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[本&雑誌&マンガ]-ライター中沢明子がナビゲート!- BOOK&MAGAZINE クルージング

[本&雑誌&マンガ]-ライター中沢明子がナビゲート!- BOOK&MAGAZINE クルージング

中沢明子
ライター。1969年東京都生まれ。インタビューやルポルタージュを手がけたり、書評を書いたり、近所の猫にちょっかい出したり。毎日、必ずどこかの本屋に出没し、いつも重い荷物を持っている。雑誌好きとしても局地的に有名で、週刊誌AERAにて「マガジン百名山」連載中。

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マラソンって運動音痴のためのスポーツなの!? 漫画家・田渕由美子さんの体験&イラスト満載の『まらそんノススメ』

Book1031_1 マラソン……。名前を聞いただけで、気が遠くなりそう。
すごい運動音痴ではなかったけれど、「体育」が大嫌いで、学校のマラソン大会では、最初から(!)後ろのほうで、友達とくっちゃべりながらチンタラ走っていた不良学生(?)の私。そんな私からすると、スポーツの中でも特にストイックなイメージのマラソンは、「42.195キロ走る? なんで?」と思ってしまう「永遠の謎」でした。

しかし!

『まらそんノススメ』という本に出合い、マラソンに対する見方がちょっぴり変わりました。いや、ちょっぴり、じゃないな。ガラリと、かも? マラソン、なんか面白そう! といってもですね、怠け者の私だからすぐにやるとは思えないけれど、少なくとも、「42.195キロ走る? なんで?」とは、もう思いません。

『まらそんノススメ』は、漫画家・田渕由美子さんが、自らの体験をもとに、イラストやコラムで楽しく「マラソンの楽しさ」を伝えてくれる本なのですが、田渕さんは、何しろ、すごーい運動音痴だったそう。でも、10年前、夫に「ケツが垂れてる」と言われて以来(ダンナさん、指摘が直球ですね……)、ウォーキングをするようになり、3ヶ月でヒップアップを自覚。「自分の体に著しい変化(それもいい方の)」という、初めての得がたい体験をした田渕さんは、ウォーキングからジョギングにスライドし、とあるきっかけで、マラソンに挑戦する気になります。

5キロ、10キロ、ハーフマラソン、そして42.195キロのフルマラソン。少しずつ、距離を伸ばしていって、フルマラソンにたどり着くまで、なんとなんと、たったの1年! ウォーキングはしていた田渕さんだけど、走るとなれば、ちょっと走っただけで、ぜえぜえはあはあ、だったのに。それが1年で42.195キロ走れるようになるとは、驚きです。でも、血のにじむような努力をした、というわけでもないんですね。だって、誰も「走ってくれ」なんて頼んでないし、走る必要もないんだし。ただただ、走ることが楽しくなったから、もっともっと走れるようになるために、食事に気をつけたり、エクササイズを寝る前に欠かさずするようにしたりして、「趣味」になったというだけです。
走ることが楽しくなった?
走らない人間にとって、ここが一番謎ですが、この本を読んで、「走ることの楽しさ」が想像できるようになりました。爽快さ、達成感、充足感、季節を感じる楽しさ……「もう走るの、やめちゃおうか」と思うほど、苦しい一瞬はあるものの、得られることがたくさんあるから楽しくって、走る。そのことがよくわかりました。

田渕さんにとってラッキーだったのは、「マラソン友達」とも言うべき、担当編集の「やまぴー」さんの存在。やまぴーさんも、田渕さんに負けず劣らずの「運動音痴」だったそうですが、仲間がいるって励みになるもの。2人で、大会にエントリーしたりして、とっても楽しそうでした。
田渕さんは46歳、やまぴーさんは33歳で始めたマラソン。趣味として始めるなら、何歳からでもOK。それから、Tシャツとジャージとスニーカーがあれば始められて、その後も、ほとんど費用がかからないのも魅力的です。

レース用のシューズはプロ用だから、素人は底の厚い「トレーニング用」にしたほうが良いとか、レースに出る際の必需品や注意事項など、マラソンをこれから始める人にとってすぐに役に立つ情報も、バッチリ網羅されています。読み終わった頃には、「目指せ! 長谷川理恵!」と、すっかり「その気」に気分になるかもよ?

