得がたいキャラクター、TBS・安住紳一郎アナの面白エッセイ『局アナ』
数ヶ月前に買い、いわゆる「積読」状態だった『局アナ』。ふと思い出して読んでみたら、これが期待以上の面白さ。ごめんよ、安住アナ、積読にしていて…。あんまり面白かったんで、このコラムで推薦するから、許してね。ま、会ったこともないので、許すも許さないもないんですが。
もともとは某テレビ誌で連載されていたエッセイです。その時々の安住アナの心境が、たいていは面白おかしく、しかし時に熱く、時に冷静に綴られていて、「安住紳一郎」という人物の複雑な性格が非常によくわかる内容となっております。
担当編集者の一言メモから察するに、毎回、相当、ギリギリのスケジュールだったらしい。売れっ子だもの、そりゃ当然と思うが、ギリギリになったのは、安住アナが一言一句、「てにをは」に至るまで、悩みに悩んで選んでいたことも「ギリギリ」になる一因だったようだ。あんまりギリギリなので、担当編集者は「“を”でも“は”でも、どっちでもかまわんわーい!」という気分なのに、「僕はアナウンサーだから、言葉を適当に扱うことはできない」とキッパリ言ったという安住アナ。か、かっこいい……。
ま、そんなかっこいいこと言って書いているのは、面白おかしい話ばかりなんですけどね。
たとえば、アメリカに「Ⅰビザ」(観光ビザでは、テレビでリポートすることはできないんですって)をとって入国するために、「シュールな質問表」に答えたエピソードには笑ったなあ。「虐殺に関与したことはあるか」「ナチス政府の指示に従ったことは?」といった「ミリタリーな質問表」に震える手で「NO」と書いたあと、「あなたはアメリカ国家を尊敬しているか?」という質問に「嫌いじゃないけど、尊敬は……」と悩む。そんな冷や汗たらーりな書類をマジメに作成して、いざアメリカ大使館へ面接に出向くと・・・・後は本で確かめてください。笑いますから、マジで。
故ナンシー関さんが大好きで、亡くなった時は「追悼記事のファイル」を作った(!)ほどという安住アナ。テレビの中の人でいながら、なんとなくテレビと「距離」を持っているように見えるのは、そんな志向からきているのかな?
ある男性俳優にインタビューした際の大失敗(実名は本書に出ています)は、相当落ち込んだらしく、書くのも辛そう。だけど、サービス精神でなんとか書ききった安住アナも、彼を励ましてくれた周囲の人々も、ちょっといい感じです。
男性アナウンサーに限って言えば、日テレから福澤朗さんが独立した今となっては、フリー転向が注目される「次」の候補の最右翼だし、独立志向があることを特に隠さない彼です。のわりに、まだTBSを辞めないのは、クールに見えて、愛社精神が旺盛だからとお見受けしました。
とはいえ、他局である「ニュースステーション」最終回をビデオにおさめ、司会者だった久米宏さんに対する熱い言葉を書き綴るあたり、遅かれ早かれ、いつか独立するんだろうなあ、と思わせる。その独特のキャラクターを生かして、ぜひともさらなる飛躍を成し遂げてもらいたいものです。
『局アナ』
安住紳一郎 著(小学館)定価1000円
お勧め度 ★★★★☆
『局アナ』を発行している小学館のサイトはこちらです。
http://www.shogakukan.co.jp/
●マガジン見どころ、読みどころ
LEE 8月号
生誕250年を迎え、世界中で「モーツァルト」ブームですが、「悪妻」として名高い、モーツァルトの妻コンスタンツェの写真が見つかったという衝撃的なニュースがあった。生誕250年の人の妻の写真ですよ? モーツァルトといえば
、「マリー・アントワネット」に会ったことがある人ですよ? びっくりです。でも、コンスタンツェは彼が亡くなった時、29歳だったそうですね。で、写真は78歳、1840年のものです。なるほど。って、それでも166年も前の写真ですから、驚きますけどね……。それはさておき、LEEの8月号です。
すごいぞ!モーツァルト
では、モーツァルトの音楽には、病気の予防やダイエットなど、さまざまな「効果」あることが最近の研究でわかった、という記事。これも驚きです。音楽を聴いて痩せる!? 詳しくは、本誌をご覧ください。
ほめられヘアアレンジ、思いのまま
は、ヘアアレンジ旋風が巻き起こっている現在、品の良いアレンジがいろいろ載っています。大学時代は「ヘアアレンジ大将」だった私。グルングルンのカールだったロングヘアをアレンジしまくっていたんですが、ある日、まっすぐきっぱりロングストレートに戻して登校したら、大教室が「おおっ」と、どよめいたことを思い出しました。そんな私なのに、現在、ショートに近いスタイルで、すごーくアレンジ下手になりました。LEEを熟読して、がんばります。
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2006-07-11 | 固定リンク
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