インテリアスタイリスト、小澤典代さんがフランスと韓国のアルチザンに会いに行く。
小澤典代さんは20年もインテリアのスタイリングを手がけてきた、いわば業界の大御所。インテリアスタイリストの先駆けである故岩立通子さんに師事した後、日本のインテリア界をひっぱってきた存在です。
そんな小澤さんが、「私を虜にした“カワイイ”ものたちの正体を探りに」フランスへ行き、さまざまな雑貨を丁寧に作り続ける各地のアルチザン(職人)を訪ねた、『フランス雑貨の旅』という本を出版しました。これがね、とってもステキな本なんですよ。
たとえば、20年前、なけなしの貯金をはたき、20時間以上をかけて(遠かったんですね…)憧れのフランスに初めて行った時に「テディベア」を買ったショップを再訪する一章は、ショップの方が小澤さんを覚えていたハプニング、師匠・岩立さんがフランス土産にくれたセルロイドのブローチを思い出す場面など、胸が熱くなる感動的なエッセイがズラリ。
また、「ボワシエ」というチョコレートショップでチョコを頬張り、お話に聞き入る小澤さん自身が「カワイイ」人だな~、と思わず微笑ましく思っちゃう部分も。あるいは、実はもう、ほとんどフランスで作られていないという「柳のカゴ」を未だ作っているアルチザンに会いに行ったり。
青春時代から、インテリアスタイリストとして大御所となった今でも、小澤さんの「憧れ」であり続けてきたフランス雑貨たちの故郷を訪ねる旅物語は、誠実であったかくて、何より、生き生きしていて、読んでいるこちらも、なんだかうれしくなってきます。
そして、この本の良いところは、ステキなフランス雑貨が、今やフランス人にとってノスタルジックな存在と化している現実も、さりげなくレポートされているところ。物によっては、カワイイ物好きの日本人の需要によって、見直されたり、生き残ったりしているものあるようで、ちょっと複雑な気分もなくはないけど、それもまた、“カワイイ”ものたちの“今の正体”であるのでしょう。
ところで、小澤さんが「取材・文・スタイリング」としてクレジットされている『韓国雑貨ノート』という本も、同日に発売されていました。こちらは、雑誌の取材で訪れるようになったという韓国の「今」の魅力を、得意の「雑貨」に焦点をしぼって探る一冊。こちらの本でも、伝統的な雑貨を今の時代に合ったスタイルで作っている若手アーティストや職人たちを訪ねていて、「もの」に惹かれるだけでなく、「ものづくり」をする「人そのもの」に強く惹かれる小澤さんの「人となり」が感じられる内容です。とってもちっちゃなキュートな本なので、次回の韓国旅行の折には、ぜひスーツケースに入れて、カワイイ雑貨探しに活用してくださいね。
『フランス雑貨の旅』(アノニマ・スタジオ)定価1680円
小澤 典代 著
『韓国雑貨ノート――fu‐chi plus』(アノニマ・スタジオ)定価1050円
お勧め度 ★★★★★
『フランス雑貨の旅』『韓国雑貨ノート』を発行しているアノニマ・スタジオのサイトはこちらです。
http://www.anonima-studio.com/
●マガジン見どころ、読みどころ
SPURLUXE 創刊号
ついに創刊された『SPURLUXE』。もともとラグジュアリーな内容だった『SPUR』のさらに上をいく、「モード、旅、知性」の「最上級」を網羅するという前評判だったので、創刊を楽しみにしていました。でね、期待どおり、面白いです。たとえばね、
ハイエンド物件オンリー。リュクスな不動産コンシェルジュ。
に紹介されている、実際に(資金と住む気さえあれば)購入可能の、ハイエンドにもほどがある(?)物件たちは、一見の価値あり! 外国のお城が二つ、売り出されています。しかも、そのうち一軒は、ヴェルサイユ宮殿を手がけた(!!!!)建築家マンサールの手による由緒あるお城で、あの「ダ・ヴィンチ・コード」にも登場したもの。現在の所有者がなぜ売りに出しているのかはわかりませんが、いやー、本当に『SPURLUXE』の読者が買ったらさー、いつか特集を組んで欲しい~。「私がお城を買うまで」みたいなノンフィクションで。もちろん、そのほかの物件も、お値段は途方もないですが、目の保養になりました。それから、
ジェイド・ジャガーという生き方
という記事も興味深かったです。彼女は言わずと知れた、ミック・ジャガーのお嬢さんですが、「ガラード」というイギリス王室御用達のジュエラーでデザイナーを務めるなどの実力派。すごくセンスの良い女性で、そのセンスの良さは、発言にも表れています。かっこいいっす。その他、お金なんてないくせに私、わりとジュエリー好きなので、
手もとに視線釘づけ! サプライズ・リング煌く
に載っていたジュエリーには、マジで視線が釘づけに。トップに登場しているカルティエのボリュームたっぷりの一点ものの時計リングは、えーっと、ひいふうみい・・・・何? 4095万円!? リュクスな不動産は買えないかもだけど、それなりに立派なおうちが買える価格でございます。もうね、端数の95万円が「小銭」に見えてきましたよ。最後のページの、ハリー・ウィンストンの7250万円のブラウン・ダイヤモンドリングも、うっとり、はーっと、ため息もの。こうなると、デビアスの63万円のリングが超リーズナブルに見えてきて「これなら、買えそうだわ、うふ♪」などと妄想する始末。でも、いやいや、このリング、現実的に考えてみても63万円なら、結構、お買い得かも? と思える、すごーく豪華なリングです。冬のボーナスがたーっぷり出る予定の人は、おひとつ、いかがですか?
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2006-09-05 | 固定リンク
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