『まらそんノススメ』(集英社)定価1155円
田渕由美子 著

お勧め度 ★★★★★

『まらそんノススメ』の詳細はこちらへ。ご購入もしていただけます。
http://www.s-book.com/plsql/com2_detail?isbn=4087804496

Book1031_2 ●マガジン見どころ、読みどころ

ノンノ・モアウエディング
2007年春夏号


ウエディング雑誌が好きなので、毎号欠かさず読んでいる『ノンノ・モアウエディング』。ウエディングって、結構、トレンドがハッキリあるから面白いです。一時期、「地味婚」が流行りましたが、最近は、「派手」とはちょっと違う、「上品&ラグジュアリー」な結婚式&披露宴が「旬」な気がします。で、その波は当然、結婚前の一大イベント「婚約指輪購入」にもきておりまして、

花嫁の宝石箱
という大特集には、品の良い、ステキなリングがたくさん紹介されていて、うっとり。ティファニーの「リボンリング」もかわいいし、ショパールのダイヤがクルクル回る「ハッピーシリーズ」のリングも、婚約指輪用はすごく豪華でステキ! ジュエリー好きとはいえ、そうそう買えるもんじゃないので(当たり前)、ウエディング本のジュエリー特集は目の保養になります。2007年春夏号は、特にジュエリー情報充実ですから、「結婚式の予定はないけれど、ジュエリーは大好き!」という人にもお勧めです。

今どきの花嫁支度
も、「純白のドレスに負けない真っ白な歯」にするためのレーザーホワイトニングから、パッチリまつ毛対策まで、一生で一番美しくありたい日の前にするべきことを伝授してくれています。もちろん、

ブライダルマネー&スケジュールサクセスガイド
では、綿密なシミュレーションができるので、滞りのないブライダルが、きっと実現できますよ!

 
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2006-10-31 | 固定リンク | コメント (0)

イケメンが太っちょさんに。コンプレックスは愛の扉を開けないのか? 『デブになってしまった男の話』

Book1024 鈴木剛介さんの最新小説『デブになってしまった男の話』は、初めて深刻な「コンプレックス」を抱えてしまった男性が、愛とは何か、自分自身とは何か、優しさとは何か、という極めてシンプルかつ重大な難題を見つめていく物語です。

……と、ざっと紹介してみましたが、この紹介は無難だし、たぶん、大きく間違っちゃあいないと思うけれど、少し薄っぺらく、本書の読みどころ、重要な点をボカしてしまうようにも思うので、私はあえて、こう紹介したいんです。
外見の良し悪しは、人間の精神にどれほどの影響を及ぼすか、という物語だと。

本書の主人公・大介はさわやかな外見のイケメン大学生で、ゲーム感覚で次から次へと女性を落とすハンターのような男の子。女の子の心をつかむためなら、どんな性格の男にもなるし、どんなクサいセリフでも平気で吐ける、軽いナンパ男です。ただし、ステディな彼女は1人だけ。他の女の子たちは、惚れさせても肉体関係は絶対に持たないという、彼なりのルールはありました。しかし、そんな彼を本気にさせる1つ年下の女子学生、直美が現れて……。

ここで彼女が「好きよ」となびいたら、単なるベタな恋愛小説になるところ。直美が「好きよ」と言わなかったとしても、2人の間に事件だとかなんだとかがいろいろあって、最後にハッピーエンドで終われば、それもまたベタベタな展開です。しかし、この小説は違うの。「ええええ?」という展開になるんです。
確かに大介は初めての失恋を経験してショックを受けますが、社会人になり、今度はもっとタチの悪い(?)ナンパ男に変貌します。ザ・モテモテ。もう、ステディな恋人なんて作らず、手当たり次第に手をつけて、モテ男道を突っ走る。ところがですね、あろうことか、ある理由で、突然大介は30キロも太り、立派な「デブ」となってしまうんです。その後は、ダイエットを試みる→すぐリバウンド→がんがん食べる、を繰り返して、恋愛どころじゃなくなります。

ここで疑問がわいてきます。
デブは恋愛をしちゃいけないの? 
デブに恋する資格はないの?
そんなことはありえない。あっちゃいけない。だって、人間は中身が大事なんだから! 
……はい、それはグウの音も出ないほどの正論であります。でもね、イケメンだった自分が忘れられない大介は、「デブ」体型が気になって気になって気になって、ナンパするどころか、堂々と電車にも乗れなくなり、女性とまともに目を合わせられないほど打ちのめされて、絶望的な気持ちでこう考えるようになるんです。
自分にはもう、人並みの幸せは訪れないんじゃないか――?
つまり、外見の変化は大介の性格をも根本的に変化させた。であるからして、今まで考えてきた恋愛や自分自身のあり様だって、ガラリと変わるというわけ。

