きれいごと、一切なし。悩み深き30代女子、オアシズ・光浦さん&大久保さんの往復書簡『不細工な友情』
幼なじみ、コンビの相方、モテない30代女子同士、そして、大親友――。
お笑い芸人・オアシズのお二人、光浦靖子さんと大久保佳代子さんの歯に衣着せぬ往復書簡をまとめた『不細工な友情』という本を読みました。そこには、とっても複雑で特別で面倒くさそーな友情でつながった女友達の思いやりがいっぱい詰まっていて、意外にも(?)感動的な本でした。これは、今年出た本の中でも、ダークホース的な存在ですよ。ベスト3を上げてくれ、と言われたら、入れちゃうね。ライター中沢の今年のベストテンでは、めちゃ上位にランクインです。
キツイ言葉の応酬。妬み僻みも、えらく赤裸々。自虐的なつぶやき。根拠のない自信。客観的な意見。突き放し。鋭いツッコミ。冷徹な観察。あったかい視線。つかず離れず。
行間から垣間見える、わかりにくくて、ハードルが高い「友情」に、読んでいるこちらが思わずひるむこと、たびたびでした。軽めに人とつきあいたい人にとっては、こりゃ重たい友達関係だなあ、と感じると思います。疲れそうです。っていうか、四六時中、顔をつき合わせていたら、光浦さんと大久保さんはぐったり疲れて、絶対後悔するのに、とりかえしのつかないケンカをしてしまうような気がします。
でも、二人は、お互いが大好きで、相手が自分の前からいなくなったら、もしかすると、恋人を失うよりツライかも。それほど、かけがえのない友達同士であるように、読者である私というハタからは見えました。で、きっと、ハタから見えるだけじゃなくて、実際、きっとそうだろうと思う。それが、なんとも羨ましかったです。
二人と同じく三十路女で、二人と同じく面倒くさい性格で、二人と同じくブサイクで(オアシズが本当にブサイクとは思わないけどね)、二人と同じく、良くも悪くも真正面から人と対峙してしまう私としては、時に、笑うより泣けてきちゃったほど。『不細工な友情』という一冊に、ホント、胸を打たれてしまいました。
いや、もちろんね、読みながら、あっちこっちで「ぐわははは」と笑っちゃうんですよ。だって、二人ともベテランの芸人さんだもん、なんでも「ネタ」にして、笑い飛ばしてみせるからさ。でも、結構、ベースは深刻だろうと想像できて、同世代ならではの共感で、「じーん」とすることが多かったです。
「一人でくじけそうな現場だけ、横に一緒にいてください。そして、一緒に怒られてください」
「最終的には生きてるだけで褒められるような、パンダのような存在になりたいのです。“笹食べたぁ。歩いたぁ。お昼寝したぁ”と」(光浦さん)
「私も光浦さんの名言“女芸人は、股を開けば開くほど、笑いがとれなくなる”を守り、三年以上男と付き合っていませんが、そろそろ限界です」
「自分は何かと“取り繕う”けれど、それを光浦さんは“取り繕う”ことなく指摘する」(大久保さん)
ものすごくぶっちゃけて言葉を交わしているように見えるけれど、神経を張り巡らせ、デリケートに、薄氷の上を歩くように、相手を本当に失ったりしないように、気遣って、気遣って、気遣って、つきあっている二人。それもこれも、二人はかけがえのないとしかいいようがない、代わりは絶対に現れない友達同士だから。
そのことを誰よりも、お互いに知っていることが、よくわかる。
いろんな過去があり、今現在もいろんな思いを抱えつつ、気持ちはぐちゃぐちゃになりながらも、これからも二人は友達でい続けるはず。たぶん、一生。
うーん、やっぱり、羨ましいな。
『不細工な友情』(幻冬舎)定価1365円
光浦靖子 大久保佳代子 著
お勧め度 ★★★★★
『不細工な友情』を発行している幻冬舎のサイトはこちら。
http://www.gentosha.co.jp/
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2006-11-14 | 固定リンク
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