式で「田辺文学と夢色暮らしをカラフルに紹介」された本書は、田辺作品の奥深さ、先生ご自身のチャーミングなパーソナリティまで、コンパクトながら、丁寧にまとめられているので、「田辺聖子ビギナー」にとって最適の一冊だと思います。田辺作品を知り尽くした『田辺聖子全集』の編集室が、腕によりをかけて編集したこの本、本の作りもおしゃれで、先生への愛情と尊敬がたっぷりこめられているのがわかります。
評伝小説から30代未婚女子を主人公にした“ハイミスもの”小説、夫がモデルの “カモカのおっちゃん”シリーズ、源氏物語の現代語訳、映画や宝塚、ドールハウスなど、先生が愛してやまない趣味に関わる作品などなど、「田辺ワールド」は本当に幅広い。でも、『まいにち薔薇いろ 田辺聖子A to Z』があれば、自分がピン!ときたジャンルから、田辺作品散策の旅に出られるはず! 私は源氏物語から旅を始めようかな、と思います。
カラー写真も豊富な本書で、私が一番、目が釘付けになったのは、女学校時代に友人たちと作っていたというお手製の雑誌「少女(おとめ)草」の完成度の高さ。表紙と挿絵は田辺先生が描いたそうで、そのファンタスティックで夢のある絵に、先生の「原点」があるように思いました。ちなみに、この雑誌が今も残っているのは、戦争のさなか、空襲に遭って逃げる際、先生のお母様が必死で持ち出した鞄の中に入っていたから、なんだそうですよ。
★川上弘美さん、江國香織さんによるエッセイも収録されています!
『まいにち薔薇いろ 田辺聖子A to Z』(集英社)定価1575円
『田辺聖子全集』編集室編
お勧め度 ★★★★★
『まいにち薔薇いろ 田辺聖子A to Z』の詳細はこちらへ。ご購入もしていただけます。
http://www.s-book.com/plsql/com2_detail?isbn=4087748375
『田辺聖子全集』を大人買い!の方はこちらへ。
http://www.s-book.com/plsql/com2_series?tid=908155005
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2007-02-20 | 固定リンク
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