自分のアイデンティティがどれほど外見に支えられてきたのか、どれほど無自覚に「強者」の物の見方をしてきたかを思い知った大介の心の葛藤が、すごくリアルに浮かび上がってきて、胸に突き刺さります。ベースはユーモラスですが、テーマは意外に重く、ズシッとくる作品です。とはいえ、恋愛や自分自身の本質を見つめるなかで、優しさの本質が見えてくるという、救いのあるストーリー展開なので、正直ホッとしました。

著者の鈴木さんにとって、『THE ANSWER』『自殺同盟軍』に続く3作目の小説になる本作。前2作もぜひ読んでいただきたいけれど、『デブになってしまった男』はより広い読者に支持されそうな予感がする、エンターテインメント性あふれる作品です。この作品が、気鋭の作家である鈴木さんの次なるステージへのジャンプ台になるといいな、と思います。

『デブになってしまった男の話』(求龍堂)定価1260円
鈴木剛介 著

お勧め度 ★★★★☆

『デブになってしまった男の話』を発行している求龍堂のサイトはこちら。
http://www.kyuryudo.co.jp/

 
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2006-10-24 | 固定リンク | コメント (1)

アメリカの現役フライトアテンダントによる、オール実話の仰天エピソードが満載『機上の奇人たち』

Book1017_1 たまーに飛行機に乗る予定があると、たいてい前日に「機上で読む本」を決めて機内持ち込み用バッグに入れる私なのですが、先日は、バタバタしていて、うっかりその作業を忘れてしまいました。それで、成田空港の本屋さんで何冊か本を買ったのですが、成田でこその「見っけもん」がありました。それが『機上の奇人たち』という抱腹絶倒のエッセイ本です。
気軽に読もうと気軽に買った本で、実際、気軽に読めたんだけど、ブラックな笑いに満ちた、ちょっとヒネりの効いた面白さが個性的な一冊だったので、ご紹介しますね。

作者はこの本を書いた時点で、フライトアテンダント歴16年だった、エリオット・ヘスター。彼が見聞きしてきた、“高度3万フィートの密室”である飛行機の中で起きた、信じがたいエピソードの数々は、本当にもう、信じがたいものばかりなんです。
たとえば、ラザニアを3人分食べた乗客が嘔吐したのを目撃してしまった、ゆうに20人以上(!)の他の乗客が次々と嘔吐したという(ううう、気持ち悪い…)“嘔吐の連鎖反応”事件をはじめ、蛇や蛸を連れて乗り込んできた客、カートの上で脱糞した酔っ払い、けんかっぱやいフライトアテンダント、乗降地のホテルで乱痴気騒ぎする乗務員たち……。いやはや、事実は小説より奇なり。

これ以上は、読む楽しみを奪ってしまうので紹介するのは自制しますが、こんなトンデモ状況をエリオットはいたってクールに見つめ、エッセイに仕立てています。彼の場合、本当に「空の旅」が好きなようで、休日も乗客として飛行機に乗っているそうだから、エピソードの数も膨大で、エッセイのネタには事欠かない様子。彼は今でも現役で、次の作品用のトンデモ事件を着々と見聞きしているらしいです。

ネタとなる素材そのものが面白おかしいことは言うまでもないけれど、やっぱりエリオットの、ちょい自虐的な表現が入った皮肉交じりの文章こそ、読みどころでしょう。こうしたテイストのエッセイは、なかなか日本人には書けないかもなあ、と思いました。
基本的にずっとふざけているエリオットですが、時折、チラリと本音が見えるのも見逃せません。たとえば、ファーストクラスや座席番号を廃止して全部自由席にして“3万フィート上空の共産主義”にしたほうが、商売としてはともかく、問題は少なくてすむだろうなんて意見をサラリと書いていましたよ。
ところで、唐突ですが、私はエリオットの文章を読みながら、俳優のヒュー・グラントを思い出しました。彼は、グッドルッキンなのに、いつもふざけていて、自虐的な受け答えをする“皮肉屋さん”として有名ですが、やっぱり時折、ハッとする「本音」を交えるんですよね。あんな感じのテイスト、と言えば、分かっていただける方もいるかな? 

航空会社の裏話もふんだんなので、フライト予定のある方は、ぜひこの本をゲットしてから搭乗してください。楽しく読み終わった後は、機内をキョロキョロと観察するのも楽しくなると思います。

『機上の奇人たち―フライトアテンダント爆笑告白記』(文春文庫)定価700円
エリオット・へスター 著
小林浩子 訳

お勧め度 ★★★★★

『機上の奇人たち―フライトアテンダント爆笑告白記』を発行している文藝春秋のサイトはこちら。
http://www.bunshun.co.jp/

 
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2006-10-17 | 固定リンク | コメント (2)

