おいしいおいしい甘味処『あんみつ みはし』。(台東区)

東京駅構内を歩いていた平日のある日、ふっと見つけたサラリーマンの大行列。その先にあったのは、『あんみつ みはし』という看板――どうやら甘味処らしいので、私も列に加わり、あんみつを食べ、相席になった人たちと「おいしいですね。疲れがとれますね」なんてお話したのは、かれこれ1年前。
ちょうど取材をする機会があり、上野にある本店を訪れた際、広報を担当している出利葉(いでりは)さんから「今度はぜひ、桜の季節にだけ登場する“桜のアイス”を召し上がってください」と甘いささやきが。その言葉に誘われるように、3月14日に再度伺ってきました。その日は、今春咲いた桜の花の塩漬けを使った「桜のアイス」(480円)が、今年初めてメニューに載った日。一番のりで、できたてのほやほやを味わってきました。
ところで、昭和23年創業の『あんみつ みはし』は、空襲のせいで丸焼けになった復興直後の上野に誕生したお店。上野広小路から寛永寺への参道を横切る川にかけられた3つの橋にちなんで“みはし”と名づけられたのだそう。
飛行機はもちろん、新幹線も開業していない頃から、“北の玄関口”として栄えた上野界隈で、長い間、伝統と歴史を伝えてきた老舗です。
十勝で採れた選りすぐりの豆を、火の通りが均一になるからふっくら仕上がる銅釜で炊く小豆あん、沖縄の離島・波照間島産の黒糖を使った、コクがあってまろやかな味わいのみつ、伊豆諸島産の天草をブレンドしてこしらえた寒天、もちもちっとした作りたての白玉……器に盛られた「白玉あんみつ」(¥530)の要素の、どれが主張するわけでなく、すべてがまぁるく合体、やさしいおいしさとなって口いっぱいに広がります。これに、今の時季ならではの「桜のアイス」(+¥130・4月下旬までの展開)をトッピング。花びらから抽出した淡いピンクの色合いと、桜独特の豊かな風味、甘さと塩気のバランス……アイスひとつでこんなに幸せになれるものか、と不思議になってしまうほど魅力的な味わい。おまけに、あんみつと組み合わせることで、そのうまみが十二分に膨れ上がっていきます。
他にもたくさんのメニューがありますが、隠れた人気者は「小倉アイス」(¥380)だそう。“立て回し”と呼ばれる昔ながらの製法で作るそれは、ふっくら炊いた小豆をたっぷり使った口溶けのよいアイス。パリパリに焼き上げた最中の皮ではさむのもまた、おいしい食べ方なのだそう。
着席したときにいただけるおいしいお茶(これは、裏手にある「君野園」さんが作ってくれる“みはしのあんみつに合うお茶”)、朗らかな接客(マニュアルはなく、2代目であるお店のご主人はよく「下町ならではの、自分らしさが出るような接客を」と言うのだとか)、おいしい甘味(“みはし”のあれこれを食べたあと、満たされた気持ちになるのはなぜなんでしょう?)など、お店のあちこちにリピートしたくなる要素がいっぱい詰まっています。
その理由にも通じるエピソードをひとつ。『あんみつ みはし』には“おやつ制度”なる、従業員は全員、休憩時間に好きなメニューをひとつ注文してよい、というすてきなルールがあるのだとか。うらやましいのはもちろんですが、その裏には自分のお店の味を知り尽くすことで、味のブレなどを修正するという役割もあるそう。ちょっといい話だし、こういうお店なら信頼して通いたいと思います。
住所 東京都台東区上野4の9の7
電話 03(3831)0384
営業時間 10時30分~21時30分(21時LO)
休み 不定休
http://www.mihashi.co.jp/
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2008-03-22 【カフェ】 | 固定リンク
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