数年以内に始まる裁判員制度。興味深い裁判傍聴日記『裁判長! ここは懲役4年でどうすか』
もうすぐ始まる裁判員制度。始まる始まると、結構前から言われていた気がするけれど、2009年5月までには確実に始まります。あと2年ちょっと。あっちゅうまですよ!
で、この裁判員制度、全然他人事じゃありません。刑事事件(殺人とか強姦とか、気分がどんよりする事件ばかりです)の裁判に抽選で選ばれると、よほどのことがない限り、参加は義務。拒否したり、呼び出しの質問状に虚偽報告をしたりすると、罰金です。
会社員の場合、会社がどのような対応をするのかわかりませんが、私のように、仕事ごとにギャラをいただく場合、もし裁判が長引く事件の抽選に当たったら、死活問題。宝くじは絶対当たらないのに、こういう抽選だけは当たりそうです。
しかも、大学のゼミで裁判傍聴に行ったけれど、居眠りしそうになっちゃったしなあ。ならば、多少(いや、かなり?)不謹慎ながら、「見どころ」をつかんで、裁判を楽しめるよう、心積もりをしておこう。そんな思いにうってつけのテキストだったのが、ライター、北尾トロさんの裁判傍聴記『裁判長! ここは懲役4年でどうすか』という本でした。テレビでニュースになる大事件から、ズバリ言って、当事者以外は誰も知る由もないショボい事件まで、北尾さんは傍聴しまくります。その結果、被告の言動&風貌、裁判長、検事や弁護士のキャラ(傍聴マニアにもなると、おなじみさんになるんですね……)を総合勘案して、北尾さんは大体の判決を想像できるまでになる。で、情状酌量もこめて、「裁判長! ここは懲役4年でどうすか」と心の中で訴えて――。
社会科見学の女子高生がゾロゾロ傍聴席にいる裁判でガゼン張り切る裁判長(よりによって、この時はチカン裁判)、愛人から恐喝された、意外なほど地味~な男、交通事故で人を死なせてしまった被告がうなだれながらも、ドクロマーク入りのトレーナーで出廷(たぶん、他意なし)……などなど、思わずのけぞるエピソードがギッシリ。また、「霞ヶ関倶楽部」を名乗る傍聴マニアの濃いキャラの面々や、裁判所に集う不思議な人々の紹介も興味深く、北尾さんは、事件そのものに潜む人間ドラマはもちろん、裁判所という場所での人間ドラマも凝視していることがわかります。
時に、「北尾さん、それ、ちょいと不謹慎すぎでは?」と思う面もなきにしもあらずなんですが、私たちがふだん、テレビを通して事件を目撃する時の、容赦のない興味本位な視線に比べれば、天地の差。第一に興味本位、第二にツッコミ、第三に事件の当事者に思いを馳せ、最後にバランスのとれる判決とは何かを考える。素人の私たちは、それでいいんじゃないでしょうか。でも、プロの本音はどうなんだろう?
また、北尾さんが書いている通り、あらゆる事件は対岸の火事ではなく、明日は我が身。交通事故など、特にそうです。実はこの前、思いがけないところで交通事故に遭った私、ヒシヒシと「明日は我が身」と思っています。
この本は3年前に単行本になっていたのに、不勉強な私、知りませんでした。最近、文庫化されて(角田光代さんがステキな解説をつけていらっしゃいます)「発見」した次第です。抱腹絶倒の興味深い1冊なので、ぜひ読んでみてくださいね。
『裁判長! ここは懲役4年でどうすか』定価660円
北尾トロ 著
お勧め度 ★★★★★
『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』を発行している文藝春秋のサイトはこちら。
http://www.bunshun.co.jp/
●マガジン見どころ、読みどころ
LEE 2007年 2月号
ちょっとLEEの雰囲気が変わったように思います。今まで以上にグッと華やかになったかな?
東京VS.パリ 私たち夫婦のかたち。
では、ショコラ&アキトさんのミュージシャン夫妻をはじめ、たくさんのステキなカップルが登場して、「夫婦のかたち」を語ってくれていました。しっかし、みんな、おしゃれさんだわ!
「ありがちおしゃれ」を脱するレスキュー大作戦!
は3人のスタイリストさんが無難を打破する解決方法を伝授してくれています。
あなたの「いる保険」「いらない保険」教えます
も、ぜひ読んでほしい記事。私も別の雑誌で保険記事を手がけたばかりなのですが、保険商品って一生で払う金額はかる~く車代くらいになる「高額商品」なのに、ちょっとわかりにくいから、熟読しておいて損はなし。
特別付録 栗原はるみ先生 教えて! 「野菜上手」になる近道
も、当然!必見です。
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2007-01-09 | 固定リンク
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