『板尾日記』『ほっしゃん。のほっ』『キム兄の感じ』。三人の芸人さんの単行本。

Book1010 板尾創路さん、ほっしゃん。さん、木村祐一さんという、吉本芸人のお三方が同時期に単行本を出しました。で、このお三方は、私が松本人志さん以外に、特に大好きな吉本芸人さんたちであるうえ、本もそれぞれ面白かったので、今回は一気にご紹介させてくださいませ。

一番シュールなのは、板尾さんの『板尾日記』でありましょう。4曲の「伝説の板尾ソング」の歌詞(もちろん、これもシュール)と写真が入っているとはいえ、2005年1月1日から12月31日までの、365日分の日記を公開した、本当に「ほぼ日記だけ」の本なんです。前書き、後書き一切なし。日々こなした仕事と、ふと感じたこと、特に何もなかった日のこと。突然始まり、淡々と徒然に綴られていき、突然終わる。本当にそれだけ。でも、コントでもトークでも舞台や映画でも、板尾さんは余計なものを最大限削いだ芸風を大切にしているように見えるから、この形式こそ、いかにも「らしい」のかも?
仕事と仕事相手に感謝する気持ち、「これはおかしいんじゃないか?」という批判精神、自分の芸についての分析、友達やお気に入りの洋服に対する愛着、そして、妻との心和むひと時。クールに綴られているのですが、じんわりと板尾さんのぬくもりが伝わってくるようです。
でね、ホント、板尾さんって、妻が大好きなのね。「嫁の誕生日にこっそり買ったバースデーケーキ」が、嫁自身が買ったバースデーケーキと思い切りカブってしまった日を、「二人で笑った。誕生日のいい思い出になった」と手短に書いていましたが、そのほわっとあたたかな空気感がいいな。ステキな夫婦でうらやましい!と思いました。
ただ、それにしても……。「今日一日のことは、この日記には書けない」と書いている12月3日が、ものすごーく気になります。何があったのよ、板尾さん!?

「鼻からうどん」でおなじみの(?)ほっしゃん。さん(「。」がついている芸名だと、さん、をつけるとなんか変だな~)の『ほっしゃん。のほっ』は彼の初単行本。エッセイやギャグが満載で、気合い、入っています。ほっしゃん。さんの、あのなんともいえないやわらかーい雰囲気そのまま、クスクスクスッと笑える内容で、ますます「ほっしゃん。ファン」になっちゃいました。特に、”ゴールデンウィークなんか羨ましくない、だって俺は「ゴールデン生涯」を送るんちゃうかと思っていたくらい、ずっとヒマだったからだ”と、玄人筋に才能を認められながらも、なかなかブレイクしなかった長~い下積み時代を笑い飛ばしていた一文は、じ~んときましたよ。ちなみに、『板尾日記』には、ほっしゃん。さんにやっと光が当たったことを、板尾さんがすごく喜んでいる一文がありました。先輩や仲間に、ホント、愛されているんだなあ、ほっしゃん。さん。

最後は、キム兄こと、木村祐一さんのエッセイ『キム兄の感じ』です。この本だけは、書き下ろしではなく、雑誌連載をまとめたもの。辺見えみりさんと電撃結婚した時に、「え、なんで?」と訝しがった男子もいましたが、いやいや、女子ならわかるよね? えみりちゃん、グッドチョイスだよね。だって、一本筋が通った、超いい男だもん、キム兄って。このエッセイにも、白黒ハッキリさせるキム兄スピリッツとボケがいい具合に混ざっていて、笑ったり、なるほどねぇ、と思ったり。もちろん、料理上手な木村さんですから、食べ物話も満載。そして、いろんな人への敬意がさりげなく散りばめられていて、すごく謙虚な人柄だってことがよくわかります。木村さんはいつも「芸を勉強させていただいている」と自分の仕事を表現するんだけど、その姿勢がヒシヒシと伝わってきて、ついつい「勉強させていただく」という気持ちを忘れがちな私は、気をひきしめたのでありました。

『板尾日記』(リトルモア)定価1575円
板尾創路 著

『板尾日記』を発行しているリトルモアのサイトはこちら。
http://www.littlemore.co.jp/


『ほっしゃん。のほっ』(幻冬舎)定価1260円
ほっしゃん。 著

『ほっしゃん。のほっ』を発行している幻冬舎のサイトはこちら。
http://www.gentosha.co.jp/

『キム兄の感じ』(マガジンハウス)定価1260円
木村祐一 著

『キム兄の感じ』を発行しているマガジンハウスのサイトはこちら。
http://www.magazine.co.jp/index.jsp


三冊まとめて
お勧め度 ★★★★☆

 
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2006-10-10 | 固定リンク | コメント (0)

『鑑賞のための西洋美術史入門』を読めば、美術館で絵を見るのが、もっと楽しくなる!

