イ・ビョンホンが4年ぶりに主演した、悲恋ストーリーのノベライズ。『夏物語』
グスン、グス、グス、グス……。
イ・ビョンホンが久しぶりに本格恋愛映画に出演!と話題の『夏物語』。「ふーむ。ビョンホンが4年ぶりに選んだストーリーってどんなのだろう?」と軽~い気持ちでノベライズを手にとりました。想いが通じ合うあたりまでは、微笑ましく読み進めていた私ですが、ストーリーの中盤で、この恋を悲恋に帰結させた「犯人」が「時代」とわかると、微笑ましい気分はすっとんで、切なさいっぱいでハンカチ片手にページをめくることに(って、本当は寝転がりながら読んでいたので、パジャマで涙を拭ったんですけどね……)。
映画ご担当の加藤アカネさんも「夏物語」をとりあげていらっしゃって、ストーリーを明かしてくださっていますから、詳しくはそちらを参照していただこうと思います。でも、ごく簡単にご紹介しますと、軍事独裁政権下にあった1969年の韓国は、「北」といつ一戦を交えても不思議はなかった時代。北朝鮮に亡命した父を持つ娘と大企業の息子の恋愛なんて、絶対ありえない「タブー」でした。2人の間に立ちはだかる壁は、お家柄が違うとか、そんな生易しいものじゃなく、下手をすると死を覚悟し、一族、友人をも巻き込んで全員「政治犯」として牢獄にぶちこまれかねないほど危険な恋、だったんですね。
今、私たちは気軽にエステや美食を楽しみにソウルを訪れるし、ビョンホンをはじめ、ヨン様、チェ・ジウ、クォン・サンウといった韓国スターも身近な存在になっているので、この物語の時代設定が「つい数十年前」であるとは、にわかに信じられません。
もちろん、1969年といえば、日本でも東大紛争真っ只中で学生運動が盛んだった時代だし、アメリカも同じ。でも、今も徴兵制度が厳然とある韓国では、「遠い昔」のようでそうでもない、デリケートな問題をはらむお話なのではないか、と思いました。
私も一足お先に映画を観させていただいたのですが、韓国では「常識」であろう時代背景をきちんと理解してから観たほうが、より映画の魅力を堪能できると思います。ですから、少し踏み込んで説明がなされている本書を、先に読んでおくといいかもしれませんよ!
『夏物語』(集英社文庫)定価500円
チョ・グンシク キム・ウニ 著
上乃二郎 訳
お勧め度 ★★★★☆
『夏物語』の詳細はこちら。ご購入もしていただけます。
http://www.s-book.com/plsql/com2_detail?isbn=4087605191
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2007-01-23 | 固定リンク
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コメント
こんばんは。
はじめまして。
>韓国では「常識」であろう時代背景をきちんと理解してから観たほうが、より映画の魅力を堪能できると思います。
私も、同じように思いました。
それで、韓国の1969年とは?と検索していて、こちらにたどり着きました。
私は、観てから読む派なので、今回も映画観賞後にノベライズを読みましたが、今回ばかりは、逆の方が良かったのかもと思いました。
韓国の歴史、頭では分かってるつもりでも、本当の意味で理解はしていないですね。
1969年が設定と知りながらも、ずっと昔のお話のつもりで観ていたら、アポロが月に着陸したので、驚いてしまいました^^;
投稿: milky | 2007/01/30 2:33:20
milkyさん、こんにちは。
トラックバック&コメント、どうもありがとう
ございます。
1969年の韓国って、近くて遠いですよね。
時代背景がわかると、さらにグッとくる物語だと思います。
ちなみに私はアポロが月に到着する数日前に生まれました~。
投稿: 中沢明子 | 2007/01/30 17:05:48