『ジャズ喫茶マサコ』で気軽にジャズを味わおう。(世田谷区)

高校生だった頃、私にとって下北沢といえば、“おしゃれして古着を買いに行く場所”だったけれど、今では“ゆっくりくつろげるスポット”。親友とよく、「私たちも成長したのかもね」なんて語り合う今日このごろです。その友人と下北沢で会うときに、必ずといっていいほど、待ち合わせや食事のあとに選ぶのが『ジャズ喫茶マサコ』です。
ジャズ喫茶というと、ジャズを知らない人は入りにくいとか、何となく敷居が高いとか、私語は慎むべきとか……そんな固いイメージを持たれがちですが、『ジャズ喫茶マサコ』は、どうも違うのです。店主は福島新吉さんという、陽気ですてきなおじいさん。開店と同時に建てたという古い家屋はなんと築55年。有名なジャズ演奏者のポスターやライブのチラシが所狭しと貼られた、木の味わいがにじみ出た空間には、当時から使っているという脚の細いテーブルや手作りの縁台があちこちに。それは2人用の席なのに、片方の席は横向きになっていたり、後ろにいる他人と席が近かったりと、極めて不揃いなレイアウト。でも、それがジャズという音楽で結びついているからこそ妙に快適で、世代を問わず大勢のお客が集まり、お茶を飲みながら楽しく語り合える。
店の奥にあるオーディオルームには、2000枚以上のLPレコードがあり、あらゆる音域を美しく表現するJBL4343という巨大なスピーカーを通して、新旧・国内外問わず、数多くのアーティストの曲を聴くことができます。その音色の聞こえ方が特徴的で、耳を通してだけではなく、全身の細胞からぐんぐん吸収。よりセンチメンタルだったり、ファンキーだったり、メロディアスだったり、いつも以上に五感を揺さぶられるみたい――こういうのを、体で感じるっていうのかもしれません。
取材を通して分かった事実をもうひとつ。お店の入り口にある伝説のジャズピアニスト、マル・ウォールドロンと肩を並べた肖像画の女性が“マサコ”さん。本名は奥田政子さんという、ダンサーであり、この上なくジャズを愛していた、今はなき福島さんの恋人なのだそうです。店名になっていたり、マッチやカップも“マサコ”のネーム入りだったり。2人が紡ぐ、永遠の愛がじんわりと伝わってきます。
私の定番メニューは、ぽってりとしたデザインのカップにたっぷり注がれた「カフェ・オ・レ」(¥500)。それと、香ばしくトーストし、マスタードをきかせたパンにしゃきしゃきのレタスとハム、自家製の卵のフィリングをはさんだ「ミックストーストサンド」(¥600)。それ以外の「あんトースト」(¥400)や「ピザトースト」(¥450)なども、創業時からメニューはもちろん、レシピすら変えていないそれは、何度だって注文してしまう、飽きのこないおいしさ。
おいしいお茶と食事を楽しみ、気づけばすっかりジャズの魅力の虜になっている――ここは日々の暮らしの延長にあるジャズ喫茶です。
住所 東京都世田谷区北沢2の20の2
電話 03(3410)7994
営業時間 11時30分~23時
休み 12/31~1/3
http://www.jazz-masako.jp/
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2008-05-10 【カフェ】 | 固定リンク
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