Book1003_1もう10月。すっかり秋ですねぇ。秋といえば、食欲の秋…でありますが、芸術の秋、でもあります。そこで、今回は(私のような)美術初心者にぴったりの良書をご紹介します。

ふだん、私はひんぱんに展覧会や美術館に行くほうではありません。よほど観たい絵が展示されていたり、興味のあるテーマだったりする時に、たま~に足を運ぶぐらい。しかし、なぜか、海外旅行に行くと、名所旧跡や美術館に張り切って行っちゃうんですねぇ。で、それなりに「ほお」と感銘を受け、「これは○○様式の傑作です」なんていう説明書きを読んで、さらに「ほお、さすがに、うーむ」などと感心しています。
でも……実際のところ、○○様式って何なのか、全然わかってないの。「すごく古いんだ~」とか「きれいだわ~」とか「有名な絵だよね。これ、知ってるよ~」とか、本当はそんな程度の感想しか持てていなくて、ちょっと残念に思っていました。

だけど、『鑑賞のための西洋美術史入門』という、初心者にわかりやすい入門本を見つけた今、すごーく喜んでいます。これこそ、私が求めていた本であります! 紀元前のギリシア美術から現代アートまで、コンパクトに、といっても、手を抜くことなく、勘どころはビシッとおさえて紹介されている本書を、一度サラッと読んでおけば、たまに訪れる美術館でも、ずいぶん楽しめるようになると思いました!

美術用語や画家の特徴が、実際の美術品を例にとって、イラストをまじえ、素人にわかりやすい言葉で説明されているのが、いいんですよ。
たとえば、「自然主義的」と「表現主義的」の違いを、「自然=しわや表情が写実的」「表現=長い顔、大きな目がマンガチック」といった説明がついた彫像写真を並べて、簡潔に説明。並んだ写真を見比べると、おお、確かに! 全然違うよ。なるほどね~。
といった感じに、なんとか様式やなんとか派、名画の見どころなどについて、おおまかに理解できる作りになっています。
イラストは「めぐろみよ」さんでね、これがまたいいの。ちょっととぼけたコメントが、ちょこちょこっと加えられていて、思わずクスッと笑っちゃう。

それほど深く美術について勉強するつもりはないけれど、たまには美術館で楽しみたい。リラックスして楽しめる本書は、そんなスタンスの人に最適な手引き書です。もちろん、この本をきっかけに、次なるステップに進みたい人にも、きちんとした入門書だから、向いていると思います。

ここで余談。スペインのプラド美術館で、怖くて凍りついてしまった、ゴヤの「黒い絵シリーズ」の一枚"わが子を食らう男"を描いた絵が本書に載っていました。実物じゃなくても、やっぱり怖い、怖すぎるよ~。今夜、夢に出てきそうです……。

『鑑賞のための西洋美術史入門』(視覚デザイン研究所)定価1995円
早坂優子 著

お勧め度 ★★★★☆

『鑑賞のための西洋美術史入門』を発行している視覚デザイン研究所のサイトはこちら。
http://www.shikaku-d.com/


Book1003_2 ●マガジン見どころ、読みどころ

モア
2006年11月号


今月号の『モア』は、充実の結婚&妊娠&出産特集が特に読み応えあり!

今どき「結婚式」「妊娠&出産」のリアルスタイル
で、「よっしー」こと、モデルの岩崎良美さんの結婚式ルポ、結婚&おめでたニュースでみんなをあっと言わせた石川亜沙美さんのインタビューもまじえ、2006年の結婚ってどんなもの?という、興味津々なテーマを探っています。自分たちらしい、幸せな結婚の形を考えるために、ぜひ読んでみてくださいね。

Book in Book 海外スペシャル ナオのニューヨーク日記with「コーチ」
は、モデルのナオちゃんが「コーチ」の新作バッグと一緒に、最旬ニューヨークを歩いた別冊付録。私が注目したのは「ケイティ ストライプ トラベル トート」という、マルチストライプのでかバッグ。いいなあ。欲しいなあ。光沢があって、すっごくかわいいっ。おすすめショップも紹介されているので、ニューヨークへ行く予定のある人は保存版です。私も、ちょいと来月、行く用事があるので、「オープニング セレモニー」というセレクトショップに絶対行くもんね!と決意しました。それから、今月号にはもれなく、

MORE×COACH コラボノート
がついています。付録とは思えないほどベリーキュートなノートなので、楽しく使えそうですよん♪

 
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2006-10-03 | 固定リンク | コメント (2)

 
 
 
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